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記事の調査概要

調査方法:インターネット調査

調査対象:20歳〜65歳のテレワーク/リモートワークを経験したことがあるワーキングパーソン男女1,009名

調査期間:2025年11月27日~11月28日

テレリモ総研は、全国のリモートワーク経験がある20〜60代の就業者1,009名を対象に「職場での不調要因と価値観の変化に関する調査」を実施した。職場の人間関係における心身の不調の種として最も多く挙げられたのは「必要なコミュニケーションが取りづらく孤立感を感じること」(22.2%)で、リモートワーク経験を経た価値観変化を尋ねた結果では「一人で集中し自分のペースを大切にしたくなった」が39.0%で1位となった。出勤形態別では、フルリモート層の同項目が51.9%に達し、フル出社層(33.1%)との差は18.8ポイントであった。

職場の人間関係における「不調の種」の全体像

リモートワーク経験者1,009名に「上司・同僚など職場の人間関係において、“心身の不調の種”になりやすいと感じるきっかけや状況を教えてください」と聞いたところ、「必要なコミュニケーションが取りづらく孤立感を感じること」が22.2%で最も高かった(図表1)。「上司の細かな進捗確認や頻繁な声かけ、常時監視されている感覚」が20.4%、「オフィス内の派閥や人間関係の複雑さ」(以下、派閥・人間関係)が20.3%と続く。

4位以降は「テキストコミュニケーションでの誤解やニュアンスの伝わりにくさ」(19.3%)、「部署やチーム内での情報共有が滞り、仕事の進行に支障が出る」(18.6%)となっている。

上位項目を分類すると、対人ストレス系と情報伝達系の2系統が上位を占めていることがわかる。

図表1:職場の人間関係における不調の種

Q2. 上司・同僚など職場の人間関係において、"心身の不調の種"になりやすいと感じるきっかけや状況を教えてください。(複数回答) n=1,009

  • 1必要なコミュニケーションが取りづらく孤立感を感じること
    22.2%
  • 2上司の細かな進捗確認や頻繁な声かけ、常時監視されている感覚
    20.4%
  • 3オフィス内の派閥や人間関係の複雑さ
    20.3%
  • 4テキストコミュニケーションでの誤解やニュアンスの伝わりにくさ
    19.3%
  • 5部署やチーム内での情報共有が滞り、仕事の進行に支障が出る
    18.6%
  • 6チームの一体感や所属意識が感じにくいこと
    16.0%
  • 7休憩や退勤のタイミングで周囲の目が気になること
    15.4%
  • 8表情や態度から相手の機嫌を過度に気にしてしまうこと
    14.6%
  • 9自分のペースで人間関係の距離感を調整できないこと
    14.1%
  • 10会議や打合せの頻度が多すぎる、または参加の強制が多い
    14.0%
  • 11業務外の飲み会やランチ・休憩の誘いを断りづらい雰囲気
    12.8%
  • 12同僚の雑談や話し声が気になって集中できない状況
    12.7%
  • 13業務に関係ない雑用や頼まれごとを断りにくい状況
    11.5%
  • 14自分の意見やアイデアが対面でないため軽く扱われると感じる
    6.1%

出所:テレリモ総研「職場での不調要因と価値観の変化に関する調査」(2025年) n=1,009 複数回答

出勤形態別にみる「不調の種」の差異

出勤形態別にみると、不調の種として選択される項目の構成比は出勤形態によって異なるパターンを示している(図表2・図表3)。

フル出社層では「部署やチーム内での情報共有が滞り、仕事の進行に支障が出る」が24.6%と全出勤形態中最も高い。週2出社層(10.4%)との間に14.2ポイントの差がある。さらにフル出社層では「休憩や退勤のタイミングで周囲の目が気になること」が16.9%に上り、フルリモート層(8.8%)との差は8.1ポイントとなっている。

フルリモート層では「テキストコミュニケーションでの誤解やニュアンスの伝わりにくさ」が23.1%であり、フル出社層(15.1%)を8.0ポイント上回る。週3出社層(24.4%)もフルリモート層と同水準だったが、それを除けば、出社頻度が増えるに従い、割合が低くなる傾向が見えた。

