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2026.04.10 らしくコラム

WordPressのサーバー移行完全ガイド|クラウド化の手順とリスク対策

LASSIC IT事業部|プライムベンダーとしてシステム保守・運用を受託

WordPressのサーバー移行とは、現在サイトが稼働しているサーバーから別のサーバーへ、WordPressのファイル・データベース・設定をすべて移動させる作業です。単純なファイルのコピーではなく、データベースの整合性確保・設定ファイルの書き換え・DNS切り替えまで含む複合的な技術作業です。この記事では、特にクラウドへの移行を検討している企業Web担当者に向けて、判断基準から実作業の手順・リスク対策まで解説します。

この記事のポイント

  • WordPressのサーバー移行をクラウドへ切り替えると、パフォーマンス・セキュリティ・スケーラビリティの面でレンタルサーバーとどう変わるかが分かる
  • 移行で発生しやすいダウンタイムやSEO評価への影響を事前に防ぐための手順と判断軸を整理する
  • 自力移行と専門業者への委託、それぞれに必要なスキル・工数・費用の目安を比較し、自社に合った選択ができる

WordPressのサーバー移行とは?クラウドが選ばれる理由

WordPressクラウド移行の6ステップ:バックアップから DNS切替まで

WordPressのサーバー移行とは、現在サイトが稼働しているサーバーから別のサーバーへ、WordPressのファイル・データベース・設定をすべて移動させる作業です。単純なファイルのコピーではなく、データベースの整合性確保・設定ファイルの書き換え・DNS切り替えまで含む複合的な技術作業です。企業サイトのWordPress環境では、共用レンタルサーバーからクラウドサーバーへの移行が選ばれるケースが増えています。

移行を検討すべき6つのサイン

以下のいずれかに該当する場合、現在のサーバー環境がサイト運営のボトルネックになっている可能性があります。

① 表示速度の低下

Google PageSpeed InsightsでモバイルスコアがTTFB(サーバー応答速度)の項目で遅い評価を受けている場合、画像圧縮やキャッシュプラグインでは改善できません。サーバー自体の性能アップが必要なサインです。Googleの調査では、ページ読み込み時間が1秒から3秒に延びるだけで直帰率が32%増加するとされており*1、表示速度の問題はアクセス数の低下と直結します。

② 不定期なサーバーダウンや処理エラーの頻発

月に複数回のダウンやエラーが発生している場合、共用サーバーの「もらい事故」(他サイトのアクセス集中の影響を受けること)が疑われます。企業サイトのダウンは機会損失だけでなく、ブランド信頼性の低下にも直結します。

③ PHPバージョンのサポート期限切れ

利用中のサーバーがサポートする最新PHPバージョンが古い場合、セキュリティパッチが当たらない脆弱な状態で運用を続けることになります。WordPressの最新バージョンとの互換性問題も発生しやすくなります。

④ アクセス急増への対応ができない

プレスリリースやSNSでの拡散など、突発的なアクセス集中に対してスペックを柔軟に変更できない構成になっている場合、サーバーダウンによる機会損失が生じます。

⑤ 自動バックアップやステージング環境がない

本番環境でしか動作確認ができない状況は、テーマ・プラグインのアップデートのたびに障害リスクを抱えます。

⑥ セキュリティ対応を自社で担いきれない

WAF(Webアプリケーションファイアウォール)の設定やSSL証明書の管理、不正アクセスの検知など、セキュリティ対応の工数が増加している場合は、管理コストを下げられる構成への移行を検討すべきタイミングです。

