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2026.10.22 らしくコラム

Microsoft 365 Copilot導入支援の4つの準備

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

雨の日の窓際の席でモニターの権限一覧の1行を指して確かめる担当者

この記事の結論

  • Microsoft 365 Copilotは、利用者が見られる社内データだけを使って回答するAIの機能です。
  • そのため導入の準備は、ライセンスの前提・データの権限・秘密度ラベル・利用ルールの4つが中心です。
  • 一部の部署で試してから全社に広げ、監査ログを見て設定を見直すと進めやすくなります。

※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

Copilotを入れたら、人事のファイルまで回答に出てこないか。ライセンスを買う前に、何を整えておけばよいのか分からない——。Microsoft 365を使っている会社では、こうした不安から導入の判断が止まりがちです。Microsoft 365 Copilotは、WordやTeamsなどの中で、社内のメールや文書をもとに文章の下書きや要約を作るAIの機能です。

社内の資料を探す手間を減らせる一方、万能ではなく、ファイルの共有設定が緩いままだと、見せたくない情報まで回答に使われるおそれがあります。本記事では、情報システムの担当者に向けて、無料で使えるCopilot Chatとの違い、導入前に準備する4つのこと、導入の進め方、そしてMicrosoft 365 Copilotの導入支援を外部に頼むときに確認したい点を整理します。

Microsoft 365 Copilotとは

Microsoft Learnの要件ページによると、Microsoft 365 Copilotは現在「Microsoft Copilot」に名前が変わっています。*1 本記事では旧称で呼びます。仕組みの要点は次のとおりです。

  • 利用者が少なくとも表示の権限を持っている社内データだけを使って回答します*3
  • 社内のデータは、Microsoft Graph(社内のメールやファイルをまとめて探す仕組み)を通して探します
  • 使うには、Copilotのライセンスと、前提となるMicrosoft 365などの契約の両方が要ります
  • プロンプト(AIへの指示文)と回答は監査ログ(操作の記録)に残り、管理者が確かめられます*4

Copilotは見られる範囲を広げる道具ではなく、いまの権限のまま社内の情報を探しやすくする道具です。そのため準備は権限とデータの整理が中心になります。Microsoft 365そのものの契約やメール移行の進め方はMicrosoft 365導入支援で決めておく5つのポイントで扱っています。

Copilot Chatとの違い

対象となるMicrosoft 365の契約があれば、Copilotのライセンスを追加しなくても使えるCopilot Chatがあります。*7 どちらを使うかで、準備の重さが変わります。

Copilot ChatとMicrosoft 365 Copilotの違い
項目 Copilot Chat Microsoft 365 Copilot
必要な契約 対象となるMicrosoft 365の契約 前提となる契約に加えてCopilotのライセンス
回答のもとになる情報 主にWebの情報 Webの情報と社内のデータ
社内の資料の使い方 利用者がファイルを添付するか、開いている内容を使う 利用者が見られる範囲から自動で探す
管理者向けの機能 基本的な利用の管理とレポート 高度な管理と分析の機能が加わる

社内のデータを自動で探すのはMicrosoft 365 Copilotのほうで、次の節の権限やラベルの準備も主にこちらで重くなります。なお、GitHub Copilotはプログラムを書く人向けの別の製品で、GitHub Copilot導入支援で扱っています。

導入前に準備する4つのこと

Microsoftは、Copilotの展開に向けた手引きで、共有しすぎの解消・ガードレール(誤った使い方を防ぐ仕組み)の設定・規制への対応の3つを柱に挙げています。*6 これを社内の作業に置き換えると、準備は次の4つにまとまります。

早朝の自席でノートPCの文書一覧に印を付ける手と鍵付きの引き出し

Microsoft 365 Copilotの導入前に準備する4つのこと
準備すること 確かめる内容
1. ライセンスの前提 いまの契約がCopilotの前提に当たるか。300人以下の組織向けのCopilot Businessも選べるか” + s(2) + “
2. データの権限 社内の広い範囲に共有されたままのサイトやファイルがないか
3. 秘密度ラベル 機密の文書にラベル(機密の度合いを示す印)を付け、暗号化する文書を決めたか
4. 利用ルール 誰に配るか、使ってよいエージェント(決まった作業をこなすAI)、回答を人が確かめる手順