週1出社層では「上司の細かな進捗確認や監視感覚」が28.1%と全形態中最も高かった。フル出社層(18.6%)との差は9.5ポイントとなった。

「必要なコミュニケーションが取りづらく孤立感を感じること」については、全形態で20〜24%台に位置しており、出勤形態による差は比較的小さい。

図表2:出勤形態別「不調の種」主要項目の構成比(複数回答)

Q2. 上司・同僚など職場の人間関係において、"心身の不調の種"になりやすいと感じるきっかけや状況を教えてください。(複数回答)

項目 フルリモート
(n=160)
週1出社
(n=96)
週2出社
(n=106)
週3出社
(n=127)
週4出社
(n=170)
フル出社
(n=350)
孤立感24.4%24.0%23.6%20.5%20.6%21.7%
上司の監視感覚20.0%28.1%23.6%18.1%20.0%18.6%
派閥・人間関係18.8%14.6%25.5%18.1%23.5%20.3%
テキスト誤解23.1%21.9%21.7%24.4%17.6%15.1%
情報共有の滞り18.1%15.6%10.4%17.3%14.7%24.6%
一体感の欠如19.4%17.7%18.9%14.2%12.9%15.1%
周囲の目8.8%20.8%16.0%10.2%18.8%16.9%

※赤色のセルは各行の最大値。出所:テレリモ総研「職場での不調要因と価値観の変化に関する調査」(2025年)

図表3:出勤形態間で差の大きい項目(上位5項目・ポイント差)

項目 最高値の形態 最高値 最低値の形態 最低値
情報共有の滞りフル出社24.6%週2出社10.4%14.2pt
周囲の目週1出社20.8%フルリモート8.8%12.0pt
派閥・人間関係週2出社25.5%週1出社14.6%10.9pt
上司の監視感覚週1出社28.1%週3出社18.1%10.0pt
テキスト誤解週3出社24.4%フル出社15.1%9.3pt

出所:テレリモ総研「職場での不調要因と価値観の変化に関する調査」(2025年)

リモートワーク経験による価値観変化の全体像

続いて、「リモートワークを経験したことで、あなたのビジネスにおける価値観や、ご自身の性格・考え方に変化はありましたか?」の回答をみると、「一人で集中し、自分のペースを大切にしたくなった」が39.0%で最も高かった(図表4)。「仕事と私生活のバランスを自分で整えたいと思うようになった」が35.4%と続く。

3位以降は「通勤など場所の制約に縛られない働き方を理想と感じるようになった」(23.4%)、「人との距離感を自分の意思で調整したいと感じるようになった」(20.7%)、「心と体の健康を守ることの大切さを以前より強く意識するようになった」(20.5%)となっている。

上位5項目のうち3項目は、自己決定(自分のペース・主体的なワークライフバランス・距離感の調整)に関する項目が占めている。「健康意識の向上」(20.5%)が5位に位置していることも確認できる。

図表4:リモートワーク経験による価値観変化(全体・複数回答)

Q3. リモートワークを経験したことで、あなたのビジネスにおける価値観や、ご自身の性格・考え方に変化はありましたか?(複数選択) n=1,009

  • 1一人で集中し自分のペースを大切にしたくなった
    39.0%
  • 2仕事と私生活のバランスを自分で整えたいと思うようになった
    35.4%
  • 3通勤など場所の制約に縛られない働き方を理想と感じるようになった
    23.4%
  • 4人との距離感を自分の意思で調整したいと感じるようになった
    20.7%
  • 5心と体の健康を守ることの大切さを以前より強く意識するようになった
    20.5%
  • 6対面の会話や空気感から得られる価値を改めて認識した
    17.8%
  • 7無駄を省き業務効率を最優先したいという意識が高まった
    17.5%
  • 8家族や自分の時間をより大切にしたいという思いが強くなった
    17.1%
  • 9働く場所の自由度が自分の働き方選択に大きく影響するようになった
    17.0%
  • 10自分の価値観や働き方のこだわりに向き合う時間が増えた
    16.4%
  • 11チームとのつながりや安心感の重要性をより強く感じるようになった
    14.5%
  • 12周囲への気配りやコミュニケーションの質を意識するようになった
    11.7%
  • 13合理的で筋の通った働き方を重視する価値観が強まった
    11.3%
  • 14プロセスより成果で評価されるべきだと考えるようになった
    6.8%

