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2026.06.25 らしくコラム

Vue.jsエンジニア不足を受託・委託で補完する進め方

LASSIC IT事業部|元請(プライムベンダー)としてシステム保守・運用を受託

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この記事のポイント

  • 国内でVue.jsは根強い人気を持つ一方、求人動向ではReactとの競合が続き、Vue専業エンジニアの採用は容易ではありません
  • Vue2のEOL(2023年末)に伴う移行保守需要が増しており、社内育成・受託・委託それぞれのメリットと選び方を整理しています
  • 委託先を選ぶ際に確認すべき実績軸(Vue3/Composition API・Nuxt・TypeScript・Piniaなど)を具体的に示します

Vue.jsの国内での位置づけとReactとのトレンド

Vue.jsエンジニアの不足・採用難とは、Vue.js(JavaScriptフレームワーク)を扱える開発者が国内市場で希少なため、採用や増員が思うように進まない状況を指します。特にVue2からVue3への移行局面で保守・改修ニーズが急増しており、「開発を続けたいが人材が見つからない」という課題が顕在化しています。

Vue.jsで 開発中 Vue2/Vue3 保守・新機能 開発ニーズ発生 採用試みる Vue専業エンジニア は希少・競合多数 →採用難 補完を検討 社内育成/ 受託・委託 の選択 委託先評価 Vue3/Nuxt/TS Pinia等の 実績確認 開発・保守 継続 体制を確立し Vue開発を 安定継続
Vue.jsエンジニア不足から補完体制確立までの5ステップ

Vue.jsは日本語のドキュメントや学習リソースが充実しており、国内エンジニアコミュニティでの認知度は高いフレームワークです。一方、近年の求人動向を見ると、ReactがVueを上回る求人数で推移していることが国内求人サービスの集計データから確認できます*1

ただし「Vueは消えていく」と断言できるデータは存在しません。Vue.jsのGitHubスター数は依然として世界上位にあり、特に日本・中国・東南アジア圏での採用事例は継続しています。「ReactとVueのどちらが優勢か」という問いは、プロジェクトの要件・チームの経験値・システム規模によって答えが変わります。

企業としてVue.jsを継続採用するケースとしては、既存システムがVueで構築されている場合や、Nuxt.js(Vueベースのフルスタックフレームワーク)を使ったSSR・SSG構成が定着している場合が多く見られます。こうした企業にとって「Vueエンジニアをどう確保するか」は継続的な課題です。

Vueエンジニアが不足・採用が難しい3つの理由

経済産業省が公表した「IT人材需給に関する調査」(2019年)では、2030年時点のIT人材不足について複数のシナリオで推計が示されており、高位シナリオで約79万人規模の不足が見込まれるとされています*2。この全体的なIT人材不足の中で、Vue.jsエンジニアの採用が特に難しい理由は3点あります。

理由1:Vue2のEOLに伴う移行・保守需要の急増

Vue 2は2023年12月31日に公式サポートが終了(EOL)しました*3。Vue2で構築されたシステムを持つ企業では、セキュリティリスク回避のためVue3への移行が急務となっています。移行作業はOptions APIからComposition APIへの書き直しを伴うため、単純なバージョンアップでは済みません。

Vue2→Vue3の移行に対応できるエンジニアは、Vue3の新しい記述スタイルを習得していることが前提です。このため「Vue経験あり」という求人応募者であっても、Vue3/Composition API未経験であれば即戦力にはなりにくい状況です。

理由2:React/Vue双方に対応できる人材の希少性

フロントエンド開発の現場では、ReactとVueを混在させたシステムや、Reactからの移行・並行開発を求めるケースがあります。こうした要件に応えられる「React経験もあるVueエンジニア」は希少で、採用コストが高くなりやすいです。

ReactとVueは設計思想が異なるため、React経験者がVueを習得するには一定の学習期間を要します。逆もしかりで、Vue経験者がReact案件にすぐ対応できるわけではありません。専門性の分化がエンジニアプールの実質的な縮小につながっています。

