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2026.06.26 らしくコラム

IoTエンジニアが採れない──組込み×クラウドの人材不足を外部で補う

LASSIC IT事業部|元請(プライムベンダー)としてシステム保守・運用を受託

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この記事のポイント

  • IoTエンジニアは組込みファームウェア・クラウドサービス・通信プロトコル・Pythonデータ処理を横断する必要があり、スキルの広域性が採用を難しくしています
  • 国内IoT市場は2025年に10兆円超に達すると見込まれており(IDC Japan調査)、需要の拡大とエンジニア不足のギャップが今後いっそう広がります
  • PoCで止まる企業の多くは量産・クラウド運用フェーズで詰まっています。受託・ラボ型委託でデバイスからクラウドまで一括補完する選択肢が有効です

IoTエンジニアとは:組込み×クラウド×通信を横断する職種

IoTエンジニアとは、センサー・マイコン・通信モジュールなどの物理デバイスとクラウドサービスをつなぐシステムを設計・開発・運用するエンジニアを指します。「組込みソフトウェア開発者」とも「クラウドバックエンドエンジニア」とも異なる横断的な職種です。

STEP 1 要件定義 デバイス仕様 PoC設計 STEP 2 デバイス開発 組込み実装 通信テスト STEP 3 クラウド連携 データ収集 API設計 STEP 4 量産・運用 監視・保守 OTAアップデート
IoTシステム開発の4ステップ:要件定義からデバイス開発・クラウド連携・量産運用まで

IoTエンジニアが担う主な職域は大きく4つに整理できます。組込みソフトウェアの開発(C/C++・ファームウェア・デバイスドライバ)、クラウドサービスとのデータ連携(AWS IoT Core・Azure IoT Hub・GCP Cloud IoTなどのマネージドサービス)、通信プロトコルの実装(MQTT・HTTP・BLE・Wi-Fi・5Gなど)、そしてデータ取得・解析のためのPythonスクリプト開発です。

求人票では「組み込みエンジニア」「IoT企画エンジニア」「IoTプラットフォーム開発エンジニア」など多様な名称が使われています。職種名が統一されていないことも、人材市場での見通しを難しくする一因です。

IoTエンジニアが担う4つの技術領域

第一は組込み開発です。マイコン(MCU)やSoC(システム・オン・チップ)上で動作するファームウェアをC/C++で実装します。割り込み処理・省電力設計・リアルタイムOS(RTOS)の知識が要ります。

第二はクラウド連携です。デバイスから送られるデータを受け取り、保存・分析・可視化するバックエンドをクラウド上に構築します。AWS・Azure・GCPが提供するIoT専用マネージドサービスの知識が必要です。

第三は通信プロトコルの実装です。TCP/IP・HTTP/HTTPSに加え、低電力デバイス向けのMQTT(軽量パブリッシュ・サブスクライブ型プロトコル)、近距離無線のBLE(Bluetooth Low Energy)、広域通信の5Gや LPWAを使い分けます。

第四はデータ取得・解析のPython実装です。デバイスから集めたセンサーデータを処理するスクリプトや、クラウド上でのバッチ解析・異常検知モデルとの連携コードを書く場面が増えています。

PoCは動いても量産・運用で詰まる理由

IoTプロジェクトでよく見られるのは、「試作機では通信できた」「センサーデータをクラウドに送る小規模PoCは完成した」という段階で止まるケースです。量産・運用フェーズに進む際に、技術課題と人材課題が同時に噴出します。

PoCと量産の間には大きな技術的ギャップがあります。PoCは開発環境・固定ネットワーク・少数台数という好条件で動作しますが、量産では通信品質が不安定な現場環境・数百〜数千台規模のデバイス管理・OTA(Over-The-Air:無線経由のファームウェア更新)・遠隔監視が必要になります。

これらを一貫して対応できるエンジニアが社内にいない場合、プロジェクトは「動いてはいるが、誰も保守できない」状態で止まります。クラウド側のコスト管理やセキュリティパッチ適用も滞りやすく、稼働リスクが高まります。

量産・運用フェーズで顕在化する3つのボトルネック

第一はデバイス管理の複雑化です。台数が増えると証明書管理・デバイスシャドウ(クラウド上のデバイス状態の仮想コピー)・グループポリシーの一元管理が必要になります。組込みとクラウドの両方を理解していないと設計できません。

