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Confluence移行先の選び方|社内文書を移す前の確認点
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論
- Confluence Data Centerは2029年3月28日に提供を終え、その後は読み取り専用になります。
- 移行先はAtlassianのクラウド・ほかのクラウド型サービス・自社のサーバーに置くWikiの3つに分かれます。
- 社外に置けるかを最初に決め、棚卸しと試験移行を挟んでから本番の切り替えに進みます。
※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。
Data Centerの終了の案内は届いたものの、Confluenceをどこへ移せばよいか決められない。何年分もたまった手順書や議事録を、そのまま運べるのかも分からない——。Confluenceを文書置き場にしてきた情報システム部では、こうした迷いが出がちです。Confluence移行とは、Confluenceにためたページ・添付ファイル・権限を、別の置き場所へ移し替える作業のことです。
移行先はAtlassianのクラウドだけではありません。ただし万能な移行先はなく、文書を置ける場所やJiraとのつながりで答えが変わります。本記事では、情報システムの担当者に向けて、Data Center終了の日程、移行先の選択肢と違い、選ぶときの基準、移行の進め方、そして外部に頼むときに確認したい点を整理します。
Data Centerの終了とは
Atlassianは2025年9月、自社のサーバーで動かす形の製品群「Data Center」を終える方針を公表しました。*2 Confluence Data Centerもその対象で、販売と支援を3年かけて段階的に縮めていきます。主な日付は次の3つです。
- 2026年3月30日:新しい顧客へのData Centerの新規販売が終わる
- 2028年3月30日:既存の顧客が、新しい契約・アプリ・利用者数の追加を買える最後の日
- 2029年3月28日:Data Centerの提供終了。契約とアプリが期限切れになり、読み取り専用になる*1
提供終了の日までは、技術サポートと重大な脆弱性の修正が続きます。Atlassianは、使い続けるにはクラウドへ移る必要があるとしたうえで、事情のある一部の顧客には例外として保守の延長を用意するとしています。課題管理のJira Data Centerも同じ日程で終了の対象になるため、併用している会社は両方の計画を並べて立てておくと進めやすくなります。
移行先の選択肢と違い
Confluenceの移行先は、大きく3つに分けられます。Atlassianのクラウドへ移す場合は、Atlassianが用意した移行用のアプリ「Confluence Cloud Migration Assistant」(以下、移行アシスタント)を使います。*4 Confluence以外へ移す場合は、Confluenceの書き出し機能でスペース(部署やテーマごとの文書のまとまり)をHTMLやPDFにして運ぶのが基本の形です。

| 移行先 | 移し方 | 運用の手間 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| Atlassianのクラウド(Confluence Cloud) | 移行アシスタントで、スペース・ページの履歴・添付ファイル・利用者を運ぶ | サーバーの保守はAtlassianが受け持つ | Jiraとつなげた今の使い方を続けたいとき |
| ほかのクラウド型の文書サービス | HTMLなどで書き出し、移行先の取り込み機能で読み込む | サーバーの保守は提供元。ページの体裁や権限は移行先で整え直す | 社内で別のグループウェアを使っていて、文書の置き場を1つにまとめたいとき |
| 自社のサーバーに置くWiki | HTMLなどで書き出し、移行先の形式に変換して取り込む | 更新・バックアップ・障害の対応を自社で持つ | 社内の規程で、文書を社外のクラウドに置けないとき |
書き出しの形式には違いがあります。HTMLやPDFの書き出しにはブログ記事が含まれません。XML形式の書き出しは、同じ版かより新しい版のConfluenceへ取り込むためのものです。*3 Confluence以外へ移すなら、数ページだけ先に移して表示の崩れを確かめておきます。自社のサーバーに置くWikiの例はBookStackで社内wiki基盤を外注構築で扱っています。
移行先を選ぶときの基準
移行先は、機能の多さより自社が手放せない条件から絞ります。確かめておきたい基準は次の4つです。
