LASSIC Media らしくメディア
Kotlinアプリ開発費用相場|規模別の目安と選び方
LASSIC IT事業部|プライムベンダーとしてシステム保守・運用を受託

この記事のポイント
- KotlinによるAndroidアプリ開発費用はアプリ規模・機能数によって大きく異なり、相場を把握したうえで発注先を比較することが重要である
- 費用の大半は人件費が占めており、Kotlinエンジニアの単価と体制規模が総費用を決定づける主要因となる
- ニアショア開発パートナーの活用により、品質確保と費用削減を両立できる選択肢がある
目次
Kotlinアプリ開発費用相場:規模別100万〜1,500万円超
Kotlinアプリは、GoogleがAndroidアプリ開発の推奨言語に指定するKotlinで構築されたスマートフォンアプリを指す。KotlinはJavaと完全な互換性を持ちながら、より簡潔で安全なコードが書けることから、Googleは2017年5月のGoogle I/Oで第一級言語に追加し、2019年5月のGoogle I/Oで「Kotlin-first」方針を表明している*1。
Kotlinアプリ開発費用の相場は、小規模で100〜300万円、中規模で300〜700万円、大規模で700万〜1,500万円、超大規模では1,500万円以上となる*2。後述する規模別の費用目安と機能例で詳細を整理する。開発費用の大半は人件費が占めるため、エンジニアの単価と体制規模の把握が費用算定の核心となる。
KotlinはJava比でコード量20〜40%減:費用差の根拠
section-1で確認したとおり費用の大半は人件費が占めるため、使用言語の選択は工数・採用容易性を通じて費用に直接影響する。AndroidアプリをKotlinで開発するかJavaで開発するかで費用に差が生じる主な要因を、以下の表で整理する。
| 比較項目 | Kotlin | Java |
|---|---|---|
| Googleの推奨度 | 公式第一言語(推奨) | 引き続きサポートはされるが非推奨傾向 |
| コード量 | Javaより20〜40%少ない傾向 | 記述量が多くなりやすい |
| 開発速度 | コルーチンによる非同期処理が容易 | 非同期処理は複雑になりやすい |
| エンジニア採用 | 新規採用ではKotlinが主流 | レガシー開発者は多い |
| 費用への影響 | 工数削減で同規模ならKotlinが有利 | レガシー引継ぎは別途移行費用が発生 |
既存のJavaベースのアプリをKotlinに移行する場合は、移行工数が別途発生する点に注意が必要だ。移行範囲と優先順位を整理したうえで段階的な移行計画を立てることがコスト最適化につながる。
規模別費用:小規模100万〜超大規模1,500万円以上

