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2026.10.24 らしくコラム

ExmentとPleasanterの違い|業務アプリ基盤の選び方

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

並べた2台のノートPCの表を指で見比べる担当者の手元

この記事の結論

  • Exmentは国産で無料のオープンソースのWebデータベースで、表と画面をプログラムを書かずに作れます。
  • Pleasanterとは、PHPと.NETという動く仕組みや、GPLとAGPLというライセンスが違います。
  • 自社向けの処理はプラグインで作り、本体とPHPの更新を誰が受け持つかを導入前に決めておきます。

※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

顧客の情報はExcel、契約はまた別のスプレッドシート。どこに最新の値があるのか、担当者にしか分からない——。部署ごとに台帳を作ってきた会社では、こうした食い違いが起こりがちです。Exment(エクスメント)は、こうした台帳をWebの画面で一元管理するための、無料で使える国産のオープンソースのWebデータベースです。

表の項目や画面をプログラムを書かずに設定でき、承認の流れ(ワークフロー)も組めます。ただし万能ではなく、同じ国産のプリザンター(Pleasanter)と比べると、動く仕組みやライセンスが違います。本記事では、社内の業務アプリを検討している情報システムの担当者に向けて、Exmentでできること、Pleasanterとの違い、導入の進め方、そして構築を外部に頼むときに確認したい点を整理します。

Exmentとは

開発元は、Exmentを「なんでも管理できるWebデータベース」と説明しています。*4 初期の状態ではユーザー管理などの最小限の機能しかなく、管理者が「顧客管理」「タスク管理」のような表を追加していくことで、その会社の業務に合った役割を持たせる、という考え方です。

  • 自社のサーバーに自分でインストールすれば無料で使え、ユーザー数や機能の制限はありません*1
  • ソースコードはGitHubで公開され、ライセンスはGPL-3.0(ソースコードを公開する条件つきで自由に使えるライセンス)です*5
  • PHP(Laravel)とMySQLという一般的な組み合わせで動き、レンタルサーバーでも動かせます
  • 業務に合わせた表のひな形(テンプレート)があらかじめ用意されています

開発と運用は株式会社カジトリが行っています。*3 オープンソースなので、契約の前に手元の環境でじっくり試してから導入を決められます。無料で始められる一方、自社のサーバーに置く場合は、更新やバックアップを誰が受け持つかを最初に決めておく必要があります。

ExmentとPleasanterの違い

Exmentと並んで候補に挙がりやすいのが、株式会社インプリムが開発するプリザンター(Pleasanter)です。どちらも国産のオープンソースで、プログラムを書かずに業務アプリを作れる点は共通しています。*6 違いが出るのは、動く仕組みとライセンス、機能の足し方です。

ExmentとPleasanterの違い(各公式サイトの記載から作成)
項目 Exment Pleasanter
開発元 株式会社カジトリ 株式会社インプリム
動く仕組み PHP(Laravel)とMySQLまたはMariaDB .NETで動き、SQL Server・PostgreSQL・MySQLから選ぶ
無料版のライセンス GPL AGPL(Community Edition)
有償の選択肢 商用ライセンス、開発元のクラウドサービス版、サポート 年間サポートサービス(Enterprise Editionが使える)、クラウド版
機能の足し方 プラグインを画面からアップロード 画面のスクリプト、サーバー側のスクリプト、API、拡張SQL
置き場所の例 レンタルサーバー、AWS・Azureなどのクラウド Windows Server、Linux、Azure

選ぶときは、機能の多さより社内の環境から考えると迷いません。PHPとMySQLのサーバーを扱い慣れているならExment、WindowsとSQL Serverが社内の標準ならPleasanter、という分け方が一つの目安です。*7 海外のオープンソースの基盤については、ToolJetで社内業務アプリをセルフホストする記事で扱っています。

テーブルとワークフローの仕組み

Exmentでは、管理したい情報ごとに「テーブル」を作り、その中に列(項目)を足していきます。テーブルや列の設定は、プログラムを書かずに画面から追加・変更できます。*2 Excelの1枚のシートが1つのテーブルにあたる、と考えると分かりやすいでしょう。

