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2026.07.07 らしくコラム

Windows 10終了は2025年10月、法人PC移行を外注

LASSIC IT事業部|元請(プライムベンダー)としてシステム保守・運用を受託

法人PCのWindows環境

この記事のポイント

  • Windows 10は2025年10月14日にサポートが終了し、以降はセキュリティ更新が提供されません。
  • 法人PCの移行にはWindows 11へのアップグレード・買い替え・ESUによる延命という選択肢があります。
  • 台数が多いほど棚卸しや検証の負荷が増すため、外注を含めた進め方の判断軸を整理しておく必要があります。

Windows 10サポート終了、2025年10月14日が期限

情シスのPC移行作業

Windows 10のサポート終了とは、Microsoftによる機能更新・品質更新(セキュリティ修正を含む)・技術サポートの提供が打ち切られることです*1。Microsoft Lifecycleの公式情報によれば、Windows 10 Version 22H2(Home・Pro・Enterprise・Educationを含む主要エディション)は2025年10月14日にサポートを終了しています*1

サポート終了後もPC自体は起動し利用を続けられますが、新たに発見された脆弱性に対する修正パッチは提供されません*3。法人が保有するPCの多くは社内ネットワークや取引先とのVPN接続を前提に稼働しているため、未修正の脆弱性が残ったまま業務を続けることは、情報漏えいやランサムウェア被害の踏み台になるリスクを高めます。

Microsoft Lifecycleのアナウンスでは、対象デバイスは互換性がある場合Windows 11への更新、互換性がない場合は新しいWindows 11 PCへの交換が案内されています*1。つまり法人の情報システム部門にとって、選択肢は「移行するか」ではなく「どの方式でいつまでに移行するか」に絞られている段階だといえます。

法人PCの場合、個人利用のPCと異なり台数の多さが問題を複雑にします。数十台規模の企業であれば部門ごとの利用状況を把握しながら順次切り替えられますが、数百台規模になると調達・検証・展開の各工程を並行して進める体制が欠かせません。加えて、拠点が分散している企業では、拠点ごとのネットワーク環境や利用アプリの違いによって検証項目が増える点にも注意が必要です。

移行を先送りした場合の影響も見過ごせません。サポート終了後に脆弱性を突いた攻撃を受けると、業務システムの停止や取引先情報の流出につながる可能性があります*3。特に取引先とのシステム連携やVPN接続を伴う法人PCでは、自社だけでなく取引先の被害にも波及しかねないため、対応の遅れそのものが取引上の信用リスクになり得ます。

Windows 11の要件とTPM 2.0が壁になる法人PC

Windows 11のシステム要件とは、Microsoftが公式に定めるアップグレード可否の判定基準を指します*2。主な要件は、1GHz以上・2コア以上の64ビット互換プロセッサ、4GB以上のメモリ、64GB以上のストレージ、UEFI・セキュアブート対応のファームウェア、そしてTPM(トラステッド プラットフォーム モジュール)2.0の搭載です*2

このうち法人PCの移行で障壁になりやすいのがTPM 2.0です。TPM 2.0とは、暗号鍵の生成・保管を担う専用のセキュリティチップで、Windows HelloやBitLockerなど複数のセキュリティ機能の基盤になっています*2。数年以上前に導入したPCではTPM 2.0が非搭載、またはファームウェア側で無効化されたままのケースがあります。TPMが搭載されていてもBIOS設定で無効になっている場合は有効化で対応できますが、非搭載のハードウェアではアップグレードそのものができません。

台数が数十台規模になると、機種ごとにTPM対応状況・CPU世代・ストレージ空き容量が異なるため、1台ずつ確認する棚卸し作業が発生します。この棚卸しを怠ると、移行計画の途中で「更新できないPCが想定より多い」ことが判明し、予算・スケジュールの見直しを迫られる事態になりかねません。

要件確認の実務では、Microsoftが提供するPC正常性チェックアプリでの個別確認に加え、資産管理ツールを使った一括収集が有効です*2。ただし一括収集で分かるのはCPU世代やメモリ容量が中心で、TPMがファームウェア側で無効化されているかどうかまでは判別できない場合があります。実機でのBIOS設定確認が必要になるケースがある点は、計画段階であらかじめ見込んでおくべきでしょう。

グラフィックス要件(DirectX 12以上・WDDM 2.0ドライバー対応)やディスプレイ要件(対角9インチ以上・720p以上)も明記されていますが*2、業務用PCの多くは要件を満たしています。実務上のボトルネックになりやすいのは、前述のTPM 2.0とCPU世代の2点だと捉えておくとよいでしょう。