4つのうち手間がかかるのはデータの権限です。共有の設定が広すぎると、見せる想定のなかった社員にも中身が回答として届きます。Microsoftは、SharePoint(社内のファイル共有の仕組み)でよく使われる上位100のサイトを書き出し、権限の状態を調べるところから始める手順を示しています。*5 そのためのSharePoint高度な管理は、Copilotのライセンスに含まれています。*6

秘密度ラベルで暗号化した文書は、利用者が閲覧と内容の取り出しの両方の権限を持っていなければ、Copilotの回答に使われません。*4 人事や経営の文書に、権限とは別の守りを重ねられます。

導入の進め方

準備が済んだら、いきなり全社に配らず、段階を分けて広げます。Microsoftの導入準備のチェックリストも、試験環境での確認、一部の利用者での試行、利用者への案内の計画を挙げています。*5

  • ステップ1:試験環境で、ライセンスの割り当てと設定を確かめる
  • ステップ2:一部の部署でパイロット(試行)を行い、問題点と意見を集める
  • ステップ3:利用者への案内を用意する(できること、してはいけないこと、困ったときの窓口)
  • ステップ4:全体に展開し、監査ログと利用の状況を見て設定を見直す

Microsoft 365 Copilotの導入を4つの段階で左から順に並べた流れ図。STEP1 試験環境で確かめる、STEP2 一部の部署で試す、STEP3 利用者への案内を用意、STEP4 全体に展開し見直す。

見落としやすいのは、アプリの更新の設定です。Copilotは、Microsoft 365 Appsの更新チャネル(新しい機能を受け取る間隔)のうち、半期エンタープライズチャネルでは使えません。*5 半期ごとの更新にそろえている会社は、パイロットの前に変更の影響を確かめておきます。

外部に頼むときに確認しておきたい点

Microsoft 365 Copilotの導入支援を外部に頼むときは、ライセンスの手配だけで終わらないかを確かめます。どの文書を誰に見せるかは、社内の業務を知る人と一緒に決める作業だからです。

会議室で技術者が壁のディスプレイのグラフを指し担当者がメモを取る場面

  • 権限の調査:よく使うサイトだけか、すべてのサイトか。見つかった共有しすぎを誰が直すか
  • ラベルの設計:機密の分け方を誰が決めるか。暗号化する文書の範囲と、ラベルの付け忘れの扱い
  • ライセンスの確認:いまの契約が前提に当たるか。足りない場合にどの契約へ移るか
  • 利用ルールと案内:パイロットの部署、使ってよいエージェント、回答を人が確かめる手順を文書にするか
  • 運用後の見直し:監査ログを誰がどの頻度で見るか。プロンプトと回答をいつまで残すか

利用ルールには、回答をそのまま使わないことを入れておきます。Microsoftも、生成された内容を利用者が見直し、事実を確かめるよう促すとしています。*3 生成AI全般の社内規程づくりは生成AI利用規程の策定支援で扱っています。

まとめ:Microsoft 365 Copilotで確かめておきたい3つの点

Microsoft 365 Copilotの導入を進めるうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、いまの契約がCopilotの前提に当たるか、Copilot Chatで足りるかを見極めること。第二に、共有しすぎのサイトやファイルを、よく使う場所から直しておくこと。第三に、機密の文書にラベルを付け、利用ルールと監査ログの見方を決めてから全社に広げることです。この3点を踏まえておけば、「配ってみたら、見せるつもりのなかったファイルが回答に出てきた」という事態を避けやすくなります。権限の調査やラベルの設計に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

LASSICは2006年の創業以来、システムの運用・保守に特化したプライム(一次請け)のシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。日本ニアショア開発推進機構の認定ベンダーとして、全国のリモート人材による開発・運用の体制を整えています。

