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記事の調査概要

調査方法:インターネット調査

調査対象:20歳〜65歳のテレワーク/リモートワークを経験したことがあるワーキングパーソン男女1044名

調査対象:2023年11月10日〜11月13日

近年、急速な円安が進み、数十年ぶりの円安・ドル高が進行しています。その影響は実生活にも及んでいる方もいるようで、このまま円安が進行し続ければ「給料が上がらないのに物価だけは上昇し続ける」という、いわゆるスタグフレーションを起こすと言われています。そうなってしまった場合、日常生活に多大な影響を及ぼしかねません。

このような状況を背景に、一時期話題になったのが海外企業でのリモート勤務です。止まらない円安傾向という状況において、外貨による給料アップは非常に魅力的。一方で「海外はハードルが高いかも」と思われる方がいるのも事実です。
そこで今回は、日本に居ながらにして給料の大幅アップの可能性もある海外企業でのリモート勤務について、リモートワーカーの興味・関心を調査しました!

約半数が海外企業に関心を寄せている!?

まず、リモートワーカーの皆様を対象に「給与UPが大幅に見込める海外企業へのリモート勤務」について、どれほど関心を寄せているのかアンケート調査を行いました。その結果は以下の通りです。

【図1】給与UPが大幅に見込める海外企業へのリモート勤務が話題ですが、あなたはどう思いますか。

【図1】の結果を見ると、「海外企業にリモート勤務したい」と回答した方は合計で26.2%、また「興味がある」と回答した方を含めると、全体の48.6%の方が海外企業へのリモート勤務に興味関心があるという結果になりました。
その一方で、「海外企業に興味はない」や「日本語で勝負したい」と回答した方の合計は51.3%。約半数の方が「興味・関心を寄せている」という結果になったことが分かります。
では、それぞれ関心を寄せている皆さんの年代はどのような分布となっているのでしょうか。

【図2】年齢分布

年代別で見てみると「勤務したい」と回答した26.2%は20代から30代の若手が多い傾向にあります。反対に「興味なし」「日本語で勝負したい」と回答した51.3%は40代以降のシニア層が多い傾向にあるようです。
以上のように、まだ勝負できる年齢の若手の方が海外企業への挑戦に興味があるという結果がでました。ですが、その動機となるのは前述の通り給与のアップだけなのでしょうか。

海外に挑戦したい若手のモチベーションは?

海外企業への挑戦に積極的な方とそうでない方には、「実力主義」や「安定志向」など、仕事に対する考え方にはどのような違いがあるのでしょうか。下記の【図3】では「会社に愛着を持つ要因」についてアンケートを実施し、更なる深掘りを行いました。

【図3】あなたの会社に愛着を持つ・高まる要因はどのようなものですか?

上記の結果から会社への愛着を生む要因のなかにおいて、総合的には「給与面」が最も重視されていることが分かります。ですが、それだけではなく海外企業でのリモート勤務をしたいと回答した「積極的な人」と興味がないと回答した「消極的な人」における特徴の大きな違いは、積極的な方のほうがより「自由なワークスタイルでの仕事」を重視されている傾向がある、ということが分かります。特に「英語に自信があり挑戦したい」と回答した積極的な方と「興味がない」と回答した方を比較してみると、その差は23.6%もの開きがありました。

また、積極的な方よりも消極的な方のほうが安定志向についての要素が強く、人間関係を重視する傾向が強く出ていることが分かり、実力主義よりも安定志向の傾向にあることが分かります。

このような結果から、安定志向であれば日本企業で勝負したいという方は日本企業での勤務を、実力主義の世界で自由に力を発揮したいというタイプの方が海外企業で働くことに積極的であるというデータを得ることができました。

最初の壁は文化よりも時間の壁!?

アンケート調査の結果から、海外で挑戦したいと考えている人は主に若い層に多いのは上の世代に比べて英語教育が一般的になったことが強い要因であるともいえます。海外で働くうえで一番の壁になると思われていた言語の問題は英語に触れる機会が多くなった若い世代にとっては、案外低い壁なのかもしれません。また、前述の通り直接海外に住むわけではないということもあって、リモートでの海外企業勤務においては文化や居住といったハードルもある程度現実的なものとなっています。

ですが、一方で海外企業の勤務において……特にリモートにおける最大の壁となるのは「時差」ではないでしょうか。
例えば、ヨーロッパや北米の企業が稼働している時間は日本における夜中の時間になります。日本からリモート勤務を行うと仮定した場合、日中に寝て、深夜に働くという昼夜逆転生活が発生することになります。若いうちであればそういった時差にも対応できるかもしれませんが、健康状態が気になってしまうところです。

では、そういった時差の問題を解決するためにはどのような工夫が必要になってくるのでしょうか。

北米やヨーロッパの企業でどうしても働きたいと考えるのであれば「強引に昼夜逆転を覚悟する」というのもひとつの方法ではありますが、まずは日本に対象の会社の支社がないかを探ってみましょう。あるいは企業との交渉になりますが「本社のオフタイムに作業ができる人員」であることをアピールして、最初から「北米やヨーロッパにおける深夜に働くワーカー」になれる契約をして仕事を獲得すること。最初に「どのような仕事を」「どのような時間にやるか」という仕事の基本的な部分を明らかにしておくことは、海外の企業だけに限らず、日本の企業においても変わりません。そういった契約時の交渉で、ワーカーのみなさんがベストな仕事をできるように交渉することが何よりも重要です。

また「海外で仕事をしてみたいが、会社は北米やヨーロッパの会社とは限らない」というワーカーの方は、いっそのこと時差の少ないオーストラリアやシンガポールの企業にリモート勤務をすることで解決するかもしれません。

日本での生活と海外への挑戦、良いとこ取りのリモートワーク!

以上のように、今回は海外企業の仕事を日本でリモートワークという形で行う、新時代の海外勤務について調査を行いました。

円安で景気が悪くなったとしても、治安や衣食住という生活環境面……また、これまで築き上げてきた友人関係などを置いて海外に行くという行動は非常にリスクも高いのは確かです。
そんななか、リモートワーク・テレワークの定着によって「住み慣れた日本にいながら海外企業の仕事を獲得し、勤務する」という新しい働き方が登場し、日本企業だけではなく海外の企業も選択肢に加わったグローバルな働き方をするきっかけとなったのは間違いないでしょう。もし、これを見ていて海外企業への憧れがあるようでしたら、動き出すのは逆境に陥っている今なのかもしれません!

影山綾子

影山綾子

\記事のエビデンスとしてイラストやグラフを転載OK/

・ライター、メディア、新聞社の強い味方

・在宅勤務に関する情報発信メディア:テレワーク
・リモートワーク総合研究所
・年4回の市場調査。ご要望に合わせて設問の用意可能。

・運営:株式会社LASSIC(ラシック)

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