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2026.10.25 らしくコラム

Hinemosとは?監視とジョブ管理を1つにまとめる仕組みを解説

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

運用監視室の大型モニターで監視一覧とジョブ表をマウスで選ぶ担当者

この記事の結論

  • Hinemosは監視とジョブ管理を1つにまとめた国産の統合運用管理ソフトウェアで、基本機能は無償で公開されています。
  • 全機能やWindows版の管理サーバー、開発元への問い合わせが要るなら、年額のサブスクリプションの契約が前提です。
  • 導入はジョブと監視項目の棚卸しから始め、通知の宛先と夜間の対応を試験で確かめてから切り替えます。

※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

サーバーの監視は監視ツールで、夜間の処理はcronで、と別々に動かしていて、どこで止まったのかが追いにくい。商用のジョブ管理製品の保守期限が近づき、乗り換え先を探している——。運用を長く続けてきたシステムでは、こうした悩みが起こりがちです。Hinemos(ヒネモス)は、サーバーやネットワーク機器の監視と、ジョブ(決まった時刻や順番で動かす処理)の管理を1つにまとめた、国産の統合運用管理ソフトウェアです。

異常の検知から復旧の処理までを1つの画面でつなげられます。ただし万能ではなく、無償の基本パッケージと有償のサブスクリプションでは使える機能が違い、選び方を誤ると後から構成を組み直すことになります。本記事では、システムの運用を任された担当者に向けて、Hinemosでできること、入手方法の違い、導入の進め方、そして構築を外部に頼むときに確認したい点を整理します。

Hinemosとは

Hinemos(ヒネモス)の開発は、IPA(情報処理推進機構)が2004年度に進めたオープンソースソフトウェアの活用事業の委託を受けて始まりました。*1 当時のオープンソースでは、リソースの監視、障害時のメール通知、決まった時刻の処理の実行を、それぞれ別の道具で組み合わせる必要があり、画面も操作もばらばらでした。これを1つにまとめることが、開発の出発点です。

  • 監視・ジョブ管理・運用自動化を1つのパッケージで提供する、統合運用管理ソフトウェアです*2
  • 国産のソフトウェアで、提供元はNTTデータ先端技術です
  • 基本機能はGitHubで公開され、ライセンスはGPL(改変して配る場合にソースコードの公開を求めるライセンス)です*9
  • 画面は日本語で、専用アプリのクライアントとWebブラウザのクライアントの2種類から操作できます*5

監視とジョブを同じ製品で扱えるため、「監視で異常を見つけたら、復旧の処理を自動で動かす」といった連携を1つの画面の中で組めます。*3

監視とジョブ管理でできること

Hinemosの機能は大きく、監視と、ジョブ管理を中心にした自動化の2つに分かれます。監視は、あらかじめ用意された監視項目を選び、対象・間隔・条件を画面で入力して設定する形です。*3 ジョブ管理は、複数のサーバーにまたがる処理の流れを1か所で管理します。

マシン室でラックのサーバーのランプを指しながら棚のノートPCを操作する手元

Hinemosの監視とジョブ管理でできること
機能 主にできること 業務での使いどころ
監視 死活(応答の有無)、プロセス、リソース、ログ、Webの応答、SNMP(ネットワーク機器の状態を取り出す共通の決まり)など サーバーやネットワーク機器の異常を早く見つけて通知する
ジョブ管理 処理の順番と条件をつないだ「ジョブネット」を組み、カレンダに沿って実行する 夜間の集計や締め処理を、サーバーごとにログインせずに動かす
遅延の検知 決まった時刻までに始まらない・終わらないジョブや、普段より遅いジョブを見つける 朝までに終わるはずの処理の遅れに早めに気づく
運用の自動化 手順書に沿った定型の操作を、承認を挟みながらジョブと同じ仕組みで実行する 手作業の操作を減らし、実行の記録を残す

ジョブは手動やスケジュールのほか、監視の結果やファイルの有無をきっかけにして動かすこともできます。*4 監視だけを整えたい場合は、Zabbixによるインフラ監視基盤の構築のように監視に絞った道具も候補です。監視とジョブの両方を1つの画面でまとめたいかどうかが、Hinemosを選ぶ分かれ目になります。

基本パッケージとサブスクリプションの違い

Hinemosには、無償で公開されている基本パッケージと、有償のサブスクリプションの2つの入手方法があります。

Hinemosの2つの入手方法の違い
項目 基本パッケージ(GitHub) サブスクリプション
費用 ソフトウェアは無償 年額の定額。管理対象の数やCPUのコア数に左右されない
使える範囲 基本機能。管理サーバーはLinux 全機能。Windows版の管理サーバーやUNIX向けのエージェントも含む
困ったときの相談 技術的な問い合わせや修正パッチは契約者向けのため受けられない 技術的な問い合わせ、設計書や試験項目のサンプル、トレーニング

