2021年2月7日
テレワークは家計に負担!?お金が減った・増えた実態を調べてみた
記事の調査概要
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国20歳〜65歳のテレワーク/リモートワークを経験したことがあるワーキングパーソン男女1077名
調査対象:2020年9月1日〜9月4日
テレワークという働き方が市民権を得て、定着しはじめた昨今。一時的にテレワークをした人、今もテレワークを継続している人からは、通勤時間が減って、服装や身だしなみに費やす負担も減ったことで「テレワークで毎日の仕事が楽になった」という声を聞きます。
一方で、テレワークをすることで「家計の負担が増えた」「お金が心配」という声もちらほら。 今回は、「お金」に着目して、テレワークをすることで家計の負担が増えた?減った?実態を調べてみました。
やはり在宅で出費増加!?家庭の費用はどうなる?
今回、テレリモ総研では、テレワークをしている方を対象に「テレワークによって変化した出費」についてアンケートを実施しました。
「電気代」「ガス代」「水道代」「食費」「交通費」「遊興費」の6項目をヒアリングしたところ、興味深い結果を集めることができました。
「電気代」やはり出費が大幅増加
ご覧のように、電気代が「増えた」と回答した方は67.32%と過半数を超えてしまいました。
在宅で仕事をすれば、常時パソコンはつけっぱなし、部屋の電気はもちろん、冷暖房なども長時間使うでしょうから当然の結果ですね。
テレビ会議に使うOA機器や、音楽やラジオを聞いたり、調理家電の使用頻度が増えたりと、電気の需要は高まる一方の様子です。
中には、「家が加齢臭でキツイ」といったご家族の声で、ワークスペースに強力な空気清浄機を導入して常時稼働させている…なんて方もいらっしゃるようです。
「ガス代」変わらないが70.38%
ガス代については「変わらない」という回答が70.38%となりました。
ガスを使うのは料理やお風呂、乾燥機などですが、テレワークによって「増える」という影響はあまり多くない様子です。
共働きで、食事は外食中心、洗濯や掃除は週末にまとめて…という家庭は出費が「増えた」という印象もあるようですが、電気代ほどのインパクトは見られませんでした。
「水道代」は約4割が増加を実感
総務省統計局の調査によりますと、ガス代と水道代の家計消費に占める割合は、どちらも1.5%から2%程度で、ほぼ同じ割合になっています。
ところが、テレリモ総研の調べでは、ガス代に比べて水道代のほうが「出費が増えた」の回答が多い結果に。
お湯を沸かして珈琲やお茶を大量に飲んでいるのでしょうか。
はたまた、気分転換にシャワーを浴びるなど水の消費が増えているのでしょうか。
どちらもガス代が一緒に増えてしまいそうですが、印象の違いに驚きました。
意外!?「食費」は電気代ほどのインパクト無し
テレワークで平日の在宅時間が増えれば、当然自宅での食事回数も増えます。きっと食費は大きく膨らんでいるのでは?
と、想像しましたが、52.46%と半数以上の人が「変わらない」と回答していて驚きました。
首都圏にお住まいの方でも、会社まで通勤1時間といった少し郊外にお住まいの方は、オフィス街ほどは飲食店が徒歩圏に充実していないでしょうし、自炊するケースも多いのではないでしょうか。
丸の内周辺の都心部で働く方は、毎日のランチ代が1,000円近く!?という方もいらっしゃると思いますので、そうした方は、「自炊なのでランチ代が浮いた」なんて人もいらっしゃるのでしょうね。
一方で「増えた」と答えた方は、コロナ禍で注目の「UberEats」や「出前館」など宅配に頼る人が多いようです。
お一人暮らしで、ほとんど自炊をしないよ!といった若い人や、大手企業にお勤めで「毎日、安い社員食堂が使えていたので痛手です」といった方などは、テレワークによって食費の負担が大きく感じられているかもしれません。
「交通費」は減った人が半数以上
当然といえば当然ですが、テレワークで出勤をしなくなりましたので、通勤に使う交通費は大きく浮いている可能性があります。
営業活動もテレビ会議中心になり、会社間を移動する交通費や、出張の機会も減り、新幹線や飛行機、宿泊費といった交通費がらみの経費は、いずれの会社も大きく減っている様子です。
テレワークを本格導入している企業では、「通勤手当」の見直しも行われているようですが、緊急事態宣言などによる「外出自粛」で緊急避難的にテレワークをしている方は、定期券のタイミングによりますけど、定期代が浮いて美味しい思いをしている方がいらっしゃるかもしれませんね。
在宅でも「遊興費」は変わらないが半数以上
遊興費とは、文字通り「遊びに使うお金」なのですが、会社の経理では「会議費」や「接待交際費」として計上している、いわゆる「飲み代」ですね。
想像どおり「減った」と答えている人が38.63%に登りますが注目すべきは「変わらない」と答えている半数以上の人々です。
テレビのワイドショーなどでも頻繁に取り上げられていますが、「会食」の機会は、なかなか減ることがないようです。
