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2026.11.06 らしくコラム

Zabbixのバージョンアップはなぜ必要?サポート期限と進め方

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

作業カートのノートPCの前でラックのサーバーを指す担当と、隣で見る同僚

この記事の結論

  • Zabbixの長期サポート版(LTS)は5年間サポートされ、その期限が版上げの時期の目安になります。
  • 6.0 LTSの限定サポートは2027年2月28日に終わるため、7.0か8.0への移行の計画が必要です。
  • 版上げはサーバーからプロキシへの順と範囲を決め、検証環境で戻し方まで試してから進めます。

※ 本記事は2026年11月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

監視サーバーのZabbixを入れてから何年も触っていない。いまの版がいつまでサポートされるのか、誰も把握していない——。監視の仕組みは止めにくく、情報システムの現場では、こうした状態のまま版が古くなっていきがちです。Zabbixのバージョンアップとは、監視サーバーや監視対象に入れたZabbixを、修正が提供される新しい版に入れ替える作業のことです。

とくに長期サポート版を使っている会社では、サポート期限が版上げの時期を決める目安になります。ただし万能ではなく、新しい版に上げれば済むわけでもありません。データベースやOS、ほかのシステムとの連携まで確かめる必要があります。本記事では、Zabbixを運用する情報システムの担当者に向けて、版の種類とサポート期限、バージョンアップが必要になる理由、進め方、そして外部に頼むときに確認したい点を整理します。

Zabbixのバージョンアップとは

Zabbixの版は「7.0」「7.4」のような番号で呼ばれます。番号の前半が変わる版上げと、末尾の数字(7.4.1から7.4.3など)だけが変わる同じ系列の中の更新とでは、作業の重さがまったく違います。本記事で扱うのは、主に前者の系列をまたぐ版上げです。

  • Zabbixサーバー:監視データを集めて異常を判定する本体です。版上げの中心で、最初に上げます
  • Zabbixプロキシ:拠点ごとにデータを集めてサーバーへ送る中継役です。サーバーに合わせて上げることが強く勧められています
  • Zabbixエージェント:監視対象のサーバーに入れる小さなプログラムです。上げることは勧められていますが、必須ではありません
  • データベース:版上げのときに中身の構造も新しい版に合わせて更新され、データの量によっては長い時間がかかります*2

つまり、サーバーだけでなく、プロキシとエージェントがどの版で動いているかを把握していないと、版上げの範囲が決まりません。監視対象が多い会社ほど、エージェントの版はばらばらになりがちです。

LTS版と標準版のサポート期限

Zabbixには、長く使うための長期サポート版(LTS)と、新しい機能を早く取り入れる標準版の2種類があります。公式のライフサイクルの方針では、LTS版は1年半ごとに出て5年間、標準版は半年ごとに出て12か月間サポートされます。*1 LTS版の5年は、機能の更新とセキュリティの修正が出る3年間のフルサポートと、重大な修正だけが出る2年間の限定サポートに分かれます。

壁のディスプレイの工程表の横棒を手で示す男性と、席で見上げる女性

Zabbixの主な版とサポート期限
版 公開日 フルサポートの終了 限定サポートの終了
6.0 LTS 2022年2月8日 2025年2月28日 2027年2月28日
7.0 LTS 2024年6月4日 2027年6月30日 2029年6月30日
7.4(標準版) 2025年7月1日 8.0 LTSの公開まで 2027年第1四半期
8.0 LTS(予定) 2026年第4四半期 2029年第4四半期 2031年第4四半期

表のとおり、6.0 LTSはすでにフルサポートが終わり、限定サポートも2027年2月28日に終わります。*1 6.0を使い続けている会社は、残りの期間で移行を終える計画が必要です。次のLTS版の8.0は2026年第4四半期に出る予定で、7.0へ上げるか8.0を待つかは、検証の時間をどれだけ取れるかで決まります。

