テレワーク・リモートワーク総合研究所

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記事の調査概要

調査方法:インターネット調査

調査対象:20歳〜65歳のテレワーク/リモートワークを経験したことがあるワーキングパーソン男女1,009名

調査期間:2025年11月27日~11月28日

出社回帰の波が止まらない。海外ではAmazon、Google、アクセンチュアといったグローバル企業が相次いで出社日数を引き上げ、国内でもLINEヤフーやメルカリが方針を転換した。Job総研の2025年調査(*1)では、回答者の51.9%が、職場で「出社回帰がある」と回答している。

Gartnerによる2025年調査(*2)でも、日本企業でリモートワークを「まったく実施していない」割合がコロナ禍中の12.6%から22.6%に増加したことが分かっている。

このまま出社回帰が進むとどうなるのだろうか――。

それを知る手がかりとして、テレリモ総研は、全国のリモートワーク経験者1,009人を対象に、出社回帰への反応やリモートワークに対する意識を調査した。

出社回帰で20〜40代は6割以上が転職検討

「勤務先がリモートワークから出社方針へ転換したら、転職を検討するか」。この問いに対し、転職を検討すると回答した人は全体の51.8%(n=1,009)だった。2人に1人が出社回帰を転職のトリガーとして意識している計算になる。

年代別に見ると、次のようになった。

図1|年代別「出社回帰時の転職検討率」

Q8. 勤務先がリモートワークから出社方針へ転換したら、転職したくなるか?(択一)

20代
n=184
68.5%
30代
n=200
63.5%
40代
n=197
65.5%
50代
n=315
33.3%
60代
n=110
30.9%

※「週1日でも出社が必要になれば転職を検討する」〜「完全なフル出社になれば転職を検討する」の合計

出典:テレリモ総研「働き方と転職意識に関する調査」(2025年)n=1,009

20代は68.5%、30代は63.5%、40代は65.5%と、いずれも6割を超えた。一方、50代は33.3%、60代は30.9%で、約3割にとどまる。20代と50代の間には35.2ポイントの差が開いており、40代と50代の間に明確な断層が走っている。

20代・30代の半数以上が「仕事選びでリモートワーク可を重視」

「あなたにとって、『リモートワークができること』は、仕事や転職先を選ぶうえでどの程度重要だと思いますか。」と聞いたところ、「最も重要」または「非常に重要」と回答した割合は、20代で56.0%、30代で52.5%と、いずれも過半数に達した。
40代は45.7%で半数に迫る。
50代は29.8%、60代は30.9%で約3割にとどまり、ここでも40代までと50代以降で大きく差がつく結果となった。

図2|年代別「仕事選びでリモートワーク可を重視する割合」

Q7. あなたにとって、「リモートワークができること」は、仕事や転職先を選ぶうえでどの程度重要だと思いますか。(単一)

20代
56.0%
30代
52.5%
40代
45.7%
50代
29.8%
60代
30.9%

※「最も重要」+「非常に重要」の合計

出典:テレリモ総研「働き方と転職意識に関する調査」(2025年)n=1,009

20〜30代の過半数が、転職先を選ぶ際にリモートワークの可否を「重要」と位置づけている。

続いて、「Q6. 転職活動をするときに、同じ仕事内容ならリモートワーク(ハイブリッド含む)できる企業を選択しますか?」と聞いてみたところ、以下のような結果となった。

図3|転職活動における「リモートワーク企業への優先選択率」

Q6. 転職活動をするときに、同じ仕事内容ならリモートワーク(ハイブリッド含む)できる企業を選択しますか?(択一回答)

同じ給料ならリモートワークを選ぶ
53.6%
多少下がってもリモートワークを選ぶ
11.9%
大きく下がってもリモートワークを選ぶ
4.4%
仕事内容次第で出社でもいい
12.8%
リモートワークかどうかは影響しない
17.0%

出典:テレリモ総研「働き方と転職意識に関する調査」(2025年)n=1,009

「転職の際、同じ給料ならリモートワーク可能な企業を選ぶ」と回答した人は全体の53.6%。
これに、さらに「『多少給料が下がっても』『大きく下がっても』リモート可の企業を選ぶ」と回答した層を合わせると、69.9%──約7割がリモートワークを重視して次の職場を選ぼうとしている。

年代別で見てみよう。

図4|【年代別】転職活動における「リモートワーク企業への優先選択率」

Q6. 転職活動をするときに、同じ仕事内容ならリモートワーク(ハイブリッド含む)できる企業を選択しますか?(択一回答)

20代
79.3%
30代
74.5%
40代
77.2%
50代
59.4%
60代
63.6%

※「同じ給料なら選ぶ」「多少給料が下がっても選ぶ」「大きく下がっても選ぶ」の合計

出典:テレリモ総研「働き方と転職意識に関する調査」(2025年)n=1,009

全世代において半数を超え、20代に至っては8割近くが「給料が同等か下がってもリモート可を選ぶ」を選択する結果となった。この設問でも、50代から割合がぐっと下がる傾向が見える。

「出社回帰するなら転職を考える」その理由は

出社回帰によって転職を検討する人たちが、なぜ転職を検討するのか。その理由を見てみよう。

「出社回帰で転職を検討する」と回答した523人に、その理由を尋ねたところ、1位は「趣味や副業など、多様なライフスタイルを楽しむ時間を確保したいから」で37.7%だった。「通勤時間を家族との時間や自己研鑽に充てたいから」が35.6%で2位、「満員電車のストレスから解放され、心身の健康が改善したから」が33.8%で3位と続く。

