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2026.09.04 らしくコラム

SEC移転代理人規則案の5つの記録統制




監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論

  • 電子記録に5つの統制:完全性・アクセス可能性・再現性・冗長性・継続性が挙げられています*1。
  • 書き込み禁止より監査証跡:通常業務と両立しない書き込み禁止は含めないとされています*1。
  • BCPは年1回以上テスト:記録の適時の復旧と業務の適時の再開を確保します*1。

※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関・ベンダー公式ドキュメント)に基づきます。

記録を電子で持つときに何をどこまで統制すれば足りるのかは、システムの設計でいつも揉める論点です。

米国の証券取引委員会(SEC)が2026年9月4日移転代理人(トランスファーエージェント)の規則を現代化する提案を連邦官報に掲載しました*1。意見の提出期限は2026年11月3日です*1。この案には電子記録保存システムに求める統制監査証跡の考え方が具体的に書かれています。

金融バックオフィスの基盤を扱う立場、あるいは記録の証拠性が問われるシステムを設計する立場に向けて、規則案が挙げた要件を一次情報から整理します。

木製の引き出しが整然と並び、それぞれに索引ラベルが付いた記録棚

何が提案されたのか

まず全体像です*1。

米国SECの移転代理人規則の現代化案が2026年9月4日に連邦官報へ掲載され意見の提出期限が2026年11月3日でありFile No. S7-2026-30およびRelease No. 34-106246として2026年6月30日時点で登録移転代理人が327社と推定されること、規則17ad-12が盗難と喪失と不正流用と誤用と損傷と破壊と不適切または無権限のアクセスからの常時保護および保管と運用とサイバーセキュリティの重要なリスクの特定と測定と監視と軽減を文書化された方針と手続として求める形に書き換えられること、電子記録保存システムには完全性とアクセス可能性と再現性と冗長性と継続性を確保する合理的な統制が求められ人が読める形式と通常利用される電子形式の両方で直ちに提出できる索引と検索の能力が条件に挙げられること、監査証跡が記録へのアクセスと変更と削除を利用者の識別情報と日時とともに試みも含めて追跡し原本と同じ統制と同じ期間で保存され通常業務と両立しない書き込み禁止は含めず監査証跡の方が適切だとされること、ならびに事業継続計画が記録の適時の復旧と業務の適時の再開を確保して年1回以上テストと見直しと更新を受け新規則17ad-30がコンプライアンス方針の取締役会承認と年1回以上の見直しを求めることを整理した図

SECは新しい規則の採択、既存規則の改正、登録用のフォームTA-1と活動報告用のフォームTA-2の改正、既存規則1本の廃止を提案しており、登録移転代理人を規律する規則を現代化するために設計されたものと説明しています*1。

移転代理人の位置づけも示されています*1。全国的な清算・決済システムの主要な構成要素であり、証券のライフサイクルに関わる重要な機能を果たして投資家を保護し、証券取引の迅速かつ正確な処理を支えるとされています*1。1934年証券取引所法第3条(a)(25)に定める機能として、発行時の副署、超過発行の監視、証券の移転の登録、証券の交換または転換、記帳による記録上の所有権の移転が挙げられています*1。

規則が古いことが出発点です*1。連邦の移転代理人規則の大部分は1970年代後半から1980年代前半に採択されたとされ、当時は投資家の大半が証券を券面(紙)の形で保有していたと説明されています*1。

提案の対象はフォームTA-1とTA-2の更新、複数の既存規則の改正、規則1本の廃止、新規則2本の追加です*1。改正対象として17ac2-1(登録)、17ac2-2(年次報告)、17ad-1と17ad-9(定義)、17ad-2(ターンアラウンド)、17ad-3(拡大の制限)、17ad-6(記録の作成)、17ad-7(記録の保存)、17ad-10(速やかな記帳)、17ad-11(報告・表題のみ)、17ad-12(保全)、17ad-17(所在不明の証券保有者)が挙げられ、17ad-4が廃止、新規則として17ad-30(コンプライアンス・プログラム)と17ad-31(制限付き注記)が示されています*1。

規模の数字も出ています*1。2026年6月30日時点で登録移転代理人は327社と推定されるとされ、253社がフォームTA-2を提出したとされています*1。

電子記録保存システムに求める5つの統制

ここが設計に直結する部分です*1。

まず用語が変わります*1。現行の規則17ad-7(f)(1)は2001年に採択され、技術中立であるよう設計されたが、当時利用可能だった電子的な保存方法——マイクロフィッシュや、CD-ROMやDVDのような光ディスクを含む——に導かれていたとされています*1。提案では規則の全体を通じて「電子的保存媒体」という語句を「電子記録保存システム」に置き換えるとされ、技術中立の姿勢を保ちつつ、より広い範囲の電子的な記録保存の解決策を包含するためだと説明されています*1。マイクログラフィック媒体の定義とすべての言及を削除することも提案されています*1。