Microsoft 365 Copilotの導入準備では、Microsoft Entra IDの条件付きアクセスと多要素認証を確かめたうえで、SharePoint高度な管理の権限状態レポートとアクセスレビューで共有しすぎのサイトを洗い出します。設計の段階では、Microsoft Purviewの秘密度ラベルを何段に分けるか、どのラベルで暗号化するか、制限付きアクセス制御をかけるサイトをどれにするかを、お客様の部署と文書の種類を見ながら決めます。検証では、試験用のアカウントで権限の無いファイルが回答に出ないことをパイロットの前に確かめ、Microsoft 365 Appsの更新チャネルも合わせて点検します。運用では、Purviewの監査ログとDLP(情報漏えいを防ぐ設定)の検知結果を定期的に見て、ラベルと権限の見直しを提案します。

よくある質問

Copilotに入力した内容はAIの学習に使われますか

基盤となるAIモデルの学習には使われません。*3 プロンプトと回答は保存中に暗号化され、管理者は保持ポリシー(データを残す期間の設定)で、残す期間や削除の時期を決められます。

共有メールボックスのメールもCopilotの対象になりますか

Copilotは、Exchange Online(Microsoftのメールの仕組み)にある本人のメールボックスを主な対象にします。共有や代理人のメールボックスも、利用者に権限がある内容なら使えます。グループのメールボックスでは使えません。*1

パスワードを付けたファイルはCopilotに読まれますか

パスワードで保護された文書は、利用者がそのアプリで開いている場合を除き、Copilotからは使われません。*4 Microsoftは、機密の文書には秘密度ラベルを使い、ラベルで暗号化をかけると最も使いやすくなると説明しています。

Microsoft 365 Copilotの導入準備のご相談

Microsoft 365 Copilotの導入に向けた権限の見直しから、秘密度ラベルの設計、利用ルールづくりまで、元請(プライムベンダー)としてご提案します。

2006年の創業以来、一次請けのシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。

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出典

  1. *1 参考:Microsoft Learn「Microsoft Copilot の要件」(https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/copilot/microsoft-copilot-requirements)。出典:名称の変更(旧称 Microsoft 365 Copilot)、ライセンスの要件、メールボックスの要件、ネットワーク要件の記述を参照(2026年10月確認)
  2. *2 参考:Microsoft Learn「License options for Microsoft Copilot」(https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/copilot/copilot-license-options)。出典:前提となるライセンスの一覧、Microsoft Copilot Business(300人以下・年単位の契約)の記述を参照(2026年10月確認)
  3. *3 参考:Microsoft Learn「Microsoft Copilot のデータ、プライバシー、セキュリティ」(https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/copilot/microsoft-365-copilot-privacy)。出典:表示の権限を持つデータだけを使うこと、基盤となるAIモデルの学習に使わないこと、利用者に見直しと事実の確認を促すことの記述を参照(2026年10月確認)
  4. *4 参考:Microsoft Learn「生成 AI アプリの Microsoft Purview データ セキュリティとコンプライアンス保護」(https://learn.microsoft.com/ja-jp/purview/ai-microsoft-purview)。出典:秘密度ラベルとEXTRACT・VIEWの使用権限、パスワードで保護された文書、監査ログ、保持ポリシーの記述を参照(2026年10月確認)
  5. *5 参考:Microsoft Learn「Set up Microsoft Copilot and assign licenses」(https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/copilot/copilot-setup-assign-licenses)。出典:導入準備のチェックリスト、上位100サイトの権限調査、更新チャネルの記述を参照(2026年10月確認)
  6. *6 参考:Microsoft Learn「Microsoft Copilot のセキュリティ保護とガバナンス: 基本的な展開ガイダンス」(https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/copilot/secure-govern-copilot-foundational-deployment-guidance)。出典:3つの柱(オーバーシェアリングの修復・ガードレールの設定・規制への準拠)と、SharePoint高度な管理がライセンスに含まれることの記述を参照(2026年10月確認)
  7. *7 参考:Microsoft Learn「Microsoft Copilot overview」(https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/copilot/copilot-overview)。出典:Copilot Chat(Basic)とライセンスありのCopilotの違い(データの範囲・管理機能)の記述を参照(2026年10月確認)




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