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2026.10.21 採用支援コラム

QA(品質保証)の業務委託で確認する5つのポイント|社員との違い

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

開発チームの机で業務委託のQAエンジニアがスマートフォンをタップし社内の開発担当が横からのぞき込む

この記事の結論

  • 業務委託のQAエンジニアにはテストの計画案・設計・実行・報告を任せ、優先順位の決定とリリースの判断は社内に残します。
  • 進め方を社内に根づかせるなら社員、開発チームと期間を区切って進めるなら個人への業務委託、範囲と基準を書けるならテスト会社への外注が合います。
  • 費用は稼働の量・期間・範囲で決まるため、条件をそろえて見積もりを比べ、引き渡す資料まで契約の前に決めます。

※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

リリースのたびにテストが追いつかず、品質を見る人が社内にいない。社員で採るには時間がかかるので、QAエンジニアを業務委託で迎えられないか——。こうした相談はよく聞かれます。QA(品質保証)とは、欠陥を見つけるだけでなく、欠陥を生みにくい開発とテストの進め方を整える取り組みです。

業務委託で迎えると決めても、どこまで任せるか、社員やテスト会社への外注と何が違うか、費用は何で決まるかで迷いがちです。本記事では、テストの資格制度のシラバスと民法・国のガイドラインをもとに、その分け方と比べ方、契約前に確認する5つのポイントを整理します。

QAの業務委託で任せる範囲

JSTQB(日本でソフトウェアテストの資格を運営する組織)が翻訳したFoundation Levelシラバスは、テストの活動を、テスト計画、モニタリングとコントロール、分析、設計、実装、実行、完了に分けています。*1 役割は「テストマネジメントをする役割」と「テストをする役割」の2つで、前者は計画・モニタリングとコントロール・完了に、後者は分析・設計・実装・実行に重点を置くとしています。*1

夜の机でタブレットに触れながらクリップボードの確認欄にペンで印を付ける手元

業務委託の個人に頼みやすいのは、範囲と期間を区切れる作業です。シラバスの活動に当てはめると、次のように分けられます。

業務委託のQAエンジニアに任せること・社内に残すこと(本記事の整理)
活動 業務委託のQAエンジニアに任せる 社内に残す
テスト計画 範囲・日程・必要な環境をまとめた計画の案 何を優先して確かめるか・計画の承認
モニタリングとコントロール 進み具合の集計と遅れの報告 遅れたときに範囲や日程を変える判断
分析と設計 仕様から確かめる観点を出し、テストケースを作る 仕様の不明点への回答
実装と実行 テストデータや自動テストの準備、実行と不具合の報告 不具合を直す順番
完了 結果の報告と、作った資料の整理・引き渡し リリースしてよいかの判断

シラバスは、テストを品質コントロールの形の1つとし、QAはプロセスの実装と改善に焦点を当てた予防的な取り組みだとしています。*1 さらに、QAにはプロジェクトに参加するすべての人が責任を持つとしています。*1 業務委託のQAエンジニアに進め方の改善案を出してもらっても、それを開発チームの決まりにするかどうかは社内で決めます。

社員・業務委託・テスト外注の違い

QAの人手を確保する方法は、社員として採る、個人のQAエンジニアと業務委託契約を結ぶ、テストを専門の会社に外注する、の3つに大きく分かれます。選ぶときに使う軸で並べます。

QAを社員で採る・個人に業務委託する・テスト会社に外注する場合の違い
観点 社員で採る 個人に業務委託する テスト会社に外注する
契約 雇用契約 個人との業務委託契約 会社との業務委託契約
主に頼むこと 品質の進め方を続けて整える 期間を区切った計画づくり・設計・自動化 決めた範囲のテストの実施と報告
費用の払い方 給与と賞与、社会保険料などの会社負担 稼働の量と期間に応じた報酬 テストの規模や成果物に応じた委託料
期間 期間を定めず続けて働く前提 区切った期間で決め、更新時に見直す 案件ごとに決める
仕事の指示 上司として日々の業務を指示できる 範囲と報告の方法を契約で決める 担当者への指示は受託した会社が行う
社内に残るもの 判断の経緯と進め方 引き渡しの約束が無いと資料が残りにくい 契約で決めた報告書や資料
向いている場面 品質の進め方を社内に根づかせたい 開発チームと一緒に観点を決めながら進めたい 範囲と合格の基準を先に書き出せる