出所:テレリモ総研「職場での不調要因と価値観の変化に関する調査」(2025年) n=1,009 複数回答

出勤形態別にみる価値観変化の差異

価値観変化を出勤形態別にみると、複数の項目で出勤形態間に大きな差がみられる(図表5・図表6)。

「一人で集中し自分のペースを大切にしたくなった」は、フルリモート層で51.9%と過半数に達する。週1出社層44.8%、週2出社層43.4%、週3出社層40.2%と低下し、フル出社層では33.1%となっている。フルリモート層とフル出社層では18.8ポイントの差がある。

「心と体の健康を守ることの大切さを以前より強く意識するようになった」は、フルリモート層で30.0%であり、フル出社層(17.1%)との差は12.9ポイントであった。週1出社層(26.0%)も高い水準にある。

「仕事と私生活のバランスを自分で整えたいと思うようになった」は、週2出社層が44.3%で全形態中最も高く、フル出社層(30.0%)との差は14.3ポイントとなっている。

「人との距離感を自分の意思で調整したいと感じるようになった」は、フル出社層が14.3%と全形態中最も低い。週2出社層(26.4%)、週3出社層(25.2%)はフル出社層を10ポイント以上上回っている。

「対面の会話や空気感から得られる価値を改めて認識した」は、週2出社層(26.4%)と週3出社層(22.8%)で高い値を示している。フルリモート層・週4出社層は10.0%にとどまる。

図表5:出勤形態別「価値観変化」主要項目の構成比(複数回答)

Q3. リモートワークを経験したことで、あなたのビジネスにおける価値観や、ご自身の性格・考え方に変化はありましたか?(複数選択) n=1,009

項目 フルリモート
(n=160)
週1出社
(n=96)
週2出社
(n=106)
週3出社
(n=127)
週4出社
(n=170)
フル出社
(n=350)
自分のペース重視51.9%44.8%43.4%40.2%32.4%33.1%
主体的WLB39.4%37.5%44.3%36.2%35.3%30.0%
場所制約からの解放28.7%35.4%29.2%22.0%16.5%19.7%
距離感の自律的調整22.5%21.9%26.4%25.2%24.7%14.3%
健康意識の向上30.0%26.0%17.9%22.8%15.3%17.1%
対面の価値認識10.0%19.8%26.4%22.8%10.0%20.3%
業務効率最優先18.8%19.8%19.8%18.1%20.0%14.3%

※赤色のセルは各行の最大値。出所:テレリモ総研「職場での不調要因と価値観の変化に関する調査」(2025年)

図表6:出勤形態間で差の大きい項目(上位5項目・ポイント差)

項目 最高値の形態 最高値 最低値の形態 最低値
自分のペース重視フルリモート51.9%週4出社32.4%19.5pt
場所制約からの解放週1出社35.4%週4出社16.5%18.9pt
健康意識の向上フルリモート30.0%週4出社15.3%14.7pt
主体的WLB週2出社44.3%フル出社30.0%14.3pt
対面の価値認識週2出社26.4%フルリモート10.0%16.4pt

出所:テレリモ総研「職場での不調要因と価値観の変化に関する調査」(2025年)

出勤形態別にみる「不調の種」と「価値観変化」の対応関係

Q2(不調の種)とQ3(価値観変化)の出勤形態別データを並べてみると、出勤形態ごとに特徴的な組み合わせパターンが確認できる(図表7)。

図表7:出勤形態別「不調の種」×「価値観変化」対比表

※各形態でQ2・Q3それぞれの上位2項目を抽出

出勤形態 Q2 不調の種(上位) 構成比 Q3 価値観変化(上位) 構成比
フルリモート孤立感24.4%自分のペース重視51.9%
テキストの誤解23.1%主体的WLB39.4%
週1出社上司の監視感覚28.1%自分のペース重視44.8%
孤立感24.0%主体的WLB37.5%
週2出社派閥・人間関係25.5%主体的WLB44.3%
孤立感・上司の監視感覚23.6%自分のペース重視43.4%
週3出社テキストの誤解24.4%自分のペース重視40.2%
孤立感20.5%主体的WLB36.2%
週4出社派閥・人間関係23.5%主体的WLB35.3%
孤立感20.6%自分のペース重視32.4%
フル出社情報共有の滞り24.6%自分のペース重視33.1%
孤立感21.7%主体的WLB30.0%

出所:テレリモ総研「職場での不調要因と価値観の変化に関する調査」(2025年)