外付けモニターの表の右端に列を足す操作をする手元

  • 一括の取り込み:CSVやExcelのファイルから、データをまとめて登録・出力できます
  • 関連する一覧:特定の顧客に紐付く契約のように、表をまたいだデータを一度に表示できます
  • ワークフロー:段階ごとに誰が操作するか、編集を許すかを画面で決められ、経費申請のような業務に向きます
  • 通知:利用者やメールアドレス、Slack、Microsoft Teams宛てに知らせを送れます
  • 書類の出力:Excelのひな形から見積書や請求書を作れます
  • バックアップ:設定とデータをまとめて保存し、別の環境へ戻せます

標準の機能で足りない処理は「プラグイン」で補います。プラグインは、画面からプログラムをアップロードして機能を足す仕組みです。*4 一方、開発元はExment本体のソースコードを書き換える改修は請けておらず、版の更新で不整合が起きうることを理由に挙げています。*3 自社向けの処理はプラグインとして切り出す、と最初に決めておくと、後の更新で困りません。

導入の進め方

Exmentの導入は、インストールの作業よりも、どんな表を作りどう使うかを決める作業が中心です。次の4つの段階で進めると、途中で表を作り直さずに済みます。

  • ステップ1:いまのExcel台帳を集め、テーブルと列の形を決める
  • ステップ2:自社のサーバーやクラウドに置くか、開発元のクラウドサービス版を使うかを決める
  • ステップ3:テーブルを作り、CSVやExcelから既存のデータを取り込む
  • ステップ4:権限とワークフローを設定し、利用者に使い方を伝える

Exmentの導入を4つの段階で左から順に並べた流れ図。STEP1 台帳を集めて表の形を決める、STEP2 置き場所を決める、STEP3 表を作りデータを取り込む、STEP4 権限と承認の流れを決める。

自社のサーバーに置く場合、動作環境はPHP 8.2以上、MySQL 8.0以上またはMariaDB 10.11以上です。*2 レンタルサーバーで使うときは、契約中のプランがこの条件を満たすかを先に確かめます。ログインはシングルサインオン(社内の1つのアカウントで複数のシステムに入れる仕組み)や2段階認証にも対応しているので、社内のアカウントとつなぐかどうかもステップ2で決めておきます。

外部に頼むときに確認しておきたい点

自社のサーバーに置くExmentはライセンス費用がかかりませんが、サーバーの保守は自社の仕事になります。2026年10月にPHPの脆弱性が公表された際、開発元は自社の環境で運用している利用者に、PHPの更新を各自で行うよう案内しました。*8 構築や運用を外部に頼むときは、次の点を見積もりの前に確かめておきます。

サーバー室でラックを指す外部技術者とタブレットを見せる情シス担当

  • どこまで頼むか:サーバーの用意、テーブルの設計、データの移行、操作の説明のうち、どれを任せるか
  • 自社向けの処理の作り方:Exment本体を書き換えず、プラグインとして作る前提になっているか
  • データの移行:Excelの重複や空欄を誰が直し、取り込みの前後で件数をどう照らし合わせるか
  • 更新の担当:Exmentの版の更新と、PHPやデータベースの更新を誰がいつ行うか
  • 運用後の見直し:使い始めてから表や権限を直す場を設けるか

特に更新の担当は、導入時に決めないまま運用に入りやすい点です。有料のクラウドサービスと比べたい場合はkintoneカスタマイズ開発を外注する費用と進め方、ノーコードとローコードの違いはノーコードとローコードの外注比較で扱っています。

まとめ:Exmentで確かめておきたい3つの点

Exmentで業務アプリを作るうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、社内のサーバーやデータベースの環境から、ExmentとPleasanterのどちらが合うかを見ること。第二に、いまの台帳を整理してからテーブルの形を決め、データを取り込むこと。第三に、自社向けの処理はプラグインで作り、Exment本体とPHPの更新を誰が受け持つかを導入の前に決めることです。この3点を踏まえておけば、「作ったものの、更新できずに古い版のまま使い続けている」という事態を避けやすくなります。構築や移行の進め方に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

LASSICは2006年の創業以来、システムの運用・保守に特化したプライム(一次請け)のシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。日本ニアショア開発推進機構の認定ベンダーとして、全国のリモート人材による開発・運用の体制を整えています。

