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2026.10.21 らしくコラム

Laravelバージョンアップの判断ポイント|期限と頼み方の違い

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

サーバー室横の作業台でノートPCのぼけた一覧の1行を指でたどる担当者の手元

この記事の結論

  • Laravelはどの版もセキュリティの修正が2年で終わり、Laravel 11以前はすでに期限を過ぎています。
  • 上げる時期は、いまの版とPHPの期限、追加の部品の対応、自動テストの有無の4つで決めます。
  • 外部に頼むときは、範囲・期間・体制・費用の決まり方・引き継ぎを見積もりの前に確かめます。

※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

Laravelで作った社内システムが、いつの間にか古い版のまま動いている。開発した会社に聞いても、上げるべきかどうかはっきりしない——。Webシステムの保守を任された現場では、こうした状況がよく起こります。Laravelのバージョンアップとは、PHPのWebフレームワークであるLaravelを、年に1回出る新しい大きな版へ切り替える作業のことです。

上げればセキュリティの修正を受け続けられる一方、PHPや追加の部品も一緒に動くため、作業の重さはシステムごとに大きく違います。急げばよいというものでもありません。本記事では、Laravelのシステムを預かる情報システムの担当者に向けて、公式のサポート期限、上げる時期を決めるポイント、頼み方の違いと費用の決まり方、そして外部に頼むときに確認したい点を整理します。

Laravelのバージョンアップとは

Laravelの版には、年に1回出る大きな版(メジャーリリース)と、週に1回のこともある小さな修正版の2種類があります。*1 小さな修正版は既存の動きを壊さない約束なので、日々の更新で困ることはまずありません。手間がかかるのは、10から11、12から13のように大きな版をまたぐときです。一般に「Laravelのバージョンアップ」と呼ばれるのは、この大きな版の切り替えを指します。

  • 大きな版:毎年第1四半期ごろに公開され、既存のコードの書き換えが要る変更を含むことがあります*1
  • 小さな修正版:不具合やセキュリティの修正が中心で、既存の動きを壊す変更は含まない決まりです*1
  • Laravel本体だけでなく、PHPの版、追加の部品(パッケージ)、テストの道具もあわせて上げることが多くなります*2

公式のアップグレードガイドは、1つ前の版から上げるときの変更点を、影響の大きさで高・中・低に分けて並べています。*2 載っている変更のうち、実際に自社のシステムに関わるのは一部だけ、という書き方です。逆にいえば、どれが自社に関わるかを見分ける作業そのものが、バージョンアップの中身になります。

Laravelのサポート期限

Laravelは、どの版も公開から18か月は不具合の修正、2年間はセキュリティの修正を受けられると定めています。*1 期限を過ぎた版は、新しく見つかった弱点が直らないまま残ります。2026年10月時点の公式の一覧は次のとおりです。

Laravelの版ごとの対応PHPとサポート期限(公式のリリースノートより)
版 対応するPHP 不具合の修正 セキュリティの修正
Laravel 10 8.1〜8.3 2024年8月6日まで 2025年2月4日で終了
Laravel 11 8.2〜8.4 2025年9月3日まで 2026年3月12日で終了
Laravel 12 8.2〜8.5 2026年8月13日まで 2027年2月24日まで
Laravel 13 8.3〜8.5 2027年第3四半期まで 2028年3月17日まで

Laravel 11以前を使っているシステムは、すでにセキュリティの修正が届かない状態です。Laravel 12も不具合の修正期間を終え、残りはセキュリティの修正だけになりました。*1 もう1つ見ておきたいのがPHPの期限です。PHP 8.2のセキュリティサポートは2026年12月31日に終わり、*3 Laravel 13はPHP 8.3以上でないと動きません。*1 Laravel 12をPHP 8.2で動かしている場合は、PHPとLaravelの両方の期限が数か月のうちに続けて来ることになります。

