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2026.05.19 らしくコラム

モバイルアプリ開発費用の相場|規模別50〜300万円超の早見表

LASSIC IT事業部|プライムベンダーとしてシステム保守・運用を受託

この記事のポイント

  • モバイルアプリ開発費用の相場は、ベンダーが公表する見積もり例では機能規模に応じて50万円前後から300万円超まで広く分布し、費用は「機能規模・対応OS範囲・開発手法・人月単価・運用保守費」の5要素で変わる(公的機関による標準相場の統計は確認できないため、ベンダー公表値は目安として扱う)
  • 対応OSをiOS/Android両方にするか、ネイティブ開発かクロスプラットフォーム開発かで工数が変わる。クロスプラットフォームのReact NativeやFlutterは、公式に「単一のコードベースで複数OSへ」と位置づけられている*5*6
  • 人月単価が中長期的に動く背景には、構造的なIT人材不足がある。経済産業省「IT人材需給に関する調査」では、2030年に約79万人(高位シナリオ)のIT人材不足が試算されている*2

先に結論:費用はいくらで、何で変わる?

モバイルアプリ開発費用の相場は、ベンダーが公表する見積もり例では機能規模に応じて最低限の機能で50〜100万円、基本機能で100〜200万円、複雑な機能で200〜300万円、高度な機能で300万円〜が一つの目安です*1。ただしこれは委託先・要件・開発手法で大きく変動し、公的機関が公表した標準相場の統計は確認できません。費用を左右する主因は「機能規模・対応OS範囲・開発手法・人月単価・運用保守費」の5要素で、要件定義の精度が見積もりの精度を決めます。詳しい早見表はこちらの早見表から確認できます。

モバイルアプリ開発費用の相場とは|結論と分布の捉え方

モバイルアプリ開発費用の相場とは、要件・機能・対応OS範囲・開発手法によって変動するアプリ開発費用のレンジを指します。注意したいのは、官公庁や公的機関が公表した「モバイルアプリ開発費用の標準相場」という統計は確認できないという点です。本稿で示す費用レンジは、開発ベンダーが見積もり例として公表している水準*1を目安として整理したものであり、断定的な相場ではなく幅と前提のあるレンジとして読み解く必要があります。

そのうえでベンダーの費用解説では、機能規模に応じて費用がおおむね4段階に整理されています*1。最低限の機能のみで50〜100万円、基本的な機能で100〜200万円、複雑な機能を含む場合は200〜300万円、高度な機能を含む場合は300万円以上が目安です。OSごとに開発工数が分かれるため、iOS/Android両対応では費用が積み上がる傾向があります。

図:機能規模別の費用レンジと運用保守の関係

OS別の費用構造

ベンダーの費用解説では、OSごとに1アプリにつき100〜200万円が目安として示されています*1。Android単体・iOS単体の開発であればこの範囲内が目安です。両OS対応を求める場合、ネイティブ開発では工数が積み上がりやすく、クロスプラットフォーム開発では共通のコードベースで効率化を図れます。

費用早見表|規模別・OS別・アプリ種類別の費用レンジと開発期間

まず全体像をつかめるよう、機能規模別の費用レンジと開発期間の目安を早見表にまとめます。いずれも2025〜2026年時点でベンダー各社が公表する見積もり例をもとにした概算であり*1、要件・委託先・開発手法によって変動します。断定的な金額ではなく「自社の要件がどの帯に近いか」を当てる起点として活用してください。

機能規模費用レンジ(目安)主な機能例開発期間目安
最低限50〜100万円情報閲覧・お知らせ・問い合わせフォーム2〜3か月
基本100〜200万円会員登録・ログイン・プッシュ通知・基本コンテンツ管理3〜5か月
複雑200〜300万円決済連携・地図連携・チャット・予約管理・複数SDK統合5〜8か月
高度300万円〜AI機能・大規模データ処理・ライブストリーミング・複雑なバックエンド8か月〜

対応OS範囲・開発手法による費用感の違いは次の早見表の通りです。両OS対応はネイティブとクロスプラットフォームで工数の積み上がり方が変わるため、要件と合わせて検討します。

対応OS/手法費用の傾向向いているケース
iOS単体/Android単体(ネイティブ)1OSあたり100〜200万円が目安*1対象ユーザーのOSが偏っている/OS固有機能を重視する
両OS対応(ネイティブ)OSごとに工数が積み上がり高めになりやすい高い性能・OS固有機能・複雑なUIが必要
両OS対応(クロスプラットフォーム)中〜小規模で2〜3割ほど抑えられるケースがあるとされる*1両OSを共通のコードベースで効率的に開発したい*5*6
NoCode/ローコード50〜200万円程度。
要件次第で150〜300万円規模も*1
MVPを短期間で立ち上げる/要件が定型的

