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Skype for Business終了、Teams移行を外注
LASSIC IT事業部|元請(プライムベンダー)としてシステム保守・運用を受託
この記事のポイント
- Skype for Business Server 2015・2019は、いずれも2025年10月14日(米国太平洋時間)にサポートが終了しており、放置するとセキュリティ更新が提供されなくなります。
- ESU(拡張セキュリティ更新プログラム)は購入制かつ提供期間が2026年10月までと区切られており、恒久的な延命策にはなりません。
- Teamsへの移行方式にはIslandsモード・選択的共存・カットオーバーなど複数の選択肢があり、音声/PSTN環境を含めた移行計画を内製と外注のどちらで進めるかの判断が必要です。
目次
- Skype for Business Server 2015/2019とは?2025年10月14日にサポートが終了
- サポート終了後に何が起こるのか、放置するリスク
- ESU(拡張セキュリティ更新プログラム)という延命策とその限界
- 代替の継続パス「Subscription Edition」の位置づけ
- Microsoft Teamsへの移行が推奨される理由
- 移行方式の選択:Islandsモード・選択的共存・カットオーバー
- 音声・PSTN環境(Teams Phone・Direct Routing)の移行
- 内製構築と外注委託の判断軸
- まとめ:Skype for Business Server移行で押さえる3つの判断軸
- よくある質問
Skype for Business Server 2015/2019とは?2025年10月14日にサポートが終了
Skype for Business Serverは、社内のチャット・音声通話・Web会議を統合するオンプレミス型のコミュニケーション基盤として、多くの企業で運用されてきました。Microsoft Learnのライフサイクル情報によると、Skype for Business Server 2015は2015年7月30日に提供が開始され、メインストリームサポートは2020年10月13日に終了、延長サポートは2025年10月14日(米国太平洋時間)に終了しています*1。Skype for Business Server 2019についても、提供開始は2018年10月22日、メインストリームサポート終了は2024年1月9日、延長サポート終了は同じく2025年10月14日です*2。
2015と2019のどちらのバージョンを使っている場合でも、延長サポートの終了日は同一の2025年10月14日です*1*2。これは、両バージョンで同時に移行計画を検討する企業が少なくないことを意味します。バージョンが異なっても、判断すべき期限は共通していると捉えるとよいでしょう。
サポート終了後に何が起こるのか、放置するリスク
延長サポートが終了した製品は、セキュリティ更新プログラムの提供やMicrosoftによる技術サポートの対象から外れます。これは他の多くのオンプレミス製品と同様の扱いであり、Skype for Business Serverだけの特別な措置ではありません。稼働自体がその日を境に停止するわけではありませんが、新たに発見された脆弱性が修正されないまま運用を続けることになる点は見過ごせない要素です。
社内の音声通話やチャットの基盤は、他システムとの連携も多く、影響範囲が広がりやすい領域です。サポート終了後も同じ構成での運用を続ける場合、脆弱性対応や障害発生時の切り分けを自社の判断とリソースだけで担う必要が生じます。移行の判断を先送りにするほど、計画的な移行に充てられる時間は短くなっていきます。
ESU(拡張セキュリティ更新プログラム)という延命策とその限界
Period 1は2026年4月14日までの期限付き措置
Microsoftは、Skype for Business Server 2015および2019を対象に、Extended Security Update(ESU、拡張セキュリティ更新プログラム)を用意しています。公式ブログによると、このESUは6か月間のみ、2026年4月14日まで提供される期限付きの措置です*3。購入は2025年8月1日以降、Microsoftのアカウントチームへ申し込む形で行う仕組みで、費用はサーバー単位で発生するとされていますが、具体的な金額はアカウントチームを通じて個別に案内される仕組みです*3。
対象となるのは、2025年10月までにSubscription Edition(SE)への移行を完了できない組織であり、あくまで移行期間を確保するための緊急対応という位置づけです*3。公式情報では、Critical・Importantに分類されるセキュリティ更新のみが対象となる一方、実際に更新プログラムが配布されることを保証するものではないとも明記されています*3。Microsoftはこの点を踏まえ、ESUに依存しない形でSEまたはTeamsへの移行を進めるよう推奨しています*3。