完全テレワークの方は、会社での飲み会や接待は減ったかもしれませんが、「オンライン飲み会」が定着してきたり、国が推進するGoToのポイントや特典を使って、仕事以外で遊興関連の出費が増えたりとトレードオフ状態なのかもしれませんね。
精神的な負担は減っても家計への負担は増加
このように、交通費や遊興費などは家計への負担が「減った」と回答した人が一定数いる一方で、電気代は多くの人が負担増を感じ、その他の費用も「変わらない」もしくは「増えた」という人が過半数を占める状況でした。
冒頭でもお伝えしたように「通勤」や「身だしなみ」など気持ちの面での負担は減り、働く人にとってメリットが大きいように思えるテレワークですが、家計の費用負担はそれなりで、テレワークはメリットしかない!という状況にはならないようです。
ところが、こうした状況下で家計の費用負担を軽減するために「会社が補助」してくれる、そんな素敵な会社もあるようです。
「テレワーク手当」という福利厚生
テレワークにおける家計の費用負担増加を補助してくれる福利厚生「テレワーク手当」をもらっている人がいると聞いて、実際にそんな素敵な手当があるのかアンケートで確認してみました。
「テレワーク手当はない」と答えた方が82.45%と大半を占めるのですが、「もらっている」と答えた人が1割強いました。
実際にもらっている金額も聞いてみると、月額5,000円以下という回答が、もらっていない人も含めた全体の11.7%。月額10,000円以下が3.34%、月額30,000以下が1.76%となり、それ以上と答えた人も、0.74%と僅かではありますがいらっしゃいました。
うらやましい・・・。
会社の経営者は、「家計の費用負担が増加する」という意識を
いかがでしたでしょうか。
テレワークによって家計の費用負担が増加するのでは?と「お金」に注目してアンケートの実施とその結果をまとめてまいりました。
今回、アンケート項目には加えませんでしたが、増えたと実感する「電気代」に近い費用として「通信費」の負担増加もあるのではないでしょうか。
Wi-Fi環境を強化するために光回線を契約したり、ルーター等の機器を購入したりと、テレビ会議の通話品質を高めるために投資をしている方も多いのではと想像します。
一方で、企業の方は、オフィスの光熱費をはじめ、地代家賃や消耗品費など、社員の働く環境を用意・維持するための費用負担は減っているのではないでしょうか。
経営者のみなさん!
ぜひ、利益還元、テレワーク手当などの福利厚生を充実させてください~!
テレワークでは対面式のコミュニケーションが減少することで、社員の会社への帰属意識が徐々に低下する、とも言われています。
ぜひ前向きに検討ください。社員のモチベーションを高めるチャンスですよ!!
記事の著作権について
本記事は、自由に転載いただくことができます。
本記事の著作権は株式会社LASSICに帰属しますが、以下リンク先の利用条件を満たす方には利用権を許諾します。
転載・引用についてのご案内
おすすめの記事
テレワーク・リモートワーク・在宅勤務の実態調査
調査結果のレポートをメディア運営の会社様に限り、無料でご提供いたします。
ご利用にはいくつかの条件がございますので、詳しくはお問い合わせください。
テレワーク・リモートワーク・在宅勤務の実態調査 2024年4月版
株式会社LASSICが行ったテレワーク・リモートワーク・在宅勤務の2024年4月実体調査レポートです。コロナ禍にテレワークを導入していた企業がコロナ禍明けから一斉に、オフィス出社へと方針を転換しています。出社回帰の流れが強まる今、テレワークに対する意識はどのように変化しているのでしょうか。実際にテレワーク経験者の声を聞いて市場調査データをまとめました。
対象地域:日本全国
サンプル数:1001
調査実施期間:2023年4月26日〜4月30日
テレワーク・リモートワーク・在宅勤務の実態調査 2023年版
株式会社LASSICが行ったテレワーク・リモートワーク・在宅勤務の2023年実体調査レポートです。コロナ禍にテレワークを導入していた企業がコロナ禍明けから一斉に、オフィス出社へと方針を転換しています。出社回帰の流れが強まる今、テレワークに対する意識はどのように変化しているのでしょうか。実際にテレワーク経験者の声を聞いて市場調査データをまとめました。
対象地域:日本全国
サンプル数:1,044
調査実施期間:2023年11月10日〜11月13日
テレワーク・リモートワーク・在宅勤務の実態調査 2022年版
株式会社LASSICが行ったテレワーク・リモートワーク・在宅勤務の2022年実体調査レポートです。コロナ禍が長期化し、テレワークも一般化してきた中での課題点やコロナ終息後の働き方について調査を実施。コロナ終息後では、オフィスワークとテレワークどちらを希望する割合が多いのでしょうか? 実際にテレワークで働く人の声を聞いて市場調査データをまとめました。
対象地域:日本全国
サンプル数:1066
調査実施期間:2022年9月30日〜10月3日