レンタルサーバー vs クラウド:企業サイト運用の比較

企業サイトのWordPress環境では、共用レンタルサーバーからクラウドサーバーへの移行が選ばれるケースが増えています。両者の違いは下表のとおりです。

比較項目 共用レンタルサーバー クラウドサーバー(AWS等)
費用構造 固定料金(月額1,000〜数千円程度) 従量課金(使用量に応じて変動)
スケーラビリティ プラン変更が必要で柔軟性が低い オートスケーリングで急増アクセスに自動対応
他サイトの影響 共有環境のため「もらい事故」のリスクあり 独立した専用環境のため他サイトの影響なし
セキュリティ設定の自由度 サーバー会社の設定に準拠 WAF・アクセス制御等を自社要件でカスタマイズ可能
専門知識の必要性 低い(サーバー管理はサービス側) 高い(初期設定・運用に専門知識が必要)
バックアップ・冗長化 プランによっては限定的 多重化・自動バックアップを柔軟に構成可能

クラウドサーバーの最大の優位性は「アクセス量に応じてインフラを動的に調整できる」点にあります。レンタルサーバーでは突発的なアクセス集中への対応に限界があるが、クラウド環境ではサーバーリソースをリアルタイムで増減できるため、安定したパフォーマンスを維持できます。

レンタルサーバーとクラウドのどちらが適切かは、サイトの月間アクセス数・技術体制・セキュリティ要件によって異なります。月間3〜10万PV以上で事業の急成長が見込まれる場合や、高い可用性(冗長化)が必要な場合は、クラウドへの移行を優先的に検討すべきです。

WordPress クラウド移行の基本6ステップ

WordPress環境をクラウドサーバーへ移行する作業は、大きく以下の6ステップで構成されます。

ステップ1:移行前のバックアップ取得(必須)

移行作業に入る前に、旧サーバーのWordPressデータを完全にバックアップします。バックアップが必要なのは、WordPressファイル一式(wp-config.php・テーマ・プラグイン・アップロードファイルを含む全ファイル)と、データベース(MySQL)の2種類です。バックアップなしで移行作業を進めた場合、手順のミスやサーバーの不具合によってデータが失われるリスクがあり、復元の手段がなくなります。データベースのバックアップはphpMyAdminのエクスポート機能、またはコマンドラインのmysqldumpを使用するのが一般的です。

ステップ2:移行先クラウド環境の構築

移行先のクラウドサーバー(AWSであればEC2またはLightsail等)にサーバーを起動し、WordPress動作に必要な環境を構築します。具体的には、Webサーバー(Apache/Nginx)・PHP・MySQLのインストールと設定が必要です。旧サーバーのPHPバージョンと移行先のバージョンを揃えることが重要で、バージョン差異があるとプラグインやテーマの動作不具合が発生する場合があります。WordPressの動作推奨環境(PHP 7.4以上・MySQL 5.6以上)を満たしているかも事前に確認します。

ステップ3:WordPressファイルの移行

旧サーバーからFTP・SFTPまたはSSHを使用してWordPressファイル一式をダウンロードし、移行先サーバーの適切なディレクトリにアップロードします。wp-config.phpにはデータベースの接続情報が記載されており、移行先のデータベース情報に書き換える必要があります。画像ファイルが大量にある場合(1万点を超える規模)、プラグインによる自動移行ではタイムアウトエラーが発生しやすく、手動でのFTP転送が必要になる場合があります。

ステップ4:データベースの移行とURL書き換え

旧サーバーでエクスポートしたデータベース(.sqlファイル)を移行先サーバーの新規データベースにインポートします。WordPressのデータベース内にはサイトURLが記録されており、wp_optionsテーブルの「siteurl」と「home」の値が正しく設定されているか確認します。URLが変更になる場合は、データベース内のURLを一括置換するSearch Replace DB等のツールを使用するが、テーブルによってはシリアライズ化されたデータが含まれるため、単純な文字列置換では整合性が崩れる場合があります。

ステップ5:動作確認(hostsファイルを使用した事前確認)