ESU(拡張セキュリティ更新プログラム)は延命であり解決策ではない

ESU(拡張セキュリティ更新プログラム、Extended Security Updates)とは、サポート終了後もセキュリティ更新プログラムのみを有償で継続受領できる仕組みです*4。商用・教育機関向けのESUはボリュームライセンスまたはMicrosoft CSP経由で1年単位で購入する契約になっており、部分的な期間だけの購入はできません*4

商用組織に属する登録済みPCは、サポート終了から3年間を上限にESUの対象になります*4。ただし価格は1年目を基準に、2年目・3年目と連続して段階的に引き上げられる仕組みです*4。加えてESUには新機能・非セキュリティ関連の修正・仕様変更要求が含まれず、テクニカルサポートの対象外です*4。つまりESUは「今すぐ移行できない事情がある間の橋渡し」であり、恒久的な対応策として位置付けるものではありません。

ESUを選ぶ場合でも、契約期間中にWindows 11移行の計画を並行して進めておく必要があります。ESUの費用を払い続けながら移行を先送りすると、支払い総額が増えるだけでなく、最終的な移行タイミングでの作業量が変わらないまま先延ばしされる点に注意が必要です。

ESUはボリュームライセンスやMicrosoft CSP経由での購入が前提となっており、対象PCの登録作業や有効化の設定も別途必要です*4。ライセンスの発行から有効化までの手続きは、通常のソフトウェア更新のように自動では完結しません。契約前に、自社の何台をESU対象にするか、どの部門から優先的にWindows 11へ移行するかという優先順位を決めておくことで、ESU期間を「猶予」として無駄なく使えます。

法人PC移行の3つの選択肢とコスト構造の違い

法人PCのWindows 10終了対応には、大きく分けて「既存PCのWindows 11アップグレード」「Windows 11搭載PCへの買い替え」「ESUによる延命」の3つの選択肢があります。それぞれ前提条件とコスト構造が異なるため、保有PCの状況に応じた選定が必要です。

選択肢 前提条件 コスト構造 留意点
既存PCのアップグレード TPM2.0搭載・CPU世代要件を満たすこと*2 ライセンス費用は原則不要だが、検証・展開の人件費が発生 業務アプリ・周辺機器のドライバ互換性確認が必要。
台数分の動作検証工数がかかる
Windows 11搭載PCへの買い替え 要件を満たさない古いPCが対象 PC購入費用に加え、データ移行・キッティング費用が発生 台数がまとまるほど調達リードタイムの確保が課題になる
ESUによる延命 Windows 10 Version 22H2であること*4 1年目を基準に2年目・3年目は段階的に価格が上がる契約*4 新機能・非セキュリティ修正は対象外。
並行して移行計画を進める前提が必要

比較すると分かるとおり、いずれの選択肢も「その場しのぎ」で選ぶと後で手戻りが生じます。なぜなら、アップグレード対象と買い替え対象が事前に切り分けられていないと、展開の途中で方式変更が発生し、スケジュールが崩れるからです。特にアップグレードと買い替えが混在する現場では、対象PCのグルーピングと展開順序の設計が移行全体の期間を左右します。

予算面では、買い替えを選ぶPCの台数が全体の何割を占めるかによって、初年度に必要な投資額が大きく変わります。TPM非搭載機が多い環境ほど買い替え比率が上がるため、棚卸しの結果を踏まえて年度予算に反映するタイミングも逆算しておく必要があるでしょう。

移行を内製で進める場合に必要な工数とリスク

業務用デスクトップPC

法人PCのWindows 11移行を内製で進める場合、情報システム部門には複数の専門知識が求められます。第一に、保有PCの機種・TPM対応状況・ストレージ容量を洗い出すハードウェア資産管理の知識です。第二に、業務システムやドライバの互換性を検証する作業で、部門ごとに使用する基幹システムやプリンタ・周辺機器の動作確認が欠かせません。第三に、大量のPCへ順次配布する展開作業と、切替後の問い合わせ対応体制です。

この作業を誤ると発生するリスクも軽視できません。検証を省いたまま一括アップグレードを進めると、業務アプリが起動しない・周辺機器が認識されないといった障害が複数拠点で同時発生し、業務停止につながる可能性があります。ロールバック手順を用意していない場合、復旧までの時間がさらに延びる点も見落とされがちです。

台数が数十台から数百台規模になると、棚卸し・検証・展開・問い合わせ対応を通常業務と並行してこなす必要があり、情シス担当者が少人数の企業ほど負荷が集中します。「ひとり情シス」のような体制では、通常のヘルプデスク業務を止められない以上、移行作業に割ける時間そのものが制約になるでしょう。

