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2026.10.29 採用支援コラム

エンジニア採用のペルソナのテンプレート|項目と書き方の例

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

開発マネージャーと採用担当者が会議机で求める人物像をシートにまとめる

この記事の結論

  • エンジニア採用のペルソナは、任せる役割や今の仕事、転職を考える理由など8つの項目で1職種1枚にまとめます。
  • 年収や必要な実務経験はjob tagなどの公的統計で確かめ、年齢・性別・家族など選考に使えない項目は入れません。
  • 書いたペルソナは求人票・スカウト・選考の基準に移し、社員で埋まらない役割は業務委託で補う道も考えます。

※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

エンジニア採用でペルソナを作ろうとしても、どの項目を書けばよいのか、マーケティングで使うペルソナと何が違うのかで手が止まりがちです。項目を決めないまま書くと、年齢や趣味のように選考で使えない情報ばかりが増え、求人票やスカウトの文面にもつながりません。

本記事は、エンジニアを採る企業の採用担当者と開発マネージャに向けて、ペルソナ(求める人物像)の項目のテンプレートを、書く中身・記入の例・よくある抜けとあわせて示します。数値は、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)と転職者実態調査、IPAのデジタルスキル標準で確かめられるものだけを使います。

エンジニア採用のペルソナとは

採用のペルソナは、採りたい人を1人の具体的な人物として書き出したものです。採用要件が任せる仕事に要る経験と技能を並べるのに対し、ペルソナはその経験を持つ人が今どこで何をしていて、どんな理由なら転職を考えるかまで書きます。要件の決め方は「エンジニア採用の要件設定」で扱っています。

  • 採用要件:任せる仕事と、必要な経験・技能の程度(何ができる人か)
  • ペルソナ:その人の今の仕事、転職を考える理由、働き方の希望、情報を探す場所(どこにいて、何で動く人か)
  • 使い道:求人票の書き方、スカウトを送る相手と文面、面接で確かめる点をそろえる

ペルソナは1つの職種につき1枚にします。複数の職種をまとめると、求人票の業務の内容がぼやけ、スカウトを送る相手も広がりすぎるためです。人物らしく見せるための名前や顔写真は要りません。現場のエンジニアと採用担当者が同じ1枚を見て、誰を探しているかを言葉でそろえることが目的です。

ペルソナシートの項目のテンプレート

ペルソナシートの項目は次の8つです。記入の例は、社内の業務システムをWebで作り直す開発を任せる場面を想定しています。〇〇の部分は自社の内容に置き換えてください。

夕方の自席で採用担当者が人物像の項目を表に1つずつ書き出す

エンジニア採用のペルソナシートの項目のテンプレート(〇〇は自社の内容に置き換える。役割の名前はIPA「デジタルスキル標準」ver.2.0のロールを参考にした本記事の整理)
項目 書く中身 記入の例 よくある抜け
任せる役割 入社後に担う役割と、主に責任を持つ範囲 〇〇システムのサーバ側の機能を作り、改修する(バックエンドエンジニア) 「エンジニア」「SE」など職種名だけで終わる
今の仕事 いま勤めている会社の種類と、担当している仕事 受託開発の会社で、〇〇業界の業務システムの設計からテストまでを担当 自社と同じ業界の経験者だけを思い描く
経験の段階 担当してきた作業の段階と、その期間 基本設計から担当して〇年、要件定義は補助で〇件 経験年数だけを書き、どの段階の経験かを書かない
使っている技術 仕事で使っている言語・データベース・クラウドなど 〇〇言語、〇〇データベース、クラウド上での構築 欠かせない技術と、あればよい技術を分けない
転職を考える理由 今の職場で満たされていないこと 設計から関わりたい、働く時間や場所を選びたい 自社が応えられる理由かどうかを確かめない
働き方の条件 勤務地・在宅勤務・勤務時間の希望 週〇日の在宅勤務、フレックスタイム制 自社の制度で出せる条件と照らし合わせない
年収の目安 今の年収の幅と、転職で望む幅 〇〇万〜〇〇万円 公的な統計で相場を確かめずに決める
情報を探す場所 転職先や技術の情報をどこで集めるか 求人サイト、知人の紹介、技術者の勉強会 募集やスカウトの経路と結びつけない

役割の名前は、IPAのデジタルスキル標準のロールを借りると社内で呼び方がそろいます。ver.2.0は、ソフトウェアエンジニアの類型にフロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニア、クラウドエンジニア/SRE、フィジカルコンピューティングエンジニアの4つのロールを置き、1人が複数のロールを兼ねる場合も想定しています。*1