Period 2は再購入が必要で2026年10月に終了
その後Microsoftは「Period 2」と呼ばれる追加期間を発表しました。これは2026年5月から2026年10月末までの6か月間で、Period 1とは別契約として扱われ、既にPeriod 1を購入済みの組織でも改めて申し込みが必要です*4。適用される手順や価格体系もPeriod 1とは別に設定されており、自動的に延長されるものではありません*4。
公式ブログは、このPeriod 2の後にさらなる延長は行わないと明記しています*4。つまりESUは2026年10月を最終的な区切りとする一時的な猶予期間であり、恒久的な運用継続の手段としては位置づけられていません。移行計画を立てる際は、この期限を前提にスケジュールを逆算する必要があるでしょう。
代替の継続パス「Subscription Edition」の位置づけ
オンプレミス環境の継続を希望する組織向けに、MicrosoftはSkype for Business Server Subscription Edition(SE)という継続パスを用意しています。Microsoft Learnのライフサイクル情報では、SEはSkype for Business Server 2019からのインプレースアップグレードとしてのみ導入でき、新規にSEサーバーを構築する場合も、まず2019のRTMコードを導入したうえで、累積更新プログラムを適用してビルド7.0.2046.810(SE RTM相当)以降まで一段階で引き上げる手順が必要とされています*2。
この手順は、2015環境からは直接SEへ移行できないことを意味します。2015を使っている組織がオンプレミス継続を選ぶ場合、いったん2019相当の構成を経由する工程が発生する点は、移行計画を立てるうえで踏まえておく必要があるでしょう。一方、TeamsへのフルSaaS移行を選ぶ組織にとっては、SEはあくまで選択肢の一つであり、必須の経由地点ではありません。
Microsoft Teamsへの移行が推奨される理由
Microsoftは、Skype for Businessのユーザーが最も高い価値と体験を得られる移行先はTeamsであるとの見解を示しています*5。Teamsはチャット・会議・通話・共同作業・アプリ連携・ファイル保存を単一のインターフェースに統合しており、Skype for Businessが担っていた機能の多くを引き継ぎながら、Teamsとチャネルといった新しい機能も併せて提供する製品です*7。
オンプレミスのSkype for Business Serverを使う組織にとって、Teamsへの移行はクラウドサービスへの全面移行という側面も持ちます。単なる製品の切り替えというより、社内のコミュニケーション習慣そのものが変わる取り組みであるため、技術面の移行計画と合わせて、利用者への周知や研修計画も並行して進める必要があります*5。
移行方式の選択:Islandsモード・選択的共存・カットオーバー
Islandsモード(重複機能方式)は既定の共存モード
Microsoft Learnは、Skype for BusinessからTeamsへの移行方法として複数の選択肢を示しています。1つ目は「重複機能方式(Islandsモード)」で、既存のSkype for Business組織にとって既定の共存モードにあたります*5。このモードでは、利用者はSkype for BusinessとTeamsの両方のクライアントを並行して利用でき、段階的にTeamsへの慣熟を進められる一方、着信がどちらのクライアントに届くかを利用者側で制御できないという特性もあります*5。
選択的共存はTeamsUpgradePolicyで機能ごとに切り替え
2つ目は「選択機能方式」です。管理者はTeamsUpgradePolicyの設定(SfBWithTeamsCollabモードやSfBWithTeamsCollabAndMeetingsモードなど)を使い、チャット・通話・会議のスケジュール機能を、組織の準備状況に応じて段階的にTeams側へ移していきます*5。この方式は着信の着地先が利用者ごとに一貫するため、Islandsモードに比べて利用者の混乱を抑えやすい半面、Teamsへ全面移行するまではSkype for Business側でも一部機能を維持し続ける運用になります*5。
カットオーバー方式は連絡先・会議データが引き継がれない点に注意
Microsoft Learnは、上記の標準的な移行方法が使えない場合の代替として、Skype for Business Serverおよび関連するActive Directory属性を削除し、DNSレコードをMicrosoft 365・Office 365向けに再設定したうえでライセンスを付与する「カットオーバー」方式にも触れています*5。ただしこの方式では、オンプレミス環境にあった連絡先データや会議データはTeamsへ引き継がれないと明記されており*5、既存データの扱いを事前に確認しないまま実行すると、想定外のデータ消失につながるおそれがあります。