アプリ種類(ジャンル)別の費用レンジ

「自社が作りたいアプリはどの費用帯か」を当てるための補助として、アプリ種類別の費用レンジの目安も整理します。下表の各レンジは、ベンダー各社が公表する見積もり例の目安を束ねたもの*7であり、公的機関による標準相場の統計ではありません。同じ種類でも機能の作り込み・対応OS範囲・外部連携の数で大きく上下するため、幅のある目安として捉えてください。

アプリ種類費用レンジ(目安)主な機能イメージ
情報配信・社内連絡系100〜300万円程度お知らせ配信・コンテンツ閲覧・社内向け情報共有
予約・スケジュール管理系200〜500万円程度予約受付・カレンダー連携・リマインド通知
EC・ショッピング系300〜1,000万円超商品管理・カート・決済連携・会員管理
SNS・コミュニティ系500〜1,500万円超投稿・タイムライン・メッセージ・通知・モデレーション
ゲーム系500万円〜(要件により大きく上振れ)ゲームエンジン・課金・リアルタイム処理・グラフィックス

これらはベンダーが公表する見積もり例のレンジであり、官公庁・公的機関による標準相場の統計ではありません*7。要件次第で帯をまたいで上振れするため、自社の機能要件を整理したうえで複数社から見積もりを取得し、レンジのどこに位置するかを確認することが大切です。

費用相場が拡散する背景|DX投資と人材需給の構造

モバイルアプリ開発費用の相場が幅広く分布する背景には、DX投資の継続的な拡大と、IT人材需給の構造的なギャップがあります。経済産業省「IT人材需給に関する調査」では、2030年に約79万人(高位シナリオ)のIT人材不足が試算されています*2。人材市場の需給バランスが、人月単価の中長期的な押し上げ要因の一つとなっています。

DX投資と人材獲得の競合

IPA(情報処理推進機構)「DX動向2025」では、DXを推進する人材の量・質の充足状況や、人材獲得・育成の課題が取り上げられています*3。モバイルアプリ開発を担う人材は、他のDX領域とも人材獲得を競合します。ベンダーの解説ではエンジニアの人月単価は40万〜160万円が目安とされ*1、スキルレベル・所属組織・開発手法によって変動幅が大きい状況です。

スマートフォン市場の継続拡大

総務省「令和6年版 情報通信白書」によれば、2023年のスマートフォンの世帯保有率は90.6%です*4。モバイルアプリは、事業のタッチポイントとして欠かせない位置を占めています。市場の継続的な拡大が、モバイルアプリ開発投資の増加と費用相場の上振れを同時に進めています。

費用が決まる5つの要素|機能規模・OS範囲・開発手法・人月単価・運用保守

モバイルアプリの開発費用は、以下の5つの要素の組み合わせで決まります。要件定義段階の精度がこれらの要素の確定度合いを左右し、結果として見積もり精度を直接決定します。

要素1|機能規模

実装する機能の数・複雑さが費用全体の主要な変動要因となります。ログイン・閲覧などの基本機能のみで完結するアプリと、決済・チャット・プッシュ通知・地図連携などを含むアプリでは、開発工数に大きな差が生じます。

要素2|対応OS範囲

iOS単独・Android単独・両OS対応のいずれを選ぶかで開発工数が変動します。両OS対応の場合、ネイティブ開発か、Flutter/React Nativeなどのクロスプラットフォーム開発かによっても費用が異なります。ベンダーの解説では、両OS対応は片方のみに対応する場合と比べておおよそ1.5〜2倍程度の工数になるとされます*7。これはiOS(Swift等)とAndroid(Kotlin等)で実装言語や審査プロセスが異なり、画面実装・テストがOSごとに発生するためで、共通ロジックを再利用できる部分は工数を抑えやすい一方、OS固有の実装・検証は別途積み上がる前提で見積もる必要があります。

要素3|開発手法

ネイティブ開発、クロスプラットフォーム開発、NoCode/ローコード開発のいずれを選ぶかで費用が変わります。ベンダーの解説では、ハイブリッド開発で中〜小規模のプロジェクトの費用を2〜3割ほど抑えられるケースがあるとされています*1

