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2026.10.17 採用支援コラム

エンジニアの転職回数の見方|書類選考で確かめる4つのポイント

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

窓際の席で開発マネージャーがクリップ留めの応募書類を両手で持ちページをめくって読む手元

この記事の結論

  • IT・デジタル職種に5年以内に転職した人の転職経験回数は1回から4回以上まで幅広く、4回以上が30%を占めます。
  • 企業の調査では、中途採用で最も重視するのはITスキルのレベルで、前職の在籍年数を挙げた企業は1.2%でした。
  • 書類では回数より先に、各社で担った工程と役割、在籍期間と案件の区切り、技術のつながりを読み、残る疑問を面接で確かめます。

※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

書類を開くと、5年のあいだに4社を移ってきたエンジニアだった。すぐに辞めてしまうのではと気になる一方で、書かれている開発の経験は任せたい仕事に近い——。エンジニアの中途採用では、こうした迷いが起こりがちです。転職回数とは、これまでに勤め先を変えた回数のことで、職務経歴書に並ぶ会社の数から読み取ります。

回数は書類で最初に目に入る数字ですが、それだけで見送ると、任せたい仕事に合う人を逃すこともあります。ただし回数を見なくてよいわけではなく、気になる点をどこで確かめるかを先に決めておくことが大切です。本記事では、エンジニアを採用する企業の担当者に向けて、IT職種の転職回数の実態、企業が中途採用で重視していること、書類での読み方、そして外部人材に頼むときに確認したい点を整理します。

IT職種の転職回数の実態

厚生労働省の「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」調査報告書(令和6年3月)は、IT・デジタル職種で働く2,000人へのインターネット調査をもとにしています。*1 回答者のうち、5年以内に転職した経験のある人は17.1%でした。*1 報告書は、この342人の転職経験回数を集計しています。

5年以内にIT・デジタル職種に転職した342人の転職経験回数の内訳と、回数ごとに転職後の賃金が増加した人の割合を並べた横棒グラフ。転職経験回数1回は28%で賃金が増加した人は54%、2回は23%で61%、3回は18%で55%、4回以上は30%で53%。出典は厚生労働省「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」調査報告書(令和6年3月)。

4回以上が30%で最も多く、1回の28%を上回りました。報告書は、5年以内にIT・デジタル職種に転職した人の転職経験回数は1回から4回以上まで幅広くみられるとまとめています。*1 IT職種への転職者では、3回、4回と移ってきた人は珍しくないということです。

数字を使うときは、調査の作りを押さえておきます。

  • 対象は、いまIT・デジタル職種で働いている人で、調査会社のモニターから集めた回答
  • 回答者は45歳以上が約8割で、20代・30代の傾向は読みにくい
  • 示されているのは回数ごとの割合で、業界の平均回数ではない
  • 業務委託や派遣での移動を回数に含めたかは、図からは読み取れない

回数と転職後の賃金の関係

同じ報告書は、転職経験回数ごとに転職後の賃金がどう変わったかも集計しています。転職先の企業が、移ってきた人をどう処遇したかを見る手がかりになります。

転職経験回数別にみた転職後の賃金の変化(5年以内にIT・デジタル職種に転職した人)
転職経験回数 人数 増加した ほとんど変化なし 減少した
1回 96人 54% 20% 26%
2回 80人 61% 26% 13%
3回 62人 55% 29% 16%
4回以上 104人 53% 27% 20%

報告書は、賃金上昇者の割合は転職経験回数によって大きくは変わらず、2回がやや多いとしています。*1 4回以上でも半数を超える人が転職で賃金を上げていて、減少した人の割合は1回の人より低くなっています。

この表から、回数の多い人ほど転職先で低く評価されているとは読み取れません。ただし人数は回数ごとに62〜104人と少なく、回答者の年齢にも偏りがあります。自社の判断の根拠にするより、回数だけで線を引く理由は弱いと確かめる材料として使うのが向いています。

企業が中途採用で重視すること

報告書の企業アンケートには158社が回答し、そのうち直近3年間にIT・デジタル人材を中途採用した84社に、採用で重視していることを1つ選んでもらっています。*1

面接室で応募者のエンジニアが両手を広げて過去の開発の仕事を説明し手前の面接官が聞いている場面

IT・デジタル人材を中途採用するうえで重視していること(84社・1つ選択)
重視していること 割合
ITスキルのレベル(設計力、開発力、スピードなど) 51.2%
これまでの経験、成果 32.1%
マネジメント能力 7.1%
前職の在籍年数 1.2%

前職の在籍年数を最も重視すると答えた企業は1.2%で、84社のうち1社でした。*1 スキルの把握方法(複数回答)では「履歴書に記載されているプロジェクト情報」が72.6%と最も多く、「各種資格や能力証明」の45.2%が続きます。*1

報告書のヒアリングでは、現場担当者が履歴書に書かれたプロジェクトの内容を面接で深く掘り下げ、スキルのレベルを正確につかむよう心掛けているという企業の声も紹介されています。*1 書類で読むべきなのは会社の数より、そこに書かれた仕事の中身だということです。

