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オフコン移行の5ステップ|費用の内訳と外注先選びの確認点
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論
- 富士通のオフコンは、関連するサービスとソフトウェアの提供が2031年3月末で終わる予定です。
- 移行の方式はパッケージ・プログラムの変換・SaaSでの作り直しの3つで、費用のかかり方が異なります。
- 外部に頼むときは費用を内訳に分けて比べ、使っていない資産を移行の対象から外すことが大切です。
※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。
オフコンで動いている販売管理のシステムを、そろそろ入れ替えなければならない。けれどもプログラムを直せる人は社内に残っておらず、移行にいくらかかるのかも見当がつかない——。長くオフコンを使ってきた会社では、こうした悩みが起こりがちです。オフコン(オフィスコンピュータ)とは、販売管理や在庫管理などの事務処理を動かすために作られた業務用のコンピュータです。
富士通のオフコンでは、関連するサービスとソフトウェアの提供を2031年3月末で終える予定が公表されており、移行の検討を先送りしにくくなっています。ただし移行の方法は1つではなく、選ぶ方式によって費用のかかり方も変わります。本記事では、オフコンを使い続けてきた会社の情報システム担当者に向けて、提供終了の予定、移行方式の違い、移行の5つのステップ、そして外部に頼むときに確認したい点を整理します。
オフコンとは
富士通は、1984年にオフコン「FACOM Kシリーズ」の提供を始め、販売管理や生産管理、在庫管理、財務管理などのシステムの構築と運用保守を40年以上にわたって支えてきたと説明しています。*2 社内の基幹業務を長く動かしてきた分、プログラムやデータが積み重なり、移行のときに調べる量も多くなりがちです。
- 役割:販売管理・生産管理・在庫管理・財務管理といった基幹業務を動かしてきました
- 機種:富士通のPRIMERGY 6000シリーズは、本体の販売を2018年3月末に終えています*3
- 課題:度重なる改修でシステムが複雑になり、中身が分からない「ブラックボックス」になりやすい
- 影響:制度改正や法令への対応のたびに、改修の負担が重くなる
同じ「古い基幹システム」でも、IBMのIBM i(AS/400)や大型のメインフレームとは、移行先や論点が異なります。それぞれはIBM i(AS/400)刷新の外注とメインフレーム脱却の外注で扱っています。本記事は、国内メーカーのオフコンから移る場合に絞って説明します。
富士通オフコンの提供終了の予定
富士通のグループ会社のエフサステクノロジーズは、オフコンのモダナイゼーション(古いシステムを今の技術で作り直すこと)を2031年3月末までに完了するよう進めると案内し、関連するサービスとソフトウェアの提供を終える予定を公表しています。*1 主なものは次の表のとおりです。
| 対象 | 販売中止 | 提供・保守の中止 |
|---|---|---|
| Cloud Service for オフコン(オフコンの環境をデータセンターで運用するサービス) | 2026年3月31日 | 2031年3月31日 |
| ソフトウェアのASP | 2026年3月31日 | 2031年3月31日 |
| Kシリーズ端末エミュレータ V7.2(パソコンで端末の代わりをするソフトウェア) | 2030年3月31日 | 2031年3月31日 |
Cloud Service for オフコンは、2026年3月31日で新規の販売をすでに終えています。*4 利用中の会社には、提供終了までに新しいシステムへ移るよう求めています。*1 移行には資産の調査から並行稼働まで段階があるため、2031年3月末から逆算して計画を立てる必要があります。富士通以外のメーカーの機種を使っている場合は、保守の期限をメーカーや保守会社との契約書で確かめておきます。
移行方式の違い
オフコンからの移行先は、大きく3つの方式に分けられます。富士通も、資産の分析に加えて、業務パッケージへの移行、COBOLのプログラムの変換、SaaS(インターネット経由で使うサービス)を組み合わせた作り直しを、選べる手法として示しています。*2 どれか1つに決めず、業務ごとに組み合わせることもできます。

| 方式 | 中身 | 向いている場面 | 費用がかさみやすい所 |
|---|---|---|---|
| 業務パッケージへの移行 | 標準の機能に業務のやり方を合わせる | 販売管理や財務など、他社と業務の差が小さいとき | 業務の手順の見直しと社員への教育 |
| プログラムの変換 | 今のCOBOLのプログラムを、新しい環境で動く形に変換する | 自社独自の処理が多く、画面や帳票を大きく変えたくないとき | 変換後のテストと、変換しきれない部分の手直し |
| SaaSを組み合わせた作り直し | 業務ごとにSaaSを選び、足りない部分を作る | 業務のやり方も合わせて見直したいとき | サービスどうしのデータ連携と毎月の利用料 |
どの方式でも、費用を左右するのは今のプログラムと帳票の量、そして中身がどこまで分かっているかです。仕様書が古いままだと、どの方式を選んでも調査の工数がかさみます。方式を決める前に資産の棚卸しをしておくと、各社の見積もりを同じ条件で比べやすくなります。
オフコン移行の5ステップ
オフコンの移行は、新しいシステムを作る作業よりも、今のシステムを調べて止める準備のほうに手間がかかります。次の5つのステップで進めると、途中で方式を選び直さずに済みます。
- ステップ1:資産を棚卸しする(プログラム・画面・帳票・データの量と、いまも使われているかどうか)
- ステップ2:移行方式を決める(パッケージ・変換・作り直しのどれにするかを業務ごとに選ぶ)
- ステップ3:見積もりを取り、費用の内訳と期間を比べる
- ステップ4:データを移し、新旧のシステムを並行して動かして結果を照らし合わせる
