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検品システムの選び方|バーコード検品の仕組みと5つの確認点
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論
- 検品システムは、届いた物や出す物のバーコードを読み、発注や出荷指示のデータと照らして数と品目を確かめる仕組みです。
- 選ぶときは端末より先に、照合のデータがどこから来て結果がどこへ渡るかを確かめます。
- 外部に頼むときは、既存の在庫・販売の仕組みとの連携と、数が合わないときの処理を最初に決めておきます。
※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。
伝票と照らして数えたはずなのに、出荷した品番が違っていたと取引先から連絡が来る。入荷のたびに段ボールを開けて数え直し、トラックを長く待たせてしまう——。物流や製造の現場で検品を手作業で続けていると、こうした食い違いが起こりがちです。検品システムは、商品や箱のバーコードを読み取り、注文や出荷の指示と合っているかを自動で照らし合わせる仕組みです。
読み取った結果を在庫や販売の仕組みにそのまま渡せるため、確認の手間と記録の漏れを減らせます。ただし万能ではなく、照合に使うデータが整っていなければ、端末を入れても手作業は残ります。本記事では、物流や製造の現場の仕組みを担う情報システムの担当者に向けて、検品のやり方の違い、バーコード検品の仕組み、選び方、そして外部に頼むときに確認したい点を整理します。
検品システムとは
国土交通省などがまとめた荷主の判断基準の解説書は、検品を「貨物の品質又は数量がこれらについて定める契約の内容に適合するかどうかの検査」と定めています。*1 届いた物、送り出す物が、注文や伝票と合っているかを確かめる作業です。検品システムは、この確認をバーコードの読み取りとデータの照合で行う仕組みを指します。
- 入荷検品:仕入れ先から届いた物を、発注のデータと照らして数と品目を確かめる
- 出荷検品:棚から取り出した物を、出荷の指示と照らして積み込む前に確かめる
- 記録:読み取った結果を残し、在庫や販売の仕組みに渡す
- 差異の扱い:数が合わない、品目が違うときに、その場で知らせて処理を分ける
製造の現場でも、部品や資材の受け入れ、完成品の出荷で同じ確認が発生します。扱う品目が多いほど、目で見て伝票に印を付けるやり方では見落としが増えます。
紙の検品とバーコード検品の違い
検品のやり方は、大きく3つに分かれます。GS1 Japan(流通システム開発センター)は、人の目による確認からバーコードによる確認に切り替えたメーカーで、誤積み・誤出荷が年間100件から10件以内に減った例を紹介しています。*3

| やり方 | 確かめ方 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 目視と紙の伝票 | 品名や品番を目で読み、伝票に印を付ける | 品目が少なく、見た目で区別しやすいとき |
| バーコード検品 | ハンディ端末(手持ちの読み取り機)で商品や箱のバーコードを読み、データと自動で照合する | 品目が多い、見た目が似た商品が多いとき |
| 事前出荷情報を使う検品 | 出荷元から届く明細のデータ(ASN)を使い、箱やパレット単位でまとめて確かめる | 取引先と明細のデータをやり取りできるとき |
判断基準の解説書も、ASN(事前出荷情報)の活用による「伝票レス化・検品レス化(ユニット検品)」や、ハンディターミナル・商品読込みカメラ・バーコードラベルの印刷機の導入を、検品の効率化の方法として挙げています。*1 2025年4月からは、すべての荷主に、荷待ち時間や荷役等時間を短くする努力義務が課されています。*2 検品の時間はトラックの運転手を待たせる時間に直結するため、物流の効率化の面からも見直しの対象になっています。
バーコード検品の仕組み
バーコード検品で読むコードは、物の単位によって変わります。GS1(流通コードの国際的な標準化団体)は、単品・ケース・ロット管理の用途ごとに使うバーコードを定めています。*7 検品システムを作るときは、自社が受け取る物、出す物にどのコードが付いているかを先に確かめます。
| バーコード | 付いている物 | 中身 |
|---|---|---|
| JANシンボル | 単品の商品 | 13桁(短縮8桁)の商品コード。どの会社のどの商品かを表す*4 |
| ITFシンボル | 段ボールなどの集合包装 | 14桁の集合包装用の商品コード。荷姿や入数の違いを先頭1桁で分ける*5 |
| GS1-128シンボル | 物流ラベル、ケース | 英字や記号も含め、ロット番号や期限など複数のデータをつないで表せる*6 |
検品の流れは、どのコードを読む場合でも次の4つの段階でできています。照合の元になる発注や出荷指示のデータを、いつ、どこから受け取るかが仕組みの要です。
注意したいのは、ケースのコードと単品のコードが一致しない場合です。GS1 Japanは、集合包装のコードと中の単品のコードで商品アイテムコードが一致しない「不一致型」も認められており、ITFシンボルを使った入荷検品システムでは、発注時の単品コードと入荷時のケースのコードを正しく照合する仕組みが必要だと説明しています。*5 ケースのコードと単品のコード、入数の対応表を持てるかどうかは、選ぶときの確認点になります。
検品システムの選び方
検品システムは、ハンディ端末と読み取りの画面だけを見て選ぶと、導入後に手作業が残ります。照合に使うデータがどこから来て、結果がどこへ渡るかまで含めて比べるのが選び方の基本です。
- 読むコード:JAN・ITF・GS1-128など、自社が扱う物に付いているコードを全部読めるか
- 端末:専用のハンディ端末か、スマートフォンか、作業台に置く固定式の読み取り機か。倉庫の電波が届かない場所でも記録できるか
- 照合のデータ:発注や出荷指示のデータを、在庫管理や販売管理の仕組みから自動で受け取れるか
- 結果の戻し先:検品の結果を在庫の数に反映できるか。差異が出たときに誰に知らせるか
- ラベル:バーコードの付いていない物に、自社でラベルを印刷して貼れるか
