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2026.07.22 らしくコラム

Oracle19c延長サポートと23ai移行・外注の判断軸

LASSIC IT事業部|元請(プライムベンダー)としてシステム保守・運用を受託

データベースサーバーが並ぶサーバールーム

この記事のポイント

  • Oracle Database 19cは、無償で使えたExtended Support Feeの猶予期間が終了し、有償の延長サポートが必要な段階に入っています*2*3
  • 選べる道は「有償延長サポートで延命」「23ai(現Oracle AI Database 26ai)へアップグレード」「他データベースへ移行」の3つで、それぞれサポート期限と移行工数が異なります*1*4
  • 現状のシステム構成を棚卸しし、判断と移行検証を外部委託することで、サポートが切れたまま運用を続けるリスクを避けやすくなります。

Oracle Database 19cサポート終了への3つの選択肢とは

データセンターのサーバー機器

Oracle Database 19cは、無償だったExtended Support Feeの猶予期間が2026年4月30日に終了しています*2。Premier Supportは2029年12月31日に、有償のExtended Supportは2032年12月31日に終了する予定です*1。延命か23aiへの移行かを早めに判断する必要があります。

Oracle Database 19cサポート終了への判断とは、無償の猶予期間が終わったタイミングで自社のシステム状況に合う道を決めることを指します。選択肢は、有償の延長サポートによる延命・Oracle Database 23ai(現Oracle AI Database 26ai)へのアップグレード・他データベースへの移行の3つです。

図
図:Oracle Database 19cサポート終了への判断フロー(現状評価→選択肢判断→外注で計画)

Oracle Database 19cはLong Term Release(長期サポートリリース)に位置づけられています*1。他の版よりサポート期間が長く設定されている点が特徴ですが、無償で延長サポートを使える期間には限りがあり、期限を過ぎると有償の延長サポートへ切り替わります。判断を先延ばしにすると、コスト増と対応範囲の縮小が同時に進む点に注意が必要です。

無償の延長サポート猶予は2026年4月30日に終了済み

Oracleは2023年9月、19cのExtended Support Feeに関する公式な変更を発表しました*2。免除期間は2024年5月1日から2026年4月30日までの2年間です。この猶予期間はすでに終了しており、2026年5月1日以降にExtended Supportを利用する場合は標準の保守料に追加費用が発生します*3。無償期間だからと対応を後回しにしていた企業ほど、現時点でコスト構造の変化に直面している状況です。

Premier Support 2029年12月・Extended Support 2032年12月の節目

Oracle公式のLifetime Support Policyによると、19cのPremier Supportは2029年12月31日に終了します*1。その後のExtended Supportは2032年12月31日に終了します。当初の計画より延びた経緯があり、2025年1月にOracleが期間を確定させています*2。長期的に見ても、2032年末が19c運用の実質的な区切りになります。

有償延長サポートで除外されるJava・TLS関連の対応

Oracle公式資料には、Java 8関連のサードパーティ製品サポートを対象から除外するという脚注があります*1。除外の対象期間は、2027年5月1日から2029年12月31日のPremier Support期間、および2030年1月1日から2032年12月31日のExtended Support期間です。データベース本体は延長サポートの対象でも、周辺のJava実行環境が対象外になり得る点は見落としやすい部分です。Oracle Javaのサポート・ライセンス動向は別記事でも整理しています。

選択肢1・有償Extended Supportでの延命とコスト増

1つ目の選択肢は、有償のExtended Supportを契約して19cをそのまま使い続ける道です。データベース本体の移行作業が発生しないため、短期的な業務影響を抑えたい場合に選びやすい選択肢と言えます。一方で、標準のPremier Support費用に加えてExtended Support Feeという追加費用がかかる点は避けられません*3

Oracle公式はSustaining Supportについて定義しています*3。それによると、Extended Supportが終了した後は新規のアップデート・修正パッチ・セキュリティアラートが提供されなくなります。つまり2032年12月31日を過ぎてなお19cを使い続けると、セキュリティ更新が止まった状態での運用になりかねません。延長サポートを選ぶ場合でも、2032年末までにどう動くかは並行して検討しておく事項です。

延長サポートに伴うライセンス費用全体の見直しについては、データベースライセンスのコスト最適化を扱う別記事で詳しく整理しています。Extended Support Feeの発生はコスト構造の変化点の1つであり、保守契約全体のなかで位置づけて検討することが実務的です。