DNS切り替え前に、PCのhostsファイルに移行先サーバーのIPアドレスとドメインを登録することで、一般のユーザーには旧サーバーのサイトが見えている状態のまま、自分のPCだけ新サーバーの表示をテストできます。確認すべき項目は、サイト全体の表示崩れ・内部リンクの動作・フォームの送信・SSL証明書(HTTPS)の有効性・管理画面へのログイン・各プラグインの動作です。問題がなければ次のステップへ進みます。

ステップ6:DNS切り替えとSSL証明書の設定

動作確認が完了したら、ドメインのDNS設定(ネームサーバーまたはAレコード)を新サーバーのIPアドレスに変更します。DNSの変更は世界中のDNSサーバーへの浸透に最大24〜48時間かかるため、その間は旧サーバーを停止させずに並行稼働させておくことが重要です。また、移行先サーバーでSSL証明書を再発行・設定し直す作業も必要で、証明書が失効したままになるとブラウザで「保護されていない接続」と表示されSEO評価にも悪影響が生じます。切り替えが完了した後も、Google Search ConsoleでサイトマップをSubmitし、インデックスの再クロールを促します。

移行で起きやすい失敗と、見落とされがちなSEOリスク

サーバー移行は適切な手順を踏まなければ、サイトの一時停止・データ消失・検索順位の下落といった深刻なリスクを引き起こす。企業サイトの移行において特に注意が必要な失敗パターンを整理します。

リスク1:ダウンタイムによる機会損失

移行作業中または直後にサイトが正常に表示されない状態が続くと、ビジネス上の機会損失が発生します。中規模のECサイトでは、サーバーダウン1時間あたりの機会損失は平均約50万円と試算されており*2(規模・業種により大きく異なる)。企業のコーポレートサイトでも、問い合わせ窓口・採用ページ・資料ダウンロードページが停止すれば、商談機会やリクルート機会を失います。移行作業はアクセスの少ない深夜帯に実施し、旧サーバーは移行完了後も最低1か月間は並行稼働させておくことで、問題発生時にすぐ元の状態へ戻せるようにすることが基本です。

リスク2:SEO評価への悪影響

エラーが発生した状態のページにGoogleのクローラーが訪問すると、SEO評価が下落します。移行後にサーバーエラー(500系エラー)やページが見つからないエラー(404エラー)が多発した場合、クローラーはサイトの品質を低く評価します。特にパーマリンク設定が移行前後でずれた場合に404エラーが大量に発生しやすく、.htaccessファイルの設定確認が必要です。内部リンクにHTTPが残ったまま(混在コンテンツ)になると、ブラウザでの警告表示だけでなく、SEO面でも不利な評価を受けます。

リスク3:文字化けとデータ整合性の崩壊

旧サーバーと移行先サーバーのデータベース照合順序(Collation)が異なる場合、日本語コンテンツが文字化けします。旧サーバーがutf8mb4_general_ciで設定されているのに、移行先がlatin1_swedish_ciになっていると、記事の本文が「?」や文字化け文字列に置き換わる。mysqldumpコマンドでのエクスポート時に「–default-character-set=utf8mb4」オプションを付け忘れることで発生しやすいため、エクスポート前に設定を確認します。

リスク4:SSL証明書の未設定によるブラウザ警告

移行先サーバーでSSL証明書を再設定せずにDNSを切り替えると、サイト全体で「保護されていない接続」の警告がブラウザに表示されます。これはユーザーの離脱を招くだけでなく、GoogleがランキングシグナルとしてHTTPS要件を重視しているため、検索順位の下落につながります。Let’s Encrypt等の証明書の再発行とApache・Nginxの設定ファイルへの反映を、DNS切り替えと同時に行う必要があります。

