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ChatGPTの法人契約でやること|申し込み前と開始後の12項目
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論
- ChatGPTの法人契約は、セルフサービスのBusinessか、営業窓口と結ぶEnterpriseかに分かれます。
- 請求書払いが必要ならBusinessでは対応できないため、申し込みの前に支払い方法を経理と決めます。
- 契約後は所有者を2人以上にし、SSOと役割を設定して少人数で試してから全社に広げます。
※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。
社員が個人で使っているChatGPTを、会社として契約し直したい。申し込もうとしたら、請求書払いができるのか、入力した情報がどう扱われるのかが分からず手が止まった——。生成AIの導入を任された情シスの担当者には、こうした迷いが起こりがちです。ChatGPTの法人契約とは、会社がOpenAIと契約し、社員の席と管理の権限を会社でまとめて持つ使い方を指します。
法人契約にすると、支払いを一本化でき、誰が使っているかを把握できます。ただし万能ではなく、プランによって支払い方法やアカウントの管理の仕方に違いがあります。本記事では、ChatGPTの法人契約を任された担当者に向けて、プランの種類、申し込み前から利用開始後までにやること12項目、そして外部に頼むときに確認したい点を整理します。
目次
ChatGPTの法人契約とは
会社としてChatGPTを契約する形は2つあります。Webの画面から申し込むChatGPT Businessと、OpenAIの営業窓口と契約を結ぶChatGPT Enterpriseです。ChatGPT Businessは、ChatGPT Teamが2025年8月29日に名前を変えたプランです。*1
- ChatGPT Business:チーム向けのセルフサービスのプラン。1つの契約で有料の席は2席以上・合計200席までです*1
- ChatGPT Enterprise:組織単位で購入するプラン。社員が個人で申し込むものではありません*2
- API:システムに組み込むための別のサービスで、ChatGPT Businessの料金には含まれず、別に請求されます
どちらが合うかは、支払いの方法や人数といった社内の条件で決まります。選ぶときの観点ごとに違いを並べました。
| 観点 | ChatGPT Business | ChatGPT Enterprise |
|---|---|---|
| 申し込み方 | Webの画面から申し込む | 営業窓口と契約を結ぶ |
| 支払い方法 | クレジットカード・デビットカード | 請求書払いなどは契約で決める |
| 席の数 | 2席以上・合計200席まで | 契約で決める |
| アカウントの自動連携 | SCIMは含まれない | SCIMを使える |
| 会話データの保持と消去 | 削除した会話は原則30日以内に消去 | 管理者が保持期間を決める |
表は2026年10月22日に公式ページで確かめた内容です。プランの内容や料金は変わることがあるため、契約の前に確かめ直してください。
申し込み前にやること
申し込みの前に、誰に何席を用意し、どう支払うかを決めます。

| No | やること | 確かめる中身 |
|---|---|---|
| 1 | 使う人数と席の種類を決める | 最初に使う部署と人数。利用量の上限が違う2種類の席のどちらを何席にするか |
| 2 | 支払い方法を経理と決める | カード払いでよいか。請求書払い・銀行振込・発注書が必要か |
| 3 | データの扱いを確かめる | 学習に使われるか、会話の保持と消去、保存する地域 |
| 4 | APIの契約が別に要るか確かめる | 社内のシステムにChatGPTを組み込む予定があるか |
2は、法人契約でつまずきやすい点です。ChatGPT Businessでは請求書払い・銀行振込・発注書は使えず、請求書払いが必要なら営業窓口にEnterpriseなどの契約プランを相談するよう案内されています。契約済みのBusinessを、あとから請求書払いに切り替えることもできません。*3
3について、OpenAIは法人向けのプランで「デフォルトでは、お客様のビジネスデータをモデルの学習に使用することはありません」としています。ただし、フィードバック機能などで利用者が共有に同意したデータは学習に使われることがあります。*4
契約するときにやること
契約の手続きでは、誰の名前で契約し、誰が管理を受け持つかを決めます。ChatGPT Businessの場合、申し込んだアカウントがワークスペース(会社用の利用環境)の所有者になります。*5
| No | やること | 確かめる中身 |
|---|---|---|
| 5 | 所有者を2人以上にする | 申し込む人の会社のメールアドレス。異動や退職に備えた2人目の所有者 |
| 6 | 月払いか年払いかと席数を決める | 年払いの席は期間の終わりまで減らせないこと |
| 7 | 請求書と消費税の扱いを確かめる | 適格請求書が出るか。消費税の扱いを経理と確かめる |
| 8 | 規約とデータ処理の契約を確かめる | 法人向けの利用規約、データ処理補遺(DPA)を結ぶか |