第二は通信障害への対応です。現場環境ではWi-Fiが届かない・5G電波が弱いといった状況が頻繁に発生します。オフライン時のデータバッファリング・再接続ロジック・デバイス側のエラーハンドリングを組込み層で実装する知識が必要です。

第三はセキュリティ運用です。デバイスに秘密鍵を適切に書き込む方法(セキュアブート・TrustZone)、クラウドとの通信のTLS証明書の期限管理、OTAアップデートの署名検証など、組込みとクラウドセキュリティを横断する運用設計が求められます。

採用が難しい3つの背景:スキル広域・新領域・希少性

IoTエンジニアの採用が困難な背景には、単なる「IT人材全体の不足」以上の構造的な理由があります。組込み開発者とクラウドエンジニアはそれぞれ一定数いますが、その両方を高いレベルで持ち合わせる人材は市場に少ない状態です。

経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年公表)*1によると、2030年に約79万人(上限の試算)のIT人材不足が生じると推計されています。IoT分野はその中でもスキルの複合性が高い領域であり、採用のリードタイムが特に長くなる傾向があります。

採用難の背景1:スキルセットが縦横断で広い

組込み開発はリアルタイム処理・省電力・ハードウェアとの密接なやりとりを扱う専門領域です。クラウド開発はスケーラビリティ・サーバーレスアーキテクチャ・マネージドサービス活用が中心で、求められる思考が異なります。

この2領域を横断した上で、通信プロトコルの知識とPythonによるデータ処理スキルまで必要とするIoTエンジニアは、既存の職種カテゴリのどれにも完全には当てはまりません。採用要件を満たす候補者の絶対数が少なく、採用活動が長期化しやすいです。

採用難の背景2:IoTは比較的新しい分野でスペシャリストが少ない

IoTという概念が産業界で本格的に普及し始めたのは2010年代後半以降です。組込みの経験者は存在しますが、クラウドIoTサービスを組み合わせた開発経験を持つエンジニアの層は、他のIT領域と比べてまだ薄い状態です。

大学・専門学校のカリキュラムでIoTを体系的に学べる機会も限られており、実務経験で身につけるルートが主流です。そのため即戦力の候補者を外部採用しようとすると、競合他社との競争が激しくなります。

採用難の背景3:職種名の分散と要件のあいまいさ

「IoTエンジニア」という職種名が定着していないため、求人票で母集団形成が難しい側面があります。企業によって「ファームウェアエンジニア」「エッジコンピューティング開発者」「デバイスバックエンドエンジニア」と呼び方が異なり、候補者が自分の経験と要件を照合しにくい状況を生んでいます。

市場の拡大:国内IoT10兆円超が示す需要と供給のギャップ

IoT市場の急拡大は、エンジニア不足の深刻さをいっそう際立たせています。IDC Japanの調査*2によると、国内IoT市場は2025年に10兆円超の規模になると見込まれています。製造・物流・農業・医療・インフラなど、あらゆる産業でセンサーとクラウドをつなぐ取り組みが広がっています。

需要が増えるほど、対応できるエンジニアの不足感が強まります。特に中堅・中小企業においては、大手と同じ採用競争に勝てる報酬水準を維持することが難しく、自社でIoTエンジニアチームを編成するハードルは高い状態です。

産業別に見るIoTエンジニア需要の広がり

製造業では設備の稼働データをリアルタイムで収集し、予知保全や品質管理に活用するスマートファクトリーの取り組みが広がっています。デバイスからクラウドへのデータパイプラインを設計・維持できるエンジニアの需要が継続的に発生します。

物流・倉庫管理では、ビーコン・RFID・重量センサーと在庫管理クラウドを連携するシステムが標準化されつつあります。農業では、温湿度・土壌センサーデータをクラウドに集めて栽培管理に活かすスマート農業が拡大しています。これらの分野では、業務ドメインの理解とIoT技術の両方が求められるため、人材の確保はさらに難しくなります。

外部で補う3つの選択肢:受託/ラボ型/業務委託

採用が難しい状況でIoTシステムを前進させるには、外部のIoTエンジニアリング経験者と協働する方法が現実的です。補完の形態は大きく3つあります。

受託開発型:デバイス〜クラウドを一括委託する

要件定義から組込みファームウェア開発・クラウド連携・量産対応まで、一貫して外部に委託する形態です。「社内にIoT経験者がいない」「PoC後の量産をできるだけ早く進めたい」という場合に向いています。