上げる時期を決める4つのポイント

バージョンアップは、新しい版が出るたびにすぐ追いかける必要はありません。ただ、後回しにするほど飛ばす版の数が増え、1回の作業が重くなります。上げる時期は、次の4つを見て決めると迷いません。

夜の開発席で2台のモニターにテスト結果の帯が並びキーボードを押す手元

  • いまの版の期限:セキュリティの修正がいつ止まるか。止まっているなら最優先で計画します
  • PHPの期限:サーバーのPHPがいつまで修正を受けられるか。PHPを上げると、対応するLaravelの版も変わります
  • 追加の部品の対応:使っているパッケージが新しい版に対応しているか。Laravel公式の追加ライブラリも、不具合の修正を受けられるのは最新の大きな版だけです*1
  • 自動テストの有無:画面や処理が変わっていないかを、人の目だけでなくテストで確かめられるか

4つのうち、作業の重さを最も左右するのは自動テストの有無です。テストが無いシステムでは、上げたあとの確認をすべて人の手で行うことになり、確認の範囲と日数がそのまま費用に跳ね返ります。複数の版を飛ばしてしまった場合は、ガイドが1つ前の版からの変更点をまとめた形なので、版を1つずつ順に上げていくのが基本です。*2

頼み方の違いと費用の決まり方

Laravelのバージョンアップを社内だけで進めるか、外部の手を借りるかは、システムを作った経緯と、担当者の手が空いているかで分かれます。代表的な4つの頼み方を並べると、次のようになります。

Laravelのバージョンアップの頼み方4つの違い
頼み方 費用の払い方 向いている場面
社内で対応する 社内の人件費(作業の時間) 自動テストがあり、Laravelに詳しい担当者が社内にいるとき
作った開発会社に頼む その都度の見積もり 開発した会社との契約が続いていて、中身を知る人が残っているとき
別の会社に移行作業を頼む 作業一式の見積もり(請負) 作った会社と連絡が取れない、または複数の版を飛ばしているとき
保守契約に更新を含める 毎月の保守費に含める 毎年の版の更新を止めずに続けたいとき

どれがよいかは場面で変わります。一度上げて終わりにしたいなら作業一式で頼む形、毎年の更新まで任せたいなら保守契約に含める形が合います。費用の相場は公的な資料では示されていないため、見積もりを比べるときは金額だけでなく、次の内訳がそろっているかを確かめます。

Laravelのバージョンアップの費用を左右する4つの要素を左から並べた図。版の差、PHPとサーバーの更新、追加の部品の対応、確認の方法。

  • いまの版と目標の版の差:飛ばす版の数が多いほど、順に上げる回数が増えます
  • PHPやサーバーの更新を含むか:本番環境の入れ替えまで頼むかで範囲が変わります
  • 追加の部品の数と対応状況:新しい版に対応していない部品は、置き換えの作業が加わります
  • 確認の方法:自動テストで確かめるのか、人が画面を操作して確かめるのか

外部に頼むときに確認しておきたい点

Laravelのバージョンアップを外部に頼むときは、見積もりの前に次の点を確かめておくと、話が早く進みます。どれも、そのまま相談のときに伝える内容になります。

窓の無い会議室で外部の技術者が紙の予定表の帯をペン先で示し社内の担当者が書類を押さえる

  • 範囲:Laravel本体だけか、PHP・サーバー・追加の部品まで含めるか
  • 期間:いまの版の期限から逆算して、いつまでに本番を切り替えるか
  • 体制:社内で動作を確かめる担当者を誰にするか。業務の画面を知る人が確認に入れるか
  • 費用の決まり方:作業一式の見積もりか、作業した時間に応じた支払いか。追加の作業が出たときの扱いはどうするか
  • 引き継ぎ:上げた後の手順書やテストを社内に残し、次の版のときに使える形にするか