選択肢2・23ai改めOracle AI Database 26aiへのアップグレード

2つ目の選択肢は、19cの後継となる長期サポートリリースへアップグレードする道です。Oracle Database 23ai(AI Vector Search(ベクトル検索によるAI機能)などを備えた次期LTS)は、2025年10月に位置づけが変わりました。この発表以降、Oracle AI Database 26aiという名称の長期サポートリリースとして扱われています*4

23aiは2025年10月にOracle AI Database 26aiへ発展

Oracle公式ページは「Oracle AI Database 26ai is a long-term support release that replaces Oracle Database 23ai」と説明しています*4。26aiは23aiを引き継ぐ長期サポートリリースです。既存の23ai環境からは、2025年10月のリリースアップデートを適用するだけで26aiへ移行できます*4。データベース本体の入れ替えやアプリケーションの再認証は不要とされ、この点は19cから23ai系への移行を検討する企業にとって重要な前提になります。

オンプレミスを含む複数の環境に対応する方針

Oracle公式ページは、Oracle AI Database 26aiを複数の環境で利用できると位置づけています*4。対象はOracle Cloudだけでなく、他の大手クラウド・プライベートクラウド・オンプレミスまで含みます。オンプレミスで19cを運用している企業がこの選択肢を取る場合、自社の対象プラットフォームが対応済みかどうかの確認が最初のステップになります。対応状況はOracleの製品ドキュメントで随時更新されるため、移行を計画する段階で最新情報を確認しておきたい点です。

選択肢3・PostgreSQL等の他データベースへの移行

サーバー技術のイメージ

3つ目の選択肢は、Oracle Database以外のデータベースへ移行する道です。PostgreSQLなどオープンソース系のデータベースへ切り替えると、Oracleのライセンス費用に依存しない構成へ変えられます。ただし、PL/SQLで書かれたストアドプロシージャやパッケージなど、Oracle固有の機能を書き換える作業が発生する場合があります。

この移行方式の具体的な進め方は、脱Oracle DatabaseによるPostgreSQL移行を扱う別記事で詳しく解説しています。移行アセスメントの工程や移行先クラウドサービスの選び方も、そちらで確認できるでしょう。本記事では、19cのサポート期限という版ライフサイクルの判断軸として位置づけ、延命・アップグレードとの比較材料として扱います。

3つの選択肢の比較――サポート期限・移行工数・コスト構造

3つの選択肢は、サポート期限・移行の手間・コストの構造がそれぞれ異なります。以下の表に、Oracle公式情報に基づく主な違いを整理しました。

選択肢 メリット 留意点・コスト サポート期限の目安
有償Extended Supportで延命 移行作業なしに現行システムを継続利用できます 標準の保守料に加えて追加費用が発生し、2027年5月以降はJava関連の対応が一部除外されます*1*3 Extended Supportは2032年12月31日終了*1
23ai(現26ai)へアップグレード 2025年10月のリリースアップデート適用のみでDB入れ替えなしに移行できます*4 AIベクトル検索等の新機能検証と、対応プラットフォームの拡大状況の確認が必要です*4 Premier Supportは2031年12月31日終了、Extended Supportは未定*1
PostgreSQL等へ移行 Oracleのライセンス費用に依存しない構成に切り替えられます PL/SQLのストアドプロシージャなどOracle固有機能の書き換えが必要になる場合があります 移行先の製品のサポートポリシーに従います

内製判断に必要なスキルと外注との違い

現状評価から移行検証まで求められる専門知識

3つの選択肢のどれを選ぶにしても、まず現状のシステム構成を正確に把握する作業が必要です。求められる専門知識は複数分野にわたります。使用中のOracle機能(PL/SQL・パッケージ・特定のバージョン依存機能等)の棚卸し、Oracleのサポートポリシー・契約条件の読み解き、移行先を選んだ場合の性能検証がその内容です。自社の情報システム部門だけで完結させるには、DBA・アプリケーション担当・ライセンス管理担当が連携する体制を整える必要があります。

判断の遅れが招くサポートギャップという失敗コスト

判断を先延ばしにすると、Premier Supportの終了後に気づかず有償Extended Support Feeが発生し続けるリスクがあります*1。さらに2027年5月以降は、Java関連機能などの対応が除外された状態で運用を続けることになりかねません*3。セキュリティパッチが提供されなくなるSustaining Supportの段階に入ってから慌てて移行を検討すると、検証期間を十分に確保できません。その結果、本番移行を迫られる事態にもつながるでしょう。サポート期限は個々の企業の都合で延びることはなく、期限を起点に逆算した計画が欠かせません。

