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RPA開発・外注の費用相場と進め方【2025年版】
LASSIC IT事業部|元請(プライムベンダー)としてシステム保守・運用を受託
定型業務の自動化を推進するRPA(Robotic Process Automation)は、人事・経理・カスタマーサポートなど多くの部門で導入が進んでいます。一方、「どのツールを選べばいいかわからない」「外注するといくらかかるか見当がつかない」という声は依然として多く聞かれます。本記事では、RPAで自動化できる業務の範囲から主要ツールの特徴、費用の考え方、外注先の選定基準、運用上の注意事項まで、企業の情報システム担当者や業務改善担当者が知っておくべき内容を実務的にまとめています。
RPAとは何か・なぜ外注が選ばれるのか
RPAとは、これまで人間が手作業で行っていたパソコン上の定型業務をソフトウェアロボットが代替して自動実行する技術です。ウェブブラウザやExcel、基幹システムなどのUIを「人間と同じ操作」で動かすことができるため、APIが用意されていないシステムとの連携にも対応できる点が特徴です。
外注が選ばれる主な理由は、開発・実装に必要なスキルを社内に用意しなくてもすぐに自動化を始められる点にあります。特に初めてRPAを導入する場合、ツール選定・要件定義・ロボット開発・テスト・運用設計まで一連のノウハウが必要であり、専門ベンダーに任せることでリスクを抑えながらスモールスタートできます。一方で、外注にはベンダー依存(ロックイン)の懸念や、継続的な保守費用が発生するという特性もあるため、導入前の検討が重要です。
RPAで自動化できる業務の範囲
RPAが得意とするのは、定型的・反復的でルールが明確な業務です。代表的な対象業務を部門別に挙げると次のようになります。
| 部門 | 自動化が向いている業務例 |
|---|---|
| 経理・財務 | 請求書データ入力、仕訳作成補助、振込処理の転記、月次レポート集計 |
| 人事・労務 | 勤怠データ集計・転記、入退社手続きの書類作成、各種申請フォームへの記入 |
| 営業・マーケティング | CRMへの顧客データ登録・更新、営業報告書の自動作成、メール定形返信 |
| 調達・購買 | 発注データの基幹システム登録、在庫照会・転記、サプライヤー情報更新 |
| カスタマーサポート | 問い合わせデータの振り分け・登録、定型FAQ応答補助、対応ステータス更新 |
逆にRPAが苦手とする業務もあります。例外判断が多い業務、自然言語による意味理解が必要な業務、業務ルールが頻繁に変わる業務は、RPAの保守コストが膨らみやすく、生成AI連携や有人対応との組み合わせを検討したほうがよいケースがあります。
主要RPAツールの特徴比較
国内で広く利用されているRPAツールを代表的なものに絞って整理します。各ツールの料金・機能は変更される場合があるため、最新情報はかならず公式サイトでご確認ください。
UiPath
UiPathは世界シェアの高いエンタープライズ向けRPAプラットフォームです。ローコード開発環境「Studio」、実行管理「Orchestrator」、AIとの連携機能など多彩な製品群を持ちます。2025年時点での公式価格は、個人・小規模向けのベーシックプランが「月額$25から」と公開されており、スタンダード・エンタープライズプランは見積もり対応となっています(UiPath公式 料金ページ参照)。大規模な自動化・複雑なプロセスへの対応力と充実したガバナンス機能が強みです。
Power Automate(Microsoft)
Microsoft 365環境との高い親和性を持つRPAツールです。クラウドフローとDesktop フロー(Power Automate Desktop)を組み合わせることで、クラウドサービスとローカルアプリの自動化を一元管理できます。2025年時点の公式日本円価格は「Power Automate Premium:¥2,248/ユーザー/月(年払い)」「Power Automate Process(非アテンド型):¥22,488/ボット/月(年払い)」と公開されており、Microsoft 365ライセンスをすでに保有している企業にとってコスト面でも導入しやすい選択肢です(Power Automate公式 料金ページ参照)。
WinActor(NTTアドバンステクノロジ)
国産RPAツールとして日本語環境への対応と使いやすさを重視して設計されています。日本語サポートが手厚く、IE・Excelなど国内でよく使われるシステムとの相性が良いとされています。ライセンス価格は要問い合わせとなっており、販売パートナー経由での提供が一般的です。
| ツール名 | 特徴・強み | 向いている規模・用途 |
|---|---|---|
| UiPath | 豊富な機能・AI連携・グローバル実績 | 中〜大規模、複雑プロセス |
| Power Automate | Microsoft 365連携・コスト優位 | Microsoft環境利用企業 |
| WinActor | 日本語対応・国内ベンダー品質 | 中小〜中堅、日本特有の業務 |
RPA外注の費用構造を理解する
RPA外注の費用は大きく「初期費用(開発費)」「ライセンス費用」「保守・運用費用」の3層に分かれます。それぞれの内訳を理解することが、外注先との適正な交渉と予算計画につながります。
