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2026.07.21 らしくコラム

Office 2021サポート終了とM365移行外注

LASSIC IT事業部|元請(プライムベンダー)としてシステム保守・運用を受託

オフィスの机に置かれたノートパソコン

この記事のポイント

  • Office 2021は2026年10月13日にサポートが終了し、以降は新規のセキュリティ更新が提供されなくなります。
  • 移行先はサブスクリプション型のMicrosoft 365 Appsと買い切り型のOffice LTSC 2024の2択で、運用方針によって選ぶべき方が変わります。
  • 端末展開・データ/マクロ互換・共存運用・ライセンス設計の4論点は内製では工数を見誤りやすく、外部委託を検討する余地があります。

Office 2021は2026年10月13日にサポート終了、法人に移行判断を迫る

ソフトウェア更新を示す画面

Office 2021サポート終了とは、2026年10月13日にマイクロソフトの技術サポートとセキュリティ更新が終わることです*1。対象にはOffice LTSC 2021やOffice Home & Business 2021が含まれます*1。延長サポートはなく、法人には移行計画の実行が求められます*2

図
図:Office 2021からの移行は4ステップで進めます

サポート終了後は、新たに見つかった不具合や脆弱性がマイクロソフトから修正提供されません*1。Office LTSC 2021は2021年9月16日に提供が始まりました*2。固定ライフサイクル(Fixed Lifecycle Policy)に基づき、2026年10月13日にサポートが終わります*2

セキュリティ更新停止でゼロデイ対応不可に

セキュリティ更新が止まると、公開後に新たに見つかった脆弱性を突くゼロデイ攻撃への対応ができなくなります。攻撃者はサポート終了製品を狙いやすいため、放置期間が長引くほど侵入されるリスクは高まるといえます。

対象はOffice LTSC 2021だけでなくHome & Business 2021等も

サポート終了の対象は、ボリュームライセンス版のOffice LTSC 2021だけではありません。個人・法人問わず使われている永続版も対象です*3。Office Home & Business 2021・Home & Student 2021も、同じ2026年10月13日に終了します*3。延長サポートや有料の更新プログラム(ESU)は用意されていません*1

本稿は、ボリュームライセンスで多数の法人端末を一括運用する企業を想定した内容です。家庭で購入したOffice Home & Student 2021等の個人利用と、企業が展開ツールで一括管理するOffice LTSC 2021とでは、サポート窓口や移行の進め方が異なります*3。個人向けの手順をそのまま社内展開に流用すると、台数管理やライセンス認証の面で想定外の手戻りが生じやすい点に注意が必要です。

OS(Windows)側のサポート終了・移行は別の記事で取り上げており、本稿はOfficeアプリケーションの移行が対象です。

移行を後回しにすると脆弱性対応不可のリスクとコストが増す

前節ではサポート終了の期限と対象範囲を確認しました。本節では、その期限を過ぎて使い続けた場合に生じる具体的なリスクと、移行の検討自体を後回しにした場合のコストを整理します。

サポート終了ソフトの脆弱性はベンダーが修正しない

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)はWindows 10のサポート終了に際し、注意を促しました*4。「サポート終了後は新たな脆弱性が発見されても、製品ベンダーによる修正が行われません」と説明しています*4。同機構は、OS上で稼働するブラウザやメールソフトなど周辺のソフトウェア製品にも影響が及ぶと指摘しています*4。この考え方は、Officeのサポート終了にも当てはまります。

マクロを含むExcelファイルや外部連携アドインを業務で使い続けている企業ほど、脆弱性を突かれた際の被害範囲が広がります。添付ファイル経由でマクロが不正に実行されれば、情報漏えいや業務システムの停止につながるおそれがあり、事前の移行判断が欠かせません。

OSのサポート終了では有償の拡張セキュリティ更新(ESU)が用意される場合がありますが、Office LTSC 2021には同様の延長オプションがありません*1。猶予なく期限を迎える点が、移行の判断を先延ばしにできない理由です。

内製で移行判断を進める場合に必要な調査工数

内製で移行方針を決めるには、社内で稼働している端末数・Officeのバージョン混在状況・業務で使うマクロやアドインの洗い出しが欠かせません。情報システム部門の担当者が本来業務と並行して調査する場合、判断までに要する期間は端末数や業務システムとの連携範囲に応じて変わります。とくに拠点や部署ごとに端末の管理主体が分かれている企業では、台帳の整備状況にばらつきがあり、正確な現状把握だけでも相応の時間がかかるでしょう。