「電子記録保存システム」の定義はデジタル形式で記録を維持、保持、または保存するように設計されたシステムとされ、特定の種類の技術を指定せずに、記録が保存される技術的な手段を指すように設計されているとされています*1。電子的に保存された記録は、あらゆる紙の記録の代替となりうるとも述べられています*1。

そのうえで統制が5つ挙げられています*1。提案は電子記録保存システムを用いる移転代理人に、当該システムで維持・保持・保存される記録の完全性、アクセス可能性、再現性、冗長性、継続性を確保する合理的な統制を実装することを求めるとしています*1。

表1:規則案が挙げる4つの統制の内容
統制 規則案の説明
無権限の変更・破壊からの保護 記録の無権限の変更または破壊から保護する統制で、記録の無権限の改変または喪失を検知し防止するセーフガードを含むとされています
索引と検索 人が読める形式と、合理的に利用可能な電子形式の両方で、文書を直ちに提出できるだけの索引と検索の能力を提供するとされています
監査証跡 記録へのアクセス、変更、削除を、利用者の識別情報と行為または行為の試みの日時とともに追跡する監査証跡を作成するとされています
復旧 原因を問わず、改変され、損傷し、または失われた記録を復旧する手段を提供するとされています

それぞれの狙いも説明されています*1。完全性を確保する統制は、記録が真正で、信頼でき、完全であることを確保するもので、無権限の変更から記録を保護する統制とセーフガードを含むとされています*1。アクセス可能性を確保する統制は、記録が利用可能な状態にとどまることを確保するもので、上記の索引と検索の能力を含むとされています*1。

形式の定義も置かれています*1。人が読める形式とは、個人が自然に読むことができる形式であり、合理的に利用可能な電子形式とは、記録へのアクセスと読み取りに一般的に用いられているシステムと互換性のある形式とされています*1。両方の形式で記録を提出できることは、電子記録保存システムの必要かつ重要な特徴だと述べられています*1。

残る3つも定義されています*1。再現性を確保する統制は、記録の完全性を保つ形で記録を容易に閲覧、複製、またはエクスポートできるようにするもの、冗長性を確保する統制は、原本の記録が失われた場合にも記録が利用可能な状態にとどまることを確保するもの、継続性を確保する統制は、システムや技術の更新、担当者の交代、形式の変更にかかわらず、記録がその全ライフサイクルにわたって完全で、アクセス可能で、信頼できる状態にとどまることを可能にするものとされています*1。

書き込み禁止ではなく監査証跡

実装の方向性がはっきり書かれている箇所です*1。

提案は、完全性の統制について通常の移転代理人の機能と両立しないおそれのある書き込み禁止は含めるべきではないとし、代わりに、記録へのアクセス、変更、削除を、利用者の識別情報と当該行為または行為の試みの日時とともに追跡する監査証跡のシステムの方がより適切であり、データの完全性に関する現代の標準に沿うと述べています*1。

監査証跡の保存条件も同じ水準です*1。監査証跡は当該条項が基礎となる記録について求めるのと同じ統制を用い、同じ期間にわたって維持・保持・保存されるとされています*1。ログだけ短期間で消す運用は想定されていないという読み方になります。

提案された統制は既存の電子的・マイクログラフィック保存媒体に求められる統制と類似するものの、より柔軟であることを意図し、特定の技術形態に固有の要件——たとえば記録の正確な索引を作成するという既存の要件——を含めないことで、より広い範囲の電子記録保存システムを包含するとされています*1。

委託先も同じ線に置かれます*1。登録移転代理人が第三者の代行者を用いる場合、その第三者も同じ統制の対象とする必要があり、しばしばそれ自体が統制の仕組みを構成するとされ、冗長で安全な記録保存を確保するエスクロー代行者が例に挙げられています*1。米国データセキュリティ規則でも、委託先を含めた統制の設計が論点でした。

