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2026.09.01 採用支援コラム

情報処理安全確保支援士の登録と更新|合格だけでは名乗れない理由

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

申請書類に署名する手元

この記事の結論

  • 情報処理安全確保支援士は試験に合格しただけでは名乗れず、IPAに登録して初めて資格名称を使えます。
  • 登録日は4月1日と10月1日の年2回で、登録免許税9,000円と登録手数料10,700円がかかります。
  • 登録は3年ごとの更新制で、義務付けられた講習を修了していないと更新できません。

※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

情報処理安全確保支援士の登録とは、試験に合格した人などがIPA(情報処理推進機構)に申請し、「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」の資格名称を使えるようにする手続きです。試験に合格しただけでは名乗れず、登録日は4月1日と10月1日の年2回です*1*2。

登録したあとも3年ごとの更新と毎年の講習があり、続けて名乗るには手間と費用がかかります。本記事では、セキュリティ人材の採用や配置を考える企業の担当者に向けて、登録の手続きと費用、更新の仕組み、企業が登録者を置くことで得られること、応募者が登録しているかの確かめ方を、IPAの公表情報で整理します。

情報処理安全確保支援士の登録とは

情報処理安全確保支援士は、サイバーセキュリティ対策を進める人材の国家資格です。IPAは、2016年10月に「情報処理の促進に関する法律」が改正されて生まれた資格で、略称を登録セキスペとしています*3。

情報処理安全確保支援士の制度を整理した図。情報処理の促進に関する法律に基づく国家資格で略称は登録セキスペであること、試験合格で得られるのは登録資格までで、登録して初めて資格名称を使える名称独占資格であり非登録者の名称使用は法第78条の罰則対象であること、2026年4月1日時点の登録者総数が26,453名で平均年齢44.3歳、40代35.5%、50代26.1%、30代23.7%、20代8.4%であること、地域別では関東が18,279名69.1%、近畿11.4%、中部・東海8.9%であること、有効期限は登録日または更新日から3年で更新申請は期限の60日前まで、講習4回の修了が要ることと更新手数料がかからないこと、登録証と検索サービスでの確認方法、信用失墜行為の禁止・秘密保持・講習受講の3つの義務をまとめた図

登録できるのは、登録資格を持つ人です。登録資格は情報処理安全確保支援士試験に合格することで得られ、ほかに経済産業大臣が認定した人や、試験の全部を免除された人も対象になります*4。

試験に合格した段階では、まだ資格名称は使えません。情報処理安全確保支援士は、登録した人だけが名乗れる名称独占資格です。IPAのよくある質問では、登録していない人が資格名称を使った場合は30万円以下の罰金になるとしています*2。

一方で、合格してから登録するまでの期限はありません。登録しないことで試験の合格が無効になることもないとされています。合格後すぐに登録する人もいれば、何年か経ってから登録する人もいるということです。

登録した人が担う役割は、法律に定められています。サイバーセキュリティに関する相談に応じて情報の提供や助言を行い、必要に応じて取組の状況を調査・分析・評価し、その結果に基づいて指導や助言を行うことなどです。

情報処理安全確保支援士試験そのものの合格率は、応用情報技術者試験と情報処理安全確保支援士試験の合格率をまとめた記事で扱っています。本記事では、合格したあとの登録から先を見ていきます。

登録の手続きと費用

登録の手続きは、書類をそろえてIPAに郵送する形です。登録日は年2回で、4月1日登録分は2月15日まで、10月1日登録分は8月15日までが受付期限です(どちらも当日消印有効)*1。

提出する書類は6点あります*5。

表1:情報処理安全確保支援士の新規登録で提出する書類
書類 中身
1. 登録申請書・現状調査票 PDFに入力して印刷。登録免許税の収入印紙と、登録手数料の振込を証明する書類を付ける
2. 誓約書 入力・記入して署名する
3. 合格証書のコピーまたは合格証明書の原本 情報処理安全確保支援士試験のもの
4. 戸籍の謄本・抄本または住民票の写し 市区町村役所等で取得した原本
5. 登録事項等公開届出書 入力・記入して署名する
6. 登録申請チェックリスト 入力・記入して署名し、内容物がそろっているかを確かめる