最終的な移行先となる「TeamsOnly」モードでは、Move-CsUserコマンドレットを使ってオンプレミス環境から直接ユーザーを移行でき、移行の際には今後予定されている会議もTeams会議として自動的に変換されます*6。オンプレミスの管理ツール側では、Skype for Business Server 2015 CU8以降および2019において、利用者へ移行予定を事前に通知する機能も用意されています*6。
音声・PSTN環境(Teams Phone・Direct Routing)の移行
Skype for Business Serverでオンプレミスの電話交換機(PBX)や外線接続を運用している場合、音声機能の移行は個別に検討が必要な領域です。Teams側の音声機能はTeams Phone(旧称Phone System)として提供されており、Teamsの利用者はTeamsOnlyモードへ移行した後、この機能を利用できるようになります*7。
既存の電話回線事業者やSession Border Controller(SBC)をそのまま活用したい場合は、Direct Routingという接続方式を使うことで、自社のSBCをTeams Phoneに直接接続し、事実上どの電話回線事業者とも組み合わせて利用できます*7。オンプレミスのテレフォニー基盤を持つ組織にとって、この接続方式を使うかどうかは、移行後の運用コストや通話品質にも関わる判断材料になるでしょう。
内製構築と外注委託の判断軸
Skype for Business ServerからTeamsへの移行は、移行方式の選定・利用者への周知・音声/PSTN環境の切り替えなど、技術面と組織面の両方にまたがる取り組みです。内製で進める場合と外部パートナーへ委託する場合とでは、必要なスキルセットとリスクの負い方が異なります。以下の表に主な違いを整理しました。
| 比較項目 | 内製での移行 | 外注委託 |
|---|---|---|
| 移行方式の選定 | Islands・選択的共存・カットオーバーの特性を理解したうえで自社の運用に合う方式を選ぶ必要があります*5 | 複数の移行実績を踏まえたうえで方式選定を相談できます |
| 音声・PSTN環境の切り替え | Teams PhoneやDirect Routingの設定・既存SBCとの接続検証を自社で行います*7 | 既存の電話回線事業者との接続検証を含めて委託できます |
| ESU・SEの要否判断 | 期限や費用、SEへのアップグレード経路を自社で調査・判断します*2*3*4 | 期限を踏まえた移行スケジュールの設計まで相談できます |
| 利用者への周知・研修 | 通知機能の設定や社内向け説明会の準備を自社で行います*6 | 周知計画や研修コンテンツの設計を含めて対応できます |
内製で移行を進める場合に必要な体制
内製で移行を進める場合、Skype for Business Serverの構成理解に加え、Microsoft 365側のTeamsUpgradePolicyやMove-CsUserといったPowerShellベースの操作、Teams Phone・Direct Routingの設定知識が求められます。加えて、音声環境の切り替えでは既存の電話回線事業者との接続検証も欠かせません。これらを情報システム部門だけで完結させるには、複数の担当者が連携する体制と、検証にあてる期間の確保が必要になるでしょう。
専門パートナーに委託した場合の違い
専門パートナーに依頼すると、移行方式の選定から利用者への周知計画、音声・PSTN環境の切り替え、ESUやSEの要否判断まで一連の工程を相談しながら進められます。自社では検証だけで時間がかかる場面でも、複数の移行案件を扱ってきた知見を活用すれば、2025年10月14日という延長サポート終了日を踏まえたスケジュールの中で移行を完了させやすくなります。内製と外注のどちらを選ぶ場合でも、まずは自社の利用状況とサポート終了までの残り期間を整理することが出発点になるでしょう。
まとめ:Skype for Business Server移行で押さえる3つの判断軸
本稿ではSkype for Business Server 2015/2019のサポート終了と、Microsoft Teamsへの移行について、公式のライフサイクル情報とMicrosoft Learnの移行ガイダンスに基づいて整理しました。要点は次の3つに集約されます。第一に、両バージョンの延長サポートは2025年10月14日に終了しており、放置するとセキュリティ更新が提供されない状態が続きます*1*2。第二に、ESUによる延命は購入制かつ2026年10月までの期限付きであり、SEもSkype for Business Server 2019からのインプレースアップグレードが前提となる継続パスです*2*3*4。第三に、Teamsへの移行方式はIslandsモード・選択的共存・カットオーバーなど複数あり、音声/PSTN環境を含めた移行計画を内製と外注のどちらで進めるかは、社内の体制と残された期間を踏まえて判断する必要があるでしょう*5*6*7。