契約の形も確かめておきます。民法は、請負を、仕事の完成を約束し、その結果に対して報酬を支払う契約としています。*2 法律行為でない事務の委託には委任の規定が準用され、これは準委任と呼ばれます。*2 個人との業務委託でも、作業を進めてもらう形と、テスト設計書などの完成を頼む形のどちらで結ぶかを決めます。

仕事の指示には注意が要ります。国のフリーランスガイドラインは、業務の内容や進め方への具体的な指揮命令を、働く人が労働者にあたるかを見る要素の1つに挙げています。*3 仕様書などによる通常の注文者が行う程度の指示なら、その要素にならないとしています。*3 個別の判断は契約書と専門家に確かめてください。

どれが合うかは、進め方を社内に根づかせたいかと、頼む作業と合格の基準を先に書き出せるかで分かれます。

QAの人手を確保する方法を選ぶ流れの図。品質の進め方を社内に長く根づかせたいなら社員を採る。期間を区切って頼む場合、頼む作業と合格の基準を先に書き出せるならテスト会社に外注し、開発チームと一緒に観点や基準を決めながら進めたいなら個人のQAエンジニアに業務委託する。

社員で採る場合の要件は「QAエンジニア採用の要件の決め方」、テストを会社に頼む進め方は「QAエンジニア不足を外注で補完する進め方」と「ソフトウェアテスト外注で体制構築する進め方」で扱っています。

QA業務委託の費用の決まり方

業務委託のQAエンジニアの報酬は頼む条件で大きく変わるため、本記事では金額の目安ではなく決まり方と比べ方を整理します。主な条件は次の5つです。

  • 稼働の量:週に何日、月に何時間関わってもらうか
  • 期間:リリース前の数か月だけか、開発の初めから通して頼むか
  • 範囲:計画と設計から頼むか、実行と報告だけか、自動テストの準備まで頼むか
  • テストする対象:業務システム・Webサービス・スマートフォンのアプリなど、確かめる環境の数
  • 働く場所:リモート中心か、決まった日に出社してもらうか

払い方は、月ごとに決まった額を払う形と、関わった時間で精算する形が考えられます。テスト会社への外注では、範囲と成果物を決めてから見積もってもらう形が中心になります。

自動テストを頼むときは、作ったあとの手間も見込みます。シラバスはテスト自動化のリスクとして、ツールの導入、テストスクリプトの保守、既存の手動テストプロセスの変更に必要な時間・コスト・労力の見積りが正確でないことを挙げています。*1 契約が終わったあとに誰が保守を続けるかまで決めたうえで、範囲・稼働・期間をそろえ、複数の候補に同じ条件で見積もってもらいます。

外部に頼むときに確認しておきたい点

QAエンジニアを業務委託で探す前に、次の5つのポイントを社内で書き出しておくと、そのまま相談の材料になります。

会議室の大型画面のぼけた不具合管理表を開発リーダーとQAエンジニアが並んで見る後ろ姿

  • 範囲:計画・設計・実行・自動化のうち何を頼むか。優先順位とリリースの判断をする社内の責任者は誰か
  • 期間:最初の契約期間と、更新するかを見直す時期
  • 体制:週の稼働日数、不具合を受け取る開発側の担当、社内の窓口、報告の頻度
  • 費用の決まり方:月額で決めるか稼働時間で精算するか。稼働が予定を超えたときの扱い
  • 引き継ぎ:テストケースや自動テストをどこに残すか。契約を終えるとき、誰に何を渡してもらうか

引き継ぎは始める時点で決めておきます。シラバスはテスト完了の活動として、将来役立つ可能性のあるテストウェア(テストのために作った資料やデータ)を保管するか、適切なチームへ引き渡すことを挙げています。*1