なぜバージョンアップが必要なのか

サポート期限を過ぎても、Zabbixがその日に止まるわけではありません。ただ、期限を過ぎた版には修正が出なくなり、あとから見つかった弱点(脆弱性)がそのまま残ります。公式の方針では、サポートが終わった版の配布物は終了から12か月はダウンロードでき、その後は削除されます。*1 同じ版で入れ直そうとしても、入手できなくなるおそれがあります。

  • 修正の提供:限定サポートが終わると、重大な不具合の修正も提供されなくなります
  • OSの対応:Zabbixは対応するOSを定期的に見直し、サポートが終わったOSを今後の版の対象から外します*1
  • プロキシとの組み合わせ:サーバーより古いプロキシは、データは送れても監視設定の更新を受け取れません*4
  • ライセンス:7.0以降の版はAGPLv3、6.4までの版はGPLv2で公開されています*5

監視の仕組みは、ほかのシステムの異常を見つけるための土台です。土台に修正が出ない状態は、障害の見逃しや不正な侵入の入口になりかねません。OSの期限と重なる場合は、CentOS 7終了後のLinux移行のように、OS側の移行と合わせて計画を立てます。

バージョンアップの進め方

Zabbixのバージョンアップは、新しい版を入れる作業より、前後の確認に時間がかかります。次の4つのステップで進めると、当日の手戻りを減らせます。

  • ステップ1:いまの構成を調べる(サーバー・プロキシ・エージェントの版、データベースとOSの版、ほかのシステムとの連携)
  • ステップ2:移行先の版と時期を決める(サポート期限と、新しい版が求めるソフトの版を見比べる)
  • ステップ3:検証環境で版上げを試す(バックアップから戻す手順も試し、データベースの更新にかかる時間を測る)
  • ステップ4:本番で切り替えて確かめる(サーバーを先に、プロキシを後に上げ、監視と通知が戻ったことを確かめる)

Zabbixのバージョンアップを4つの段階で左から順に並べた流れ図。STEP1 いまの構成を調べる、STEP2 移行先の版と時期を決める、STEP3 検証環境で試す、STEP4 本番で切り替えて確かめる。

公式の手順は、版上げの前にアップグレードノート(版ごとの変更点の一覧)を読み、新しい版の要件を満たしているかを確かめるよう求めています。*3 たとえば7.0では、Webの画面を動かすPHPの必要な版が8.0.0以上に上がりました。*2

データベースは、ディスクの容量不足や停電などで版上げが失敗したときに備えてバックアップを取ります。*3 本番では、サーバーを上げて起動してから、プロキシを1台ずつ上げると、止まる時間とデータの欠けを抑えられます。サーバーが止まっている間も、プロキシはデータを集め続けます。

外部に頼むときに確認しておきたい点

Zabbixのバージョンアップは数年に一度の作業になりやすく、社内に手順の経験が残りにくい作業です。外部に頼むときは、見積もりの前に次の点を確かめておきます。

机の構成図を指でなぞるエンジニアと、ペンを手に身を乗り出す担当

  • 範囲:サーバーだけか、プロキシやエージェント、データベースやOSの入れ替えまで含むか
  • 移行先の版:7.0 LTSか8.0 LTSか。選んだ理由とサポート期限を説明してもらえるか
  • 検証の方法:検証環境で試すか。バックアップから戻す手順を事前に試すか
  • 止まる時間:監視が止まる時間帯と、その間の障害をどう見張るか
  • 版上げ後の確認:通知、ダッシュボード、外部システムとの連携が元どおり動くことを、誰がどの項目で確かめるか

公式のドキュメントは、版上げのあとに外部のソフトとの連携が影響を受ける場合があると注意しています。*2 通知先やチケット管理など、Zabbixの外につないでいる仕組みを一覧にして渡すと、確認の漏れを防げます。監視の仕組みを新しく作る場合の考え方はZabbixでインフラ監視基盤を外注構築で扱っています。

まとめ:Zabbixの版上げで確かめたい3つの点

Zabbixのバージョンアップを進めるうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、いま使っている版のサポート期限を公式のライフサイクルで確かめること。第二に、プロキシやエージェント、データベース、OSまで含めて範囲を決めること。第三に、検証環境でバックアップからの戻し方まで試してから本番に臨むことです。この3点を踏まえておけば、「期限が迫ってから慌てて上げたら、通知が届かなくなっていた」という事態を避けやすくなります。版選びや検証に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