図5|出社回帰で転職を検討する理由(上位7項目)

Q8a. Q8で「転職したくなる」と回答した方は、その理由を教えてください。

多様なライフスタイルを楽しみたい
37.7%
通勤時間→家族・自己研鑽時間へ
35.6%
満員電車ストレスからの解放
33.8%
高い生産性の維持
27.0%
不要な雑談・付き合いの回避
25.2%
経済的負担回避
24.5%
家事・育児・介護との両立
22.0%

※複数回答のため、合計は100%を超えます。

出典:テレリモ総研「働き方と転職意識に関する調査」(2025年)n=523(転職検討者)

上位2項目は「通勤がなくなったことで得た時間の使い方」に関わるものである。リモートワークを前提に築いたライフスタイルを手放したくないという意識が、転職検討の背景にあるようだ。

図5-補足|出社回帰で転職を検討する理由(年代別・上位7項目)

Q8a. Q8で「転職したくなる」と回答した方は、その理由を教えてください。(年代別)

20代 30代 40代 50代 60代
20代
44.4%
30代
44.9%
40代
38.8%
50代
24.8%
60代
23.5%
20代
35.7%
30代
37.8%
40代
32.6%
50代
38.1%
60代
32.4%
20代
24.6%
30代
26.8%
40代
38.8%
50代
47.6%
60代
35.3%
20代
17.5%
30代
21.3%
40代
33.3%
50代
18.1%
60代
11.8%
20代
27.8%
30代
20.5%
40代
31.8%
50代
25.7%
60代
29.4%
20代
27.0%
30代
22.0%
40代
27.1%
50代
23.8%
60代
26.5%
20代
26.2%
30代
22.8%
40代
31.0%
50代
18.1%
60代
17.6%

※複数回答のため、合計は100%を超えます。

出典:テレリモ総研「働き方と転職意識に関する調査」(2025年)n=523(転職検討者)

40代では「家事や育児、介護との両立が難しくなるから」が33.3%で、全年代中で最も高く、3番目に多い回答となった(他の世代では6位以下)。

出社回帰の影響が通勤や業務だけでなく、生活基盤にも及ぶことがよく分かる。

なぜ世代間に差が生じているのか

20〜40代で6〜7割、50代以上で約3割。この大きな差はどこから来るのか。本調査では因果を特定することはできないが、いくつかの背景が推測できる。

一つは、生活設計における世代差である。20〜30代はコロナ禍にキャリアの初期を過ごした。住居・居住地の選択、家族との時間配分、副業の開始──こうした重要な意思決定を「リモートワークがある前提」で積み重ねてきた可能性がある。転職検討率の高さは、働き方の変更が及ぼす影響の強さを映しているのかもしれない。

もう一つは、転職市場における選択肢の多寡である。20〜30代は転職市場での需要が最も高い。一方で、50代以降は転職のハードルが高まるため、不満があっても「留まる」を選びやすい。転職検討率の差は、意識の差だけでなく、選択肢の差を反映している可能性がある。

「柔軟性」が人材戦略の分水嶺になる

企業の人事・経営層にとって、出社回帰で20〜40代の6割超が転職を検討するというデータは見過ごせないだろう。

不本意に人的資本を失わないために、できることは何か――?

同じ1,009人に「あなたの会社が、働き方に関してより良くなってほしいと思う点を教えてください。」と尋ねたところ、最多の42.5%が「個人の事情に合わせた柔軟な働き方を選べるようにしてほしい」を選び、2位「在宅勤務と出社のバランスを自分で調整できるようにしてほしい」も35.2%であった。

図6|「働き方改善への期待項目」上位5位

Q9. あなたの会社が、働き方に関してより良くなってほしいと思う点を教えてください。(複数回答)(上位5項目)

個人の事情に合わせた柔軟な働き方を
選べるようにしてほしい
42.5%
在宅・出社のバランスを
従業員自身が調整できるようにしてほしい
35.2%
生産性とワークライフバランスを
重視してほしい
19.3%
業務のデジタル化・オンライン化を
もっと進めてほしい
17.5%
リモート環境でも快適に仕事できる
ツール・設備を整備してほしい
16.7%

※複数回答のため、合計は100%を超えます。

出典:テレリモ総研「働き方と転職意識に関する調査」(2025年)n=1,009

求められているのは「フルリモートか、フル出社か」の二択ではなく、個人が自分に合ったバランスを選べる余地である。一律の出社方針ではなく、リモートワークという選択肢も残す設計が、人材の流出を抑える鍵になりうる。

転職を考える個人においては、リモートワークが自身の生活設計とキャリアにとって「あれば嬉しい条件」なのか、「なければ成立しない前提」なのか。優先順位を言語化しておくと良いのではないだろうか。


*1 JOB総研の調査名、(2025年)、https://jobsoken.jp/info/20250127/

*2:Gartner「日本企業におけるリモートワークの実施状況」(2025年4月調査)、https://www.gartner.co.jp/ja/newsroom/press-releases/pr-20250731-remote-work

影山綾子

影山綾子

\記事のエビデンスとしてイラストやグラフを転載OK/
・ライター、メディア、新聞社の強い味方
・在宅勤務に関する情報発信メディア:テレワークリモートワーク総合研究所
・年4回の市場調査
・ご要望に合わせて設問の用意可能
・運営:株式会社LASSIC(ラシック)
・イラスト:ねじまきデザイン製作所

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