IPA「新規登録申請」より作成*5。

費用は2つです。登録免許税の9,000円は郵便局などで収入印紙を買って登録申請書に貼り、登録手数料の10,700円はIPAが指定する銀行口座に振り込みます*2。合わせて19,700円で、登録手数料の領収書は登録証に同封して送られてきます。

書類は簡易書留でIPAに送ります。IPAは、書類の到着後1か月程度を目途に、受け取った旨をメールで知らせるとしています。登録日の4月1日または10月1日以降に、登録した住所へ登録証が簡易書留で順次送られます。登録証に書かれた登録番号は、講習を受けるときに必要になります。

IPAは、申請書類の作成に時間がかかった例として、合格証書を失くしていて合格証明書の交付手続きが必要になったケースを挙げ、期日に余裕をもった準備を勧めています。社員の登録を会社が後押しする場合は、受付期限の1か月以上前に声をかけておくと間に合います。

更新と講習

登録には有効期限があります。登録の有効期限は登録日または更新日から3年で、更新の申請は更新期限の60日前までに行う必要があります*6。

更新の申請には、義務付けられた講習を終えていることが条件です。3年の間に、オンライン講習3回と、IPAまたは民間事業者等が行う実践講習1回の計4回をすべて修了している必要があります。毎年1回のオンライン講習と、3年に1回の実践講習という組み立てです。

更新の手数料はかかりません。講習のほうは費用がかかり、オンライン講習は1回2万円、実践講習は受ける講習によって異なります*2。講習受講料は3年分を前払いするのではなく、各講習を受けるたびに支払います。

更新しなかった場合は、更新期限の翌日付で資格が失効します。ただし、更新しなくても試験の合格は有効で、再登録もできるとされています。講習を期限までに受けなかった場合は、経済産業省から資格名称の使用の停止や登録の取消しの処分が命じられることがあります。

直近の期限も告知されています。2024年4月1日、2021年4月1日、2018年4月1日に登録した人は2027年1月30日まで、2024年10月1日、2021年10月1日、2018年10月1日に登録した人は2027年8月1日までに更新の申請をするよう案内されています。

会社として社員の登録を支える場合、IPAは講習受講料を企業単位で申し込み、支払う仕組みを用意しています*3。費用を会社が持つかどうかは、社内の規程で先に決めておくと手続きが止まりません。

登録者は何人いるか

IPAは登録者の人数と内訳を半期ごとに公表しています。2026年4月1日時点の登録者総数は26,453名で、平均年齢は44.3歳でした*7。

年代では40代が35.5%で最も多く、50代26.1%、30代23.7%と続きます。20代は8.4%です。地域別では関東が18,279名で69.1%を占め、近畿11.4%、中部・東海8.9%の順です。この地域の集計は自宅住所の都道府県をもとにしているとされています。

勤務先の業種では、情報処理・提供サービス業が36.2%、ソフトウェア業が22.7%で、合わせて約6割になります。製造業は9.2%、金融・保険業と不動産業は4.0%でした。IT企業に勤める人が多く、事業会社で登録者を探そうとすると、候補はかなり限られます。

企業が登録者を置く利点

登録者を社内に置くことで、企業にはどんな利点があるのでしょうか。IPAは、ITベンダーとユーザ企業に分けて説明しています*8。

ITベンダーの場合は、登録者がいることで顧客の目線からセキュリティの要求を理解しやすくなり、提供するシステムやサービスの信頼性が上がるとしています。自社の登録者の人数を公表したり、プロジェクトに関わる登録者を明示したりすることで、システムやサービスを信頼できる形で提供できることを客観的に示せるという説明です。

入札の要件にも関わります。デジタル庁の「デジタル・ガバメント推進標準ガイドライン実践ガイドブック」の調達仕様書テンプレート例に情報処理安全確保支援士が例示されており、官公需情報ポータルサイトにも登録者の配置が入札要件となる案件が載っているとされています。IPAの資料では、同サイトで「情報処理安全確保支援士」が記載された入札情報は495件(2026年4月27日時点)でした*9。