スコープが明確であれば品質と納期を契約で担保しやすく、並行して社内の内製体制を整備する時間を確保できます。一方、仕様変更が多い場合は追加費用が発生しやすいため、要件定義の精度が成否を左右します。委託後の運用保守を誰が担うか、移管計画を当初から設計しておくことが大切です。

ラボ型契約:専属チームを月次契約で確保する

ラボ型契約(準委任型の専属チーム確保)は、複数のIoT開発フェーズを継続的に支援する形態です。月単位で一定のエンジニアリソースを確保し、仕様変更や追加開発に柔軟に対応できます。

受託と異なり成果物単位の契約ではないため、試行錯誤が多いIoT開発の初期段階に向いています。プロジェクトへの理解が深まるにつれてコミュニケーションコストが下がり、長期的なパートナーシップを築きやすい形態です。

業務委託(個人〜小規模チーム):特定フェーズを部分補完する

「組込みファームウェアだけ外部に頼みたい」「クラウド連携部分のアーキテクチャレビューを依頼したい」など、特定の技術領域を部分的に補完する業務委託も選択肢になります。

フリーランスのIoTエンジニアや小規模な専門会社に依頼するケースが多く、既存の社内エンジニアと協力しながらプロジェクトを進める形です。ただし、ハードとソフトにまたがるトラブルシューティングが必要な場面では、責任範囲の定義が曖昧になりやすいため、役割分担を事前に明文化することが大切です。

進め方の4ステップ:要件定義→デバイス開発→クラウド連携→運用

外部委託でIoTシステムを立ち上げる際は、以下の4ステップで進めることで品質・スピード・引き継ぎのバランスを取りやすくなります。

ステップ1:要件定義とPoC設計——ハード制約を先に洗い出す

IoT開発の要件定義は、ソフトウェア開発のみのプロジェクトより制約が多いです。使用するデバイスの消費電力・通信方式・動作温度・筐体サイズ・認証要件(電波法・技適・FCC等)を最初に洗い出します。ハード制約がクラウド側のアーキテクチャ選択(ポーリング間隔・データ量・圧縮方式)にも影響するためです。

PoC設計では、デバイスからクラウドへのデータフロー全体を小規模で検証できる構成にします。PoCを完了させた後に量産仕様に変更しにくいハード選定(プロセッサ・通信チップ)は早期に確定させることが、手戻りを減らすポイントです。

ステップ2:デバイス開発——ファームウェアと量産対応の両立

ファームウェア開発では、機能の実装だけでなく量産時の書き込み手順・工場テスト手順・デバイス認証情報の焼き込み方法まで設計に含めます。PoCで動作したコードがそのまま量産に使えないケースは多く、リソース(メモリ・フラッシュ)の最適化や省電力チューニングが別途必要です。

外部委託先がファームウェアとハードウェア設計の両方を担える体制かどうかを事前に確認することが大切です。ファームウェアのみ対応でハード選定は別会社という分業体制は、デバッグ時の責任範囲の曖昧さを生みやすいです。

ステップ3:クラウド連携——データパイプラインと可視化基盤の構築

デバイスからのデータを受信するMQTTブローカー(AWS IoT Core・Azure IoT Hubなど)の設定、データをタイムシリーズDBやオブジェクトストレージに格納するパイプライン設計、ダッシュボードや異常通知の仕組みの実装が主な作業です。

デバイス数が増えるとクラウド側の通信コストとストレージコストが増大します。初期設計でデータの粒度・保持期間・圧縮方式を決めておかないと、後からコスト管理が難しくなります。外部委託先にクラウドコスト設計の経験があるか確認することを勧めます。

ステップ4:量産・運用——監視体制とOTAアップデートの整備

量産後は、デバイスの死活監視・ファームウェアのOTAアップデート・証明書更新・障害時のリモートデバッグ手順の整備が継続的に必要です。委託先がこれらの運用フェーズまでスコープとして対応できるか、あるいは運用移管のタイミングをあらかじめ合意しておくかを確認することが、長期的な安定稼働につながります。