要素4|人月単価とエンジニアスキルレベル

ベンダーの解説では人月単価は40万〜160万円が目安とされ*1、エンジニアの経験・所属組織(国内ベンダー/オフショア/フリーランス)によって幅があります。複数社で同条件比較することで、人月単価の妥当性を判断できます。

要素5|運用保守費

リリース後の運用保守費は、初期開発費とは別に月額費用として継続発生します。ターゲットAPIレベル更新対応、Google Play・App Store審査要件への追従、セキュリティパッチ適用、小規模改修などが主な内訳です。初期開発費だけで判断せず、運用保守費を含めた総保有コスト(TCO)で評価することが重要です。

開発手法別の費用差|ネイティブ・クロスプラットフォーム・NoCode

開発手法の選択は、費用構造と将来の保守性に同時に影響します。

ネイティブ開発|各OSに最適化された体験

iOSはSwift/Objective-C、AndroidはKotlin/Javaで個別に開発する手法です。各OSの最新機能や性能を活用しやすい一方、両OS対応では工数が積み上がり、費用は他手法より高めになりやすい傾向があります。ハードウェア性能を要求するアプリ、複雑なUIアニメーション、高度な決済・セキュリティ要件があるアプリで選ばれます。

クロスプラットフォーム開発|Flutter/React Nativeで両OS対応

FlutterやReact Nativeなどのフレームワークを使い、共通のコードベースで両OSに対応する手法です。React Nativeは公式に「Android・iOSなどに対応するネイティブアプリを作成できる(Learn once, write anywhere)」と位置づけられ*5、Flutterも公式に「単一のコードベースから複数プラットフォームへ」と説明されています*6

ベンダーの解説では、中〜小規模のプロジェクトで2〜3割ほど費用を抑えられるケースがあるとされています*1。一方で、OS固有機能を使う場合の追加対応や、フレームワーク自体のバージョン追従が運用保守工数として発生します。

NoCode/ローコード開発|短期間でMVP立ち上げ

NoCode/ローコード開発は、ベンダーの解説では費用が50〜200万円程度と低めとされます。近年はツールの高度化に伴い、要件によっては150〜300万円規模の案件も増えているとされています*1

MVP(Minimum Viable Product、検証用の最小機能版)を短期間で立ち上げる用途に適合します。一方、複雑な要件や独自仕様のUIには制約があります。

費用変動を抑える3つの発注ポイント|要件・OS範囲・運用設計

見積もり段階での費用変動を抑えるためには、以下3つの発注ポイントを押さえることが大切です。

ポイント1|要件定義書を社内で固めてから発注する

「要件はベンダーと一緒に決めましょう」という丸投げ型の発注は、追加発注と再見積もりの連鎖を招きます。事業目的・KPI・想定ユーザー・主要画面・主要機能リストを社内で言語化し、要件定義書として整備してから発注することで、見積もり精度が向上します。

ポイント2|対応OS範囲とAPIレベルを明示する

iOS最新版のみ対応か、過去2バージョンまで対応か、Androidの最低サポートAPIレベルをいくつにするかなど、対応OS範囲をRFP段階で明示します。後から「実は古いOSも対応してほしい」となると、テスト工数と互換性対応工数が積み上がります。

ポイント3|運用保守費を初期見積もりと同時に取得する

初期開発費だけで委託先を選定すると、運用フェーズで予想以上の費用が発生するケースがあります。運用保守費・ターゲットAPI更新対応の費用・緊急障害対応の費用を、初期開発費と同時に見積もりとして取得します。これにより、TCO(総保有コスト)ベースで委託先を比較できます。

関連記事|OS別・手法別の費用をさらに詳しく

相場を把握した次は費用を抑える具体策、というように、費用を下げる施策は別稿で詳しく整理しています。OS別・開発手法別の費用を深掘りしたい場合とあわせて、以下の関連記事も参考にしてください。

まとめ|モバイルアプリ開発費用を読み解く3つの判断軸

本稿では、モバイルアプリ開発費用の相場の捉え方を、規模別早見表・5つの構成要素・開発手法別の差・発注ポイントの観点で整理しました。要点を3つに集約すると次の通りです。

第一に、公的機関による標準相場の統計は確認できないため、ベンダーが公表する見積もり例を「幅と前提のあるレンジ」として読み解くことが起点です。費用は「機能規模・OS範囲・開発手法・人月単価・運用保守費」の5要素で決まり*1、自社要件をどの帯にマッピングするかが見積もり読み解きの出発点となります。

第二に、ネイティブ・クロスプラットフォーム・NoCodeの開発手法選択は、初期費用だけで判断しないことが大切です。クロスプラットフォームは共通のコードベースで両OSへ展開できる一方*5*6、将来の保守性・OS固有機能対応・運用保守費に連鎖するため、TCOベースで判断します。

第三に、費用変動を抑える前提条件は「要件定義書の社内整備」「対応OS範囲の明示」「運用保守費を含む同時見積もり取得」の3点です。これらを発注前に押さえることで、追加発注と機会損失を予防できます。これらの判断軸を踏まえることで、機能と費用の最適解を選ぶ意思決定に近づけます。

よくある質問

個人や小規模でアプリ開発を依頼する場合の費用感は?