サブスクリプションの標準価格は、最小のメニューで年額100万円からと案内されています。*7 Windowsのサーバーで管理したいといった要件があるなら、基本パッケージでは足りないため、早い段階でどちらにするかを決めておきます。

版ごとのサポートの期間も確かめておきたい点です。ver.4.1以降は、通常の保守5年、延長の保守3年、特別延長の保守が2年までの3段に分かれ、合わせて10年まで保守を受けられます。たとえばver.7.2の通常の保守は2031年3月31日までです。*8 修正パッチや技術的な問い合わせは契約者向けのサービスなので、長く使うシステムほどサブスクリプションの有無が効いてきます。

導入の進め方

Hinemosは、運用管理サーバー(Hinemosマネージャ)、管理される側の機器に入れるHinemosエージェント、操作する端末のHinemosクライアントの3つで構成されます。*5 エージェントを入れなくても大半の監視は使えますが、ジョブの実行や一部の監視にはエージェントが必要です。この構成を踏まえて、次の4つの段階で進めます。

  • ステップ1:監視したい機器と項目、動かしているジョブとその順番を棚卸しする
  • ステップ2:基本パッケージかサブスクリプションか、エージェントを入れる機器はどれかを決める
  • ステップ3:監視とジョブネットを設定し、異常を起こして通知が届くかを試す
  • ステップ4:通知の宛先と夜間・休日の対応を決めて、いまの仕組みから切り替える

Hinemosの導入を4つの段階で左から順に並べた流れ図。STEP1 ジョブと監視項目を棚卸し、STEP2 入手方法と構成を決める、STEP3 設定して異常を試す、STEP4 通知を決めて切り替える。

つまずきやすいのはステップ1です。前後関係が手順書に書かれていない処理は、棚卸しで抜けると切り替えの後に止まります。ほかの運用管理製品から移る場合は、定義の大部分をHinemosの形に変換する移行支援ツールも用意されています。*11 移行そのものの段取りはJP1移行の4ステップやジョブ管理・バッチ基盤の移行で扱っています。

外部に頼むときに確認しておきたい点

Hinemosは画面で設定できる範囲が広い一方、監視の閾値やジョブネットの組み方は会社ごとに違います。構築を外部に頼むなら、見積もりの前に次の点を確かめておきます。

会議机でノートPCと印刷した一覧表を突き合わせる2人の手元

  • どこまで頼むか:サーバーの用意、監視とジョブの設計、設定、試験、操作の説明のうち、どれを任せるか
  • 入手方法:基本パッケージで組むのか、サブスクリプションを契約するのか。契約は誰の名義にするか
  • ジョブの棚卸し:いまのジョブの一覧と前後関係を誰が作り、移した後の結果をどう突き合わせるか
  • 通知と夜間対応:異常の通知を誰に送り、夜間や休日に誰が受けるか。不要な通知をどう抑えるか
  • 版の更新:保守の期限を見て、いつ次の版に上げるか。管理サーバーを二重にするか

特に通知は、監視の項目を増やすほど増え、対処すべき異常が埋もれます。どの通知を誰が受けるかは自社で決め、構築の会社と試験で確かめておくと、運用後の手戻りを減らせます。

まとめ:Hinemosで確かめておきたい3つの点

Hinemosで運用管理を始めるうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、監視だけでなくジョブ管理までまとめたいのかを決めること。第二に、基本パッケージとサブスクリプションのどちらで組むかを、必要な機能とサポートの期限から選ぶこと。第三に、いまのジョブと前後関係を棚卸ししてから設定し、通知の宛先と夜間の対応を試験で確かめることです。この3点を踏まえておけば、「入れ替えたのに夜間の処理が止まり、誰も通知に気づかなかった」という事態を避けやすくなります。構築や移行の進め方に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

LASSICは2006年の創業以来、システムの運用・保守に特化したプライム(一次請け)のシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。日本ニアショア開発推進機構の認定ベンダーとして、全国のリモート人材による開発・運用の体制を整えています。

Hinemosの構築では、Hinemosマネージャを対応するRed Hat Enterprise Linux系のOSに置き、内部のPostgreSQLとJavaの実行環境を含めて、監視する台数とジョブの数に見合うサーバーの大きさを見積もります。設計の段階では、エージェントを入れる機器と入れない機器の分け方、ジョブネットの単位とカレンダ、SNMPやログ監視の閾値、通知の抑制と宛先を、お客様の運用手順書を見ながら決めます。試験では、プロセスの停止やジョブの遅延をわざと起こして通知と復旧のジョブが動くかを確かめ、切り替えの前後でジョブの実行結果を突き合わせます。運用では、版の保守期限に合わせた更新の計画と、設定のエクスポートによるバックアップの手順を文書にします。

