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エンジニアのリファラル採用とは?社内で頼む相手と進め方を解説
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論
- 情報通信業に転職して入った人の23.5%は縁故の経路で、民営職業紹介所の16.2%より多くなっています。
- 人事・開発マネージャ・現場のエンジニアの役割を分け、紹介した社員には選考の評価を任せません。
- 紹介はいつ何人来るかを決められないため、期限のある分は人材紹介や業務委託の専門人材で確保します。
※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。
「社員のつてでエンジニアを採りたいが、誰に何を頼めばよいか決まっていない」「紹介を呼びかけたのに、数か月たっても1人も来ない」——。開発チームを広げたい企業で、採用を任された人事担当者や開発マネージャが迷いやすい点です。リファラル採用は、社員に知人や元同僚を紹介してもらい、選考を経て採用するやり方です。
厚生労働省の雇用動向調査では、情報通信業に転職して入った人の23.5%が「縁故」の経路で、民営職業紹介所の16.2%を上回りました。*1 本記事では、エンジニアのリファラル採用を社内で回す人に向けて、数字で見た位置づけ、社内で頼む相手と役割、紹介を頼むときに渡すもの、続かないときの見直し、紹介で埋まらない分の確保の仕方を整理します。
エンジニアのリファラル採用とは
リファラル採用では、社員が知人や元同僚に声をかけ、関心を持った人が会社の選考を受けます。紹介された人も、ほかの経路から来た人と同じように面接を受けて合否が決まります。人材紹介会社を通さないので、候補者を探す役は社員が担うことになります。
雇用動向調査の令和7年の数字で、情報通信業に転職して入った175.3千人を経路別に見たのが次の図です。*1 広告の31.0%に続き、縁故が23.5%で2番目に多い経路でした。全産業の転職入職者でも縁故は24.0%を占めます。*1
ただし縁故は社員の紹介だけの数字ではありません。縁故41.2千人のうち、表で「前の会社」と分けて示された分が17.7千人で、縁故の43.0%に当たります。*1 厚生労働省の別の調査では、IT・デジタル人材について次の結果が出ています。*2
- 中途採用の主な経路を1つ選んだ84社のうち、「取引先や社員等からの紹介」は13.1%
- 5年以内に転職した342人のうち、勤め先を「知人や友人等による紹介」で見つけた人は17.0%(複数選択)
- 同じく「前職や取引先による紹介」で見つけた人は14.0%
紹介を主な経路にしている会社は1割ほどでも、転職した人の側では紹介で勤め先を見つけた人が少なくありません。紹介は、会社が仕組みを整えれば伸ばせる余地がある経路だといえます。
社内で誰に何を頼むか
リファラル採用が止まりやすいのは、「社員のみなさんに紹介をお願いします」と呼びかけるだけで、誰が何をするかを決めていないときです。役割を4つに分けておきます。

| 担当 | 役割 | 主にすること |
|---|---|---|
| 人事 | 窓口 | 制度の案内、紹介の受付、面接の日程、経路の記録、結果の連絡 |
| 開発マネージャ | 求人の中身 | 任せる仕事、必要な経験、働き方を1枚にまとめる。面接をする |
| 現場のエンジニア | 声かけ | 知人や元同僚に声をかけ、希望があれば面談で仕事の中身を話す |
| 経営・総務 | 規程 | 報奨金を出すかどうかと払い方を規程に定める |
紹介した社員には、選考の評価を任せません。厚生労働省は公正な採用選考の基本として、「応募者の適性・能力に基づいた基準により行うこと」を挙げています。*3 紹介者の評判で合否を決めず、ほかの経路の応募者と同じ基準で見ます。
紹介した社員に報奨金を払うなら、職業安定法第40条に注意します。同条は、労働者の募集を行う者が、募集に従事する被用者などに対し、「賃金、給料その他これらに準ずるもの」を支払う場合などを除いて報酬を与えてはならないとしています。*4 報奨金は賃金として規程に定めて払う形が基本です。考え方はリファラル採用の報奨金を賃金として払う理由で扱っています。自社の場合の扱いは、社会保険労務士などの専門家に確かめてください。
紹介を頼むときに渡すもの
社員が知人に声をかけやすいのは、どんな人を探しているかが具体的に分かるときです。紹介を頼むたびに、次のものを渡します。
- 求人の要点1枚:任せる仕事、使う技術、必要な経験、勤務地とリモートの可否、雇用形態
- 声をかけるときの短い紹介文:社員がそのまま知人に送れる長さ
- 受付の方法:候補者本人が話を聞きたいと言ったときだけ、連絡先を人事へ渡してもらう
- 選考の流れと、紹介した社員に何を伝えるか:選考が進んだか終わったかだけを伝え、評価の中身は伝えない
候補者の連絡先や職務経歴は、本人の了承を得てから受け取ります。本人が知らないうちに経歴書が会社に回っていると、その後の話がしにくくなるためです。いきなり面接にせず、仕事の中身を話す面談から始めると、声をかけた社員も誘いやすくなります。
公正な採用選考の基本には、「応募者に広く門戸を開くこと」も挙げられています。*3 社員の紹介だけで募集を閉じず、同じ求人を自社の採用ページなどにも出しておきます。経路ごとの組み合わせ方はエンジニア採用の採用チャネルの組み合わせ方で扱っています。
紹介が続かないときの見直し
呼びかけた直後は紹介があっても、その後に止まってしまうことがあります。止まった理由を社員の側から考えると、見直す点が分かります。
| 起きていること | 見直す点 |
|---|---|
| 誰に声をかければよいか分からない | 求人の要点を職種ごとに分け、使う技術と任せる仕事を書く |
| 声をかけた後の流れが見えない | 受付から最初の面談までの目安の日数を決めて伝える |