初期費用(開発費)
要件定義・業務分析・ロボット設計・開発・テスト・本番リリースまでの工程費用です。スクラッチ開発の場合、自動化する業務の複雑さ・画面遷移数・例外処理の多さによって工数が大きく変わります。シンプルな単一業務の自動化から、複数システムをまたぐ複雑なプロセス自動化まで幅があります。
ライセンス費用
RPAツール本体の利用料です。クラウド型(サブスクリプション)とオンプレミス型(永続ライセンス+年間保守)があり、アテンド型(人が立ち会う)と非アテンド型(無人夜間実行等)でもライセンス体系が異なります。Power Automateのように公式価格が公開されているツールは予算計画が立てやすく、UiPathのエンタープライズプランはベンダーとの交渉によって決まります。
保守・運用費用
RPAロボットは連携先システムのUIが変わるたびに修正が必要です。特にウェブシステムやSaaSは定期的にUI更新が入るため、保守費用は継続的に発生します。また、業務フローの変更に合わせたシナリオ改修、インシデント対応、台帳管理なども保守スコープに含まれます。
費用相場の考え方(市場参考値)
以下は業界での市場参考値であり、一次資料ではありません。実際の費用はツール選定・業務複雑度・ベンダーによって大きく異なるため、複数社から見積もりを取って比較することをお勧めします。
| 費用区分 | 市場参考レンジ(目安) | 主な変動要因 |
|---|---|---|
| 初期開発費(1業務) | 30万〜300万円程度 | 業務複雑度・連携システム数 |
| ライセンス費(年間) | 数万〜数百万円程度 | ツール・ライセンス数・契約形態 |
| 保守・運用費(月額) | 開発費の10〜20%/年程度 | システム変更頻度・ロボット本数 |
費用を抑えるには、まず業務整理(As-Is分析)を社内で行い、自動化効果が高く複雑度の低い業務から着手するスモールスタートが有効です。成果が出た業務から横展開することで、単価当たりの開発効率が上がります。また、Power AutomateはMicrosoft 365ライセンスに含まれる場合もあるため、既存ライセンスの確認も重要です。
RPA外注の進め方:ステップ別解説
RPA外注を成功させるためには、適切なプロセスを踏むことが重要です。以下のステップを参考にしてください。
ステップ1:対象業務の棚卸しと優先順位づけ
まず自動化したい業務を洗い出し、「繰り返し頻度」「処理件数」「ルールの明確さ」「現在の工数」を基準に優先順位をつけます。この段階で業務フローを文書化することが、後の要件定義の質を大きく左右します。
ステップ2:ツール選定と概算見積もり
自社のIT環境(Microsoftライセンス有無・クラウド/オンプレミス方針等)と自動化規模を踏まえてツール候補を絞り込み、複数ベンダーに概算見積もりを依頼します。この時点で「アテンド型か非アテンド型か」「クラウド型かオンプレ型か」を決めておくと提案の比較がしやすくなります。
ステップ3:要件定義・RFP作成
業務フロー・例外処理・入出力データの仕様を明文化した要件定義書(またはRFP)を作成します。ここが曖昧だと、追加費用の発生や納品後トラブルの原因になります。外注先と共同でWS(ワークショップ)を行いながら仕様を詰めるアプローチも有効です。
ステップ4:ベンダー選定・契約
複数社から提案を受けて評価します。価格だけでなく、保守体制・担当者のスキル・類似業務の実績・万が一の際のエスカレーション体制も確認しましょう。契約形態(準委任か請負か)によって責任範囲が変わります。
ステップ5:開発・テスト・本番移行
開発中はロボットのシナリオ(フロー設計書)を社内でも確認できるよう共有を求めることが重要です。本番移行前には業務担当者も参加したUATを実施し、例外パターンへの対応を確認します。
ステップ6:運用・保守フェーズへの移行
本番稼働後は定期的な稼働ログ確認とインシデント対応体制の整備が必要です。連携先システムの更新スケジュールを事前に把握しておくと、保守対応をスムーズに進められます。
内製化との比較・ハイブリッドアプローチ
RPA導入には外注以外に「内製化」という選択肢もあります。両者の特徴を比較して、自社に合ったアプローチを検討しましょう。
| 比較項目 | 外注 | 内製化 |
|---|---|---|
| 導入スピード | 比較的速い | 学習期間が必要 |
| 初期コスト | 開発費が発生 | ツール+研修費 |
| 保守の柔軟性 | ベンダー依存になりやすい | 自社で迅速対応可能 |
| 専門性 | 高い専門知識が期待できる | 社員の習熟が必要 |
| 長期コスト | 保守費が継続発生 | 人件費・教育投資 |
現実的な選択肢として「ハイブリッドアプローチ」を採用する企業が増えています。これは外注で最初のロボット群を設計・開発し、安定稼働を確認した後に社内のRPA推進担当者が保守・横展開を引き受ける方法です。外注先からノウハウ移転(ドキュメント整備・研修実施)を契約スコープに含めることが成功の鍵です。
外注先の選定ポイント
RPA外注先を選ぶ際は、価格だけで判断せず以下のポイントを総合的に評価することが重要です。
対象ツールの認定資格・実績