よくある質問

Hinemosは無料で使えますか

基本機能のパッケージは無償で公開されており、ソフトウェアの利用料はかかりません。*6 ただし、全機能やWindows版の管理サーバー、UNIX向けのエージェントを使う場合は、サブスクリプションの契約が必要です。サーバーの費用や構築の手間は、どちらの場合も別にかかります。

クラウドの仮想サーバーでも使えますか

使えます。IaaS(クラウドで借りる仮想サーバー)のOSがHinemosの対応OSであれば利用できると、開発元のよくある質問で案内されています。*10

インターネットにつながっていない環境でも監視できますか

できます。Hinemosマネージャと監視する機器の間がIPネットワークでつながっていれば、インターネットに接続していない環境でも監視できます。*10 閉じたネットワークで動く基幹システムの運用でも使える構成です。

監視とジョブ管理の仕組みづくりのご相談

Hinemosによる監視とジョブ管理の設計・構築から、既存のジョブの棚卸しと切り替え、更新の計画まで、元請(プライムベンダー)としてご提案します。

2006年の創業以来、一次請けのシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。

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出典

  1. *1 参考:NTTデータ先端技術「Hinemosの歩み」(https://www.hinemos.info/about/history)。出典:開発の経緯(IPAの平成16年度オープンソースソフトウェア活用基盤整備事業の委託)と、機能ごとに別の道具を組み合わせていた当時の課題の記述を参照(2026年10月確認)
  2. *2 参考:NTTデータ先端技術「Hinemosの機能」(https://www.hinemos.info/feature)。出典:監視やジョブ管理、運用自動化をワンパッケージで提供する統合運用管理ソフトウェアという説明を参照(2026年10月確認)
  3. *3 参考:NTTデータ先端技術「監視・性能機能」(https://www.hinemos.info/feature/monitorandperformance)。出典:監視項目の一覧、GUIで対象・間隔・条件を入力する設定、ジョブネットの起動を含む通知と通知の抑制の記述を参照(2026年10月確認)
  4. *4 参考:NTTデータ先端技術「自動化機能」(https://www.hinemos.info/feature/automation)。出典:サーバー間をまたがるジョブネットの一元管理、カレンダによるスケジュール、実行契機、遅延の検知、運用自動化(承認を含む)の記述を参照(2026年10月確認)
  5. *5 参考:NTTデータ先端技術「Hinemosの導入構成」(https://www.hinemos.info/env/composition)。出典:マネージャ・エージェント・クライアントの3つの構成要素と、エージェントなしで大半の監視が使えること、2種類のクライアントの記述を参照(2026年10月確認)
  6. *6 参考:NTTデータ先端技術「入手方法」(https://www.hinemos.info/getproduct)。出典:全機能・Windows版マネージャ・UNIXエージェントの利用にサブスクリプションが要ること、基本機能のGitHubでの無償公開の記述を参照(2026年10月確認)
  7. *7 参考:NTTデータ先端技術「サブスクリプション」(https://www.hinemos.info/subscription)。出典:最小構成で年額1,000,000円からの標準価格、管理対象数・CPUコア数に左右されないこと、問い合わせ・設計書や試験項目のサンプル・トレーニング・ジョブマップ機能の記述を参照(2026年10月23日時点)(2026年10月確認)
  8. *8 参考:NTTデータ先端技術「製品サポートサイクル」(https://www.hinemos.info/support/lifecycle)。出典:ver.4.1以降の通常保守5年・延長保守3年・特別延長保守2年まで、合わせて10年まで、ver.7.2の通常保守終了日の記述を参照(2026年10月確認)
  9. *9 参考:hinemos/hinemos(GitHub)(https://github.com/hinemos/hinemos)。出典:READMEの製品説明とライセンス(GNU General Public License)を参照(2026年10月確認)
  10. *10 参考:NTTデータ先端技術「よくある質問(FAQ)」(https://www.hinemos.info/faq)。出典:IaaS上の仮想サーバーでの利用、インターネットにつながっていない環境での監視についての回答を参照(2026年10月確認)
  11. *11 参考:NTTデータ先端技術「Hinemos Migration Assistant」(https://www.hinemos.info/migrationassistant)。出典:他の運用管理製品の定義の大部分をHinemosの定義に自動で変換する移行支援ツールの記述を参照(2026年10月確認)




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