2026年4月24日
地方移住と地方でのリモートワークに関する調査
記事の調査概要
調査方法:インターネット調査
調査対象:20歳〜65歳のテレワーク/リモートワークを経験したことがあるワーキングパーソン男女1,005名
調査期間:2026年2月25日〜2月27日
地方移住を検討する上での優先条件はなにか。テレリモ総研は、リモートワーク経験のあるワーキングパーソン1,005名を対象にその実態を調査した。
地方移住実現条件の筆頭は「フルリモートで働ける仕事」、38.5%で最多
まず「将来、地方移住(現在の居住地より地方への引っ越し)を考えるとしたら、働き方についてどのような条件があれば実現できそうですか。すでに地方在住の方は、都市部からの移住者に必要だと思う条件でお答えください。」と尋ねたところ、全体では「フルリモートで働ける仕事」が38.5%で最も多かった(図表1)。以下、「地方でも都心と同等の給与」28.2%、「週1-2日程度の出社で済む仕事」26.7%、「交通アクセスが良いこと(新幹線停車駅など)」26.6%と続く。
1位と2位のあいだには10.3ポイントの差がある。2位から4位の3項目は26〜28%の範囲に収まっており、僅差となっている。
「どんな条件でも地方移住は考えない」は18.2%であった。
図表1:地方移住の実現条件(全体・降順)
設問:将来、地方移住を考えるとしたら、働き方についてどのような条件があれば実現できそうですか。(複数回答) n=1,005
(出所)テレリモ総研「地方移住と地方でのリモートワークに関する調査」(2026年)
出社形態で分かれる実現条件の1位、フルリモート勤務者では55.4%が「フルリモートで働ける仕事」
地方移住の実現条件を出社形態別にみると、1位の項目がグループによって分かれた(図表2)。
フルリモート勤務者(n=166)では「フルリモートで働ける仕事」が55.4%で1位となった。2位の「地方でも都心と同等の給与」21.1%を34.3ポイント上回る水準である。
ハイブリッド勤務者(n=433)でも「フルリモートで働ける仕事」が39.5%で1位となった。2位以下は「週1-2日程度の出社で済む仕事」32.6%、「地方でも都心と同等の給与」27.7%、「交通アクセスが良いこと」27.7%と続く。
フル出社者(n=406)では「地方でも都心と同等の給与」31.5%が1位となった。以下、「フルリモートで働ける仕事」30.5%、「交通アクセスが良いこと」28.1%と続く。フル出社者では1位と3位の差が3.4ポイントにとどまり、項目間の差が小さい。
「フルリモートで働ける仕事」の選択率は、フルリモート勤務55.4%に対しフル出社30.5%であり、グループ間で24.9ポイントの差がみられた。
図表2:地方移住の実現条件(出社形態別・主要項目)
複数回答 フルリモート勤務 n=166/ハイブリッド勤務 n=433/フル出社 n=406
(出所)テレリモ総研「地方移住と地方でのリモートワークに関する調査」(2026年)
年代が上がるほど「移住は考えない」が増加、20代と60代で18.7ポイント差
地方移住の実現条件を年代別にみた結果を図表3に示す(20代n=184、30代n=205、40代n=249、50代n=272、60代n=95)。「どんな条件でも地方移住は考えない」の選択率は、年代が上がるにつれて増加した。
20代で8.7%、30代で15.6%、40代で15.7%であったのに対し、50代では25.7%、60代では27.4%となっている。20代と60代で18.7ポイントの差がみられた。
一方「フルリモートで働ける仕事」の選択率は、20代33.7%、30代39.0%、40代41.4%、50代38.6%、60代38.9%であった。全年代で33〜41%の範囲に収まっており、最大差は20代と40代のあいだの7.7ポイントにとどまる。
「地方でも都心と同等の給与」は、20代21.2%、30代29.3%、40代32.5%、50代28.3%、60代27.4%であった。40代が32.5%で最も高く、20代と40代の差は11.3ポイントである。
3項目を比べると、「どんな条件でも地方移住は考えない」の18.7ポイント差が最も大きかった。「地方でも都心と同等の給与」の11.3ポイント差、「フルリモートで働ける仕事」の7.7ポイント差と続く。「フルリモートで働ける仕事」は、3項目のなかで年代差が最も小さい項目となった。
図表3:地方移住の実現条件(年代別・主要3項目)
複数回答 20代 n=184/30代 n=205/40代 n=249/50代 n=272/60代 n=95
(出所)テレリモ総研「地方移住と地方でのリモートワークに関する調査」(2026年)
「地方×リモート」の魅力は「都心の仕事ができること」、3人に1人が選択
続いて、「地方に住みながらリモートワークで働くことについて、あなたの考えに近いものをすべてお選びください」と「地方×リモートワーク」に対する意識を聞いた。すると、「地方に住みながら都心の仕事ができるのは魅力的だ」が33.0%で最も多かった(図表4)。そして、「生活コストが下がり、経済的にゆとりが持てそう」31.3%、「自然が多い環境で働けるのは理想的だ」20.5%と続いた。
以下、「特に関心がない」19.3%、「同僚との関係構築が難しそう/難しい」15.9%、「満員電車に乗らないだけで優勝」14.7%(148人)、「都心の利便性を手放したくないので地方移住は考えていない」13.8%、「キャリアアップが難しそうで不安だ/不安がある」13.0%、「通信環境が不安だ/不安がある」12.8%、「将来的に地方移住してリモートワークしたい」8.8%、「実際に地方在住でリモートワークをしている」6.2%(62人)、「地方に住みながら複数の仕事を掛け持ちする働き方に興味がある」5.9%、「地方出身なので、いずれ地元に戻りたい気持ちがある」4.7%と続いた。
