LASSIC Media らしくメディア

2026.09.29 採用支援コラム

エンジニア人材紹介の求人依頼|求人情報の渡し方と出し直し




監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論

  • 求人情報は書面で渡すのが原則で、紹介会社が希望すればファクシミリやメールでも渡せます。
  • 残業が月45時間・年360時間を超える記載があると、紹介会社は労使協定の提出などで法令違反がないかを確かめます。
  • 条件を変えたあとも紹介を受けるなら、求人者が求人票の内容を見直し、直して出し直します。

※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

紹介会社の担当者と電話で条件を話したのに、届いた候補者の説明を聞くと、伝えたはずの条件が伝わっていない。求人票を送ったあとで勤務時間の条件を変えたが、紹介会社にどう知らせればよいのか分からない——。エンジニア人材紹介を使う採用の現場では、こうした食い違いが起こりがちです。エンジニア人材紹介への求人依頼とは、紹介会社に求人を申し込み、条件に合う求職者を紹介してもらうことを指します。

紹介会社が求職者に伝える内容は、求人依頼のときに渡す求人情報でほぼ決まります。紹介会社は、受け取った求人情報をもとに仕事の中身と労働条件を説明するからです。ただし、求人情報だけで採用が決まるわけではなく、丁寧に書いても、条件に合う人が紹介会社に登録していなければ紹介は来ません。本記事では、エンジニアを採用する現場の責任者に向けて、求人情報の渡し方、労働時間の書き方で紹介会社が確かめる点、条件を変えたときの直し方、そしてつまずきやすい点を整理します。

黄・赤・水色・黒など色も大きさも違う封筒を重ねて並べた写真

求人依頼で渡す求人情報とは

職業安定法の第5条の3第2項は、求人を出す会社に、仕事の内容と、賃金や労働時間などの労働条件を、求人を申し込むときに紹介会社へ明示するよう義務づけています。*1 明示する事項は、職業安定法施行規則の第4条の2第3項に並んでいます。業務の内容、契約の期間、試用期間、就業の場所、始業と終業の時刻や休日、賃金の額、社会保険の適用、雇う会社の名称、就業の場所で受動喫煙を防ぐ措置などです。*2

紹介会社は、受け取った求人情報をもとに、同じ事項を求職者に伝えます。同じ条の第1項が、紹介会社にも求職者への明示を義務づけているためです。*1 求人者が書かなかったことは、紹介会社も求職者に伝えられません。求人票は、紹介会社の社内で使う資料であると同時に、求職者への説明のもとになる文書でもあります。

条件を明示しない求人の申込みは、紹介会社が受け付けを断ることができます(同法第5条の6第1項第4号)。各項目に何を書くかは「エンジニア求人票の書き方と必須14項目」で扱っています。本記事では、書いた求人情報をどう渡し、紹介会社とのやり取りの中でどう直していくかを見ていきます。

紹介会社に求人情報を渡す流れを、左から右へ4つの箱で示した図。1つ目は求人票を作ること(業務の内容、労働時間、賃金などを書き、打ち合わせで決めた条件も書き込む)、2つ目は渡すこと(書面が原則で、紹介会社が希望すればファクシミリや電子メール等でもよい)、3つ目は紹介会社の確認に答えること(残業が月45時間・年360時間を超える記載や、裁量労働制の労使協定の写しなど)、4つ目は条件を変えたら求人票を直して出し直し、採用が決まったら情報の提供の中止を求めること。職業安定法施行規則と職業紹介事業の業務運営要領による。

求人情報を渡す方法

求人情報の渡し方も、省令で決まっています。施行規則の第4条の2第4項は、明示を書面の交付で行うこととし、受け取る側が希望した場合には、ファクシミリか電子メール等の送信でもよいとしています。*2 求人者から紹介会社への明示では、紹介会社がメールでの受け取りを希望していれば、求人票のファイルをメールで送る形で求人依頼ができます。

ここでいう電子メール等には、メールのほか、相手を決めて送るメッセージが含まれます。職業紹介事業の業務運営要領(厚生労働省が紹介会社向けにまとめた運用の手引き)は、LINEやFacebookのようなSNS(交流サイト)のメッセージ機能もこれに当たるとしています。ただし、受け取った側が記録を出力して書面を作れるものに限られます。*3 希望する側(ここでは紹介会社)は、メールかSNSか、添付ファイルならどのソフトウェアの形式とバージョンかといった方式も、相手に伝えることとされています。

電話や打ち合わせで話しただけでは、原則として条件を明示したことになりません。例外は、職業紹介を急ぐ必要があって書面などを先に用意できない場合です。そのときは、明示すべき事項を電話などの別の方法で先に伝えておけばよいとされています。打ち合わせで決めた条件は、その日のうちに求人票に書き込み、メールで送り直しておくと、紹介会社が求職者に伝える内容とずれにくくなります。

