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2026.06.25 らしくコラム

Amazon RDSのコストを最適化する外注の進め方

LASSIC IT事業部|元請(プライムベンダー)としてシステム保守・運用を受託

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この記事のポイント

  • Amazon RDSの課金はインスタンス時間・ストレージ・バックアップ・I/O・データ転送の5項目で構成され、それぞれに最適化の打ち手があります。
  • リザーブドDBインスタンスの活用やスナップショット棚卸しなど、具体的なコスト削減施策と実施手順を整理しています。
  • 外注を活用することで、見極めと設計を専門家に委ねながらリスクを抑えた最適化を進める方法がわかります。

Amazon RDSの課金内訳

Amazon RDS(Relational Database Service)のコスト最適化外注とは、AWSが提供するマネージドデータベースサービスの料金体系を分析し、不必要なコストを削減するための設計・実施作業を外部の専門パートナーに委ねる取り組みです。

現状分析 課金内訳 の把握 最適化 施策選定 RI/リサイズ 実施・検証 設定変更 動作確認 モニタリング 効果測定 レポート 継続改善 定期見直し 再最適化
Amazon RDSコスト最適化を外注で進める5つのステップ

Amazon RDSの料金は、主に以下の5項目で構成されています。どの項目に費用がかかっているかを把握することが、最適化の出発点です。

課金項目 概要 最適化の余地
インスタンス時間 DBインスタンスが起動している時間に応じた課金(オンデマンド料金)。
インスタンスタイプ・エンジン・リージョンにより異なります。
リザーブドDBインスタンス(RI)の購入や、不要インスタンスの停止・削除で削減できます。
ストレージ 割り当てたストレージ容量(GB/月)に対する課金。
gp2/gp3/io1などストレージタイプにより単価が異なります。
適正サイズへの縮小やgp3への移行で削減できます。
バックアップストレージ 自動バックアップと手動スナップショットの保持容量に対する課金。
DBインスタンスの割り当てサイズを超えた分が課金対象です。
保持期間の短縮や不要なスナップショットの削除で削減できます。
I/O(ストレージI/O) gp2・magnetic等ではストレージI/Oリクエスト数に対して課金されます。
gp3ではI/Oリクエストは基本料金に含まれます。
ストレージタイプをgp3へ変更することでI/O課金をなくせます。
データ転送 同一リージョン内のアベイラビリティーゾーン(AZ)間転送や、インターネットへのアウトバウンド転送に対する課金です。 アーキテクチャ見直しによるAZ間通信の削減で改善できます。

上記のうち、リザーブドDBインスタンス(RI)はインスタンス時間のみに適用される割引です。ストレージ・バックアップ・I/O・データ転送はRIの割引対象外となる点に注意が必要です。

コストが膨らむ典型パターン

RDSのコストが想定以上に膨らむ背景には、いくつか共通したパターンがあります。自社の運用が当てはまっていないか、確認してみましょう。

オンデマンド料金での長期稼働

本番環境が安定稼働に入っているにもかかわらず、オンデマンド料金のまま運用し続けているケースです。AWSの公式情報によれば、リザーブドDBインスタンスを1年・3年契約で購入することでオンデマンド比〜69%の削減が見込めます*1。長期安定稼働のワークロードにもかかわらずRIを購入していない場合、コスト削減の機会を逃していることになります。

放置されたスナップショット

プロジェクト終了後や移行後に手動スナップショットを削除せず、そのまま保持し続けているケースが見られます。スナップショットはDBインスタンスを削除した後も課金が継続します。数か月・数年分の不要なスナップショットが積み重なると、バックアップストレージのコストが無視できない規模になります。

過剰なインスタンスサイズ

初期設計時に余裕を持たせたインスタンスタイプが、実際の利用状況に対してオーバースペックになっているケースです。Performance Insights(AWSが提供するデータベース負荷監視機能)を使うと、CPU・メモリの実利用率を確認できます。稼働率が低いまま上位インスタンスを維持し続けると、コストが過剰になります。

検証環境の常時稼働

開発・検証用のDBインスタンスが業務時間外も停止されずに動いているケースです。RDSは停止から7日後に自動的に再起動する仕様があるため、完全に課金をなくすには削除が必要ですが、スナップショットを取得してから削除→必要時に復元という運用に切り替えることで費用を抑えられます。

コスト最適化の打ち手5選

RDSのコスト最適化には、即効性のある施策と中長期で効果を発揮する施策があります。以下の5つが代表的なアプローチです。

①リザーブドDBインスタンス(RI)の購入

リザーブドDBインスタンス(RI)とは、1年または3年の期間コミットメントと引き換えにインスタンス時間の割引を受けられる購入オプションです。支払いオプションは「前払いなし」「一部前払い」「全前払い」の3種類があり、前払い比率が高いほど割引率も大きくなります。