なお主要証券保有者ファイルは電子記録保存システムを用いて維持することを求める提案があり*1、いずれの記録も紙で維持することは求めないとされています*1。

保全規則17ad-12の書き換えと事業継続計画

もう一つの柱です*1。

現行の規則17ad-12は保全の規則で、保管または占有するすべての証券が、あらゆる事実と状況に照らして、盗難、喪失、または破壊のリスクから合理的に免れる形で安全に保管され取り扱われることを確保することと、保管または占有するすべての資金が、あらゆる事実と状況に照らして、誤用から保護されることを確保することを求めています*1。

1982年に最初に提案されたときの「安全な保管」の例は二重管理の金庫室、閉回路テレビカメラ、警備員、施錠された扉、従業員の身分証明バッジといったもので、物理的な占有または管理に焦点を置いていたことを示すものとされています*1。

現状の認識も明確です*1。券面のない証券——トークン化された証券や記帳証券を含む——の広範な利用と、端から端までの自動化が、重大な運用上および情報セキュリティ上のリスクをもたらしたとされ、移転代理人は保有する証券と資金に関するデータを保存し、アクセスし、操作するため、それらのシステムへの無権限または不適切なアクセス、あるいはシステムの障害が、直接に喪失、不正流用、または市場活動の混乱につながりうると述べられています*1。

実務のばらつきにも言及があります*1。委員会の経験では、情報セキュリティと運用リスク管理に関する移転代理人の実務には大きなばらつきがあり、情報セキュリティまたは運用リスク管理の失敗が盗難または不正流用による損失を直接に引き起こす、あるいはそれに寄与することは珍しくないとされています*1。物理的なセキュリティが極めて重要である一方、サイバーセキュリティと運用上の脅威も、実効的な保全プログラムには同じくらい重要であると述べられています*1。

表2:改正後の規則17ad-12が求めるもの
項目 内容
保護の対象 占有・管理・保管するすべての証券と資金を、盗難、喪失、不正流用、誤用、損傷、破壊、および不適切または無権限のアクセスのリスクから常時保護するよう合理的に設計された、文書化された方針と手続を策定・維持・実施します
リスク管理 事業、活動、運用に起因または関連する重要な保管、運用、サイバーセキュリティその他のリスクを特定し、測定し、監視し、軽減します
資金の分離 発行者、証券保有者、その他の第三者の資金を、移転代理人の他の銀行口座とは別の「for the benefit of」口座に維持します。顧客ごとの分離は求められません
事業継続計画 業務の混乱の重大なリスクをもたらす事象を特定して対処し、記録の適時の復旧を確保し、業務と責務の適時の再開を可能にし、年1回以上テスト・見直し・更新します

事業継続計画の趣旨も説明されています*1。自然災害、運用上の障害、サイバー事案、従業員の不正行為その他の事象のいずれによるものであっても、移転代理人の機能の中断は、資金と証券の引き渡しに重大な遅延や誤りをもたらし、物理的または電子的な記録、資金、証券の喪失につながり、場合によっては証券保有者の所有権上の利益を危うくしうるとされています*1。

記録の復旧については物理的な記録と電子的な記録の両方の復旧をどう扱うかを各移転代理人が検討することを確保するために設計されたとされ、原本と分けて保管される記録の複製が、データの喪失、破損、または改ざんに対するセーフガードとして機能しうると述べられています*1。年1回以上テスト・見直し・更新するという要件は、各計画が最新で実効的であり、その技術、事業モデル、規模、リスクプロファイルに対して適切に調整された状態にとどまることを確保するために設計されたとされています*1。

規模の背景も数字で示されています*1。2014年に移転代理人は2兆4,000億ドルを超える証券保有者向けの配当と利払いを分配したとされ、2024年にはその額が4兆4,000億ドル近くに上昇したとされています*1。これらの数字には投資信託の移転代理人による分配は含まれていないとされています*1。

コンプライアンス・プログラムと日本の開発現場での使いどころ

新規則17ad-30も押さえておきます*1。

提案された規則17ad-30(a)(2)は方針と手続が、移転代理人の方針と手続への不遵守を適時に特定し是正するよう合理的に設計されていることを求めるとされています*1。柔軟性は認めつつ、いかなる方法であっても、不遵守の事例を特定し追跡するよう合理的に設計された方針と手続、および適切な是正措置を特定して実施する取り組みを含める必要があると述べられています*1。

統治の要件もあります*1。提案された規則17ad-30(b)は方針と手続が、移転代理人の取締役会または類似の統治機関によって、年1回以上、あるいは移転代理人の業務または連邦証券法・規則の重要な変更の後に、見直され承認されることを求めるとされています*1。