UiPathやPower Automateなど主要ベンダーの認定パートナーであるかを確認しましょう。認定パートナーは技術サポートやトレーニングを受けているため、品質担保の一つの指標になります。同業種での開発実績があれば、業界特有の業務フローへの理解が期待できます。
要件定義への関与度
「言われたとおりに作るだけ」ではなく、業務分析や業務改善の提案まで行えるベンダーが望ましいです。要件定義フェーズから積極的に関与し、業務全体の視点からアドバイスできるかを確認してください。
保守・運用体制
本番稼働後のインシデント対応時間(SLA)、担当者の継続性、定期的なレビュー体制があるか確認します。担当者が頻繁に変わるベンダーは、業務ナレッジが引き継がれにくいリスクがあります。
ドキュメント整備とノウハウ移転
設計書・シナリオドキュメント・運用マニュアルを納品物として明示するか確認します。内製化移行を見据えるなら、研修実施や技術移転のサポートをスコープに入れることを検討してください。
元請(プライムベンダー)としての責任体制
複数の協力会社を使う場合、元請(プライムベンダー)がプロジェクト全体の品質と進捗を管理し、発注企業への窓口責任を一元化しているかを確認することが重要です。分散した責任体制ではトラブル時の対応が遅れる可能性があります。
LASSIC IT事業部は元請(プライムベンダー)としてシステム保守・運用を受託しており、IT課題の相談先をお探しの場合はお問い合わせページからご連絡ください。
運用上の注意:野良ロボット対策
RPA運用で見落とされがちなリスクの一つが「野良ロボット」問題です。これは担当者が個人的に作成・管理しているRPAロボットで、正式な管理台帳に登録されていないものを指します。
野良ロボットが生じる背景
Power Automate Desktopのように個人アカウントで無料から使えるツールの普及により、現場担当者がIT部門を通さずにロボットを作るケースが増えています。業務効率化の意図でつくられたものですが、組織管理の観点では問題が生じやすいです。
主なリスク
第一に、担当者の異動・退職によって誰もメンテナンスできなくなり、連携先システムが変更された際にロボットが停止して業務に影響するリスクがあります。第二に、認証情報(パスワード等)がロボット内に埋め込まれているケースでは、セキュリティインシデントにつながる可能性があります。第三に、ガバナンス不在で実行ログが残らないため、内部監査や法令対応の証跡が取れないという問題もあります。
対策の基本
野良ロボット対策には、まずロボット台帳(管理台帳)の整備から始めることをお勧めします。IT部門が棚卸しを実施してすべてのロボットを把握し、オーナー(担当者)・用途・連携システム・認証情報の管理状況を一元化します。Orchestrator(UiPath)やPower Platform管理センターのようなガバナンスツールを活用することで、稼働状況の可視化とアクセス制御が可能になります。外注先に保守を依頼する際も、これらの管理ルールを最初に取り決めておくことが運用トラブルを防ぐ基盤となります。
よくある質問
Q
RPA開発を外注する場合、最初にかかる費用の目安はどのくらいですか?
初期費用は自動化対象の業務数や複雑さによって大きく異なります。要件定義・設計・開発・テストを含む一般的なプロジェクトでは数十万円から数百万円程度の幅があり、あくまで市場参考値(一次資料ではありません)としてご参考ください。正確な見積もりは複数ベンダーに依頼して比較することをお勧めします。
Q
UiPathとPower Automateはどちらを選ぶべきですか?
Microsoft 365をすでに利用している企業にはPower Automateが親和性が高く、コスト面でも導入しやすい傾向があります。一方、UiPathは複雑な業務プロセスや大規模な自動化に向いており、エンタープライズ向けのガバナンス機能が充実しています。自社のIT環境・規模・必要な機能を整理したうえで選定することが重要です。
Q
RPA導入後の保守費用はどのくらいかかりますか?
保守費用は開発費の10〜20%程度/年が目安とされることが多いですが(市場参考値・一次資料ではありません)、対象システムのUIが頻繁に変わる場合や業務フローの改訂が多い場合はその分メンテナンスコストが増加する可能性があります。システムの変更頻度に応じた保守契約の内容を事前に確認することが重要です。
Q
野良ロボット(未管理のRPAロボット)はなぜ問題になりますか?
野良ロボットとは、担当者が個人的に開発・運用しているRPAロボットで、管理台帳に登録されていないものです。担当者の異動・退職で誰もメンテナンスできなくなるリスクや、セキュリティ上の問題(認証情報の埋め込みなど)、監査ログが取れないといった課題があります。外注先と連携してロボット台帳の整備から始めることをお勧めします。
Q
外注と内製はどちらが向いていますか?
外注は短期間でスピーディーに自動化を立ち上げたい場合や、専門的なスキルが社内にない場合に向いています。内製は長期的に多くのロボットを自社で管理・改修していく予定がある場合に向いています。まず外注で導入・設計を行い、安定稼働後に内製化へ移行するハイブリッドアプローチを選ぶ企業も多いです。
著者:テレリモ総研編集部 鈴木 亮佑
RPAの外注・導入についてご相談ください
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