内製採用と外部活用の比較:コスト・スピード・リスク

内製採用と外部委託は対立するものではなく、段階的に組み合わせるものです。現在のフェーズと優先課題に応じた選択が重要です。

比較軸 内製採用 受託開発 ラボ型契約 業務委託(部分)
初動スピード 採用リードタイムが発生する(半年〜1年規模になるケースがある) 要件定義後に着手可能。
デバイス〜クラウドを最短で進められる。
契約後すぐに開始できる。
仕様変更にも柔軟に対応できる。
特定フェーズへの即時投入が可能。
範囲が限定的なため立ち上がりが速い。
知見の内製化 採用後に社内に知見が蓄積される。
長期的な自立性が高い。
別途知識移転計画が必要。
ドキュメント整備を契約に含めること。
長期関係で知見が移転しやすい。
社内担当者の育成と並走できる。
特定領域の知見は移転できる。
全体設計の理解には追加のインプットが必要。
コスト構造 採用費+人件費が固定コストになる。
長期では他の形態より低コストになりうる。
初期構築費が発生。
仕様変更で追加費用が出やすい。
月次の継続費用が発生する。
長期化すると累計コストが増える。
単発〜短期の費用で済む。
フェーズ終了後の継続性は低い。
向いている状況 中長期でIoT開発チームを組織化したい場合 早期にPoC後の量産・運用を進めたい場合。
社内にIoT経験者がいない場合。
継続的な機能追加・改善が見込まれる場合。
要件が変化しやすいプロジェクト。
組込みまたはクラウドの一部を補強したい場合

実務では「受託開発で量産フェーズを最短で立ち上げながら、ラボ型契約で社内チームへの知見移転を進める」組み合わせが機能しやすい形です。内製採用が成功したタイミングで外部スコープを段階的に縮小することで、コストと技術自立性の両立を図れます。

委託時の3つの注意点:ハード制約・セキュリティ・保守設計

IoTシステムの外部委託は、通常のソフトウェア開発委託と異なる固有の注意点があります。物理デバイスが絡むため、開発後のトラブルが現地対応を要することもあり、委託先の選定と契約設計は慎重に行う必要があります。

注意点1:ハード制約をソフトウェア開発者に伝えきれるか

IoTの課題の多くは、ハードウェアの制約(消費電流・動作温度・無線干渉・筐体収納スペース)がソフトウェア開発に影響する点から発生します。委託先がファームウェア中心の会社の場合、クラウド側の設計に不慣れなことがあります。逆にクラウド専業の場合、組込み層の制約を理解せずにアーキテクチャを設計するリスクがあります。

委託先を選ぶ際は、「組込みとクラウドを一気通貫で担当できる体制か」「過去に同規模のデバイス台数での量産経験があるか」を確認することが大切です。デバイスとクラウドを別々の会社に委託する場合は、インターフェース仕様の合意プロセスを設計段階から組み込む必要があります。

注意点2:IoT特有のセキュリティ設計——デバイスに秘密情報を適切に保管する

IoTデバイスは物理的にアクセスされるリスクがあります。デバイスに秘密鍵やAPIトークンをフラッシュに平文で保存する設計は、デバイスが盗難・分解された際にシステム全体が侵害されるリスクがあります。

TrustZone(ARMチップに搭載されたセキュリティ領域隔離機能)やセキュアエレメントを活用した秘密情報の管理、セキュアブート(改ざんされたファームウェアの起動を防ぐ仕組み)の実装、OTAアップデートの署名検証は、委託スコープに明示的に含めることを勧めます。後から追加する場合はハード選定から変更が必要になり、コストが大きく増えます。

注意点3:量産後の保守設計——誰がどのようにデバイスを維持するか

量産後のIoTシステムは、ファームウェアのバグ修正・クラウドサービスのAPI変更への追従・証明書の更新・デバイスの物理交換対応など、継続的な保守が発生します。委託先が開発後のサポート体制を持っているか、あるいは保守ドキュメントとソースコードを引き渡して内製で保守できる状態にするかを、契約前に明確にする必要があります。

保守設計が不十分なまま量産に踏み切ると、クラウドのAPIが変更されても対応できずサービスが停止するリスクが生じます。OTAアップデートの仕組みが設計当初から組み込まれているかどうかも、長期運用の可否に直結します。

まとめ:IoTエンジニア不足に対応する3つの判断軸

本稿では、IoTエンジニアの役割・採用難の背景・市場の拡大・外部補完の選択肢と進め方・委託時の注意点を整理しました。要点を3つに集約すると次のとおりです。

第一に、「PoC後の量産・運用」まで見据えて外部補完を設計することです。PoCは少人数・好条件で完成しやすいですが、量産・運用フェーズではデバイス管理・通信障害対応・セキュリティ運用が加わります。これらを一貫して担えるパートナーを早期に選定することが、プロジェクト停滞を防ぎます。