反対に、マーケティングのペルソナでよく書く次の項目は、採用のペルソナには入れません。ペルソナに書いた項目は、そのまま求人の条件や面接の質問に移りやすいからです。

  • 年齢と性別:労働施策総合推進法は、厚生労働省令で定めるときは募集と採用で年齢にかかわりなく均等な機会を与えるよう求めています。*2 男女雇用機会均等法は、性別にかかわりなく均等な機会を与えるよう求めています*3
  • 家族・住まい・生活環境:厚生労働省は、本人に責任のない事項として、把握すると就職差別につながるおそれがあるとしています*4
  • 愛読書・尊敬する人物・支持政党:本来自由であるべき思想・信条にかかわる事項として挙げられています*4

公的統計で裏づける項目

年収の目安や経験の段階を思い込みで書くと、求人の条件が相場からずれます。厚生労働省のjob tagは、職業ごとに賃金や求人倍率、働いている人が必要と考える入職前の実務経験をまとめています。システムエンジニア(Webサービス開発)のページでは、次の値が確かめられます。*5

job tagで確かめられるシステムエンジニア(Webサービス開発)の値(出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)。統計は職業分類単位の値。2026年10月28日確認)
項目 job tagの値 ペルソナでの使い方
賃金(年収) 全国578.5万円(令和7年賃金構造基本統計調査を加工) 年収の目安の幅が、この値から大きく離れていないか見る
有効求人倍率 全国2.54(令和7年度、ハローワークの求人) 社員採用だけでは埋まりにくい前提で、募集の期間と経路を決める
入職前の実務経験 「特に必要ない」27.5%、「1年超〜2年以下」17.5%(働いている人の回答) 経験の段階の項目で、年数を長く求めすぎていないか見る
働き方 在宅で仕事をすることも多い。フレックスタイム制が採用されていることが多い 働き方の条件の項目に、自社が出せる条件を書く

これらの統計は、その職業が属する職業分類の単位でまとめた値で、この職業だけの値ではありません。*5 自社が採りたい職種に近いページを選び、年収の目安と経験の段階を書く前に一度見ておきます。

転職を考える理由と情報を探す場所は、厚生労働省の「令和2年転職者実態調査」が手がかりになります。自己都合で辞めた転職者の理由(3つまでの複数回答)は、次の順でした。*6

  • 労働条件(賃金以外)がよくなかったから:28.2%
  • 満足のいく仕事内容でなかったから:26.0%
  • 賃金が低かったから:23.8%

転職活動の方法(複数回答)は、「求人サイト・求人情報専門誌・新聞・チラシ等」が39.4%、「ハローワーク等の公的機関」が34.3%、「縁故(知人、友人等)」が26.8%の順です。*6 いずれも全産業の値で、エンジニアだけの値ではありません。転職を考える理由の欄は、仕事の中身と働き方の両方から書いておくと、自社が応えられる点を探しやすくなります。

求人票・スカウト・選考へのつなぎ方

ペルソナは、書いたあとに求人票・スカウト・選考の3つの場面へ移して使います。項目ごとの行き先は、次の図のとおりです。

窓際の通路で採用担当者が現場のエンジニアと選考で確かめる点を立ち話で合わせる

求人票では、職業安定法第5条の3が、労働者の募集を行う者に、従事すべき業務の内容と賃金・労働時間その他の労働条件を明示するよう求めています。*7 ペルソナの任せる役割を業務の内容に、働き方の条件と年収の目安を労働条件の欄に移します。

ペルソナの項目を移す先の図。任せる役割・働き方の条件・年収の目安は、求人票の業務の内容と労働条件の欄へ移す。今の仕事・転職を考える理由・情報を探す場所は、スカウトの送る相手と文面の1文目へ移す。経験の段階・使っている技術は、選考の基準として面接の質問と評価の基準へ移す。

  • 求人票:任せる役割を業務の内容に、働き方の条件と年収の目安を労働条件の欄に書く
  • スカウト:今の仕事と情報を探す場所から送る相手を選び、転職を考える理由に自社がどう応えるかを1文目に書く
  • 選考:経験の段階と使っている技術を、面接で尋ねる質問と評価の基準にする

面接の質問と評価基準の作り方は「エンジニア採用のミスマッチを防ぐ採用要件と評価基準の書き方」で扱っています。応募が集まったら、面接で分かった実際の経歴や転職の理由をペルソナに書き戻し、次の募集に使います。

