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ONLYOFFICEとCollabora Onlineの違い
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論
- ONLYOFFICEはブラウザで文書を共同編集できるオープンソースのオフィスソフトで、Nextcloudにつないで使えます。
- 無料のCommunity Editionは20人までが推奨で、人数やサポートが要るなら有料のEnterprise Editionが候補です。
- Collabora Onlineとは重視するファイルの形式やライセンスが異なり、自社のファイルと人数から選びます。
※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。
Nextcloudにファイルを集めたのに、直すたびにダウンロードしている。共有した表を2人が別々に直して、どれが最新か分からない——。自社のサーバーでファイルを共有している会社では、こうした手間が起こりがちです。ONLYOFFICEは、文書や表計算をWebブラウザで編集し、複数の人で同時に直せるオープンソースのオフィスソフトです。
ただし万能ではなく、同じ役割のCollabora Onlineもあり、版ごとに使える人数やライセンスも異なります。本記事では、情報システムの担当者に向けて、ONLYOFFICEの版の違い、Collabora Onlineとの違い、Nextcloudとつなぐ仕組み、そして外部に頼むときに確認したい点を整理します。
目次
ONLYOFFICEとは
ONLYOFFICEの中心にある製品はONLYOFFICE Docsです。文書・表計算・プレゼンテーション・フォーム・PDFを編集する画面をまとめたもので、以前はDocument Serverという名前でした。*1
- Word・Excel・PowerPointの形式(.docx・.xlsx・.pptx)との互換を前面に出しています
- 共同編集、コメント、変更履歴、版の履歴は無料の版にも含まれます
- 編集画面に機能を足すプラグインやマクロも使えます
ONLYOFFICE Docsはファイルを保管する仕組みではありません。ファイルの置き場所と利用者の管理はNextcloudなどが受け持ち、ONLYOFFICE Docsは編集の画面と処理を受け持ちます。
Community版と有料版の違い
ONLYOFFICE Docsには、無料のCommunity Editionと、有料のEnterprise Edition・Developer Editionがあります。社内で使うなら、比べる相手はCommunity EditionとEnterprise Editionの2つです。

| 項目 | Community Edition | Enterprise Edition |
|---|---|---|
| 費用 | 無料 | 有料(料金プランによる) |
| 利用者数の目安 | 20人までを推奨 | 選んだ料金プランによる |
| 複数のサーバーでの構成 | なし | あり |
| ライセンス | GNU AGPL v3 | 商用ライセンス |
| サポート | GitHubやコミュニティでの情報交換 | 1年か3年のサポートが付く |
| 管理画面 | なし | あり |
| スマートフォン向けのブラウザ編集画面 | なし | あり |
表は開発元が公開している版の比較によります。*1 無料版の配布ページも、同時接続を増やしたい場合や開発元の技術支援が要る場合はEnterprise Editionを勧めています。*2 なお、AGPL v3は改変したソフトをネットワーク越しに使わせるとき、利用者へのソースコードの提供を求めるライセンスです。
Collabora Onlineとの違い
Nextcloudで文書を編集する仕組みとして、ONLYOFFICEと並ぶのがCollabora Onlineです。Nextcloudの紹介ページは、LibreOfficeの技術をもとにODF(LibreOfficeなどが標準で使う形式)の再現を重視し、処理を主にサーバー側で行う製品と説明しています。*8
| 項目 | ONLYOFFICE Docs | Collabora Online |
|---|---|---|
| 重視するファイルの形式 | Word・Excel・PowerPointの形式 | ODF(.odtなど) |
| 無料の版 | Community Edition(20人までを推奨) | CODE(開発版。テストや小さなチーム向けで、本番環境には勧めていない) |
| 有料の版 | Enterprise Edition、Developer Edition | Business(99人まで)、Enterprise(100人以上) |
| ライセンス | 無料版はGNU AGPL v3、有料版は商用ライセンス | ソースコードはMozilla Public License 2.0 |
| Nextcloudとつなぐアプリ | ONLYOFFICE(開発元が提供) | Nextcloud Office (Collabora) |
CODEは平均して月に1回ほど新しい版が出る開発版です。*4 検証済みの更新とセキュリティの修正が付く安定版は、有料のCollabora Onlineとして提供されています。*5*6 表は優劣ではなく前提の違いです。社内のファイルの形式と使う人数に照らして選びます。
Nextcloudとつなぐ仕組み
つなぐと、利用者はNextcloudの画面でファイルを開き、そのままブラウザで編集できます。開発元の案内では導入は3段階で、社内で使い始めるには4段階目を足しておくと進めやすくなります。*3
- ステップ1:ONLYOFFICE Docsを自社のサーバーに置くか、開発元のクラウド版に申し込む
- ステップ2:NextcloudのApp Store(追加機能の配布場所)から連携アプリを入れる
- ステップ3:Nextcloudの管理画面で、編集サーバーの場所などを連携アプリに設定する
- ステップ4:共有の権限と運用のルールを決めて、利用者に知らせる
共有の設定では、編集・コメント・レビュー・閲覧のみといった権限を分けられます。Collabora Onlineも、自前のサーバーか組み込みのアプリとしてNextcloudにつなぎます。*7
外部に頼むときに確認しておきたい点
自社のサーバーに置くなら、Nextcloudと編集サーバーの2つを動かし続けることになります。Nextcloud自体の構築はNextcloudで社内ファイル基盤を外注構築で扱っています。

- どちらを使うか:社内のファイルの形式と、使う人数を先に伝えてあるか