展開作業そのものも一様ではありません。Microsoft Intuneなどの構成管理ツールを使えば遠隔展開が可能ですが、ツール導入自体に設計・検証の工数がかかります。ツールを使わず1台ずつ手作業で設定する場合は、担当者の作業時間がPC台数分積み上がるため、通常業務との両立がいっそう難しくなります。

外注に委託する場合の進め方と委託先選定のポイント

専門パートナーに委託した場合、内製との違いは主に「検証の型化」と「展開の並行実行力」にあります。委託先はTPM要件の判定・業務アプリの互換性確認といった検証作業をチェックリスト化して複数台へ横展開できるため、情シス担当者は例外対応や利用者からの問い合わせ対応に専念できます。

委託先を選定する際は、次の点を確認することが欠かせません。まず、資産管理ツールやMicrosoft Intuneなどの展開ツールを用いた実績があるかどうかです。次に、検証環境を用意したうえで段階的に展開するロールアウト計画を提示できるかどうかも判断材料になります。さらに、切替後の障害対応や問い合わせ窓口を保守契約として引き継げるかどうかも、移行後の運用を見据えると重要な確認事項です。

委託範囲の決め方も検討事項の一つです。棚卸しから展開まで一括で委託する方式と、検証設計だけを委託し展開作業は自社で行う方式では、費用感と社内の関与度合いが変わります。自社の情シス担当者がどこまで関わりたいか、通常業務にどれだけ余力があるかを踏まえて委託範囲を決めると、費用対効果を見極めやすくなるでしょう。

外注のメリットは「難しいから頼む」ことではなく、業務停止や情報漏えいのリスクを最小化しながら移行を計画通りに終わらせる点にあります。移行期限が迫るほど選択できる方式の幅は狭まるため、着手時期の判断も含めて早い段階での相談が有効です。

まとめ:法人PCのWindows 10終了対応で押さえる3つの判断軸

本稿ではWindows 10のサポート終了とWindows 11への法人PC移行について、期限・要件・選択肢を整理しました。要点を3つに集約すると次の通りです。第一に、サポート終了は2025年10月14日にすでに到来しており、以降はセキュリティ更新が提供されない状態が続いています*1。第二に、Windows 11への移行はTPM2.0をはじめとする要件確認が前提になり、ESUはあくまで一時的な延命策です*4。第三に、台数規模が大きいほど棚卸し・検証・展開の工数が増えるため、内製か外注かの判断は早期に行う必要があります。

LASSICに相談するメリット

LASSICはシステム保守・運用を元請として受託し、業務アプリの互換性検証から展開・切替後の運用体制構築まで一貫した支援を提供しています。情報システム部門の人員が限られる企業でも、検証項目の標準化と段階的な展開計画により、業務を止めずに移行を進められる体制を整えます。

よくある質問

Windows 10のサポートはすでに終了していますか?

はい、Windows 10 Version 22H2は2025年10月14日にサポートが終了しています*1。この日以降、Microsoftから機能更新・品質更新・技術サポートは提供されません*1。すでに期限を過ぎているため、移行方針の検討は急ぎで進める必要があります。

自社のPCがWindows 11に対応しているか、どう確認すればよいですか?

Microsoftが提供するPC正常性チェックアプリで、CPU世代・TPM2.0の有無・メモリ容量などの要件を個別に確認できます*2。法人で台数が多い場合は、資産管理ツールで機種情報を一括収集し、要件を満たさない機種をリスト化する進め方が効率的です。

ESUを契約すればWindows 11への移行は先送りしてよいですか?

ESUは新機能や非セキュリティ修正を含まない延命策であり、価格も年を追うごとに段階的に上がる契約です*4。契約期間中に移行の準備を進めておかないと、最終的な移行負担は変わらないまま費用だけが積み上がることになります。

移行作業は自社の情シス担当者だけで対応できますか?

台数が少なければ対応可能な場合もありますが、数十台以上になると棚卸し・互換性検証・展開・問い合わせ対応が同時並行になり、通常業務と両立しにくくなります。体制が限られる企業では、検証項目の標準化や展開作業の一部を外部委託する選択肢が有効です。

著者:テレリモ総研編集部 鈴木 亮佑


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  1. *1 出典:Microsoft「Windows 10 のサポート終了 – Microsoft Lifecycle」(learn.microsoft.com)(2025年)
  2. *2 出典:Microsoft「Windows 11 の仕様とシステム要件」(microsoft.com
  3. *3 出典:Microsoft「Windows 10サポートは2025年10月14日に終了しました」(support.microsoft.com)(2025年)
  4. *4 出典:Microsoft「Windows 10の拡張セキュリティ Updates (ESU) プログラム」(learn.microsoft.com)(2025年)

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