- ステップ5:新しいシステムに切り替え、オフコンと端末エミュレータの利用を止める
つまずきやすいのはステップ1とステップ4です。長く使ったオフコンには、いまは誰も使っていないプログラムや帳票が残っていることがあり、それも含めて移すと費用が膨らみます。並行稼働の間は新旧2つのシステムの費用が同時にかかり、富士通も「新旧システム費用の二重支払い」を課題に挙げています。*2 並行稼働の期間を先に決めておくと、費用の見通しを立てやすくなります。
外部に頼むときに確認しておきたい点
オフコンの移行を外部に頼む場合、見積もりの合計金額だけを比べると、含まれている作業の範囲が会社ごとに違っていて判断を誤りやすくなります。費用は次のような項目に分けて出してもらうと、比べやすくなります。

| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 資産の調査 | プログラム・帳票・データの棚卸しと、仕様の書き起こし |
| 移行の作業 | パッケージの設定、プログラムの変換、または作り直し |
| データ移行 | 古いデータの整理と変換、件数と金額の照合 |
| テストと並行稼働 | 新旧の処理結果の照合と、利用者による確認 |
| 運用と保守 | 切り替え後の問い合わせ対応と、制度改正への対応 |
- 調査の結果しだいで金額が変わる部分が、見積もりのどこにあるか
- 使っていないプログラムや帳票を移行の対象から外す判断を、誰がするか
- 並行稼働の期間と、照らし合わせる帳票や金額の範囲
- 富士通のオフコンなら、2031年3月末より前に切り替えを終える日程になっているか
- 切り替えた後の保守も同じ会社に頼めるか。頼むならどこまでか
初期費用の一括払いが重い場合は、業務ごとに順に切り替える段階的な移行ができるかも、見積もりの段階で相談しておきます。古い基幹システムの刷新にかかる費用の考え方は、レガシーシステム刷新の費用相場でも整理しています。
まとめ:オフコン移行で確かめておきたい3つの点
オフコンからの移行を進めるうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、使っている機種とソフトウェアの提供終了の時期を確かめ、切り替えの日から逆算して計画を立てること。第二に、プログラムと帳票を棚卸しし、使っていないものを移行の対象から外してから方式を選ぶこと。第三に、見積もりを費用の内訳と並行稼働の期間まで分けて比べることです。この3点を踏まえておけば、「期限の直前に慌てて移したら、想定よりずっと費用がかかった」という事態を避けやすくなります。移行の方式や見積もりの比べ方に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。
よくある質問
オフコンの移行にはどのくらいの期間がかかりますか
プログラムと帳票の量や選ぶ方式によって大きく変わるため、一律には言えません。資産の棚卸しを終えた段階で、移行と並行稼働を含めた期間の見通しを出してもらうのが確実です。富士通のオフコンを使っている場合は、2031年3月末までに切り替えを終える日程にしておきます。*1
移行の費用を抑える方法はありますか
使っていないプログラムや帳票を移行の対象から外すことが、最も確かな方法です。他社と差の小さい業務はパッケージに、自社独自の処理は変換に、というように業務ごとに方式を組み合わせることもできます。支払いの時期を分けたい場合は、段階的に切り替える計画を相談します。
移行した後も今の画面や帳票の形を使えますか
方式によります。プログラムを変換する方式なら、画面や帳票の形を大きく変えずに移せることがあります。パッケージやSaaSに移る場合は、帳票の形も標準のものに合わせて見直すことが多くなります。どこまで今の形を残すかは、利用者の手間と費用の両方から決めます。
オフコン移行のご相談
オフコンの資産の棚卸しから、移行方式の選定、データ移行と並行稼働、切り替え後の保守まで、元請(プライムベンダー)としてご提案します。
2006年の創業以来、一次請けのシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。
出典
- *1 参考:エフサステクノロジーズ株式会社「Cloud Service for オフコン サービス提供終了までのご案内」(https://www.fsastech.com/ja-jp/products/offconcloud/schedule.html)。出典:オフコンのモダナイゼーションを2031年3月末までに完了する方針、Cloud Service for オフコン・ASP・Kシリーズ端末エミュレータの販売中止と提供・保守中止の時期、新しいシステムへの移行の依頼を参照(2026年10月確認)
- *2 参考:富士通株式会社 プレスリリース「オフコンシステム資産のモダナイゼーションサービスを体系化し新規提供」(2025年3月21日)(https://info.archives.global.fujitsu/jp/news/2025/03/21.html)。出典:1984年のFACOM Kシリーズの提供開始、オフコンで動く業務、老朽化・ブラックボックス化・改修負荷の課題、パッケージ移行・COBOL資産の変換・SaaSでの再構築の手法、新旧システム費用の二重支払いと初期費用の課題の記述を参照(2026年10月確認)
- *3 参考:エフサステクノロジーズ株式会社「PRIMERGY 6000 今までに発表した製品」(https://www.fsastech.com/ja-jp/products/offconcloud/discontinued/index.html)。出典:PRIMERGY 6000の販売終了(2018年3月末)の記述を参照(2026年10月確認)
- *4 参考:エフサステクノロジーズ株式会社「Cloud Service for オフコン」(https://www.fsastech.com/ja-jp/products/offconcloud/)。出典:2026年3月31日での新規販売終了と、2031年3月31日までのサービス提供継続の記述を参照(2026年10月確認)