AWSの公式情報では、オンデマンド比〜69%の削減が目安として示されています*1。ただし、RIはインスタンス時間のみへの適用であり、ストレージ・バックアップ・I/O・データ転送には適用されません。移行案件の途中でインスタンスタイプが変わる可能性がある場合は、購入タイミングの見極めが重要です。

②スナップショット・バックアップの棚卸し

AWSマネジメントコンソールまたはAWS CLIを使い、現在保持しているスナップショットの一覧を取得します。作成日・作成元インスタンスの存否を確認し、不要なものを削除することでバックアップストレージのコストを削減できます。

自動バックアップの保持期間(デフォルトは7日)を見直すことも有効です。要件上3日保持で十分な環境であれば、保持期間を短縮することでストレージ使用量を抑えられます。

③Performance Insightsによるリサイズ

Performance Insights(パフォーマンス分析ツール)を使うと、DBの実負荷・待機イベント・セッション数をグラフで確認できます。CPU・メモリの実利用率が継続的に低い場合は、下位インスタンスへのリサイズを検討します。

リサイズ前にはスナップショットをあらかじめ取得した上で、ピーク時の負荷データも確認してから判断してください。リサイズ作業自体は数分の停止が伴うため、メンテナンスウィンドウの設定が必要です。

④ストレージタイプの見直し(gp2→gp3)

gp2ストレージはI/Oリクエスト数に応じた課金が発生しますが、gp3はI/Oリクエストが基本料金に含まれています。AWSの公式情報によると、gp3はgp2と比べてストレージコストが約20%安くなる目安が示されています*1。I/Oの多いワークロードで特に効果が出やすいため、gp2を使用中の環境は変更を検討する価値があります。

⑤検証環境の自動停止・削除運用

開発・検証用インスタンスを平日業務時間のみ稼働させる運用に切り替えることで、週末・夜間のコストを削減できます。AWS Systems ManagerやLambdaを組み合わせてスケジュール停止を自動化する手法が広く使われています。削除が確定した検証インスタンスは、スナップショットを取得してから削除する運用を徹底しましょう。

外注で進める手順

RDSのコスト最適化を外注で進める場合、以下の手順で進めると、依頼から効果測定まで円滑に進みやすくなります。

手順1:現状コストの棚卸しと目標の明確化

まず自社のAWSコスト配分を確認します。AWS Cost Explorerでサービス別・タグ別のコストを確認し、RDS関連の費用を把握します。現在の月額と、削減目標(金額または削減率)を社内で合意した上で外注先に共有してください。

手順2:外注先への情報提供

外注先がコスト分析を行うために必要な情報を整理します。具体的には、AWSアカウント情報(読み取り専用IAMロールの発行が標準的な手順)・現在のRDS構成(インスタンスタイプ・エンジン・マルチAZ設定)・ワークロードの特性(稼働時間帯・ピーク時間帯)などです。

手順3:施策の選定と優先順位の確認

外注先が分析結果をもとに施策案を提示します。各施策の削減見込み額・実施リスク・作業工数を確認し、優先順位を決定します。RI購入は取り消しができないため、見極めの判断は慎重に行いましょう。

手順4:実施・動作確認

合意した施策を実施します。スナップショット取得・リサイズ作業・RI購入の各フェーズで、本番稼働への影響がないことを確認しながら進めます。メンテナンスウィンドウ内での作業が基本です。

手順5:効果測定とレポーティング

施策実施後、1〜2か月のコスト変化を AWS Cost Explorer で確認します。外注先から削減効果のレポートを受領し、次のフェーズ(継続的な最適化・RI更新タイミングの検討)につなげます。

依頼前の確認ポイント

外注を依頼する前に、社内で確認しておくべきポイントがあります。事前の整理が不十分だと、外注先とのすり合わせに時間がかかり、作業開始が遅れる原因になります。

AWSアカウントへのアクセス権限の整理

外注先がコスト分析・設定変更を行うには、適切なIAM権限が必要です。読み取り専用ロール(コスト分析フェーズ)と、変更権限ロール(実施フェーズ)を分けて発行するとセキュリティ上望ましいです。クロスアカウントロールの設定方法を確認しておきましょう。

ワークロードの稼働要件の確認

リサイズや設定変更には数分の停止が伴います。本番DBのメンテナンス可能な時間帯・曜日を事前に確認し、外注先に共有してください。夜間・週末対応が必要かどうかも依頼前に決めておきましょう。

RIの購入判断に関する社内承認フロー

RIは前払い費用が発生し、一度購入すると取り消せません(売却は AWS Marketplace での出品が必要)。購入額に応じた社内の承認フローが必要かどうかを確認し、決裁ルートを事前に整備しておくとスムーズです。

現在の契約・タグ付け状況の確認

複数のAWSアカウントを使っている場合や、プロジェクトごとにタグ付けされていない場合は、コスト配分の把握に時間がかかります。依頼前に Cost Allocation Tag の設定状況を確認しておくと、分析作業の効率が上がります。