フリーランスの個人と契約する場合は、法律で決まった手続きもあります。業務を委託したら、直ちに給付の内容・報酬の額・支払期日などを書面やメールなどで示します。*4 従業員を雇う会社などが頼む場合、報酬の支払期日は、給付を受け取った日から60日以内で定めます。*4

リリース前に一時的にテストの人手を加える場合は「リリース前のテスト要員と開発要員の違い」も参考にしてください。

まとめ:QAを業務委託するときの3つの点

QAを業務委託するときに確かめたい点は3つです。第一に、テストの計画案・設計・実行・報告は業務委託のQAエンジニアに任せ、優先順位の決定とリリースの判断は社内に残すこと。第二に、進め方を社内に根づかせたいか、頼む作業と基準を書き出せるかを見て、社員採用・個人への業務委託・テスト会社への外注のどれが合うかを選ぶこと。第三に、範囲・稼働・期間をそろえて見積もりを比べ、引き渡す資料まで契約の前に決めておくことです。

LASSICに相談するメリット

任せる範囲と社内に残す判断、期間と週の日数が書き出せたら、条件に合う人を探す段階です。業務委託で頼むか社員で採るかを決めきれていなくても、両方の形で候補を比べられます。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

業務委託のQAエンジニアにリリースの判断まで任せてもよいですか

テスト結果の報告や、判断に使う材料の整理は任せやすい仕事です。リリースしてよいかの判断は社内の責任者に残すのが基本です。シラバスも、QAにはプロジェクトに参加するすべての人が責任を持つとしています。*1

テストの実行だけを頼むなら、個人とテスト会社のどちらが合いますか

頼む範囲と合格の基準を先に書き出せて、決まった件数を期間内にこなしてほしいなら、テスト会社への外注が比べやすくなります。開発チームと一緒に確かめる観点を決めながら進めたいなら、個人への業務委託が合います。

業務委託のQAエンジニアはどのくらいの期間入ってもらえばよいですか

決まった目安はありません。リリース前の数か月だけ頼むのか、開発の初めから通して頼むのかで変わります。まず短めの期間で始め、更新のときに範囲と日数を見直す進め方もあります。

QAを任せられる業務委託の専門人材を探す

任せたい範囲と期間が決まっていれば、そのままご相談いただけます。業務委託で頼むか社員で採るかを決めきれていない段階でも構いません。

Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

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出典

  1. *1 参考:JSTQB「テスト技術者資格制度 Foundation Level シラバス」(V4.0 日本語翻訳版・PDF)(https://www.jstqb.jp/wordpress/wp-content/uploads/2026/02/CORE-FOUNDATION-FL%E3%82%B7%E3%83%A9%E3%83%90%E3%82%B9CTFL.pdf)。出典:ISTQB「テスト技術者資格制度 Foundation Level シラバス V4.0」日本語翻訳版(JSTQB、2023年4月12日)。1.2.2 テストと品質保証(QA)、1.4.1 テスト活動とタスク、1.4.5 テストの役割、6.2 テスト自動化の利点とリスクを参照(確認日2026年10月21日)(2026年10月確認)
  2. *2 参考:e-Gov法令検索「民法」(明治29年法律第89号)(https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089)。出典:第632条(請負)、第643条(委任)、第656条(準委任)を参照(確認日2026年10月21日)(2026年10月確認)
  3. *3 参考:公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省「フリーランスガイドライン」(令和3年3月26日策定・令和8年1月1日改定・PDF)(https://www.mhlw.go.jp/content/001318001.pdf)。出典:労働基準法における「労働者性」の判断基準のうち、業務遂行上の指揮監督の有無と、仕様書等による通常の注文者が行う程度の指示は肯定する要素とならない例を参照(確認日2026年10月21日)(2026年10月確認)
  4. *4 参考:e-Gov法令検索「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(令和5年法律第25号)(https://laws.e-gov.go.jp/law/505AC0000000025)。出典:第3条第1項(給付の内容・報酬の額・支払期日等の明示)、第4条第1項(給付を受領した日から60日以内の支払期日)を参照(確認日2026年10月21日)(2026年10月確認)




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