周知の手立てにも触れています*1。取締役、役員、従業員、請負人、およびサービス提供者が、移転代理人の方針と手続を認識し、職務の遂行においてそれらを遵守する義務と能力の双方を持つことを確保すべきとされ、方法として従業員ハンドブックの維持と配布、充実した研修プログラムの整備、方針と手続へのアクセスの容易化、コンプライアンス・ソフトウェアやオンラインの方針管理ツールといった技術の活用、経営陣による一貫した解釈と運用、内部監査とリスク評価が挙げられています*1。

ここから日本の開発現場で使える論点を挙げます。

第一に、統制の言葉を借りることです。完全性、アクセス可能性、再現性、冗長性、継続性という5つの区分は*1、記録系システムの要件を棚卸しするときの見出しとして使えます。どの区分に手当てがないかを洗い出す形で進められます。

第二に、書き込み禁止の再検討です。規則案は通常業務と両立しないおそれのある書き込み禁止は含めるべきではないとし、監査証跡の方が適切だとしています*1。改ざん防止を保存媒体で担保するか、証跡で担保するかという設計判断を、明文で扱っている例として参照できます。

第三に、証跡の保存期間です。監査証跡は基礎となる記録と同じ統制、同じ期間で保存するとされています*1。本体データとログの保存年限をそろえるという要件は、設計初期に決めておかないと後から効いてきます。

第四に、提出形式の二本立てです。人が読める形式合理的に利用可能な電子形式の両方で直ちに提出できることが挙げられています*1。画面表示だけ、あるいはPDFだけという作りでは足りない可能性がある、という観点です。

第五に、委託先の扱いです。第三者の代行者も同じ統制の対象とする必要があるとされています*1。再委託先まで含めた統制の範囲を契約と設計の両面で決めておく形になります。

誤解されやすいのは、米国の証券業界の話だから関係ないという受け取り方です。扱われているのは電子記録の証拠性をシステムでどう担保するかという論点で、要件の書き方の実例として業種を越えて読めます。あわせて、これはまだ提案段階である点は前提に置いておきたい部分です*1。意見の提出期限は2026年11月3日で*1、最終規則の内容は変わりうるため、確定した義務としてではなく設計の参考として扱うのが妥当な距離感になります。

規則案の全文は連邦官報で公開されています*1。適用の可否は事情によって変わりますので、確認を挟みながら進めてください。

まとめ:移転代理人規則案で押さえる3つの視点

米国SECは2026年9月4日、登録移転代理人を規律する規則を現代化する提案を連邦官報に掲載しました。意見の提出期限は2026年11月3日です。押さえたい視点は三つです。第一に、電子記録保存システムの統制。「電子的保存媒体」を「電子記録保存システム」に置き換え、完全性、アクセス可能性、再現性、冗長性、継続性を確保する合理的な統制の実装を求めます。無権限の変更・破壊からの保護、人が読める形式と電子形式の両方での索引と検索、監査証跡、復旧の手段が挙げられています。第二に、監査証跡の位置づけ。通常の移転代理人の機能と両立しないおそれのある書き込み禁止は含めるべきではないとし、記録へのアクセス、変更、削除を利用者の識別情報と日時とともに追跡する監査証跡の方がより適切だとしています。監査証跡は基礎となる記録と同じ統制を用い、同じ期間にわたって保存されます。第三に、保全規則とコンプライアンス。規則17ad-12は、証券と資金を盗難、喪失、不正流用、誤用、損傷、破壊、不適切または無権限のアクセスから常時保護し、重要な保管、運用、サイバーセキュリティのリスクを特定・測定・監視・軽減する文書化された方針と手続を求める形に書き換えられます。第三者の資金は「for the benefit of」口座に分離し、事業継続計画は年1回以上テスト・見直し・更新します。新規則17ad-30は、不遵守を適時に特定し是正する仕組みと、取締役会による年1回以上の見直しと承認を求めます。

LASSICに相談するメリット

LASSIC IT事業部は元請(プライムベンダー)として、記録の証拠性が要件になる業務システムを設計・実装しています。追記専用テーブルとPostgreSQLのトリガ/論理デコードによる変更履歴の取得、S3 Object Lock(WORM)やAzure Blobの不変ポリシーでの保存期間の担保、OpenSearchでの索引付けと人が読める形式・JSON双方での即時出力、OpenTelemetryでのアクセス経路の追跡といった構成を、要件の粒度に合わせて組み合わせます。本体データと監査ログの保存年限をそろえるためのパーティション設計とアーカイブのライフサイクル、移行時のチェックサム突合とリハーサルまで含めてお引き受けします。

