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モバイルアプリ開発費用相場とは|機能規模別と内訳の解説
LASSIC IT事業部|プライムベンダーとしてシステム保守・運用を受託

この記事のポイント
- モバイルアプリ開発費用相場とは、要件・機能・OS範囲・開発手法によって大きく分布する費用レンジを示す指標であり、業界の費用解説記事では数十万円から数百万円帯まで広く分布することが整理されている*1
- 費用は「機能規模」「OS範囲」「開発手法(ネイティブ/クロスプラットフォーム/NoCode)」「人月単価」「運用保守費」の5要素で決まり、要件定義段階の精度が見積もり精度を直接左右する
- 経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年公表)では2030年に最大約79万人のIT人材不足が見込まれており、人材市場の需給バランスが人月単価と費用相場の中長期的な押し上げ要因となる
目次
モバイルアプリ開発費用相場とは|機能規模別の分布と決まり方
モバイルアプリ開発費用相場とは、要件・機能・対応OS範囲・開発手法によって変動するアプリ開発の費用レンジを示す指標である。業界の費用解説では、シンプルなアプリで数十万円から、機能要件が高度な大規模アプリでは数千万円規模に達するケースまで広く分布する*1。平均値はおおむね数百万円帯とされ、OSごとに開発工数が分かれるため、iOS/Android両対応では費用が積み上がる構造となる。機能規模別の具体的な費用レンジは後述のSection 4で4段階に整理する。
iOS・Android単体は1OSあたり100〜200万円、両OS対応では工数が積み上がる
業界調査の解説では、OSごとに1アプリにつき100〜200万円が相場として示されている*1。Android単体・iOS単体の開発であればこの範囲内が目安となる。両OS対応を求める場合、ネイティブ開発では工数が積み上がり、クロスプラットフォーム開発では共通コードベースで効率化できる。
費用相場を理解すべき背景|DX投資と人材需給の構造変化
モバイルアプリ開発費用相場が拡散している背景には、DX投資の継続的な拡大と、IT人材需給の構造的なギャップがある。経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年公表)では2030年に最大約79万人のIT人材不足が見込まれている*2。人材市場の需給バランスが、人月単価の中長期的な押し上げ要因となっている。
DX領域と人材獲得が競合し、エンジニア人月単価は40〜200万円の幅で推移
IPA「DX動向2025」では、DXを推進する人材の量・質ともに大幅な不足が継続して報告されている*3。モバイルアプリ開発を担う人材は、他のDX領域とも人材獲得を競合する。エンジニアの人月単価は職種・スキル・契約形態により幅が大きく、国内では下請PG層が40〜80万円、SE中級層が100〜120万円、上級SE・PMでは120〜200万円が目安とされる(システム開発業界調査*1、レバテック等の人月単価レポートを参考に整理)。加えて経済産業省の同調査では、AI人材は2030年までに12.4万人不足すると試算されており、AI機能搭載アプリの増加トレンドは人月単価の押し上げ要因として作用する*2。
スマートフォン市場の継続拡大
総務省「令和6年版 情報通信白書」によれば、国内のスマートフォン世帯保有率は90.6%に達している*4。モバイルアプリは、事業のタッチポイントとして欠かせない位置を占めている。市場の継続拡大が、モバイルアプリ開発投資の増加と費用相場の上振れを同時に進めている。
費用が決まる5つの要素|機能規模・OS範囲・開発手法・人月単価・運用保守

モバイルアプリの開発費用は、以下の5つの要素の組み合わせで決まる。要件定義段階の精度がこれらの要素の確定度合いを左右し、結果として見積もり精度を直接決定する。
機能規模|実装機能の数と複雑さが費用全体を最大変動させる