選択肢は、WMS(倉庫管理システム)に入っている検品の機能を使う、検品だけの製品を入れる、既存の在庫・販売の仕組みに合わせて作る、の3つです。いまの在庫・販売の仕組みを使い続ける場合、つなぎ込みの作り込みが必要になることが多くなります。倉庫の作業全体を見直す場合は倉庫管理システム(WMS)の開発を外注する進め方も参考になります。
外部に頼むときに確認しておきたい点
検品システムの開発やつなぎ込みを外部に頼むときは、端末の画面よりも、データの受け渡しと現場での例外の扱いを先に詰めておきます。見積もりの前に、次の点を確かめておくと話が早く進みます。

- 連携する仕組み:在庫管理・販売管理・基幹の仕組みのどれと、どの形式で、どのタイミングでデータをやり取りするか
- コードの対応表:ケースと単品のコード、入数の対応を誰が作り、新商品のときに誰が更新するか
- 例外の処理:数の過不足、バーコードが読めない、ラベルが無い物を、現場でどう処理して記録するか
- 現場での検証:実際の倉庫や工場で、照明や電波の条件を含めて読み取りを試す期間を取るか
- 運用後の見直し:差異の記録を見て、検品の手順や照合のルールを直す場を設けるか
特に例外の処理は、仕様を決めないまま運用に入りやすい点です。読めない物を手入力で通す抜け道があると、記録と在庫の数がずれていきます。スマートフォンのカメラで読み取る方式を考えている場合はアプリのバーコードスキャン機能の実装も参考になります。
まとめ:検品システムで確かめておきたい3つの点
検品システムを選ぶうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、自社が受け取る物と出す物に、どのバーコードが付いているかを洗い出すこと。第二に、照合に使う発注や出荷指示のデータを、いまの在庫・販売の仕組みからどう受け取るかを決めること。第三に、数が合わない、読めないといった例外を現場でどう処理して記録するかを決めることです。この3点を踏まえておけば、「端末は入れたのに、結局紙の伝票でも確かめている」という事態を避けやすくなります。既存の仕組みとのつなぎ込みに迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。
よくある質問
スマートフォンでも検品はできますか
スマートフォンのカメラでもバーコードは読み取れます。ただし、1日に読む数が多い現場や、手袋をして作業する現場では、読み取りの速さや持ちやすさで専用のハンディ端末が向くこともあります。読む数と作業の環境を見て、実際の現場で試してから決めると失敗が減ります。
バーコードが付いていない部品や資材はどう検品しますか
自社で品番を決めてバーコードのラベルを印刷し、入荷のときに貼ってから読む方法があります。判断基準の解説書も、バーコードラベルの印刷機の導入を検品の効率化の例に挙げています。*1 ラベルを貼る作業を入荷のどの段階で行うかを、手順として決めておきます。
導入の前に社内で準備しておくことはありますか
商品マスタ(品番・品名・コードの一覧)の整理が先です。同じ商品が別の品番で登録されていたり、ケースのコードが登録されていなかったりすると、照合で差異が多発します。ケースと単品のコード、入数の対応を一覧にしておくと、開発の見積もりも具体的になります。
検品システムの開発・連携のご相談
バーコード検品の仕組みづくりから、既存の在庫・販売の仕組みとの連携、運用後の見直しまで、元請(プライムベンダー)としてご提案します。
2006年の創業以来、一次請けのシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。
出典
- *1 参考:国土交通省・経済産業省・農林水産省「荷主の貨物自動車運送役務の持続可能な提供の確保に資する運転者の運送及び荷役等の効率化に関する判断の基準の解説書」(2026年3月)(https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/content/001984869.pdf)。出典:検品の定義(施行規則第六条の「検査」)、検品の効率化(ASNの活用による伝票レス化・検品レス化、ハンディターミナル・商品読込みカメラ・バーコードラベルの印刷機の導入)の記述を参照(2026年10月確認)
- *2 参考:国土交通省「物流効率化法」理解促進ポータルサイト「荷主(第一種・第二種)の判断基準等」(https://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp/sippers/judgment-criteria/)。出典:荷主の努力義務と、タグ導入等による検品の効率化の取組内容を参照。努力義務の開始時期は経済産業省「荷主向け!物流効率化法の概要」を参照(2026年10月確認)
- *3 参考:一般財団法人流通システム開発センター(GS1 Japan)「バーコード(GTIN(JANコード))活用のメリット」(https://www.gs1jp.org/code/jan/jan_merit.html)。出典:入荷検品・出荷検品へのバーコードの活用、誤積み・誤出荷の減少例の記述を参照(2026年10月確認)
- *4 参考:GS1 Japan「GS1事業者コード・GTIN(JANコード)とは」(https://www.gs1jp.org/code/jan/about_jan.html)。出典:GTIN(JANコード)の定義と13桁・8桁の体系を参照(2026年10月確認)
- *5 参考:GS1 Japan「GTIN(集合包装用商品コード)とITFシンボル」(https://www.gs1jp.org/code/jan/itf.html)。出典:14桁の集合包装用商品コード、インジケータ、不一致型と入荷検品システムでの照合の記述を参照(2026年10月確認)
- *6 参考:GS1 Japan「GS1-128シンボル」(https://www.gs1jp.org/standard/barcode/gs1-128/)。出典:英字・記号を含む可変長のバーコードで複数のデータを連結できること、SCMラベルによる検品での利用を参照(2026年10月確認)
- *7 参考:GS1 Japan「バーコード」(https://www.gs1jp.org/standard/barcode/)。出典:用途別に推奨するバーコードの標準化、一次元シンボルと二次元シンボルの違いを参照(2026年10月確認)