- 文書を置ける場所:社内の規程や取引先との契約で、文書を社外のクラウドに置けるか。Atlassianは、1社専用のクラウド環境も用意しています*2
- Jiraとのつながり:Jiraの課題とConfluenceのページを互いに参照しているか。Jiraとまとめて移すか、別々に移すかで計画が変わります
- 使っているアプリ:Marketplace(Atlassianのアプリの販売サイト)のアプリのデータは、アプリの提供元が移行の手段を用意している場合にだけ移行アシスタントで運べます*5
- 運用を誰が持つか:自社のサーバーに置くなら、更新とバックアップを受け持つ担当が必要です
図のように、最初の分かれ目は「社外のクラウドに置けるか」です。置けないなら自社のサーバーに置くWikiが候補になり、置けるならJiraとのつながりや今の使い方をどこまで残したいかで決めます。
移行の進め方
Atlassianのクラウドへ移す場合、Atlassianは本番の移行の前に試験移行をすることを強く勧めています。*6 ほかの移行先でも流れはほぼ同じで、次の4つの段階で進めると手戻りを減らせます。

- ステップ1:棚卸しと整理。使っていないスペースや古いページ、不要なアプリを洗い出し、移す量を減らす。整理は移行の実行中に行わず、移行の前に済ませる*7
- ステップ2:移す範囲と順番を決める。移行アシスタントでは、全体を一度に移すことも、いくつかの移行計画に分けて移すこともできる
- ステップ3:試験移行と受け入れテスト。利用部門の人が実際にページを開き、権限や添付ファイルを確かめる
- ステップ4:本番移行と切り替え。当日の作業手順書を作り、利用者への案内と問い合わせ窓口を用意する
移行アシスタントで運べないものもあります。全体の設定と権限は移行先で手作業で設定し直し、個人の下書き・監査ログ・利用者が自作したマクロ(ページに埋め込む部品)は移りません。SSO(1回のログインで複数のサービスを使える仕組み)を設定していなければ、利用者はパスワードを設定し直します。*5 これらはステップ1で一覧にしておきます。
外部に頼むときに確認しておきたい点
Confluenceの移行は、データを運ぶ作業よりも、運べないものの作り直しと利用者の切り替えに手間がかかります。構築会社などに移行を頼むときは、見積もりの前に次の点を確かめておきます。
- どこまで頼むか:Confluenceだけか、Jiraも合わせて移すか。どのスペースを移し、どれを書き出して保管するだけにするか
- 運べないものの扱い:設定・権限・マクロ・アプリのデータを、誰がどの順番で作り直すか
- 試験移行の回数と確かめ方:ページ数・権限・添付ファイルを誰がどの基準で照らし合わせるか。移行アシスタントはクラウド側の既存のデータを上書きしないため、やり直すときは入れたデータを消してから移し直す*6
- 利用者の切り替え:メールアドレスの重複の解消、SSOの設定、利用者への案内を誰が受け持つか
- 移行後の運用:権限の見直しや古いページの整理を、移行の後も続ける担当と頻度
試験移行の確かめ方を決めないまま進めると、「移ったはずのページが見られない」という問い合わせが本番の後に届きがちです。文書管理の仕組みから見直す場合の考え方は社内ナレッジベースシステムの外注の進め方にまとめています。
まとめ:Confluence移行で確かめる3点
Confluenceの移行先を決めるうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、文書を社外のクラウドに置けるかを最初に決めること。第二に、Jiraとのつながりと使っているアプリを一覧にして、移行先で残せるかを確かめること。第三に、棚卸しと試験移行を挟み、運べない設定や権限を誰が作り直すかを決めてから本番に進むことです。この3点を踏まえておけば、「期限が迫ってから移したら、ページは移ったが誰も見られない」という事態を避けやすくなります。移行先選びや試験移行に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。
よくある質問
Confluenceの移行にはどのくらいの期間がかかりますか
利用者の数や使っているアプリの数で大きく変わります。Atlassianは、利用者が1,000人を超える組織向けの支援プログラムで、移行の期間を12〜16か月から2〜6か月に縮められると説明しています。*2 試験移行のやり直しも見込んで、提供終了の日から逆算して早めに計画を立てておくことをお勧めします。
2029年3月28日を過ぎてもData Centerを使い続けられますか
原則として、提供終了の日に契約が期限切れになり、読み取り専用になります。*1 Atlassianは事情のある一部の顧客に例外として保守の延長を用意するとしているため、延長を考える場合は早めにAtlassianの窓口へ相談してください。