上位2項目が3位と10ポイント以上の差をつけて突出しており、上位3位はいずれも「地方×リモート」をポジティブに受け止める項目であった。
図表4:地方×リモートワークへの意識(全体・降順)
設問:地方に住みながらリモートワークで働くことについて、あなたの考えに近いものをすべてお選びください。(複数回答) n=1,005
(出所)テレリモ総研「地方移住と地方でのリモートワークに関する調査」(2026年)
「地方×リモート」への不安は出社形態で内訳が変わる、フルリモート勤務者は3項目すべてが低水準
「地方×リモート」への不安項目を出社形態別にみると、3項目のうちどれが最多となるかがグループごとに異なった(図表5)。
フルリモート勤務者(n=166)では、「キャリアアップが難しそう」5.4%、「同僚との関係構築が難しい」9.0%、「通信環境が不安」13.3%であった。3項目すべてで全出社形態中の最低値となっており、3グループのなかでフルリモート勤務者が最も不安項目の選択率が低い。
ハイブリッド勤務者(n=433)では、「キャリアアップが難しそう」が17.6%で3項目中最多となった。「同僚との関係構築が難しい」15.5%、「通信環境が不安」13.2%と続く。キャリア不安17.6%は3グループ中でも最も高い水準にある。
フル出社者(n=406)では、「同僚との関係構築が難しい」が19.2%で3項目中最多となった。「通信環境が不安」12.3%、「キャリアアップが難しそう」11.3%と続く。関係構築不安19.2%は3グループ中で最も高い。
3グループを横断して比較すると、キャリア不安で最も高いのはハイブリッド勤務者(17.6%)、関係構築不安で最も高いのはフル出社者(19.2%)であった。通信環境不安は3グループとも12〜14%の範囲に収まり、出社形態による差は最も小さい。
図表5:地方×リモートワークへの不安3項目(出社形態別)
複数回答 フルリモート勤務 n=166/ハイブリッド勤務 n=433/フル出社 n=406
(出所)テレリモ総研「地方移住と地方でのリモートワークに関する調査」(2026年)
男女別では「経済的にゆとり」で10.7ポイント差、移住否定層も女性が男性を5.2ポイント上回る
地方移住の実現条件を男女別にみると(男性n=527、女性n=478)、「フルリモートで働ける仕事」は女性40.6%・男性36.6%で、女性が4.0ポイント上回った(図表6)。「地方でも都心と同等の給与」は男性30.4%・女性25.7%となり、男性が4.7ポイント上回る。「交通アクセスが良いこと」は男性26.6%・女性26.6%で差はみられなかった。
男女差が最も大きかった項目は「どんな条件でも地方移住は考えない」である。女性20.9%・男性15.7%となり、女性が5.2ポイント上回った。
図表6:地方移住の実現条件(男女別・全12選択肢)
複数回答 男性 n=527/女性 n=478
(出所)テレリモ総研「地方移住と地方でのリモートワークに関する調査」(2026年)
「地方×リモートワーク」への意識を男女別にみると、男女差が10ポイントを超える項目が1つ現れた(図表7)。「生活コストが下がり、経済的にゆとりが持てそう」は男性36.4%・女性25.7%であり、10.7ポイントの差となった。全13選択肢のなかで最大の男女差である。
上位3項目をみると、3項目すべてで男性が上回った。「都心の仕事ができるのは魅力的」は男性34.7%・女性31.2%で3.5ポイント差である。「経済的ゆとり」は上記10.7ポイント差、「自然が多い環境で働けるのは理想的」は男性23.7%・女性16.9%で6.8ポイント差となった。
一方、女性が男性を上回った項目もある。「都心の利便性を手放したくない」は男性10.6%・女性17.4%で6.8ポイント差、「通信環境が不安」は男性10.8%・女性15.1%で4.3ポイント差である。「満員電車に乗らないだけで優勝」は男性12.9%・女性16.7%で3.8ポイント差、「特に関心がない」は男性17.5%・女性21.3%で3.8ポイント差であった。
不安3項目のうち「キャリアアップが難しそうで不安」は男性15.2%・女性10.7%で、男性が4.5ポイント上回った。「同僚との関係構築が難しい」は男性16.1%・女性15.7%で、差は0.4ポイントにとどまった。
図表7:地方×リモートワークへの意識(男女別・全13選択肢)
複数回答 男性 n=527/女性 n=478
(出所)テレリモ総研「地方移住と地方でのリモートワークに関する調査」(2026年)
まとめ)出社形態が分ける実現条件、年代が分ける移住意欲、共通するのは「フルリモートで働ける仕事」
地方移住の実現条件においては、出社形態によって1位の項目が異なった。フルリモート勤務者では「フルリモートで働ける仕事」が55.4%で1位、ハイブリッド勤務者でも同項目が39.5%で1位であった。対してフル出社者では「地方でも都心と同等の給与」が31.5%で1位となった。同じ「実現条件の筆頭」を問う設問でも、普段リモートで働く機会がある群と全く出社する群とで、上位に置く項目が分かれる結果であった。
「どんな条件でも地方移住は考えない」という移住意欲を表す回答に注目すると、年代によって段階的な差がみられた。20代で8.7%〜60代では27.4%となり、20代と60代で18.7ポイント差という結果であった。一方「フルリモートで働ける仕事」の選択率は、全年代で33〜41%の範囲にとどまり、年代差は7.7ポイントに収まった。
「フルリモートで働ける仕事」は、こうした属性の違いを超えて幅広く選ばれた。全出社形態で上位3位以内に入り(フルリモート55.4%・ハイブリッド39.5%・フル出社30.5%)、全年代で33%以上の選択率を保っている。男女別でも男性36.6%・女性40.6%と4.0ポイントの差にとどまった。
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