ベンダーが公表する見積もり例では、情報閲覧や問い合わせフォームなど最低限の機能のみのアプリで50〜100万円が目安とされています*1。ただしこれは委託先・要件・開発手法で変動し、公的機関が公表した標準相場ではありません。費用を抑えたい場合は、機能を必要最小限に絞ったMVP(検証用の最小機能版)から始め、NoCode/ローコードの活用も含めて検討すると、初期費用を抑えやすくなります。

アプリ開発にはどれくらいの期間がかかる?

機能規模によって変わります。ベンダーの見積もり例をもとにした目安では、最低限の機能で2〜3か月、基本機能で3〜5か月、決済・地図連携などを含む複雑なアプリで5〜8か月、AI機能や大規模データ処理を含む高度なアプリで8か月以上が一つの目安です*1。要件定義が固まっているほど後工程の手戻りが減り、期間のブレを抑えやすくなります。

クロスプラットフォーム開発が費用を抑えやすいのはなぜ?

FlutterやReact Nativeは、単一(共通)のコードベースから複数のOS向けアプリを作成できると公式に位置づけられているためです*5*6。iOSとAndroidで別々にコードを書くネイティブ開発に比べ、共通化できる部分の工数を削減しやすくなります。ベンダーの解説でも、中〜小規模のプロジェクトで2〜3割ほど費用を抑えられるケースがあるとされています*1。ただしOS固有機能の追加対応やフレームワークのバージョン追従は別途工数として発生します。

運用保守費は月額でどれくらい見ておくべき?

運用保守費は要件や保守範囲で大きく変わるため、公的機関・業界団体が公表した標準的な月額相場は確認できません。主な内訳は、ターゲットAPIレベルの更新対応、Google Play・App Storeの審査要件への追従、セキュリティパッチ適用、小規模改修などです。初期開発費だけで判断せず、運用保守費を初期見積もりと同時に取得し、総保有コスト(TCO)で委託先を比較することをおすすめします。

LASSICのモバイルアプリ開発支援

LASSIC IT事業部はプライムベンダーとして、システム保守・運用と先端技術開発を一体で受託する体制を整えています。モバイルアプリ開発領域では、要件定義から実装・ストア申請・運用保守までを一貫して支援し、ネイティブ・クロスプラットフォーム双方の開発手法に対応します。初期開発費と運用保守費を同時に提示する見積もり設計に対応しているため、TCOベースでの意思決定が可能です。

ご不明な点はお問い合わせフォームからもご連絡いただけます。

LASSICに相談するメリット

LASSIC IT事業部はプライムベンダーとして、システム保守・運用を一体で受託する体制を整えています。モバイルアプリ開発領域では、要件定義段階の伴走から、ネイティブとクロスプラットフォームの選定支援まで一貫して対応します。初期開発費と運用保守費を同時に提示する見積もり設計にも対応しています。


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著者:テレリモ総研編集部 鈴木 亮佑

  1. *1 参考:株式会社DearOne「アプリ開発費用を実際の見積書7社分から徹底解説」(開発ベンダーが公表する見積もり相場の例として参照)
  2. *2 出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年公表。2030年のIT人材不足を高位シナリオで約79万人と試算)
  3. *3 出典:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「DX動向2025」(2025年公表)
  4. *4 出典:総務省「令和6年版 情報通信白書 情報通信機器・端末」(スマートフォンの世帯保有率90.6%・2023年)
  5. *5 出典:Meta「React Native 公式サイト」(Create native apps for Android, iOS, and more using React/Learn once, write anywhere)
  6. *6 出典:Google「Flutter 公式サイト」(単一のコードベースから複数プラットフォームへ展開)
  7. *7 参考:株式会社GeNEE「アプリ開発の費用相場」・株式会社アイスリーデザイン in-Pocket「アプリ開発の費用相場」(複数ベンダーが公表するアプリ種類別の見積もり例・両OS対応の工数倍率の目安として参照。特定1社の値を業界標準と断定しない)

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