実装する機能の数・複雑さが費用全体の主要な変動要因となる。ログイン・閲覧などの基本機能のみで完結するアプリと、決済・チャット・プッシュ通知・地図連携などを含むアプリでは、開発工数に大きな差が生じる。
対応OS範囲|iOS単独・Android単独・両OS対応で工数が変動する
iOS単独・Android単独・両OS対応のいずれを選ぶかで開発工数が変動する。両OS対応の場合、片方のOSのみと比べておおよそ1.5〜2倍程度の工数になることが一般的とされる*1。具体的な手法選択(ネイティブ/クロスプラットフォーム/NoCode)による費用差は次の要素3で整理する。
開発手法|ネイティブ・クロスプラットフォーム・NoCodeで費用が大きく変わる
ネイティブ開発、クロスプラットフォーム開発、NoCode/ローコード開発のいずれを選ぶかで費用が大きく変わる。クロスプラットフォーム開発では、中〜小規模のプロジェクトで2〜3割ほど費用を抑えられるケースがあるとされる*1。
人月単価|国内40〜200万円、所属組織とスキルで変動する
人月単価は40万〜160万円が目安とされており*1、エンジニアの経験・所属組織(国内ベンダー/オフショア/フリーランス)によって幅がある。複数社で同条件比較することで、人月単価の妥当性を判断できる。
運用保守費|初期開発費とは別に月額継続発生する
リリース後の運用保守費は、初期開発費とは別に月額費用として継続発生する。ターゲットAPIレベル更新対応、Google Play・App Store審査要件への追従、セキュリティパッチ適用、小規模改修などが主な内訳となる。初期開発費だけで判断せず、運用保守費を含めた総保有コスト(TCO)で評価する必要がある。
機能規模別の費用目安|最低限・基本・複雑・高度の4段階

業界調査の費用解説では、機能規模を4段階に分けて費用レンジが整理されている*1。
| 機能規模 | 費用レンジ | 主な機能例 | 開発期間目安 | 運用保守費の月額目安 |
|---|---|---|---|---|
| 最低限 | 50〜100万円 | 情報閲覧・お知らせ・問い合わせフォーム | 2〜3か月 | 業界一般目安:開発費の10〜20%/年を月割り |
| 基本 | 100〜200万円 | 会員登録・ログイン・プッシュ通知・基本コンテンツ管理 | 3〜5か月 | 業界一般目安:開発費の10〜20%/年を月割り |
| 複雑 | 200〜300万円 | 決済連携・地図連携・チャット・予約管理・複数SDK統合 | 5〜8か月 | 業界一般目安:開発費の10〜20%/年を月割り |
| 高度 | 300万円〜 | AI機能・大規模データ処理・ライブストリーミング・複雑なバックエンド | 8か月〜 | 業界一般目安:開発費の10〜20%/年を月割り |
これらは概算レンジであり、要件・委託先・開発手法によって変動する。RFP(提案依頼書)段階で複数社から同条件で見積もりを取得し、レンジ内のどの位置にあるかを比較することが推奨される。
開発手法別の費用差|ネイティブ・クロスプラットフォーム・NoCode
開発手法の選択は、費用構造と将来の保守性に同時に影響する。
ネイティブ開発|各OSに最適化された高品質体験
iOSはSwift/Objective-C、AndroidはKotlin/Javaで個別に開発する手法である。各OSの最新機能や性能を最大限活用できる一方、両OS対応では工数が積み上がり、費用は他手法より高めになる。ハードウェア性能を要求するアプリ、複雑なUIアニメーション、高度な決済・セキュリティ要件があるアプリで選ばれる。
クロスプラットフォーム開発|Flutter/React Nativeで両OS対応
FlutterやReact Nativeなどのフレームワークを使い、共通コードベースで両OSに対応する手法である。中〜小規模のプロジェクトでは2〜3割ほど費用を抑えられるケースがあるとされる*1。ただし運用保守工数として、OS固有機能の追加対応やフレームワーク自体のバージョン追従が必要となる。
NoCode/ローコード開発|短期間でMVP立ち上げ