理由3:Nuxt.js対応スキルがさらに求められる

Vueを使った本格的なWebアプリケーション開発では、Nuxt.js(Vueベースのフレームワーク。SSR・SSG・ファイルベースルーティングを提供)を採用するプロジェクトが多くあります。Nuxt対応のエンジニアはさらに母数が絞られ、採用競争が激化しています。

また、TypeScriptとの組み合わせや状態管理ライブラリのPinia(Vuexの後継)への移行対応も求められるケースが増えており、必要なスキルセットが複合化しています。このような背景から、採用半年〜1年を経ても要件に合う人材が見つからないという状況が生じています。

補完の選択肢比較 — 社内育成・受託・委託それぞれの特徴

Vue.jsエンジニア不足の補完手段は大きく3つです。それぞれの特徴と向いているケースを整理します。

補完手段 主な特徴 向いているケース 留意点
社内育成
(React/JS経験者の移行教育)
既存メンバーがVue/Nuxtを習得。
ドメイン知識を保持したまま対応できる。
中長期的に内製を続ける方針の企業。
Reactなどの隣接技術経験者がいる場合。
習得完了まで数か月の空白期間が生じる。
Vue3/Nuxtの習熟には実務経験が必要で、研修のみでは不十分なことが多い。
受託開発
(機能追加・新規開発の外注)
特定プロジェクト単位で外部企業に一括委託。
成果物ベースで納品を受ける。
社内に要件定義・管理ができる人材がいる。
プロジェクト型の機能追加・Vue3移行対応。
要件が曖昧だと手戻りが発生しやすい。
委託先の選定を誤るとVue3未対応の成果物になるリスクがある。
準委任(SES型委託)
(エンジニア常駐・稼働単位)
Vue/Nuxt経験のエンジニアが社内開発チームに参画。
稼働時間ベースで契約する。
保守・運用など継続的なVue対応が必要な場合。
社内チームのスキル底上げを兼ねたい場合。
指揮命令は発注側が行う点に注意(偽装請負を避けるための契約管理が必要)。
継続費用が発生する。

どの手段が適しているかは、プロジェクトの性質(新規開発か保守か)、内部リソースの状況、中長期の内製方針によって異なります。複数の手段を組み合わせるケース、たとえば「短期は受託で補完しながら社内育成を並行させる」という進め方も実務上よく見られます。

なお、SES(システムエンジニアリングサービス。エンジニアの技術・労働を一定期間提供する契約形態)と受託開発では、成果物責任の所在と指揮命令権が異なります。混在させると偽装請負リスクが生じるため、契約形態の選択は法的整合性を含めて確認が必要です。

受託・委託で進める4ステップ手順

受託・委託でVue.jsエンジニア不足を補完する際の進め方を4ステップで整理します。

ステップ1:補完範囲と契約形態を確定する

まず「何を外に出すのか」を明確にします。Vue2→Vue3移行の一括対応なのか、継続的な保守運用なのか、新機能開発の増員なのかによって、受託(請負)と準委任のどちらが適するかが変わります。

請負は成果物の納品責任を委託先が負い、準委任は稼働時間に対して報酬が発生します。保守・運用のように作業内容が事前に確定しにくい場合は準委任が適しています。要件定義が固まった機能追加・移行プロジェクトは請負型の受託が向いています。

ステップ2:技術要件をRFP(提案依頼書)に落とし込む

委託先候補への提案依頼書には、使用フレームワーク・バージョン・対応スコープを明記します。Vue3/Composition API対応可否、Nuxtのバージョン、TypeScript利用の有無、Piniaによる状態管理の経験など、技術要件を具体化することで候補先の実力を比較しやすくなります。

技術要件が曖昧なRFPでは「Vue対応」と謳っていてもVue2のみの経験しかない委託先を選んでしまうリスクがあります。要件の具体化は選定ミスを防ぐための必須プロセスです。