社員で埋まらないときの外部人材

job tagは、システムエンジニア(Webサービス開発)について、人材確保のため雇用形態は正社員が多い一方、フリーランスで業務委託契約を結び開発に参加している人もいると書いています。*5 社員の採用に時間がかかるときは、ペルソナの任せる役割の一部を切り出し、業務委託の専門人材に頼む方法があります。外部に相談する前に、次の点を書き出しておくと話が早く進みます。

  • 範囲:社員として採りたい役割と、業務委託に任せられる作業の分け目
  • 期間:業務委託で補う期間と、社員の採用が決まったあとの引き継ぎ方
  • 体制:作業の中身を決める人と、進み具合を確かめる社内の担当者
  • 働き方:在宅中心なら、リモートで加わる人を前提にした打ち合わせと情報共有の方法
  • 探し方:社員の候補者探しと業務委託の人材探しを、同じ相談先にまとめて頼めるか

業務委託では、契約の形によって発注側が出せる指示の範囲が変わります。誰がどこまで指示を出すかは、契約を結ぶ前に相手と確かめておきます。

まとめ:エンジニア採用のペルソナの作り方

エンジニア採用のペルソナは、任せる役割・今の仕事・経験の段階・使っている技術・転職を考える理由・働き方の条件・年収の目安・情報を探す場所の8項目で、1職種1枚にまとめます。年収や必要な実務経験はjob tagで、転職の理由や活動の方法は転職者実態調査で確かめ、年齢・性別・家族など選考に使えない項目は入れません。書いたペルソナは求人票・スカウト・選考の基準に移し、社員で埋まらない役割は業務委託で補う方法もあわせて考えます。

LASSICに相談するメリット

ペルソナの任せる役割と働き方の条件を書き出していただければ、リモートワークで働く社員の候補者と、業務委託で加わる専門人材の両方から探す相談につなげられます。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

ペルソナは何枚作ればよいですか

1つの職種につき1枚が基本です。同じ職種でも、設計から任せる人とプログラムの作成を中心に任せる人を両方採るなら、経験の段階が違うので2枚に分けます。

年齢をペルソナに入れてはいけないのですか

ペルソナに書いた項目は求人の条件や面接の質問に移りやすいため、年齢は入れずに経験の段階で書きます。労働施策総合推進法は、厚生労働省令で定めるときは募集と採用で年齢にかかわりなく均等な機会を与えるよう求めています。

ペルソナと採用要件はどちらを先に作りますか

任せる仕事と必要な経験を決める採用要件が先です。その経験を持つ人が今どこで何をしていて、何を理由に転職を考えるかを書き足したものがペルソナになります。

ペルソナに合うエンジニアを探す

任せる役割と働き方の条件が分かっていれば、そのままご相談いただけます。社員で採るか業務委託で補うかを決めかねている段階でも構いません。

Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

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出典

  1. *1 参考:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「デジタルスキル標準 DSS-P 分冊版 ソフトウェアエンジニア編 ver.2.0」(PDF)(https://www.ipa.go.jp/jinzai/skill-standard/dss/rcu1hd000000j76k-att/sep_dss-p_swe.pdf)。出典:IPA(2026年4月)。DX推進スキル標準の策定方針(類型とロール)とロール一覧を参照(確認日2026年10月28日)(2026年10月確認)
  2. *2 参考:労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 第9条(https://laws.e-gov.go.jp/law/341AC0000000132)。出典:e-Gov法令検索(法令API)。募集及び採用における年齢にかかわりない均等な機会の確保を参照(確認日2026年10月28日)(2026年10月確認)
  3. *3 参考:雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 第5条(https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000113)。出典:e-Gov法令検索(法令API)。性別を理由とする差別の禁止を参照(確認日2026年10月28日)(2026年10月確認)
  4. *4 参考:厚生労働省「公正な採用選考の基本」(https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/topics/saiyo/saiyo1.htm)。出典:厚生労働省。採用選考時に配慮すべき事項を参照(確認日2026年10月28日)(2026年10月確認)
  5. *5 参考:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「システムエンジニア(Webサービス開発)」(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/314)。出典:厚生労働省。入職前の実務経験、労働条件の特徴、統計データ(賃金は令和7年賃金構造基本統計調査を加工、有効求人倍率は令和7年度)を参照(確認日2026年10月28日)(2026年10月確認)
  6. *6 参考:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/6-18c-r02.html)。出典:厚生労働省。個人調査の表16(自己都合による離職の理由)と表17(転職活動の方法)を参照(確認日2026年10月28日)(2026年10月確認)
  7. *7 参考:職業安定法 第5条の3(https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141)。出典:e-Gov法令検索(法令API)。労働条件等の明示を参照(確認日2026年10月28日)(2026年10月確認)




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