移行作業に必要な専門知識

WordPress環境のクラウド移行を内製で実施するためには、以下の5分野の知識が必要です。

① PHPおよびWordPressの動作原理:wp-config.phpの書き換え・バージョン互換性の確認・エラーログの読み取り

② MySQL(データベース)の操作:phpMyAdminまたはコマンドラインによるエクスポート・インポート・SQLの修正

③ FTP/SFTP・SSH接続:サーバー間でのファイル転送・パーミッション(ファイルアクセス権)の設定

④ DNS設定:Aレコード・ネームサーバーの変更・TTL(浸透待機時間)の管理

⑤ SSL証明書の設定:証明書の取得・Webサーバー設定への反映・HTTPSリダイレクト設定

これら5分野をカバーする担当者が社内にいない場合、移行を内製で進めることはリスクを伴います。Webサーバーの設定に不慣れな担当者が作業した場合、設定ミスがサイトの全面停止につながる場合があり、復旧に数時間から数日を要することもあります。

自力移行 vs 専門業者委託:費用・工数・リスクの比較

WordPress環境のクラウド移行において、自力で進めるか専門業者に委託するかは、技術リスク・工数・費用のバランスで判断します。

比較項目 自力移行(内製) 専門業者への委託
費用目安 人件費のみ(サーバー費用は別途) 15万〜50万円程度(環境構築・データ移行込み)*3
作業工数目安 2〜4名×2〜5日程度(習熟度による) 1〜3日程度(業者の習熟度による)
必要スキル PHP・MySQL・FTP・DNS・SSL証明書の5分野 不要(業者側が担う)
失敗時のリカバリ 自社対応が必要。長時間のダウンタイムリスクあり 業者による迅速な対応・ロールバックが可能
ステージング確認 自力で構築が必要 業者がテスト環境を準備して実施
移行後の保守 自社で担う必要あり セットで保守契約に移行できる場合が多い

専門業者への委託費用は15万〜50万円が目安ですが*3、バージョンアップ・テスト環境構築・バックアップを含む場合は、小〜中規模サイトでも15万〜30万円の範囲が一般的です。一方、移行後の月次保守を外注する場合の相場は、初期費用が約2万6,000円・月額が約3万4,000円前後とされている(12社調査による)*4

自力移行でDNS設定を誤ると、最大48〜72時間サイトへのアクセスが不安定になるリスクがあります。企業のコーポレートサイトでその状態が続けば、ビジネス上の信頼性へのダメージは計測困難なほど大きくなります。「費用をかけずに自力でやった結果、想定外のトラブルで復旧費用が数十万円かかった」というケースは珍しくありません。

外部委託を選ぶ際の判断基準は「コスト削減」ではなく、「移行リスクを最小化したうえで、社内リソースをコアビジネスに集中させること」が本質です。プライムベンダーとして技術的な一次責任を担う体制の業者に依頼することで、万が一の際にも一本の連絡先で対応が完結します。


こんな課題を感じていたら、ぜひ一度ご相談ください。

  • 現在のレンタルサーバーで表示速度・ダウンタイム・セキュリティ面の問題が続いている
  • クラウド移行を検討しているが、社内にサーバー設計・DNS・SSL対応のスキルがない
  • 移行後の保守体制も含めて、一括で依頼できる信頼できるパートナーを探している

LASSICに相談するメリット

LASSICはプライムベンダーとしてシステムの開発・保守・運用を受託してきた実績があります。WordPress環境のクラウド移行では、サーバー設計から移行作業・動作確認・移行後の保守体制の構築まで、一次請けとしてプロジェクト全体を管理します。現在の環境で抱えているサーバー起因の問題が何なのか、クラウド移行で本当に解決できるのかを含め、まずはお気軽にご相談ください。

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WordPressのクラウド移行・サーバー環境の見直しについて、プライムベンダーとして一括でサポートします。

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*1 出典:Google「Mobile Page Speed Study」(2018年)調査レポート(PDF)
*2 出典:kusanagi.biz「WordPress サーバ移行の基本ガイド」(2025年12月)記事を見る
*3 出典:wp-kobo.com「WordPressのクラウド移行費用」(2025年8月)記事を見る
*4 出典:wpcenter.jp「WordPress保守とは?」(2026年1月)記事を見る


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