ステップ3:Vue3/Nuxt実績ある委託先を複数評価・選定する

提案書をもとに技術評価と実績確認を行います。過去のVue3移行案件の対応範囲、Nuxtを使ったSSR/SSG構成の経験、TypeScript・Piniaの実績を具体的に確認します。PoC(概念実証)または小規模な試行プロジェクトから始めることで、本格委託前にコミュニケーション品質と技術力を確かめることができます。

ステップ4:引き継ぎ・内製移行を見据えた体制で運営する

委託先への依存が長期化すると、ノウハウの社内蓄積が滞ります。コードレビューへの社内エンジニア参加、ドキュメント整備の義務付け、技術共有会の定期開催など、知識移転を前提とした運営設計を当初から組み込むことが重要です。

中長期的に内製を目指す場合は、委託期間中に社内のReact/JS経験者がVue/Nuxtを習得できる環境を同時に整備することで、委託への依存を段階的に下げることができます。

委託先を選ぶ6つの評価軸

Vue.jsの開発・保守を委託する際、「フロントエンド対応可能」だけでは判断が難しいです。以下の6軸で実績を確認することを推奨します。

評価軸1:Vue3/Composition APIへの対応実績

Vue2のOptions APIとVue3のComposition APIは記述スタイルが大きく異なります。Vue3で新規開発したプロジェクト数、またはVue2からVue3への移行経験があるかを具体的に確認します。「Vue対応可」とあっても実態がVue2止まりの場合、移行案件や新規Vue3開発で問題が生じる可能性があります。

評価軸2:Nuxt.jsの開発経験

Nuxt.js(VueベースのSSR/SSGフレームワーク)を使ったプロジェクトの有無を確認します。Nuxt 2とNuxt 3ではディレクトリ構成・API設計が大きく変わっているため、どのバージョンの経験があるかまで確認することが大切です。SEO対策を目的としたSSR構成の案件では特に重要な評価軸となります。

評価軸3:Vue2→Vue3の移行実績

既存システムの移行を依頼する場合、過去にVue2→Vue3移行を担当した案件の規模と対応内容を確認します。移行は単純なバージョン変更ではなく、Global APIの変更・破壊的変更への対応・テストの整備が必要です。移行経験のない委託先に任せると、手戻りや移行後の不具合対応コストが膨らむ懸念があります。

評価軸4:TypeScriptとの組み合わせ経験

TypeScriptとVue3(特にComposition API with TypeScript)の組み合わせは型定義の扱いに習熟が必要です。TypeScriptを使ったVueプロジェクトの経験がある委託先かどうかを確認することで、中長期の保守性が大きく変わります。

評価軸5:Pinia(状態管理)の対応可否

Pinia(Vueの公式状態管理ライブラリ。Vuexの後継として推奨)への移行対応や新規採用経験があるかを確認します。大規模なVueアプリケーションでは状態管理の設計が品質を左右します。Vuexのみの経験で止まっている委託先は、Vue3ネイティブなアーキテクチャへの対応に課題が生じる可能性があります。

評価軸6:コミュニケーション体制と知識移転の仕組み

技術力と同等に重要なのが、社内チームへの情報共有体制です。週次の進捗報告、コードレビューへの発注側参加可否、Vueに関する技術的な疑問への回答品質を、提案段階や試行期間中に確認します。知識移転を前提とした運営ができる委託先かどうかが、中長期の依存低減につながります。

まとめ:Vue.jsエンジニア不足補完の3つの判断軸

本稿では、Vue.jsエンジニアの不足・採用難の背景から補完の進め方・委託先評価軸まで整理しました。要点を3つに集約します。

第一に、Vue.jsは国内で継続的に使われているフレームワークですが、Vue2のEOL(2023年末)以降は移行保守需要が増しており、即戦力となるVue3/Composition API対応エンジニアの希少性が高まっています。第二に、補完の選択肢は社内育成・受託・準委任の3つで、プロジェクトの性質と内製方針に応じて使い分けるか組み合わせることが有効です。第三に、委託先選定では「Vue対応可」という表現だけで判断せず、Vue3・Composition API・Nuxt・TypeScript・Piniaの実績を軸に具体的な確認を行うことで、手戻りや品質リスクを低減できます。

よくある質問

Vue2からVue3への移行は、どのくらいの期間・工数がかかりますか?

