2022年5月20日
「テレワークの悩みとは」持続可能なテレワークを考える
記事の調査概要
調査方法:インターネット調査
調査対象:20歳〜65歳のテレワーク/リモートワークを経験したことがあるワーキングパーソン男女1035名
調査対象:2021年9月27日〜9月30日
終息の見通しが立たないまま、早くも3年目を迎えたコロナ禍。緊急対応策として一気に普及したテレワークは、新たな働き方の一つとして定着しつつあります。
しかし、その一方で、テレワークが長期化、一般化してきた故の新たな問題点も生まれているようです。そこで、今回はテレワークにまつわるストレスについて、最新の調査結果をご紹介します。これからもストレスなく、快適なテレワークを続けていくためには、どのようなことに目を向け、改善していく必要があるのでしょうか。
9割以上がコロナ禍後も引き続きテレワークを希望
コロナ禍の終息がいつになるかは依然として不透明ですが、仮に終息を迎えたとしても、働き方が完全にコロナ禍以前に戻ることはなさそうです。
2021年の調査によると、テレワークを体験した方の実に9割以上の方が引き続きテレワークを希望していることがわかります。また、企業の側も、今後、全員が同時に出社することはないのを前提としたオフィスの縮小や、個人の座席を固定しないフリー・アドレス制の導入を進めるケースが増えています。
テレワークの普及はコロナ禍と関係なく、より一層加速していくものと考えられます。
3年目のテレワーク
増えたストレスとは……
一方で「テレワークになってストレスを感じていますか」というアンケートにおいて、2020年の調査結果と2021年の調査結果を比べてみた結果、下記のような調査結果が浮かび上がってきました。
2020年
2021年
「ストレスを感じている」「どちらかといえば、ストレスを感じている」と回答された男性は2020年から2021年のあいだに5%程度、女性は10%程度増加しています。
その原因を探ってみると、やはり前年より増えてしまったものがいくつか見受けられるようです。これらのなかから代表的なものをみていきましょう。
2020年
2021年
仕事とプライベートの区別ができない 男性61.1% 女性60.3%
60%を超える方がストレスを感じると訴えたのが「仕事とプライベートの区別ができない」という点。2020年の調査では、男性が53%、女性が54.6%であったものから、5%以上回答が増加しています。
そもそも、“場所”の違いによって、否応なく切り分けられるオフィスワークと違い、テレワークは仕事とプライベートの区別があいまいになりがち。それでも、始まった時点では、ある種の緊張感があったものが、慣れてくるにつれて、よりあいまいになってしまった面は否めないでしょう。
長時間労働になっている 23.8%
男性を中心に増えているのが、労働時間にまつわるストレス。
こちらは男性のみではありますが少しずつ増加しています。
テレワークにおける長時間労働は、いわゆる“残業”だけにとどまりません。自宅であれば、一旦、仕事を終えても、すぐに再開することができてしまいます。終業時間後、夕食や家事を済ませてから、また仕事に戻る、あるいは、早起きして、始業時間前から仕事を始める、といった話もよく聞かれるようになりました。
また、「時間内に収めよう」という意識が低下したことで、集中力、緊張感が削がれ、結果、こなしている作業量は変わらないのに、労働時間ばかりが長くなっていく悪循環に陥っていることもあります。
上司、同僚とのコミュニケーションが取りづらい 男性40.2% 女性41.6%
テレワークが長期化、一般化したことで、より見過ごせなくなったのが、コミュニケーションにまつわるストレスです。
特に、新たな職場環境で働く人や、それを受け入れる会社の先輩・上司は、これまでと異なるコミュニケーション課題に直面しているようです。
コロナ禍、テレワークであっても、入社、退社といった人の出入りは通常通り存在します。テレワークの多い会社では、入社してから一度も上司、同僚と顔を合わせていない、逆に、誰にも会えないまま退職を迎えたといったことも珍しくありません。面識のない相手とコミュニケーションを取り、信頼関係を構築するのは、想像以上にハードルが高いものです。
それまで対面で仕事をしていたチームでテレワークに移行するのと、最初からテレワークでスタートするのとでは、異なるノウハウが必要といえるでしょう。
ストレスがないからこそ長く続けられる!
持続可能なテレワーク体制を目指そう
コロナ対策の一環として急速に広まったテレワークですが、今や、単なる緊急対応策ではなく、新たな働き方の一つとして定着しつつあります。しかし、実際には、充分に検討されることなく、なし崩し的に決まってしまったルールや、いまだ明確なルールが存在せず“何となく”おこなわれている習慣が多数存在し、それらがストレスを生む原因となっています。
しかし、裏を返せば、会社、スタッフ双方の努力によって、改善していく余地が多くあるともいえるのではないでしょうか。まだ歴史の浅いテレワークに“正解”はありません。「ここが不満」、「こうして欲しい」といった要望を積極的に発信していくことこそ、お互いにストレスのないテレワークを実現する第一歩。上で挙げたような問題にもしっかりと向き合って、持続可能なテレワーク体制の構築に努めたいものです。
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