LASSICは2006年の創業以来、システムの運用・保守に特化したプライム(一次請け)のシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。日本ニアショア開発推進機構の認定ベンダーとして、全国のリモート人材による開発・運用の体制を整えています。

Zabbixのバージョンアップでは、Zabbixサーバー、プロキシ、エージェント2の版と、MySQLやPostgreSQL、TimescaleDB、PHP、OSの版を一覧にし、移行先の版の要件と照らし合わせます。設計の段階では、7.0 LTSと8.0 LTSのどちらへ上げるか、OSの入れ替えを同時に行うか、高可用性(HA)クラスタの切り替えの順を、期限と止められる時間から決めます。検証環境では、本番のデータベースの写しで版上げにかかる時間を測り、バックアップから戻す手順まで試します。切り替えの後は、通知と外部システムとの連携を確認項目の一覧で確かめます。

よくある質問

6.0から最新の版へ一度に上げられますか

上げられます。公式のドキュメントは、6.0を含む古い版から7.4へ直接上げられると案内しています。*2 ただし、飛ばした版で入った変更もすべて当てはまるため、間の版の分までアップグレードノートを読んで確かめておきます。

エージェントもサーバーと同時に上げる必要がありますか

同時でなくてもかまいません。サーバーより古い版のエージェントもつながりますが、サーバーより新しい版のエージェントはつながりません。*4 新しい機能を使うには新しいエージェントが勧められているので、サーバーの後に順にそろえる計画にします。

7.0 LTSと8.0 LTSのどちらへ上げればよいですか

期限と検証にかけられる期間で決めます。7.0のフルサポートは2027年6月30日まで、限定サポートは2029年6月30日までです。*1 8.0は2026年第4四半期の公開予定で、公開後に自社の環境で試す期間が要ります。6.0の期限に間に合わせたい場合は7.0を選び、のちに8.0へ上げる考え方もあります。

Zabbixのバージョンアップのご相談

Zabbixのサポート期限の確認から、移行先の版選び、検証、本番の切り替えまで、元請(プライムベンダー)としてご提案します。

2006年の創業以来、一次請けのシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。

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出典

  1. *1 参考:Zabbix「Zabbix Life Cycle and Release Policy」(https://www.zabbix.com/life_cycle_and_release_policy)。出典:LTS版と標準版の公開間隔とサポート期間、フルサポートと限定サポート、6.0 LTS・7.0 LTS・7.4・8.0 LTS(予定)の公開日とサポート終了日、サポート終了後12か月の配布、対応OSの見直しの記述を参照(2026年11月確認)
  2. *2 参考:Zabbix Documentation 7.4「Upgrade procedure」(https://www.zabbix.com/documentation/current/en/manual/installation/upgrade)。出典:エージェントとプロキシの版上げの扱い、サーバーとプロキシの版上げの順、データベースの更新にかかる時間、7.4へ直接上げられる版、外部のソフトとの連携への影響、7.0でのPHPの必要な版の記述を参照(2026年11月確認)
  3. *3 参考:Zabbix Documentation 7.4「Upgrade from packages:Red Hat Enterprise Linux」(https://www.zabbix.com/documentation/current/en/manual/installation/upgrade/packages/rhel)。出典:アップグレードノートと要件の確認、データベースのバックアップ、同じ系列の中の更新の案内の記述を参照(2026年11月確認)
  4. *4 参考:Zabbix Documentation 7.4「Version compatibility」(https://www.zabbix.com/documentation/current/en/manual/appendix/compatibility)。出典:エージェントとサーバーの版の組み合わせ、古いプロキシが監視設定の更新を受け取れないことの記述を参照(2026年11月確認)
  5. *5 参考:Zabbix「License」(https://www.zabbix.com/license)。出典:7.0以降の版はAGPLv3、6.4までの版はGPLv2で公開されていることの記述を参照(2026年11月確認)




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