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記事の調査概要

調査方法:インターネット調査

調査対象:20歳〜65歳のテレワーク/リモートワークを経験したことがあるワーキングパーソン男女1001名

調査対象:2024年4月26日〜4月30日

働き方改革の一環として、少しずつ定着してきたリモートワーク。
時間や場所を有効活用できるという利点がある一方、対面でのコミュニケーションを重視する企業の中には、オフィス回帰の流れを進めているところもあります。

日々働き方や価値観がアップデートされていく中で、今回は改めて、リモートワークのメリットとデメリットについて調べてみました。
コロナ直後に調査した内容と比較して、ワーキングパーソンのみなさんが過ごす日常はどのように変化したのでしょうか?

リモートワークのメリット、昔と今はどう違う?

テレワーカーのみなさんに「リモートワークのメリットは何ですか」と聞いた結果は下記の通りです。

Q.リモートワークのメリットは何ですか?

みなさんがメリットとして感じているのは、

  • 1位:通勤でのストレスがなくなった(68.9%)
  • 2位:プライベート時間が充実した(44.8%)
  • 3位:睡眠時間が増えた(31.5%)
  • 4位:人間関係のストレスがなくなった(27.9%)
  • 5位:家事や育児、介護など、家の用事に時間が作れるようになった(24.4%)

という結果となりました。

この結果を踏まえて、男女別の結果を見てみましょう。

(男性)

  • 1位:通勤でのストレスがなくなった(65.8%)
  • 2位:プライベート時間が充実した(43.8%)
  • 3位:睡眠時間が増えた(31.5%)
  • 4位:人間関係のストレスがなくなった(21.8%)
  • 5位:仕事に集中できるので生産性があがった(21.4%)

(女性)

  • 1位:通勤でのストレスがなくなった(72.3%)
  • 2位:プライベート時間が充実した(45.8%)
  • 3位:人間関係のストレスがなくなった(34.4%)
  • 4位:睡眠時間が増えた(31.5%)
  • 5位:家事や育児、介護など、家の用事に時間が作れるようになった(30.4%)

1位から4位までは男女ともに同じですが、5位以降に違いが出ているようです。
男性の5位は「仕事に集中できるので生産性があがった(21.4%)」となった一方で、女性の5位は「家事や育児、介護など、家の用事に時間が作れるようになった(30.4%)」でした。
男性は仕事面、女性は家庭面でのメリットを特に重視しているようですね。

更に年代別に調べてみると、下記のような結果となりました。

20代

  • 1位:通勤ストレス 58.3%
  • 2位:プライベート時間 45.1%
  • 3位:睡眠時間 30.9%
  • 4位:人間関係 20.6%
  • 5位:仕事に集中 17.7%

30代

  • 1位:通勤ストレス 66.5%
  • 2位:プライベート時間 53.0%
  • 3位:睡眠時間 35.0%
  • 4位:人間関係 32.5%
  • 5位:仕事に集中 29.5%

40代

  • 1位:通勤ストレス 69.2%
  • 2位:プライベート時間 46.4%
  • 3位:人間関係 34.0%
  • 4位:睡眠時間 31.6%
  • 5位:家事育児 29.2%

50代

  • 1位:通勤ストレス 76.0%
  • 2位:プライベート時間 40.4%
  • 3位:睡眠時間 28.5%
  • 4位:家事育児 28.1%
  • 5位:人間関係 25.1%

60代

  • 1位:通勤ストレス 72.5%
  • 2位:プライベート時間 35.8%
  • 3位:睡眠時間 33.0%
  • 4位:家事育児 24.8%
  • 5位:人間関係 23.9%

20代から60代まで、やはり大きな違いはない様子。
ですが年代が上がっていくにつれ、「家事や育児、介護など、家の用事に時間が作れるようになった」ことをメリットに感じる方が増えていくようです。

リモートワークに感じるデメリット、以前とくらべてどんな変化が?

上記と同様に、テレワーカーのみなさんに「テレワークのデメリット」についてお尋ねした結果は下記の通り。

Q.リモートワークのデメリットは何ですか?
  • 1位:仕事とプライベートが区別できない(39.1%)
  • 2位:上司、同僚とのコミュニケーションが取りづらい、減った(36.5%)
  • 3位:光熱費など自己負担額が増加してしまった(26.3%)
  • 4位:社内の情報、ノウハウの共有が難しい、少なくなった(22.3%)
  • 5位:仕事の評価がどうされているのか不透明(16.0%)

この結果を男女別に見てみると、次のようになります。

男性

  • 1位:仕事とプライベートが区別できない(40.0%)
  • 2位:上司、同僚とのコミュニケーションが取りづらい、減った(37.6%)
  • 3位:社内の情報、ノウハウの共有が難しい、少なくなった(24.9%)
  • 4位:光熱費など自己負担額が増加してしまった(22.6%)
  • 5位:仕事の評価がどうされているのか不透明(15.6%)