Microsoft 365とOffice LTSC 2024、どちらに移行するかは運用方針で決まる

移行先の選択肢は、サブスクリプション型のMicrosoft 365 Appsと、買い切り型のOffice LTSC 2024の2つです*1。どちらを選ぶかは、更新頻度やクラウド機能をどこまで必要とするかという運用方針によって変わるでしょう。この選択は、クラウド移行全体の方針とも関わる論点です。

サブスクリプション型Microsoft 365が向く組織

Microsoft 365 Appsは月次または半年ごとに機能更新を受け取れる継続更新型のOfficeです*6。1つのライセンスで複数台のデバイスにインストールでき、クラウドストレージも利用できます*6。常に最新機能とセキュリティ更新を使いたい組織に向いています。

生成AI機能のMicrosoft 365 Copilotを利用する場合は、更新チャネルを月次エンタープライズチャネルまたは現在のチャネルにする必要があります*7。将来的にCopilot活用を検討している組織にとって、この更新チャネルの制約はMicrosoft 365 Apps側を選ぶ判断材料になります。

買い切り型Office LTSC 2024が向く組織

Office LTSC(Long Term Servicing Channel) 2024は、ライセンスを購入すれば恒久的に使い続けられる買い切り版です*6。機能更新は提供されず1ライセンスにつき1台のデバイスに限られますが*6、サポート期間は2029年10月9日までです*5。インターネットに接続できない環境や機能更新を受け入れられない規制対象デバイスなど、特定用途に向くバージョンといえます*7

比較項目 Microsoft 365 Apps Office LTSC 2024
提供形態 サブスクリプション(継続課金)*6 ボリュームライセンス(買い切り)*6
機能更新 月次〜半年ごとに継続提供*6 初回リリース時点の機能のみ*6
インストール台数 1ユーザーあたり複数台*6 1ライセンスにつき1台*6
クラウド機能 クラウドストレージ・Web版を利用可*6 クラウド機能は対象外*6
サポート終了の目安 継続提供のため個別の終了日はなし 2029年10月9日*5

移行作業で詰まる4つの論点:端末展開・データ/マクロ互換・共存運用・ライセンス設計

複数のデスクが並ぶオフィス

前節では移行先の選び方を整理しました。本節では、移行先を決めた後の実務、つまり展開作業そのもので詰まりやすい4つの論点を取り上げます。

端末展開は配布方式の選定と検証に時間がかかる

Microsoft 365 Appsへの展開には、グループポリシーによるアップグレードやOffice展開ツールを使ったパッケージ配布など複数の方式があります*7。既存のMSI(インストーラー)版Officeを削除してから新しいバージョンを導入する必要があり、方式ごとに検証すべき項目が異なります*7

VBAマクロ・アドインの互換性検証が想定外の工数を生む

マイクロソフトは移行前の互換性評価を案内しています*7。対象は、業務で使うVBA(Visual Basic for Applications)マクロやマイクロソフト以外のアドイン、複雑な帳票を含むファイルです*7。評価には、対象ファイルの洗い出し・実機での動作確認・不具合発生時の改修という一連の作業が必要です*7

自社だけで対応する場合、マクロの改修知識を持つ担当者と検証環境の確保が必要になり、他の情報システム業務と並行して進めることになります。移行を専門とする外部パートナーに委託すると、互換性評価から改修・展開までを一つの計画として進められる点が違いです。

マイクロソフト自身も、大規模な企業にはMicrosoft FastTrackの活用を案内しています*7。150ライセンスを超える企業が対象です*7。アプリケーションの互換性検証については、App Assureプログラムの利用も案内されています*7。移行規模が大きくなるほど、外部の専門支援を組み合わせる前提だといえます。

移行期間中の新旧共存運用とライセンス設計

端末を一括で切り替えられない企業では、旧バージョンのOfficeと新環境が一定期間共存します。共存期間中はライセンスの割り当てと更新チャネルの設計を誤ると、ユーザーごとに機能差が生じて問い合わせが増える点に注意が必要です*7