5は、SSO(1つのIDで複数のサービスに入れる仕組み)を入れる前に特に大切です。OpenAIは、サインインの条件を変える前に別の所有者を用意し、所有者が1人ならその人が離れる前に所有者を移すよう求めています。*6 6では、年払いで追加した席は年間の期間の終わりまで残る点を押さえておきます。
7について、日本でOpenAIから直接購入する場合は10%の消費税が請求され、適格請求書が発行されます。Enterpriseのように個別に交渉した契約では、原則としてリバースチャージ(受け手が消費税を申告する仕組み)になり、消費税は請求されません。*7 処理は経理や税理士に確かめておきます。8のDPAは、BusinessとEnterpriseのどちらでも結べます。
利用開始後にやること
契約が済んだら、管理の設定を終えてから社内に広げます。順番を逆にすると、社員が個人のアカウントのまま使い始めやすくなります。
| No | やること | 確かめる中身 |
|---|---|---|
| 9 | ドメインを確認してSSOを設定する | 会社のメールのドメインの確認、テスト用の社員でのサインイン |
| 10 | 役割を割り当てる | 所有者・管理者・分析の閲覧者・メンバーのどれを誰にするか |
| 11 | 少人数で試してから全社に招待する | 個人のアカウントを持つ社員の扱い、招待に使うメールアドレス |
| 12 | 席の増減と退職時の手順を決める | 誰が席を追加するか、退職者を外したあとに席を減らすか |
9のドメインの確認は、DNS(ドメインの設定を管理する仕組み)にOpenAIが示す値を登録して行い、反映に24時間ほどかかる場合があります。ChatGPT BusinessではSAMLとOIDCの2つの方式のSSOが使えます。*6 SAMLの仕組みはSAMLとはで説明しています。
11では、会社のメールアドレスで個人のChatGPTを使っている社員を先に確かめます。OpenAIは、招待に使うメールアドレスとサインインの方法を事前に社員へ伝え、少人数で試してから全員を招待するよう勧めています。*8 12は、メンバーを外しても有料の席の数が自動では減らないためです。*3 入力してよい情報などの社内ルールは生成AI利用規程の策定で扱っています。
外部に頼むときに確認しておきたい点
法人契約はOpenAIと結びますが、SSOの設定や社員への展開、問い合わせの受付は外部にも頼めます。頼む前に次の点を決めておきます。

- 範囲:12項目のうち、どれを頼み、どれを社内で持つか。契約と支払いの判断は社内に残す
- 期間:SSOの設定と試験導入までの作業と、展開後も続く作業(席の増減、問い合わせへの対応)を分けて伝える
- 体制:社内の所有者と外部の担当者がそれぞれ誰か。外部の担当者にどの役割を渡すか
- 費用の決まり方:設定作業を一式で頼むのか、展開後の問い合わせを月ごとに頼むのか
- 引き継ぎ:SSOの設定値、役割の一覧、招待の手順を、社内で更新できる形で残すか
特に気をつけたいのは、外部の担当者に渡す役割です。席の購入や請求書の確認は所有者だけができるため、所有者は社内に残し、外部には管理者の役割を渡すと引き継ぎで困りません。情シスの仕事を外部と分ける考え方はひとり情シスの課題を外注(情シス代行)で解決する進め方にまとめています。
まとめ:ChatGPTの法人契約で確かめておきたい3つの点
ChatGPTの法人契約を進めるうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、カード払いでよいのか、請求書払いが必要なのかを申し込みの前に経理と決めること。第二に、学習への利用と会話の消去を、社内の情報の扱いと照らして確かめること。第三に、所有者を2人以上にし、SSOと役割を設定してから全社に広げることです。この3点を踏まえておけば、「契約後に支払いの方法が社内の規程に合わないと分かった」という事態を避けやすくなります。設定や社内への展開の進め方に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。
よくある質問
ChatGPT Teamで契約していた場合は手続きが要りますか
名前の変更に合わせた手続きは要りません。TeamのワークスペースはそのままBusinessになり、データの移行や契約の更新も不要とされています。*1 請求書の表記は変わるため、社内の取引先の登録は必要に応じて直します。
使わなくなった席の料金は返金されますか
使っていない席があるというだけでは、原則として返金の対象になりません。不要な席は、所有者が次の請求の期間から減らす手続きをします。退職や異動が多い時期は、席の数と使っている人の数を月ごとに見比べておきます。
社員が個人で契約しているChatGPTはどうなりますか
会社のワークスペースに入っても、個人の契約は自動では解約されません。個人用の環境を会社側に統合するかは社員が選び、管理者は強制できません。統合したあとで元に戻すこともできないため、導入の前に社員へ伝えておきます。
ChatGPTの法人導入と運用のご相談
SSOの設定や社員への展開から、導入後の問い合わせ対応まで、元請(プライムベンダー)としてご提案します。
2006年の創業以来、一次請けのシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。
出典