Exmentの構築では、PHPとMySQL(またはMariaDB)の版を公式の動作環境に合わせて選び、Webサーバーの通信をHTTPSに限ったうえで公開します。設計の段階では、お客様のExcel台帳を見ながら、テーブルと列の分け方、テーブル同士のつなぎ方、役割ごとの権限、ワークフローの段階と承認者を決めます。自社向けの処理はExment本体を書き換えずにプラグインとして作り、版の更新で動かなくならないかを検証環境で確かめてから本番に入れます。運用では、ExmentとPHP・データベースの更新手順と、バックアップの取り方を文書にしてお渡しします。

よくある質問

Exmentを無料のまま会社で使えますか

自社のサーバーに自分でインストールする場合は無料で使え、ユーザー数や機能の制限もありません。*1 無料で使うときのライセンスはGPLで、開発元は別に商用ライセンスも用意しています。どちらが合うかは、自社での改変や配布の予定を踏まえて、ライセンスの条件で確かめてください。

自社でサーバーを持っていなくても使えますか

開発元が用意するクラウドサービス版があり、サーバーを自社で用意せずに使えます。*3 自社で置く場合も、レンタルサーバーのほか、AWSやAzureといったクラウドで動かせます。

導入の支援は開発元にも頼めますか

開発元は、環境の構築、テーブルの作成とデータの移行、操作のトレーニングといった導入支援を有償で用意しています。*3 ただしExment本体の改修は請けていないため、自社向けの処理はプラグインで作ることになります。

Exmentによる業務アプリ構築のご相談

Exmentでの業務アプリの設計・構築から、Excel台帳の移行、更新とバックアップの運用まで、元請(プライムベンダー)としてご提案します。

2006年の創業以来、一次請けのシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。

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出典

  1. *1 参考:株式会社カジトリ「Exmentのメリット」(Exment公式サイト)(https://exment.net/merit/)。出典:自社サーバーへのインストールで無料・ユーザー数や機能の制限なし、PHP(Laravel)とMySQL、レンタルサーバーやクラウドでの稼働の記述を参照(2026年10月確認)
  2. *2 参考:株式会社カジトリ「主な機能・スクリーンショット」(Exment公式サイト)(https://exment.net/functions/)。出典:テーブルと列の画面からの設定、一括取込・出力、ワークフロー、通知、ドキュメント出力、バックアップ・リストア、ログイン方式、動作環境の記述を参照(2026年10月確認)
  3. *3 参考:株式会社カジトリ「料金・サポート・ライセンス」(Exment公式サイト)(https://exment.net/plan/)。出典:ライセンス版(無償版はGPL・商用ライセンス版)とクラウドサービス版、導入支援、Exment本体の改修を請けない旨、開発・運用会社の記述を参照(2026年10月確認)
  4. *4 参考:Exment マニュアル「Exmentのコンセプト」「プラグイン」(https://exment.net/docs/#/ja/)。出典:「なんでも管理できるWebデータベース」という説明、初期状態と表の追加による役割づけ、プラグインの説明を参照(2026年10月確認)
  5. *5 参考:exceedone/exment(GitHub)(https://github.com/exceedone/exment)。出典:ソースコードの公開とライセンス(GPL-3.0)を参照(2026年10月確認)
  6. *6 参考:株式会社インプリム「プリザンターの基本情報」(https://pleasanter.org/facts/)。出典:オープンソースのノーコード・ローコード開発ツールであること、Community EditionのライセンスがAGPLであること、Enterprise Editionと年間サポートサービス、クラウド版、拡張の方法、開発元の記述を参照(2026年10月確認)
  7. *7 参考:株式会社インプリム「プリザンターのシステム要件と対応環境」(https://pleasanter.org/specifications/)。出典:Windows(IIS・SQL Server)、Linux(nginx・PostgreSQL/MySQL)、Azureの構成例と.NETの記述を参照(2026年10月確認)
  8. *8 参考:株式会社カジトリ「【重要】PHP 脆弱性に対するExment システムに必要な対応について」(https://exment.net/emergency-security-response-for-php/)。出典:自社の環境で運用している利用者は各自でPHPを更新する旨の案内を参照(2026年10月確認)




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