- 版とライセンス:Community Editionの推奨人数や、CODEが本番向けではない点を踏まえているか
- 通信の守り方:編集サーバーとの間をHTTPSに限り、連携の署名(JWT)を両側でそろえるか
- 更新の順番:Nextcloud・連携アプリ・編集サーバーを、どの順で誰が上げるか
- 運用後の見直し:利用者が増えたときに、有料版へ移るかを判断する場を設けるか
見落としやすいのは更新の順番です。連携アプリはNextcloudの版ごとに対応する版が分かれています。*9 更新と戻し方の手順を文書にしておきます。
まとめ:ONLYOFFICEで確かめておきたい3つの点
ONLYOFFICEを使ううえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、ファイルの形式と人数から、Collabora Onlineとどちらが合うかを考えること。第二に、無料版で足りるかを推奨人数とサポートから見極めること。第三に、Nextcloudと編集サーバーの更新を誰がどの順で行うかを決めることです。この3点を踏まえておけば、「利用者が増えてから構成を組み直すことになった」という事態を避けやすくなります。構築や移行に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。
よくある質問
「Nextcloud Office」はONLYOFFICEのことですか
同じものではありません。Nextcloudのマニュアルは、Nextcloud OfficeをEuro-Officeという製品で動く既定の仕組みとしています。*7 Euro-OfficeはONLYOFFICEのコードをもとに、別に開発が進められています。*8
Nextcloudを使っていなくてもONLYOFFICEは使えますか
使えます。開発元は、ownCloudやSeafileなど他のファイル共有の仕組みにつなぐ使い方も案内しています。*1 いまの仕組みに連携の手段があるかを先に確かめます。
パソコンやスマートフォンのアプリから編集できますか
できます。Windows・Linux・macOS向けのデスクトップ版とスマートフォン向けのアプリが無料で配られ、Nextcloudのファイルを開いて編集できます。*3
ブラウザで使う文書編集基盤のご相談
ONLYOFFICEやCollabora OnlineとNextcloudの連携構築から、版の更新とバックアップの運用まで、元請(プライムベンダー)としてご提案します。
2006年の創業以来、一次請けのシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。
出典
- *1 参考:Ascensio System SIA「ONLYOFFICE/DocumentServer」(GitHub)(https://github.com/ONLYOFFICE/DocumentServer)。出典:README(製品の説明、Document Serverからの名称変更、Community・Enterprise・Developerの3つの版の比較表、他社のファイル共有の仕組みとの連携)とLICENSE(GNU AGPL v3)を参照(2026年10月確認)
- *2 参考:ONLYOFFICE「Download ONLYOFFICE Docs Community」(https://www.onlyoffice.com/download-community)。出典:Community版のライセンス(AGPLv3)と、同時接続数・モバイルのWeb編集画面・技術支援が必要な場合はEnterprise版を選ぶ旨の案内を参照(2026年10月確認)
- *3 参考:ONLYOFFICE「Online office for Nextcloud」(https://www.onlyoffice.com/office-for-nextcloud)。出典:Nextcloudとの連携の3段階、権限・パスワード・透かし・JWT、デスクトップ版とモバイルアプリの記述を参照(2026年10月確認)
- *4 参考:Collabora Productivity「Collabora Online Development Edition(CODE)」(https://www.collaboraonline.com/code/)。出典:CODEが開発版で本番環境には勧めていないこと、平均して月1回の公開、Nextcloudとの組み合わせの記述を参照(2026年10月確認)
- *5 参考:Collabora Productivity「Pricing」(https://www.collaboraonline.com/pricing/)。出典:CODE(無料)、Collabora Online for Business(99人まで)、for Enterprise(100人以上)の区分を参照(2026年10月確認)
- *6 参考:Collabora Productivity「CollaboraOnline/online」(GitHub)(https://github.com/CollaboraOnline/online)。出典:COPYING(Mozilla Public License 2.0)を参照(2026年10月確認)
- *7 参考:Nextcloud GmbH「Nextcloud Administration Manual:Office」(https://docs.nextcloud.com/server/latest/admin_manual/office/index.html)。出典:Nextcloud Office(Euro-Office)とCollabora Onlineの2つの文書編集の仕組み、Collabora Onlineを自前のサーバーか組み込みアプリで使えることの記述を参照(2026年10月確認)
- *8 参考:Nextcloud GmbH「Nextcloud Office」(https://nextcloud.com/office/)。出典:Collabora OnlineがLibreOfficeの技術をもとにODFの再現を重視しサーバー側で処理すること、Euro-OfficeがONLYOFFICEのコードをもとに別に開発されていることの記述を参照(2026年10月確認)
- *9 参考:Nextcloud App Store「ONLYOFFICE」「Nextcloud Office (Collabora)」(https://apps.nextcloud.com/apps/onlyoffice)。出典:連携アプリの提供者とNextcloudの版ごとの対応版の一覧を参照(Collabora側は https://apps.nextcloud.com/apps/richdocuments )(2026年10月確認)