よくある質問
Skype for Business Serverのサポートはいつ終了しましたか。
Skype for Business Server 2015・2019のいずれも、延長サポートは2025年10月14日(米国太平洋時間)に終了しています*1*2。バージョンによらず、判断すべき期限は共通しています。
サポート終了後もそのまま使い続けるとどうなりますか。
新たなセキュリティ更新プログラムやMicrosoftの技術サポートの対象から外れます。稼働自体は続きますが、脆弱性への対応を自社の判断とリソースだけで担う必要が生じます。
ESU(拡張セキュリティ更新プログラム)を購入すれば、どのくらい延命できますか。
Period 1は2026年4月14日まで、その後のPeriod 2は2026年5月から10月末までの期限付きです。Period 2はPeriod 1とは別契約で再購入が必要であり、公式にはこの後の延長は行わないとされています*3*4。
Teamsへの移行にはどのような方法がありますか。
既存クライアントを並行利用するIslandsモード、機能ごとに段階的に切り替える選択的共存、Active Directory属性の削除とDNS再設定を伴うカットオーバーなどがあります。最終的にはTeamsOnlyモードへ移行します*5*6。
オンプレミスの電話・PSTN環境はどうなりますか。
Teams側の音声機能はTeams Phone(旧称Phone System)として提供されており、Direct Routingを使えば既存のSession Border Controllerや電話回線事業者との接続を維持したまま移行できます*7。
著者:テレリモ総研編集部 鈴木 亮佑
ご不明な点はお問い合わせフォームからもご連絡いただけます。
- *1 出典:Microsoft Learn「Skype for Business Server 2015 – Microsoft Lifecycle」(https://learn.microsoft.com/lifecycle/products/skype-for-business-server-2015)
- *2 出典:Microsoft Learn「Skype for Business Server 2019 – Microsoft Lifecycle」(https://learn.microsoft.com/lifecycle/products/skype-for-business-server-2019)
- *3 出典:Microsoft Tech Community「Announcing Skype for Business 2015 / 2019 Extended Security Update program」(https://techcommunity.microsoft.com/blog/skype_for_business_blog/announcing-skype-for-business-2015–2019-extended-security-update-program/4433493)
- *4 出典:Microsoft Tech Community「Announcing “Period 2” for Skype for Business Server 2015/2019 Extended Security Update (ESU) Program」(https://techcommunity.microsoft.com/blog/skype_for_business_blog/announcing-%E2%80%9Cperiod-2%E2%80%9D-for-skype-for-business-server-20152019-extended-security-u/4511619)
- *5 出典:Microsoft Learn「Choose your upgrade journey from Skype for Business to Microsoft Teams」(https://learn.microsoft.com/en-us/microsoftteams/upgrade-and-coexistence-of-skypeforbusiness-and-teams)
- *6 出典:Microsoft Learn「Move users from Skype for Business Server 2019 to Teams」(https://learn.microsoft.com/en-us/skypeforbusiness/hybrid/move-users-from-on-premises-to-teams)
- *7 出典:Microsoft Learn「Get started upgrading Skype for Business to Teams」(https://learn.microsoft.com/en-us/microsoftteams/upgrade-start-here)