第二に、組込みとクラウドを横断できる委託先を選ぶことです。IoT開発の課題の多くは、ハード制約がクラウド設計に影響する境界領域で発生します。受託開発・ラボ型いずれの形態でも、デバイスからクラウドまで一気通貫で対応できる体制を持つ委託先を選ぶことで、責任の分断によるトラブルを減らせます。

第三に、セキュリティと保守設計を委託スコープに最初から含めることです。IoT特有のセキュア設計(セキュアブート・TrustZone・OTA署名)と量産後の保守手順は、後から追加すると大きなコストが発生します。委託契約の段階でスコープに明記し、引き渡し条件として保守ドキュメントとOTA仕組みの整備を含めることが長期安定稼働の前提になります。

よくある質問

IoTエンジニアの採用にはどのくらいの期間がかかりますか?

IoTエンジニアは組込み・クラウド・通信プロトコルを横断するスキルが必要なため、求人票の公開から内定・入社まで半年〜1年規模のリードタイムを見込む必要があります。経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年)*1でも2030年には約79万人(上限の試算)のIT人材不足が見込まれており、IT領域全体で採用競争は激しくなっています。採用と並行して外部委託でプロジェクトを前進させる二本立てのアプローチが現実的です。

IoT開発の外注費用はどのように決まりますか?

IoT外注費用は、デバイス台数・開発フェーズ(PoC/量産/運用)・委託形態(受託/ラボ型)・必要なスキル範囲(組込みのみ/フルスタック)によって幅があります。プロジェクト固有の条件が費用に大きく影響するため、公開されている一般的な相場数値をそのまま当てはめると乖離が生じます。まず要件定義の範囲でRFP(提案依頼書)を作成し、複数社から見積もりを取ることが精度の高い費用把握につながります。

組込みエンジニアとIoTエンジニアは何が違いますか?

組込みエンジニアはマイコン・SoC上で動作するファームウェアをC/C++で開発する専門職で、ハードウェアとの密接なやりとりが主な業務です。IoTエンジニアはこれに加えて、クラウドサービス(AWS IoT Core・Azure IoT Hubなど)との連携設計・通信プロトコルの実装・Pythonによるデータ処理まで担います。組込みエンジニアがIoTの一部を担う形も多いですが、クラウド側の知識がなければIoTシステム全体を設計・維持することは難しいです。

IoTシステムのセキュリティで特に注意すべき点はどこですか?

IoTセキュリティで特に注意が必要なのは、デバイスへの秘密情報の保管方法です。APIキーや証明書を平文でフラッシュに保存すると、デバイスが物理的に分解された際にシステム全体が侵害されるリスクがあります。TrustZone(ARMのセキュリティ領域隔離機能)やセキュアエレメントを活用した秘密情報の管理、セキュアブートの実装、OTAアップデートの署名検証を開発初期から設計に組み込むことが、後工程のリスクを減らします。セキュリティ設計は後から追加すると大きなコストが発生するため、要件定義段階での確認が重要です。

IoT開発を外部委託する際、どんな実績を確認すればよいですか?

確認すべき実績は主に3点です。第一は量産規模の経験(台数・稼働期間)です。PoCのみの経験では量産固有の課題に対応しにくいです。第二は組込み・クラウド両方の対応経験で、「組込みのみ」あるいは「クラウドのみ」の場合は境界領域のトラブルが発生しやすいです。第三はOTA・セキュリティ・保守設計の実績で、「開発だけして運用は対応外」という体制では長期安定稼働の担保が難しくなります。これらを提案書・ヒアリングで事前に確認することを勧めます。

著者:テレリモ総研編集部 鈴木 亮佑

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LASSICは元請(プライムベンダー)として、組込み開発からクラウド連携・システム保守・運用まで一貫した受託実績を持ちます。IoTエンジニアの採用が難しい状況でも、デバイス設計・ファームウェア開発・クラウド連携・量産対応を含む体制でご支援できます。「PoCから量産に進めない」「IoT運用を安定させたい」といったご相談もお気軽にどうぞ。


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  1. *1 出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年公表)
  2. *2 出典:IDC Japan(https://www.idc.com/jp)国内IoT市場規模予測(2025年見込み10兆円超)


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