外部委託した場合との違い

専門パートナーに依頼すると、Oracleのサポートポリシーの読み解きから移行アセスメント・性能検証まで、一連の工程を任せられます。自社では判断材料の収集だけで時間がかかる場合があるでしょう。複数のデータベース移行を手がけてきた外部の知見を活用すれば、選択肢の評価から実行までの期間を圧縮しやすくなります。内製と外注のどちらを選ぶにしても、まずは現状のサポート状況を正確に把握することが出発点になります。

まとめ:Oracle Database 19cサポート終了への3つの判断軸

本稿ではOracle Database 19cのサポート終了を起点に、3つの選択肢を整理しました。延長サポートでの延命・23ai(現Oracle AI Database 26ai)へのアップグレード・他データベースへの移行を、Oracle公式情報に基づいて比較しています。要点は次の3点に集約されるでしょう。第一に、無償のExtended Support Fee猶予は2026年4月30日にすでに終了しており、有償化のコスト増が現在進行形の課題であることです*2*3。第二に、23aiは2025年10月にOracle AI Database 26aiへ発展しました*4。リリースアップデートの適用のみで移行できる点が、他データベースへの移行と比べた際の工数の差になるといえるでしょう。第三に、いずれの選択肢でも現状のシステム構成の棚卸しが出発点であり、判断と移行検証を外部委託することでサポートが切れた状態での運用リスクを避けやすくなることです。

LASSICに相談するメリット

LASSIC IT事業部は、Oracle Databaseを含む基幹データベースの保守・運用を元請(プライムベンダー)として受託しています。19cのサポート状況の確認からExtended Supportの要否判断、23ai(現Oracle AI Database 26ai)への移行検証、他データベースへの移行検討まで一貫して対応する体制を整えています。現行システムへの影響を抑えながら判断を進めたい企業様は、まずは現状のサポート状況の確認からご相談ください。

よくある質問

Oracle Database 19cの無償延長サポートはもう終了していますか。

はい、終了しています。Extended Support Feeが無償になる猶予期間は2026年4月30日に終了しました*2。2026年5月1日以降にExtended Supportを利用する場合、標準の保守料に追加費用が発生します*3

Oracle Database 23aiとOracle AI Database 26aiは同じ製品ですか。

同じコードベースを引き継ぐ製品です。Oracleは2025年10月にOracle AI Database 26aiを長期サポートリリースとして発表し、23ai環境からは同月のリリースアップデートを適用するだけでデータベース本体の入れ替えなしに移行できると案内しています*4

有償の延長サポートを選んだ場合、いつまで19cを使えますか。

Premier Supportは2029年12月31日まで、その後の有償Extended Supportは2032年12月31日までです*1。2027年5月以降はJava関連機能など一部の対応がサポート対象から除外される点も確認しておく必要があります*1

Oracle AI Database 26aiはオンプレミス環境でも使えますか。

はい、使えます。Oracle公式ページはOracle Cloudだけでなく他のクラウド・プライベートクラウド・オンプレミスを含む複数の環境での利用を位置づけています*4。自社の対象プラットフォームが対応済みかどうかは、移行を計画する段階で確認する事項です。

PostgreSQL等への移行と23aiへのアップグレードはどちらを検討すればよいですか。

既存のPL/SQL資産をそのまま活かしたい場合は、23ai(現Oracle AI Database 26ai)へのアップグレードが移行の手間を抑えやすい選択肢です。ライセンス費用の構造自体を見直したい場合は、PostgreSQL等への移行を検討する余地があります。いずれも現状のシステム構成を棚卸ししたうえで判断する事項です。

著者:テレリモ総研編集部 鈴木 亮佑


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  1. *1 出典:Oracle「Oracle Lifetime Support Policy: Oracle Database & Oracle Fusion Middleware」(https://www.oracle.com/us/assets/lifetime-support-technology-069183.pdf
  2. *2 出典:Oracle「Oracle Software Technical Support Policies: Statement of Changes」(https://www.oracle.com/contracts/docs/software_technical_support_policies_soc.pdf
  3. *3 出典:Oracle「Oracle Software Technical Support Policies」2026年6月12日版(https://www.oracle.com/contracts/docs/057419.pdf
  4. *4 出典:Oracle「Oracle AI Database 26ai」製品ページ(https://www.oracle.com/database/ai-native-database-26ai/


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