Kotlinアプリ開発の費用目安を規模別に以下に整理する。
| 規模 | 費用目安 | 開発期間 | 主な機能例 |
|---|---|---|---|
| 小規模 | 100〜300万円 | 1〜3ヶ月 | 情報表示・簡易ログイン・お問い合わせ |
| 中規模 | 300〜700万円 | 3〜6ヶ月 | 会員管理・決済・API連携・プッシュ通知 |
| 大規模 | 700万〜1,500万円 | 6ヶ月〜1年 | 動画配信・センサー連携・複雑な決済フロー |
| 超大規模 | 1,500万円〜 | 1年以上 | BLE連携・機械学習・マルチテナント対応 |
機能数・単価・テスト・保守の4要素が費用を決める
機能数と複雑度
機能数は費用に最も直接的に影響する要素である。Jetpack Compose(宣言的UI)・Kotlin Coroutines(非同期処理)・Kotlin Multiplatform(iOS共有ロジック)といったKotlin特有の機能は開発効率を高める一方、エンジニアの習熟度が低い場合は学習コストが先行して工数が増加する。発注前にパートナーの実装経験・GitHubでの公開コミット・自社プロダクトでの採用実績を確認することが、見積精度を高める鍵となる。
エンジニア単価と体制
Kotlinエンジニアの月額単価は、経験・スキルレベルによって60〜150万円程度の幅がある。Jetpack Compose・Android Architecture Components(MVVM)・Kotlin Coroutinesへの習熟度が高いエンジニアほど単価が高くなる傾向がある。内製で対応するにはKotlin実装スキル・Androidアーキテクチャ設計・Google Playの審査対応・Androidバージョン互換テストの知識が必要であり、専門知識を持つエンジニアを確保するコストは大きい。
テスト・QA工数
Androidはデバイスの多様性が高く、Samsung・SHARP・SONYなど多数のメーカー端末でのテストが必要となる。端末互換テストを省略すると、特定デバイスでの表示崩れ・動作不具合がリリース後に発覚するリスクが高まる。一般にテスト工数は全体の20〜30%を占めるとされ、省略は品質リスクに直結する。
AndroidバージョンアップへのOSアップデート対応
Androidは年1回以上のメジャーアップデートがリリースされ、古いAPIの廃止・新しい権限モデルへの対応が継続的に発生する。これを怠るとGoogle Playの審査通過基準を満たせなくなるリスクがある。一般的なアプリ保守費用の目安は初期開発費の15%前後とされており、Androidアプリではバージョンアップ追随を含めて15〜20%程度を見積もることが多い。
Google Play開発者アカウント登録料
Google Playにアプリを公開する際は、Google Play開発者アカウントの登録料として25米ドル(2026年5月時点の為替で約3,700〜3,900円、一度のみ)が必要となる*3。Apple Developer Programの年間99米ドルと異なり、組織アカウントの場合は一度の支払いで済む点がコスト面の特徴である。なお2023年11月以降に新規作成された個人アカウントには20名以上のクローズドテスター要件が課されているが、組織(事業者)アカウントには適用されない*3。
ニアショア活用で人件費を都心比20〜30%削減できる

ニアショア開発は、同国内の地方都市に開発拠点を持つITベンダーへの委託を指す。東京都心部と比較して人件費を抑えながら、海外オフショアの課題(時差・言語・品質リスク)を回避できる点が特長である。
業界一般では、東京と地方では人月単価に概ね20〜30%程度の差があるとされる。Kotlinエンジニアの月額単価が都心比で20万円低い場合を想定すると(例:都心90万円→地方70万円、約22%減)、4名体制・6ヶ月のプロジェクトでは480万円の削減効果が試算される。実際の削減額はスキルレベル・契約形態・地域によって変動するため、プロジェクト管理・コードレビュー・週次報告の体制を明確にしたうえでパートナーを選定することで、コストと品質を両立できる。
外注先選定で確認すべき5項目(Kotlin公開実績/OS追随/実機テスト等)
Kotlinアプリ開発の外注先を選ぶ際には、以下の項目を必ず確認することが失敗リスクの低減につながる。
- Kotlin・Jetpack Composeを用いたGoogle Play公開実績
- Androidバージョンアップへの継続対応体制
- 複数Android端末での実機テスト体制
- PoC・MVP段階からの段階的発注への対応可否
- 契約形態の柔軟性(請負・準委任の選択肢)
Androidアプリは年1回以上のメジャーアップデートが続き、対応を怠ればGoogle Play審査の通過基準を満たせなくなる可能性がある。Kotlin・Jetpack Compose・Android Architecture Componentsへの継続的なキャッチアップ体制を持たない開発パートナーを選定した場合、リリース後の保守フェーズで追加開発費が初期見積を超過するリスクも生じる。発注先の選定基準は、開発時点の費用だけでなく、3〜5年スパンの保守追随体制まで含めて評価することが望ましい。
ご不明な点はお問い合わせフォームからもご連絡いただけます。
- 出典:Google「Kotlin for Android developers」(2024年)、Android Developers Blog「Celebrating 5 years of Kotlin on Android」(2022年)
- 出典:システム幹事「Androidアプリの開発費用相場|種類別のアプリ開発費用や自社開発費用の目安を紹介!」(2026年)
- 出典:Google Play Console ヘルプ「Google Play Console を使ってみる」、Google Play Console ヘルプ「EEA における Google Play の利用に関する一般条件」(25米ドル一回限りの登録料、2023年11月以降の個人アカウントへのテスター要件を明記)