Microsoft 365 Appsのライセンス設計には複数の方式があります*7。ユーザーごとに複数台へ割り当てる方式のほか、共有端末で使うデバイスベースのライセンスや共有コンピューターのライセンス認証も選べます*7。長期間オフラインのままになる端末には、拡張オフラインアクセスの設定も必要です*7。共存期間が長引くほど問い合わせ件数や検証負荷は積み上がりやすく、あらかじめ運用ルールを明文化しておくことが望まれます。

まとめ:Office 2021移行の3つの判断軸

本稿では、Office 2021のサポート終了とMicrosoft 365移行の考え方を整理しました。要点を3つに集約すると次の通りです。第一に、Office LTSC 2021とHome & Business 2021等は2026年10月13日にサポートが終了します*1*3。延長サポートは用意されていません*1。第二に、移行先はサブスクリプション型のMicrosoft 365 Appsと買い切り型のOffice LTSC 2024の2択で、運用方針に応じて選びます*6。第三に、端末展開・マクロ互換・共存運用・ライセンス設計の4論点は内製での工数見積もりが難しく、外部委託によって計画的に進める選択肢があります。

LASSICに相談するメリット

LASSICはITアウトソーシング・システム運用保守の受託を通じて、端末展開やアプリケーション移行に伴う互換性検証・展開作業の体制構築を支援しています。Office移行のような全社規模の切り替えでは、調査・検証・展開・運用定着までを一連の工程として計画することが欠かせないでしょう。とくにVBAマクロやアドインの互換性検証、共存期間中のライセンス設計は工数を見誤りやすく、専門の体制を組んで進めることで情報システム部門の負担を抑えられます。

よくある質問

Office 2021のサポートはいつ終了しますか。

Office LTSC 2021とOffice Home & Business 2021等は、2026年10月13日にサポートが終了します*1*3。延長サポートや有料のセキュリティ更新プログラム(ESU)は用意されていません*1

サポート終了後もそのままOffice 2021を使い続けることはできますか。

アプリ自体は起動しますが、新たに見つかった脆弱性が修正されないままになります*1。IPAはサポート終了製品を使い続けることでセキュリティリスクが高まると注意を促しています*4

Microsoft 365とOffice LTSC 2024はどちらを選ぶべきですか。

常に最新機能とセキュリティ更新を利用したい場合はMicrosoft 365 Appsが向いています*6。インターネット接続が難しい環境や機能更新を受け入れられない規制対象デバイスがある場合は、買い切り型のOffice LTSC 2024が選択肢になります*7

移行作業を外部に委託するとどのような違いがありますか。

端末展開の方式選定、マクロ・アドインの互換性検証、共存期間中のライセンス設計を、社内の情報システム業務と並行して自社だけで進めるのは負担が大きくなります*7。移行を専門とする外部パートナーに委託すると、調査から展開・運用定着までを計画的に進められます。とくに拠点数や端末台数が多い企業ほど、進捗管理と品質確保の両立が難しくなる傾向があります。

Office 2021の移行準備はいつから始めるべきですか。

マイクロソフトは「今すぐアップグレードを開始することを検討してください」と案内しています*1。Office LTSC 2021には有償の延長更新(ESU)の仕組みがなく、期限までの猶予がありません*1。端末数や業務システムとの連携が多い企業ほど、早期の着手が望まれます。

著者:テレリモ総研編集部 鈴木 亮佑


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  1. *1 出典:Microsoft「Office LTSC 2021 reaching end of support on October 13, 2026」(Microsoft Learn Lifecycle、2026年)
  2. *2 出典:Microsoft「Office LTSC 2021」製品ライフサイクル情報(Microsoft Learn Lifecycle
  3. *3 出典:Microsoft「End of support for Office 2021」(Microsoftサポート
  4. *4 出典:IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「Windows 10 のサポート終了に伴う注意喚起」(IPA、2024年)
  5. *5 出典:Microsoft「Office LTSC 2024」製品ライフサイクル情報(Microsoft Learn Lifecycle
  6. *6 出典:Microsoft「Microsoft Office ボリュームライセンススイート製品の比較」(Microsoft公式サイト
  7. *7 出典:Microsoft「以前のバージョンのOfficeからMicrosoft 365 Appsへのアップグレードを計画する」(Microsoft Learn

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