女性

  • 1位:仕事とプライベートが区別できない(38.1%)
  • 2位:上司、同僚とのコミュニケーションが取りづらい、減った(35.2%)
  • 3位:光熱費など自己負担額が増加してしまった(30.2%)
  • 4位:社内の情報、ノウハウの共有が難しい、少なくなった(19.5%)
  • 5位:特になし(17.0%)

1位から4位までは男女ともに同じ項目がランクインしています。
5位も含めて見てみると、男性は自身の評価を気にするなど、仕事面でのデメリットを感じている様子。
対する女性は5位に「特になし」がランクインしており、男性よりもリモートワークにデメリットを感じていないという結果になりました。他にも女性は「光熱費の問題」が3位に入るなど、仕事以外の総合的な面でデメリットを感じることが多いようです。

過去の調査結果と比べてみると、「仕事とプライベートが区別できない」が1位なのは変わらず。
ですが2020年には男性45.16%、女性38.92%だったのに対し、2024年には男性40.0%、女性38.1%と、デメリットに感じる度合いは減少しています。リモートワークが新しい働き方として浸透し、みなさんのライフスタイルが確立された結果なのかもしれませんね。

その他、「インターネット回線が不安定でストレスになる」「家族の目が気になる」などの項目に関しても、デメリットと感じる度合いは減少しています。
回線や仕事環境などが整備されていった結果、リモートワークに感じる不満も少しずつ解消されているようです。

続いて年代別に見てみましょう。

20代

  • 1位:上司、同僚とのコミュニケーションが取りづらい、減った 31.4%
  • 2位:仕事とプライベートの区別ができない 26.9%
  • 3位:特になし 21.7%
  • 4位:社内の情報、ノウハウの共有が難しい、少なくなった 18.9%
  • 5位:光熱費などの自己負担額が増加してしまった 17.7%

30代

  • 1位:仕事とプライベートの区別ができない 40.0%
  • 2位:上司、同僚とのコミュニケーションが取りづらい、減った 35.5%
  • 3位:光熱費などの自己負担額が増加してしまった 25.5%
  • 4位:仕事の評価がどうされているのか不透明 22.5%
  • 5位:社内の情報、ノウハウの共有が難しい、少なくなった 21.0%

40代

  • 1位:仕事とプライベートの区別ができない 43.2%
  • 2位:上司、同僚とのコミュニケーションが取りづらい、減った 38.4%
  • 3位:光熱費などの自己負担額が増加してしまった 22.0%
  • 4位:社内の情報、ノウハウの共有が難しい、少なくなった 20.0%
  • 5位:長時間労働になりがち 17.6%

50代

  • 1位:仕事とプライベートの区別ができない 41.9%
  • 2位:上司、同僚とのコミュニケーションが取りづらい、減った 38.6%
  • 3位:光熱費などの自己負担額が増加してしまった 32.2%
  • 4位:社内の情報、ノウハウの共有が難しい、少なくなった 24.0%
  • 5位:特になし 14.2%

60代

  • 1位:仕事とプライベートの区別ができない 40.4%
  • 2位:上司、同僚とのコミュニケーションが取りづらい、減った 36.7%
  • 3位:光熱費などの自己負担額が増加してしまった 36.7%
  • 4位:社内の情報、ノウハウの共有が難しい、少なくなった 31.2%
  • 5位:特になし 14.7%

ここで注目すべきは「特になし」の項目。
出社経験にも慣れた30代、40代は「特になし」が上位5位に入っていませんが、20代ではなんと3位にランクインしています。
働き始めたときからリモートワークという選択肢があった20代に対し、30代以上のワーキングパーソンはオフィス勤務が当たり前だと考えていた方も多いはず。今までに経験したことのない働き方だからこそ、デメリットも多く感じやすくなっているのかもしれません。

メリット・デメリットを見極めて、より効率的なリモートワークの導入を!

テレワークの導入には、コストの削減や業務の効率化など、企業側にも多くのメリットがあります。地方や海外在住者など、これまでアプローチすることのできなかった優秀な人材の採用にも繋がるでしょう。
多様な働き方を提示することで、人材の定着率を向上させる効果も見込めます。

ですがリモートワークという働き方を取り入れることで、これまでのライフスタイルが大きく変化することも確か。働き手が何に満足し、何を不満に思うのかをしっかりと把握する必要があります。

社会環境も少しずつ変化し、回線状況や情報共有の方法など、以前は大きなデメリットと思われていた部分も少しずつ改善が進んでいるようです。
企業側のみなさんも今回の私たちの調査結果を参考に、メリットとなる点は享受しつつ、デメリットはできる限り回避するなど、柔軟に対応しながらリモートワークの導入を進めてみるのはいかがでしょうか。
きっと、企業と働き手の双方が満足できる、そんな新しい働き方になるはずです!

影山綾子

影山綾子

\記事のエビデンスとしてイラストやグラフを転載OK/

・ライター、メディア、新聞社の強い味方

・在宅勤務に関する情報発信メディア:テレワーク
・リモートワーク総合研究所
・年4回の市場調査。ご要望に合わせて設問の用意可能。

・運営:株式会社LASSIC(ラシック)

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