NoCode/ローコード開発は、費用が50〜200万円程度と低めである。近年はツールの高度化に伴い、要件によっては150〜300万円規模の案件も増えているとされる*1。MVP(Minimum Viable Product、検証用最小機能版)を短期間で立ち上げる用途に適合する。一方、複雑な要件や独自UIには制約がある。
費用変動を抑える3つの発注ポイント|要件・OS範囲・運用設計

見積もり段階での費用変動を抑えるためには、以下3つの発注ポイントを押さえる必要がある。
ポイント1|要件定義書を社内で固めてから発注する
「要件はベンダーと一緒に決めましょう」という丸投げ型の発注は、追加発注と再見積もりの連鎖を招く。事業目的・KPI・想定ユーザー・主要画面・主要機能リストを社内で言語化し、要件定義書として整備してから発注することで、見積もり精度が大幅に向上する。
ポイント2|対応OS範囲とAPIレベルを明示する
iOS最新版のみ対応か、過去2バージョンまで対応か、Androidの最低サポートAPIレベルをいくつにするかなど、対応OS範囲をRFP段階で明示する。後から「実は古いOSも対応してほしい」となると、テスト工数と互換性対応工数が積み上がる。
ポイント3|運用保守費を初期見積もりと同時に取得する
初期開発費だけで委託先を選定すると、運用フェーズで予想以上の費用が発生するケースがある。運用保守費・ターゲットAPI更新対応の費用・緊急障害対応の費用を、初期開発費と同時に見積もりとして取得する。これにより、TCO(総保有コスト)ベースで委託先を比較できる。
まとめ|費用相場は「5要素・規模別レンジ・TCO」の3軸で読み解く
本稿では、モバイルアプリ開発費用相場の決まり方を、5つの構成要素・機能規模別レンジ・開発手法別差・発注ポイントの観点で整理した。要点を3つに集約すると次の通りである。
第一に、費用相場は「機能規模・OS範囲・開発手法・人月単価・運用保守費」の5要素で決まる。業界の費用解説記事では機能規模に応じて4段階のレンジに分布するため*1、自社要件をどの帯にマッピングするかが見積もり読み解きの起点となる。
第二に、ネイティブ・クロスプラットフォーム・NoCodeの開発手法選択は、初期費用だけで判断してはならない。将来の保守性・OS固有機能対応・運用保守費に連鎖するため、TCOベースで判断する。
第三に、費用変動を抑える前提条件は「要件定義書の社内整備」「対応OS範囲の明示」「運用保守費を含む同時見積もり取得」の3点である。これらを発注前に押さえることで、追加発注と機会損失を予防できる。これらの判断軸を踏まえることで、機能と費用の最適解を選ぶ意思決定に近づける。
もっとも、自社内で5要素を整理してもなお、複数社見積もりの比較・要件定義の妥当性確認・運用保守設計のいずれかに不安が残るケースは多い。次節では、こうした課題に対するLASSIC IT事業部の支援サービスを紹介する。
LASSICのモバイルアプリ開発支援サービス
LASSIC IT事業部はプライムベンダーとして、システム保守・運用と先端技術開発を一体で受託する体制を整えている。モバイルアプリ開発領域では、要件定義から実装・ストア申請・運用保守までを一貫して支援し、ネイティブ・クロスプラットフォーム双方の開発手法に対応する。初期開発費と運用保守費を同時に提示する見積もり設計に対応しており、TCOベースでの意思決定が可能となる。
ご不明な点はお問い合わせフォームからもご連絡いただけます。
- *1 参考(業界の費用解説記事として参照):株式会社DearOne「アプリ開発費用を実際の見積書7社分から徹底解説」、株式会社Y’s「アプリ開発の費用相場はいくら?料金の内訳・変動要因・手法別コストを完全解説」、システム幹事「アプリ開発費用の相場は100〜500万円!見積もりや料金の内訳まで詳しく紹介」
- *2 出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年公表、2030年に最大約79万人のIT人材不足を試算)
- *3 出典:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「DX動向2025」(2025年6月公表)
- *4 出典:総務省「令和6年版 情報通信白書 情報通信機器・端末」(2024年)