送り方も決めておきます。紹介会社ごとに入力用の様式が用意されていることもありますが、自社の求人票を1つのファイルにまとめ、作った日付を入れて送れば、どの版を渡したかを後から確かめられます。紹介会社の様式に書き写すときも、自社のファイルを基準にして、同じ文言を使います。

労働時間の書き方

労働時間は、紹介会社から確認を受けやすい項目です。業務運営要領に収められた厚生労働省の指針は、労働時間について、始業と終業の時刻、所定労働時間(会社が決めた通常の勤務時間)を超える労働の有無、休憩時間、休日などを明示するよう求めています。*3 「残業あり」とだけ書くのではなく、所定労働時間を超える労働が月に何時間ほどあるのかまで書いておくと、求職者は毎月の働き方を具体的に考えられます。

残業の時間数を書くときは、法律の上限との関係に気をつけます。業務運営要領は、時間外労働の上限が原則として月45時間、年360時間であることを示したうえで、これを超える時間数が求人に書かれていた場合には、紹介会社が求人者に労使協定(会社と従業員の代表が結ぶ書面の取り決め)の提出を求めるなどして、法令に違反していないかを確かめることとしています。*3 違反していれば、紹介会社は求人の内容の訂正や見直しを求めます。

業務運営要領は、労使協定を結んでいても守るべき上限にも留意するよう紹介会社に求めています。時間外労働と休日労働の合計は、1か月で100時間未満、2か月から6か月の平均で80時間以内です。*3 リリースの前に残業が増える開発の現場では、忙しい月の時間数を求人票に書く前に、自社の労使協定の内容と合っているかを人事の担当者と確かめておきます。

裁量労働制と高度プロフェッショナル制度の求人

システムの設計などを任せるエンジニアの求人では、裁量労働制を適用することがあります。裁量労働制は、実際に働いた時間ではなく、労使で決めた時間を働いたものとみなす制度です。業務運営要領は、裁量労働制の求人の申込みを受けた紹介会社に、裁量労働制であること、専門業務型か企画業務型か、何時間働いたものとみなすかの明示を求めるよう定めています。*3 記入の例も、制度の種類、出退社の時刻は自由であること、何時間勤務したものとみなすかを1文にまとめています。

紹介会社は、労使協定などの内容が求人の申込みと一致しているか、労働基準監督署に届け出てあるかも確かめます。方法の例は、届け出た協定の写しを出してもらうことや、届出の年月日などを自己申告してもらうことです。求人依頼の前に協定の写しを手元に用意しておくと、確認のやり取りを進めやすくなります。

始業と終業の時刻の書き方にも注意します。裁量労働制では、時間の配分を働く人に委ねるため、始業と終業の時刻を指定してその時刻どおりの労働を義務づけると、制度の適用として不適切とされています。ただし、実際に働いている人の実態を参考として書く場合や、出退社の時刻の目安を書く場合は問題ないとされています。求人票に時刻を書くなら、目安であることが分かる書き方にします。任せる業務が制度の対象業務に当たるかどうかも、紹介会社が確かめる事項です。制度そのものの決まりは「専門業務型裁量労働制はなぜ本人同意が必要になったのか」で扱っています。

高度プロフェッショナル制度は、業務の内容や賃金の要件を満たす専門職について、本人の同意などを条件に、労働時間や休日などの規定を適用しない制度です。この制度の求人では、同意しなかった場合の就業時間などを示し、あわせて、同意すれば労働時間、休憩、休日と深夜の割増賃金の規定が適用されないことを書くよう、紹介会社が求人者に求めます。求人票に書かれていても、それで求職者が同意したことにはならない点も、業務運営要領に書かれています。

条件を変えたときの直し方

選考の途中で条件を変えることもあります。職業安定法の第5条の3第3項は、紹介された求職者と労働契約を結ぼうとするとき、最初に示した条件を変える場合には、変える内容をその人に明示するよう求人者に義務づけています。*1 業務運営要領は、変えた内容のまま引き続き紹介を受けようとするなら、求人者が求人票の内容を検証し、内容の修正や求人票の出し直しなどを行うこととしています。*3

目の前の候補者に伝えるだけでは、紹介会社の手元にある求人情報は古いままです。たとえば、入社後に任せる仕事を新しい機能の設計から既存システムの保守に変えたのに求人票を直さなければ、次に紹介される人にも前の仕事の中身が伝わります。修正した求人票には作り直した日付を入れ、どこを変えたかが分かる形で送り直すと、紹介会社の担当者が求職者への説明を改めやすくなります。