| 誘って断られるのが気まずい | 応募とは別に、話を聞くだけの面談の場を用意する |
| 紹介した人が不採用になると気まずい | 結果は人事から本人へ伝え、紹介者には終わったことだけを伝える |
| 似た経歴の人ばかり集まる | 求める経験を言葉にし、紹介以外の経路も並行して使う |
もう一つの限界は、社員一人が声をかけられる相手の数です。同じ社員に何度も頼むと、同じ知人に繰り返し声がかかることになります。紹介の件数は会社が決められないので、採用計画では紹介で何人と決めて当てにしないようにします。
紹介で入った人の経路を記録しておくことも大切です。入社までの日数や、面談から応募に進んだ割合を経路ごとに残しておくと、紹介をどこまで頼れるかを次の採用で判断しやすくなります。
紹介で埋まらない分の確保
紹介は、いつ、何人来るかを会社が決められない経路です。期限のある開発や、社内に詳しい人がいない技術の担当は、紹介と並行して別の手段で確保します。

| 状況 | 向いている手段 |
|---|---|
| 急がず、長く一緒に働く社員を探す | リファラル採用を続け、採用ページや求人サイトも並行する |
| 期限が近く、社員で採りたい | 人材紹介やスカウトを加える |
| 社内に知り合いがいない技術を、決まった期間だけ使いたい | 業務委託で開発に加わる専門人材 |
| 通勤できる範囲で候補者が見つからない | リモートワークの社員として採用の範囲を広げる |
社員の紹介で採用を探しながら、それまでの開発は業務委託の専門人材と進める、という組み合わせもできます。業務委託で頼むときは、任せる作業の範囲と期間、社内で誰が指示と確認をするかを先に決めておきます。受け入れのときの権限の渡し方は業務委託エンジニアの受け入れと権限管理で扱っています。契約の細かい扱いは、契約書と専門家に確かめてください。
まとめ:リファラル採用で確かめたい3つの点
エンジニアのリファラル採用で確かめておきたい点は3つです。第一に、情報通信業の転職では縁故が2番目に多い経路であり、紹介は会社が仕組みを整えれば伸ばせる経路だと知っておくこと。第二に、人事・開発マネージャ・現場のエンジニア・経営の役割を分け、紹介を頼むときは求人の要点と受付の方法を渡し、選考はほかの経路と同じ基準で行うこと。第三に、紹介はいつ何人来るかを決められないため、期限のある分は人材紹介や業務委託の専門人材で確保することです。
よくある質問
リファラル採用で紹介された人を、面接なしで採用してもよいですか
紹介された人も、ほかの経路の応募者と同じ基準で選考するのが基本です。厚生労働省は公正な採用選考の基本として、応募者の適性・能力に基づいた基準により行うことを挙げています。*3
紹介してくれた社員に報奨金を払ってもよいですか
職業安定法第40条により、募集に従事する被用者には賃金や給料などの形で払う場合などを除き報酬を与えられません。*4 賃金として規程に定めて払う形が基本です。自社の場合は専門家に確かめてください。
紹介が来るまで開発を止めずに進める方法はありますか
期限のある開発は、業務委託で開発に加わる専門人材と進め、社員の採用は紹介や採用ページで並行して探す方法があります。任せる作業の範囲と、社内で誰が指示と確認をするかを先に決めておきます。
紹介で埋まらないエンジニアの確保を相談
紹介を待つ間に進めたい開発や、社内に知り合いがいない技術の担当が決まっていれば、そのままご相談いただけます。社員で採るか業務委託で頼むかを決めきれていない段階でも構いません。
Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。
Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。
出典
- *1 参考:厚生労働省「令和7年雇用動向調査」第16表(e-Stat)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=dataset&cycle=7&year=20250&toukei=00450073&tstat=000001012468&stat_infid=000040489957)。出典:厚生労働省「雇用動向調査」令和7年年計 第16表 産業(中分類)、企業規模、性、職歴、就業形態、雇用形態、入職経路別入職者数。産業計と情報通信業の既就業者(転職入職者)の入職経路別人数(縁故と、うち前の会社を含む)を参照し、割合は人数から計算(確認日2026年10月17日)(2026年10月確認)
- *2 参考:厚生労働省「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」調査報告書(令和6年3月)(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001244078.pdf)。出典:別添6 企業アンケート単純集計(9)-1-2(IT・デジタル人材を中途採用する主な媒体・経路、1つ選択、N=84)、別添5 個人アンケート単純集計Q19(現在の勤務先を見つけた経路、複数選択、N=342)を参照(確認日2026年10月17日)(2026年10月確認)
- *3 参考:厚生労働省「公正な採用選考の基本」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/newpage_56780.html)。出典:(1)採用選考の基本的な考え方を参照(確認日2026年10月17日)(2026年10月確認)
- *4 参考:e-Gov法令検索「職業安定法」(https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141)。出典:第40条(報酬の供与の禁止)を参照(確認日2026年10月17日)(2026年10月確認)