よくある質問

いつ公示された案ですか。

2026年9月4日に連邦官報に掲載された提案で、意見の提出期限は2026年11月3日とされています。File No. S7-2026-30、Release No. 34-106246です。新しい規則の採択、既存規則の改正、フォームTA-1とTA-2の改正、既存規則1本の廃止を提案する内容で、登録移転代理人を規律する規則を現代化するために設計されたものと説明されています。

電子記録保存システムには何が求められますか。

維持・保持・保存される記録の完全性、アクセス可能性、再現性、冗長性、継続性を確保する合理的な統制の実装が求められます。具体的には、無権限の変更または破壊から記録を保護する統制、人が読める形式と合理的に利用可能な電子形式の両方で直ちに提出できる索引と検索の能力、記録へのアクセス・変更・削除を利用者の識別情報と日時とともに追跡する監査証跡、原因を問わず改変・損傷・喪失した記録を復旧する手段が挙げられています。

書き込み禁止(WORM)は必要ですか。

規則案は、完全性の統制について通常の移転代理人の機能と両立しないおそれのある書き込み禁止は含めるべきではないとしています。代わりに、記録へのアクセス、変更、削除を利用者の識別情報と行為または行為の試みの日時とともに追跡する監査証跡のシステムの方がより適切であり、データの完全性に関する現代の標準に沿うと述べられています。

監査証跡はどれだけ保存しますか。

監査証跡は、当該条項が基礎となる記録について求めるのと同じ統制を用い、同じ期間にわたって維持・保持・保存されるとされています。本体データとログの保存年限をそろえる形になります。

事業継続計画には何が求められますか。

業務の混乱の重大なリスクをもたらす事象を特定して対処すること、記録の適時の復旧を確保すること、業務と責務の適時の再開を可能にすること、年1回以上テスト・見直し・更新することが挙げられています。原本と分けて保管される記録の複製が、データの喪失、破損、改ざんに対するセーフガードとして機能しうるとされています。

記録と監査証跡の設計はLASSICへ

元請(プライムベンダー)として、監査証跡の設計から保存年限の整理、機械可読形式での出力、委託先を含めた統制範囲の設計までご提案します。まずはお気軽にご相談ください。

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出典

  1. *1 参考:U.S. Securities and Exchange Commission「Transfer Agent Rules」(連邦官報 2026年9月4日)(https://www.federalregister.gov/documents/2026/09/04/2026-18190/transfer-agent-rules)。提案が新規則の採択・既存規則の改正・フォームTA-1およびTA-2の改正・既存規則1本の廃止であり登録移転代理人を規律する規則の現代化のために設計されたものであること、2026年9月4日の連邦官報掲載と2026年11月3日の意見提出期限およびFile No. S7-2026-30とRelease No. 34-106246、2026年6月30日時点で登録移転代理人が327社と推定され253社がフォームTA-2を提出したこと、規則17ad-7(f)(1)が2001年採択で技術中立を意図しつつマイクロフィッシュや光ディスクに導かれていたこと、「電子的保存媒体」を「電子記録保存システム」へ置き換えマイクログラフィック媒体の定義と言及を削除する提案とその定義、完全性とアクセス可能性と再現性と冗長性と継続性を確保する合理的な統制の要求と4つの具体的統制および各統制の趣旨説明、通常業務と両立しない書き込み禁止を含めるべきでなく監査証跡の方が適切であること、監査証跡が基礎となる記録と同じ統制と同じ期間で保存されること、第三者の代行者も同じ統制の対象でエスクロー代行者が例であること、券面のない証券と端から端までの自動化による運用上および情報セキュリティ上のリスク、改正後の17ad-12が求める常時保護の対象とリスクの特定測定監視軽減と第三者資金の分離と事業継続計画の4要件、2014年に2兆4,000億ドル超・2024年に4兆4,000億ドル近くの配当と利払いを分配したこと、ならびに新規則17ad-30(a)(2)と(b)の要件と周知の手立ての例の一次情報として。確認日は2026年9月4日。(2026年9月確認)
  2. *2 参考:U.S. Securities and Exchange Commission「Transfer Agent Rules(規則案 全文テキスト)」(https://www.federalregister.gov/documents/full_text/text/2026/09/04/2026-18190.txt)。上記提案の連邦官報掲載全文。表1「Overview of Proposed Changes」の改正・廃止・新設の一覧、規則17ad-12の各項、規則17ad-7(f)の電子記録保存システムに関する提案条文と統制の趣旨説明、ならびに新規則17ad-30の提案条文の原文の確認に使用。確認日は2026年9月4日。(2026年9月確認)




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