- *1 参考:OpenAI Help Center「ChatGPT Business overview」「ChatGPT Business general FAQ」(https://help.openai.com/en/articles/8542115-chatgpt-business-general-faq)。出典:ChatGPT TeamからBusinessへの改称(2025年8月29日)と改称に伴う手続きが不要であること、最低2席・合計200席までの上限、APIは別請求であることの記述を参照(2026年10月22日確認)。概要は https://help.openai.com/en/articles/8792828-chatgpt-business-overview(2026年10月確認)
- *2 参考:OpenAI Help Center「What is ChatGPT Enterprise?」(https://help.openai.com/en/articles/8265053-what-is-chatgpt-enterprise)。出典:組織単位で購入し個人では申し込めないこと、ドメイン確認・SSO・SCIMなどの管理機能の記述を参照(2026年10月22日確認)(2026年10月確認)
- *3 参考:OpenAI Help Center「Managing billing and seats in ChatGPT Business」(https://help.openai.com/en/articles/8792536-managing-billing-and-seats-in-chatgpt-business)。出典:支払い方法(カード)、請求書払い等が使えないこと、契約プランの相談先、席の追加と削減の時期、年払いの席の扱い、メンバーを外しても席数が減らないこと、未使用の席の返金の記述を参照(2026年10月22日確認)(2026年10月確認)
- *4 参考:OpenAI「OpenAI におけるエンタープライズプライバシー」(https://openai.com/ja-JP/enterprise-privacy/)。出典:ビジネスデータを学習に使わないこと、明示的な共有の例外、DPA、削除した会話の30日以内の消去、Enterpriseの保持期間の記述を参照(2026年10月22日確認)(2026年10月確認)
- *5 参考:OpenAI Help Center「Sign up for ChatGPT Business」「Managing members, seat types, and roles in ChatGPT Business」(https://help.openai.com/en/articles/8542216-managing-members-seat-types-and-roles-in-chatgpt-business)。出典:申し込んだアカウントが所有者になること、4つの役割と権限、席の購入と請求書の確認が所有者だけであること、個人の契約は自動で解約されないことの記述を参照(2026年10月22日確認)。申し込みは https://help.openai.com/en/articles/8980713-sign-up-for-chatgpt-business(2026年10月確認)
- *6 参考:OpenAI Help Center「Setting up single sign-on (SSO) for ChatGPT Business」「Verifying your domain for OpenAI identity」(https://help.openai.com/en/articles/11489188-setting-up-single-sign-on-sso-for-chatgpt-business)。出典:SAMLとOIDCへの対応、SCIMが含まれないこと、設定前の所有者の確保、DNSのTXTレコードによるドメイン確認と反映にかかる時間(up to 24 hours)の記述を参照(2026年10月22日確認)。ドメイン確認は https://help.openai.com/en/articles/8871611-verifying-your-domain-for-openai-identity(2026年10月確認)
- *7 参考:OpenAI Help Center「The Japanese Consumption Tax on your OpenAI invoices」(https://help.openai.com/en/articles/10242647-the-japanese-consumption-tax-on-your-openai-invoices)。出典:10%の消費税の請求、適格請求書の発行、個別契約でのリバースチャージの記述を参照(2026年10月22日確認)(2026年10月確認)
- *8 参考:OpenAI Help Center「Onboarding employees with existing ChatGPT accounts」(https://help.openai.com/en/articles/10479654-onboarding-employees-with-existing-chatgpt-accounts)。出典:管理者が個人用の環境の統合や削除を強制できないこと、事前に社員へ伝える項目、少人数での試行の記述を参照(2026年10月22日確認)(2026年10月確認)