特に引き継ぎは、決めないまま終わりやすい点です。毎年大きな版が出る以上、今回の作業で残した手順とテストが、次回の手間を大きく減らします。PHPの版を上げる作業の進め方はPHP 8.1サポート終了とバージョン移行で、Laravel以外の古いフレームワークから移る場合は古いPHPフレームワークからの移行で扱っています。

まとめ:Laravelのバージョンアップで確かめておきたい3つの点

Laravelのバージョンアップを進めるうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、いまの版とサーバーのPHPが、それぞれいつまで修正を受けられるかを公式の一覧で確かめること。第二に、追加の部品の対応と自動テストの有無を見て、作業の重さを見積もること。第三に、外部に頼むなら範囲と引き継ぎまで決めて、次の版でも使える形で終えることです。この3点を踏まえておけば、「期限が切れてから慌てて上げたら、動かない画面が次々に見つかった」という事態を避けやすくなります。進め方や頼み先に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

LASSICは2006年の創業以来、システムの運用・保守に特化したプライム(一次請け)のシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。日本ニアショア開発推進機構の認定ベンダーとして、全国のリモート人材による開発・運用の体制を整えています。

Laravelのバージョンアップでは、まずComposerの依存関係を洗い出し、各パッケージが目標の版とPHPに対応しているかを一覧にします。設計の段階では、PHP・Laravel・パッケージをどの順で上げるか、飛ばした版を1つずつ上げるか、対応していない部品を何に置き換えるかを決めます。確認には、PHPUnitやPestの自動テストを検証環境で回し、テストの無い画面は業務の担当者と確認の手順を作ります。本番はDockerなどで新旧の環境を並べて切り替え、戻す手順も用意したうえで、次の版で使える手順書とテストを残します。

よくある質問

古い版のまま使い続けると、すぐに動かなくなりますか

期限を過ぎても、システムがすぐに止まるわけではありません。ただ、新しく見つかった弱点の修正が届かなくなるため、外部に公開しているシステムほど危険が残り続けます。動いているうちに計画を立てておくと、慌てずに済みます。

Laravel 10から13へ一度に上げられますか

公式のアップグレードガイドは1つ前の版からの変更点をまとめた形なので、10から11、11から12、12から13と順に進めるのが基本です。*2 Laravel 13はPHP 8.3以上が必要なため、途中でPHPの版も上げることになります。*1

作業中も、いまのシステムは使い続けられますか

多くの場合、本番とは別の検証用の環境で上げて確かめてから、本番を切り替えます。切り替えの日だけ短い停止を入れる形が一般的なので、業務への影響が少ない日時を先に社内で決めておくと進めやすくなります。

Laravelのバージョンアップのご相談

Laravelの版の調査から、PHPと追加の部品の更新、検証と本番の切り替え、次の版に向けた保守まで、元請(プライムベンダー)としてご提案します。

2006年の創業以来、一次請けのシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。

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出典

  1. *1 参考:Laravel「Release Notes」(Laravel 13.x)(https://laravel.com/docs/13.x/releases)。出典:大きな版を毎年第1四半期ごろに公開すること、小さな修正版に破壊的変更を含めないこと、不具合の修正18か月・セキュリティの修正2年のサポート方針、版ごとの対応PHPと期限の一覧、追加ライブラリは最新の大きな版だけ不具合を修正すること、Laravel 13がPHP 8.3以上を必要とすることを参照(2026年10月確認)
  2. *2 参考:Laravel「Upgrade Guide」(Laravel 13.x)(https://laravel.com/docs/13.x/upgrade)。出典:12.xから13.0へ上げるときの変更点を影響の大きさ(高・中・低)で分けていること、変更点のうち一部だけがアプリケーションに影響しうるという説明、依存パッケージの更新の記述を参照(2026年10月確認)
  3. *3 参考:The PHP Group「Supported Versions」(https://www.php.net/supported-versions.php)。出典:PHP 8.2のセキュリティサポートが2026年12月31日まで、PHP 8.3が2027年12月31日までであることを参照(2026年10月確認)




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