移行先が決まる前に、今のうちにできることはありますか
使っていないスペースや古いページの整理と、スペースの一覧づくりは、移行先がどこでも役に立ちます。あわせて、大事なスペースを書き出して手元に保管しておく方法もあります。スペースの書き出しには「Export Space(スペースの書き出し)」の権限が必要です。*3
Confluence移行のご相談
Confluenceの移行先の選定から、試験移行、本番の切り替えと移行後の運用まで、元請(プライムベンダー)としてご提案します。
2006年の創業以来、一次請けのシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。
出典
- *1 参考:Atlassian「Data Center End of Life」(https://www.atlassian.com/licensing/data-center-end-of-life)。出典:提供終了日(2029年3月28日)と読み取り専用化、新規販売の終了(2026年3月30日)、既存顧客の追加購入の期限(2028年3月30日)、終了日までの技術サポートと脆弱性修正、対象製品(Confluence Data Center・Jira Data Center)、例外としての保守の延長の記述を参照(2026年10月確認)
- *2 参考:Atlassian「Ascend to the cloud: The next chapter for Atlassian and our customers」(2025年9月8日)(https://www.atlassian.com/blog/company-news/atlassian-ascend)。出典:Data Center製品の終了方針の公表、1社専用のクラウド環境(Atlassian Isolated Cloud)、利用者1,000人超の組織向け支援プログラム(FastShift)による期間短縮の記述を参照(2026年10月確認)
- *3 参考:Atlassian「Export Content to Word, PDF, HTML and XML」(Confluence Data Center ドキュメント)(https://confluence.atlassian.com/doc/export-content-to-word-pdf-html-and-xml-139475.html)。出典:スペースの書き出し形式(Word・HTML・PDF・XML)、Export Space権限、HTML・PDFの書き出しにブログ記事が含まれないこと、XMLの書き出しの用途の記述を参照(2026年10月確認)
- *4 参考:Atlassian Support「What is Confluence Cloud Migration Assistant?」(https://support.atlassian.com/migration/docs/what-is-confluence-cloud-migration-assistant/)。出典:移行アシスタントの役割、移せるデータ、移行計画を分けて移せることの記述を参照(2026年10月確認)
- *5 参考:Atlassian Support「What migrates with the Confluence Cloud Migration Assistant」(https://support.atlassian.com/migration/docs/what-migrates-with-the-confluence-cloud-migration-assistant/)。出典:移るもの・移らないもの(全体の設定と権限、個人の下書き、監査ログ、利用者が作ったマクロ、パスワード)とアプリのデータの扱いの記述を参照(2026年10月確認)
- *6 参考:Atlassian Support「Test your migration to cloud」(https://support.atlassian.com/migration/docs/test-your-server-to-cloud-migration/)。出典:試験移行の推奨、受け入れテスト、移行アシスタントが既存のデータを上書きしないこととやり直しの手順の記述を参照(2026年10月確認)
- *7 参考:Atlassian Support「Clean up your instance before migration」(https://support.atlassian.com/migration/docs/clean-up-your-server-instance-before-migration/)。出典:移行前のデータ整理と、移行の実行中に整理しないことの記述を参照(2026年10月確認)