移行期間は対象システムの規模・コード量・テストカバレッジによって大きく異なります。小規模なSPAであれば数週間で完了するケースもありますが、Options APIを多用した大規模アプリケーションでは数か月規模の工数を要することがあります。Composition APIへの書き直し、グローバルAPIの変更対応、Vuex→Piniaの移行が主な工数要因です。移行前にコードの現状調査(棚卸し)を行い、対応範囲を定義してから委託先に見積もりを依頼することが精度向上につながります。

Reactエンジニアが社内にいる場合、Vue.js習得にはどのくらいかかりますか?

React経験者がVueの基本文法を理解するには、公式チュートリアルと小規模な実装練習で数週間程度が目安です。ただし、Composition APIの設計パターン・NuxtのSSR構成・Piniaによる状態管理まで実務で使えるレベルに到達するには、実際のプロジェクト経験を伴う数か月の習熟期間が必要です。研修のみでは補えない実践的な習熟は、受託・準委任でVue経験者のエンジニアと協働させることで並行して高めることができます。

Vue.jsの保守を受託に出す場合、どのような契約形態が適していますか?

継続的な保守・バグ修正・小規模な改修が主な内容であれば、準委任契約(稼働時間ベースの契約)が適しています。作業内容が事前に確定しにくく、都度の判断が必要な保守業務を請負(成果物納品型)で契約すると、双方にとって不都合が生じやすいためです。一方、Vue2→Vue3移行のように要件が明確なプロジェクト型の作業は請負契約が向いています。契約形態の選択は指揮命令関係の整理とセットで行い、偽装請負にならないよう社内の法務・労務担当と確認することを推奨します。

Vue.jsエンジニアをSESで探す場合、ReactやTypeScriptの経験は必要条件にすべきですか?

必須にするかどうかは要件次第ですが、Vue3開発ではTypeScriptとの組み合わせが標準的になってきており、TypeScript経験は実質的な要件として設定することを推奨します。ReactについてはVue案件への直接的な必要条件ではありませんが、React/Vue双方の経験者はフロントエンド設計全体の知見が広い傾向があります。また、SESでエンジニアを受け入れる際は、指揮命令は自社側で行う必要があるため、技術管理ができる社内リーダーの確保も合わせて検討してください。

NuxtとNext.js(React版)はどのように使い分けるべきですか?

Nuxt.jsはVue.jsベース、Next.jsはReact.jsベースのSSR/SSGフレームワークです。既存システムがVueで書かれている場合はNuxtを採用するのが自然な選択です。新規開発でどちらを選ぶかは、チームのVue/React経験・エコシステムの成熟度・採用市場での人材確保のしやすさを総合的に判断する必要があります。「Reactエンジニアの採用がしやすい」という理由でNext.jsを選ぶケースも実務上あります。既存資産との整合性を最優先とし、新規採用の市場環境を二次的に考慮する順序で判断することが現実的です。

著者:テレリモ総研編集部 鈴木 亮佑

LASSICに相談するメリット

LASSICはIT事業部として元請(プライムベンダー)の立場でシステム保守・運用を受託しており、フロントエンド開発からバックエンド・インフラまで一貫した支援体制を持ちます。Vue.jsを用いた開発・保守、Vue2→Vue3移行への対応についても、実務経験を持つエンジニアが対応します。まずはご要件をお聞かせいただき、最適な体制をご提案します。


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  1. *1 出典:求人ボックス 求人統計データ「フロントエンドエンジニア求人の動向」(2024年)— ReactとVue.jsの求人数比較は各求人サービスの集計データで確認できますが、調査主体・集計時期により変動するため、最新データの確認を推奨します。
  2. *2 出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年)
  3. *3 出典:Vue.js公式ブログ「Vue 2 EOL — What You Need to Know」(2023年)


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