採用が決まって募集を終えるときも、紹介会社に知らせます。施行規則の第4条の3第4項は、紹介会社が求人の情報を提供するに当たって、情報の提供を頼んだ者から提供の中止や内容の訂正を求められたら、遅滞なく中止や訂正をすることとしています。*2 同じ項は、求人の情報が最新かどうかを定期的に求人者に確かめるか、情報の時点を明らかにすることも紹介会社に求めています。紹介会社から最新かどうかを尋ねられたら、その時点の条件で答えます。

つまずきやすい点

一つ目は、打ち合わせで話した条件を求人票に書かないまま、求人依頼を済ませたつもりになることです。紹介会社の担当者が話を覚えていても、求職者への説明は受け取った求人票をもとに作られます。条件は、書面か、紹介会社が希望する電子メール等で渡した求人票に書いておきます。

二つ目は、裁量労働制と書きながら、始業と終業の時刻を決まった勤務時間として求人票に載せることです。紹介会社から内容の確認や訂正を求められることがあります。時刻を書くなら目安であることを添え、みなす時間と制度の種類を先に書きます。

三つ目は、変えた条件を面接中の候補者にだけ伝え、求人票を出し直さないことです。条件を変えたら、求人票を直す作業までを1つの手順として済ませます。紹介を受けても条件に合う人が見つからないときに見直す求人要件は「エンジニア人材紹介で紹介されないときに見直す求人要件の4つの点」で扱っています。

まとめ:エンジニア人材紹介の求人依頼で確かめておきたい3つの点

エンジニア人材紹介への求人依頼で、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、求人情報は書面か、紹介会社が希望する電子メール等で渡し、打ち合わせで決めた条件も求人票に書き込むこと。第二に、残業の時間数や裁量労働制の扱いを、自社の労使協定の内容と合わせて書くこと。第三に、条件を変えたら求人票を直して出し直し、採用が決まったら情報の提供の中止を求めることです。この3点を踏まえておけば、「伝えたはずの条件が求職者に届いていなかった」という事態を避けやすくなります。求人依頼の準備に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

求人依頼を出してから採用が決まるまでの間の開発を、業務委託で加わる専門人材に任せる方法も、選択肢に入れておけます。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

メールで送った求人票は、いつ紹介会社に届いたことになりますか

紹介会社が使う通信端末機器に備えられたファイルに記録された時に、届いたものとみなされます。ファクシミリで送った場合は、紹介会社のファクシミリ装置で受信した時です。*2

紹介会社に渡した求人情報の記録は、残しておく必要がありますか

残しておく必要があります。施行規則は、求人者に、求職者に明示された業務の内容などの記録を、その職業紹介が終わる日まで保存するよう定めています。職業紹介が終わった後に労働契約を結ぶ場合は、契約を結ぶ日までです。*2 送った求人票を版ごとに保存しておくと確かめやすくなります。

試用期間中だけ条件が違う場合は、どう書けばよいですか

試用期間中と試用期間が終わった後で業務の内容や労働条件が違う場合は、それぞれを示すことになっています。*2 期間の定めのある契約が試用期間の性質を持つ場合も、試用期間が終わった後ではなく、その契約の期間の条件を示すよう指針が定めています。

固定残業代がある場合は、求人票に何を書けばよいですか

固定残業代の計算方法(何時間分でいくらか)、固定残業代を除いた基本給の額、その時間を超えた残業などには割増賃金を追加で支払うことなどを書きます。厚生労働省の指針が、こうした事項の明示を求めています。

エンジニア人材紹介の求人依頼を相談したいとき

任せる仕事の整理から、求人情報にまとめる内容までご相談いただけます。

Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

無料相談はこちら

出典

  1. *1 参考:e-Gov法令検索「職業安定法」(https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141)。出典:職業安定法(昭和22年法律第141号)第5条の3第1項〜第3項(労働条件等の明示)、第5条の6第1項第4号(求人の申込み)を参照(2026年9月確認)
  2. *2 参考:e-Gov法令検索「職業安定法施行規則」(https://laws.e-gov.go.jp/law/322M40002000012)。出典:職業安定法施行規則(昭和22年労働省令第12号)第4条の2第3項〜第7項(明示する事項・方法・到達・試用期間・記録の保存)、第4条の3第4項(求人等に関する情報を正確かつ最新の内容に保つ措置)を参照(2026年9月確認)
  3. *3 参考:厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領」第9 職業紹介事業の運営(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001681217.pdf)。出典:同要領 第9の2(1)(明示の方法・電子メール等)、(2)イ(労働時間・賃金の明示、時間外労働の上限に関する注記)、(3)ト(求人票の検証・出し直し)、(4)(裁量労働制求人・高度プロフェッショナル制度求人)と、指針 第3の1(3)(明示に当たっての事項)を参照(令和8年9月14日から適用の版)。要領の一覧は https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000172486.html(2026年9月確認)




View