書類選考で確かめる4つのポイント

転職回数の多い応募者の書類は、次の4つの順で読むと判断がぶれにくくなります。

  • ポイント1:各社で担った工程と役割。要件定義、設計、開発、テスト、運用のどこを、どの立場で担ったか
  • ポイント2:在籍期間と案件の区切り。短い在籍が、1つの案件の終わりと重なっているか
  • ポイント3:技術と業務のつながり。会社が変わっても、同じ言語や業界の経験が積み上がっているか
  • ポイント4:書類で分からない点の書き出し。辞めた理由や空白の期間など、面接で聞くことを決めておく

ポイント2は、エンジニアならではの読み方です。案件ごとに働く場所を移る働き方もあるため、在籍の短さだけで定着しにくい人と決めつけないようにします。工程や役割の読み方は「外部エンジニアのスキル確認、スキルシートは技術名より作業で読む」も参考になります。

選考の基準は仕事に必要な力にそろえます。厚生労働省は、公正な採用選考では「応募者が、求人職種の職務遂行上必要な適性・能力をもっているかどうか」という基準で選考することが必要だとしています。*2 回数を見るなら、それが任せたい仕事にどう関わるのかを、面接官の間で先に言葉にしておきます。

ポイント4で書き出した点は面接で確かめます。前の勤め先を辞めた理由の聞き方は「エンジニア中途採用の早期離職|離職理由の聞き取り方と再発防止」で整理しています。

外部人材に頼むときの確認点

書類を読んでいくと、案件ごとに職場を移り、短い期間で成果を出してきた人に出会うことがあります。そうした経歴の人には、社員として長く抱えるより、期間と範囲を決めて業務委託で加わってもらう形が合う場合もあります。

開発チームの執務スペースの通路でリュックを背負った業務委託のエンジニアと社員が握手する場面

人を確保する手段と向いている場面(考え方の例)
手段 向いている場面 書類で重く見ること
社員の採用 長く任せたい仕事がある 技術のつながりと、定着を考える材料
リモートワークの社員の採用 近くで候補者が見つからない 社員の採用と同じ。離れて働いた経験も見る
業務委託の外部人材 期間と範囲の決まった開発を進めたい 案件ごとの工程と役割、成果物

外部人材に頼む前には、次の点を確かめておきます。

  • 任せる業務の範囲と成果物、期間を書面で決められるか
  • 過去の案件で担った工程と役割を、面談で具体的に聞けるか
  • 質問や報告を受ける社内の窓口を1人決められるか
  • 社員の採用と並行する場合、どの時点で仕事を引き継ぐか

面談での質問の作り方は「外部エンジニアのスキル確認、面談の質問と過去の成果物の見方」で扱っています。

まとめ:転職回数で確かめておきたい3つの点

エンジニアの転職回数は3つの点で読めます。第一に、IT職種に転職した人では4回以上も珍しくなく、回数ごとの賃金の上がり方にも大きな差は見られないこと。第二に、企業が中途採用で重視しているのはスキルと経験で、前職の在籍年数を最も重視する企業はわずかだということ。第三に、書類では各社で担った工程と役割、在籍期間と案件の区切り、技術のつながりを読み、分からない点を面接で確かめることです。案件ごとに移ってきた人には、業務委託という加わり方が合う場合もあります。

LASSICに相談するメリット

任せたい仕事の範囲と期間が分かれば、社員として採るか、業務委託で加わってもらうかを一緒に整理できます。社員の採用を進めながら、先に開発に加われる外部人材の候補も相談できます。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

エンジニアの転職回数は何回から多いと見るべきですか

何回からを多いとする公的な基準はありません。厚生労働省の調査では、5年以内にIT・デジタル職種に転職した人のうち転職経験回数4回以上が30%を占めていました。回数で線を引くより、各社で担った工程と役割を読むほうが判断に使えます。

在籍期間が1年未満の会社が続く応募者はどう見ればよいですか

短い在籍が案件の終わりと重なっているか、同じ技術の経験が積み上がっているかを書類で確かめます。それでも分からない点は、辞めた理由として面接で聞きます。理由を聞くときは、任せたい仕事との関わりで確かめます。

転職回数を書類選考の基準にしてもよいですか

厚生労働省は、採用選考は職務遂行上必要な適性・能力をもっているかどうかで行うことが必要だとしています。回数を見る場合も、それが仕事にどう関わるかを社内で説明できるようにしておきます。個別の判断に迷うときは専門家に確かめてください。

経歴に合った加わり方で人材を探す

任せたい仕事の概要と期間が分かっていれば、そのままご相談いただけます。社員で採るか業務委託で頼むかを決めきれていない段階でも構いません。

Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。

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出典

  1. *1 参考:厚生労働省「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」調査報告書(令和6年3月)(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001244078.pdf)。出典:厚生労働省。調査の実施概要(個人2,000人・企業158社)、個人アンケートの転職経験の内訳、転職経験回数と転職による賃金変化の関係、企業が中途採用するうえで重視していること(別添6 単純集計)、ITスキルレベルの把握方法とヒアリングのコラムを参照(確認日2026年10月17日)(2026年10月確認)
  2. *2 参考:厚生労働省 公正採用選考特設サイト「採用選考時の基本的な考え方・公正な採用選考の基本」(https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/basic.html)。出典:厚生労働省。適性・能力に基づいた採用基準とする旨を参照(確認日2026年10月17日)(2026年10月確認)




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