外注先の選び方

RDSコスト最適化の外注先を選ぶ際には、技術的な知見だけでなく、長期的な運用サポートへの対応力も重要な評価軸になります。

AWSパートナーネットワーク(APN)の認定有無

AWSパートナーネットワーク(APN)の認定を受けているベンダーは、AWSが定めた技術・実績基準をクリアしています。APNのティア(Select/Advanced/Premier)を確認することで、AWS技術の習熟度の目安にできます。ただし認定はあくまで参考基準の一つであり、実際の提案内容と実績の確認が欠かせません。

RDS・データベース領域の実績

RDSに特化したコスト最適化の実績があるかを確認します。Aurora Serverlessへの移行(本記事の範囲外)やDBライセンスの最適化(本記事の範囲外)とは別に、RDSのインスタンス・ストレージ・スナップショット領域での支援実績があるベンダーを選ぶと、的確な提案を受けやすくなります。

元請(プライムベンダー)としての体制

コスト最適化は一過性の作業にとどまらず、RI更新タイミングの管理・継続的なリサイズ検討など運用フェーズへの継続支援が必要です。元請(プライムベンダー)として責任を持って対応できる体制があるかを確認してください。

内製化支援・知識移転の有無

外注後も自社でコスト管理を継続できるよう、ドキュメント整備や社内担当者への知識移転を支援してくれる外注先を選ぶことで、長期的なコスト管理能力の向上につながります。

まとめ:RDSコスト最適化外注の3つの判断軸

本稿では、Amazon RDSの課金構造から最適化の打ち手、外注で進める手順と依頼前の確認ポイントまでを整理しました。要点を3つに集約すると次のとおりです。

第一に、RDSの課金はインスタンス時間・ストレージ・バックアップ・I/O・データ転送の5項目で構成され、それぞれに最適化アプローチが異なります。リザーブドDBインスタンス(RI)はインスタンス時間のみに適用され、他の課金項目には効果がありません。

第二に、最適化の打ち手はRIの購入・スナップショット棚卸し・インスタンスリサイズ・ストレージタイプ変更・検証環境停止の5つが中心です。施策ごとに削減見込みと実施リスクが異なるため、優先順位を整理した上で進める必要があります。

第三に、外注を活用することで、RI購入のタイミング判断・Performance Insightsを使ったリサイズ設計など、専門知識が必要な作業をリスクを抑えながら進めることができます。依頼前にIAM権限の整理・ワークロードの稼働要件・RI購入の社内承認フローを確認しておくと、スムーズに進みます。

よくある質問

リザーブドDBインスタンス(RI)はどのくらいの削減効果がありますか?

AWSの公式情報によると、リザーブドDBインスタンスはオンデマンド比で〜69%の削減が目安として示されています*1。削減率は1年契約か3年契約か、前払いオプションの選択によって異なります。ただしRIはインスタンス時間のみへの適用であり、ストレージ・バックアップ・I/O・データ転送には適用されません。購入前に長期安定稼働が見込めるかどうかを確認することが大切です。

コスト最適化の外注費用はどのくらいかかりますか?

外注費用は作業範囲・環境規模・外注先の契約形態によって異なります。スポット型の分析・改善支援であれば数十万円規模から、継続的な運用管理を含む場合は月額での契約となるケースが多く見られます。費用は市場参考値であり、一次資料による確認が必要です。見積もりを複数社から取得し、削減見込み額と費用対効果を比較した上で判断してください。

RIを購入した後にインスタンスタイプを変更することはできますか?

標準RIは同一インスタンスファミリー内でのサイズ変更(フレキシブル)が可能ですが、インスタンスファミリー(例:db.m5→db.r6g)をまたぐ変更には対応していません。コンバーティブルRIを購入した場合は、インスタンスファミリーをまたいだ変更が可能ですが、割引率は標準RIより低くなります。RIの購入前に将来的なインスタンス変更の可能性を考慮することが大切です。

スナップショット削除で誤ってデータを消してしまうリスクはありますか?

スナップショットを削除した後は復元できなくなります。削除前に、対象スナップショットの作成元インスタンスが現在も稼働しているか、そのスナップショットが復旧手順に組み込まれていないかを確認することが大切です。外注先に依頼する場合でも、削除対象リストを事前に社内で承認する手順を設けることで、誤削除のリスクを抑えられます。

Aurora移行とRDSコスト最適化はどちらを優先すべきですか?

両者は目的が異なります。RDSコスト最適化は現在の構成のまま費用を下げる取り組みで、比較的短期間で着手できます。Aurora移行はアーキテクチャの変更を伴うため、移行コストと移行後のコスト・性能変化を総合的に評価する必要があります。まず現状RDSのコストを最適化して無駄を排除した上で、Aurora移行の費用対効果を改めて試算するアプローチが現実的です。

著者:テレリモ総研編集部 鈴木 亮佑

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  1. *1 出典:Amazon Web Services「Amazon RDS リザーブドDBインスタンス」(参照:2026年6月・執筆時点の目安・$建て)


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