男女別・年代別にみる差異

男女別でみると、Q2(不調の種)では「上司の監視感覚」が男性24.0%に対し女性16.7%と、男性が7.3ポイント高い(図表8)。「オフィス内の派閥や人間関係の複雑さ」は女性23.4%に対し男性17.3%であり、女性が6.1ポイント上回る。「テキストコミュニケーションの誤解」も女性22.2%に対し男性16.6%と5.6ポイントの差がある。

Q3(価値観変化)では、「主体的WLB」が女性39.1%に対し男性31.8%と7.3ポイントの差がみられる。「通勤など場所の制約に縛られない働き方を理想と感じるようになった」も女性27.0%に対し男性19.9%と7.1ポイント高い。「家族や自分の時間をより大切にしたいという思いが強くなった」は女性20.0%に対し男性14.4%であり、5.6ポイントの差がある。

図表8:男女別による主要項目の差異(5ポイント以上の項目)

設問 項目 男性 (n=513) 女性 (n=496)
Q2上司の監視感覚24.0%16.7%+7.3pt(男>女)
Q2派閥・人間関係17.3%23.4%+6.1pt(女>男)
Q2テキスト誤解16.6%22.2%+5.6pt(女>男)
Q3主体的WLB31.8%39.1%+7.3pt(女>男)
Q3場所制約からの解放19.9%27.0%+7.1pt(女>男)
Q3家族・自分の時間14.4%20.0%+5.6pt(女>男)

出所:テレリモ総研「職場での不調要因と価値観の変化に関する調査」(2025年)

年代別にみると、Q2では「上司の監視感覚」が20代で32.6%と全年代中最も高く、60代(11.8%)との差は20.8ポイントに上る(図表9)。「オフィス内の派閥や人間関係の複雑さ」は40代(26.4%)で高い値を示している。「情報共有の滞り」は50代が最多(23.2%)である。

Q3では「自分のペース重視」が20代〜40代で42.9〜43.7%と高い水準にあり、50代(34.9%)・60代(30.0%)でやや低下している。「主体的WLB」は40代(40.1%)で最も高い。

図表9:年代別の主要項目構成比(参考)

設問 項目 20代
(n=184)
30代
(n=200)
40代
(n=197)
50代
(n=315)
60代
(n=110)
Q2上司の監視感覚32.6%25.5%13.7%16.8%11.8%
Q2派閥・人間関係21.7%14.5%26.4%20.6%17.3%
Q2孤立感23.9%17.5%21.3%23.8%24.5%
Q2テキスト誤解15.2%18.5%22.8%21.3%16.4%
Q2情報共有の滞り15.2%16.0%16.2%23.2%20.9%
Q3自分のペース重視42.9%43.0%43.7%34.9%30.0%
Q3WLBの自律31.5%37.0%40.1%35.6%30.9%
Q3健康意識の向上13.0%18.5%25.4%24.4%17.3%

※赤色のセルは各行の最大値。出所:テレリモ総研「職場での不調要因と価値観の変化に関する調査」(2025年)

終わりに

本調査では、職場の人間関係における「不調の種」が出勤形態によって異なるパターンを示すことが確認された。最も高い値は、フル出社層では「情報共有の滞り」(24.6%)、フルリモート層「孤立感」(24.4%)、週1出社層「上司の監視感覚」(28.1%)、週2出社層・週4出社層「派閥・人間関係」(25.5%・23.5%)、週3出社層「テキストの誤解」(24.4%)であった。「孤立感」については全出勤形態で20〜24%台と近しい水準にある。今後、企業が出社回帰を進めるにしても在宅勤務を拡大するにしても、見逃せない課題と言えるだろう。デジタルの進化や企業の取り組みによる改善が期待される。

価値観の変化を問う調査においては、リモートワークの経験が就業者の意識に多様な変化をもたらしたことが確認された。人材の確保・定着を重要課題とする企業において、出勤頻度の設計やコミュニケーションのあり方を検討する際の一つの材料としていただければ幸いである。

影山綾子

影山綾子

\記事のエビデンスとしてイラストやグラフを転載OK/
・ライター、メディア、新聞社の強い味方
・在宅勤務に関する情報発信メディア:テレワークリモートワーク総合研究所
・年4回の市場調査
・ご要望に合わせて設問の用意可能
・運営:株式会社LASSIC(ラシック)
・イラスト:ねじまきデザイン製作所

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