ユーザ企業の場合は、登録者を社員として置くことで「事業リスク」と「セキュリティ(技術)」がつながり、経営とITが一体となった対策を進められるとしています。システムの調達先やセキュリティの専門会社とも密に連携できるようになるという説明です。

採用の面では、登録者に課される義務も判断の材料になります。登録者には信用失墜行為の禁止、秘密保持、講習受講の3つの義務があり、秘密保持の義務に違反すると一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金が科されます*10。IPAの資料も、厳格な秘密保持義務や信用失墜行為の禁止といった義務を、採用する側にとっての利点として挙げています。

求人票の資格欄の書き方は「エンジニア求人票の書き方と必須14項目」で整理しています。

登録しているかの確かめ方

応募者が登録しているかは、2つの方法で確かめられます。

1つ目は登録証です。登録した人にはカード型の登録証が交付され、登録番号、氏名、生年月日、登録年月日、登録更新回数、更新期限、試験合格年月日などが書かれています*10。IPAは、登録証を見せられたときは更新期限内のものかを確認するよう案内しています*11。2020年4月以前に発行された紙の登録証は無効です*6。

2つ目はIPAの検索サービスです。利用の手続きは要らず、誰でも使えて、登録者の資格保有状況を確かめられます。氏名や連絡先などは、本人の申請に基づいて公開される任意の情報です。

検索サービスには使い道の制限があります。IPAは、このサービスで得た公開情報を広告、宣伝等の目的で使うことを禁止するとしています。候補者を探すリストづくりに流用せず、応募があった人の確認に使うようにします。

選考では、合格と登録を分けて扱うことも大切です。求人票に「情報処理安全確保支援士」とだけ書くと、合格者を求めているのか登録者を求めているのかがあいまいになります。登録者を求めるなら「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」と書き、更新期限まで確かめる流れにしておきます。登録者がすぐに見つからない場合は、体制が整うまでの間だけ、経験のある外部の人材に作業の一部を任せるという選び方もあります。

まとめ:情報処理安全確保支援士の登録で確かめておきたい3つの点

情報処理安全確保支援士の登録で確かめておきたい点は3つです。第一に、合格と登録は別だということです。情報処理安全確保支援士は登録した人だけが名乗れる名称独占資格で、試験に合格しただけでは資格名称を使えません。合格後に登録する期限はなく、登録しなくても合格は無効になりません。第二に、手続きと費用です。登録日は4月1日と10月1日の年2回で、受付期限はそれぞれ2月15日と8月15日です。提出書類は6点で、登録免許税9,000円と登録手数料10,700円の計19,700円がかかります。登録は3年ごとの更新制で、更新には3年間でオンライン講習3回と実践講習1回の修了が必要です。更新手数料はかかりませんが、オンライン講習は1回2万円です。第三に、企業から見た扱いです。IPAは、登録者がいることでシステムやサービスの信頼性を客観的に示せること、入札要件を満たせることなどを利点に挙げています。応募者が登録しているかは、カード型の登録証の更新期限とIPAの検索サービスで確かめられますが、検索サービスの公開情報を広告、宣伝等の目的で使うことは禁止されています。

LASSICに相談するメリット

任せる作業が決まったら、次はその作業を担う人をどこで探すかを決めることになります。

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よくある質問

情報処理安全確保支援士の登録にはいくらかかりますか。

登録免許税9,000円と登録手数料10,700円の計19,700円です。登録免許税は収入印紙を買って登録申請書に貼り、登録手数料はIPAが指定する銀行口座に振り込んで、その証明書類を登録申請書に貼り付けます。登録後の更新には手数料はかかりませんが、毎年の講習の受講料がかかり、オンライン講習は1回2万円です。

試験に合格してから登録するまでに期限はありますか。

ありません。IPAのよくある質問では、登録の期限はなく、登録しないことで試験の合格が無効になることもないとしています。ただし、登録しないと「情報処理安全確保支援士」の名称は使えません。登録日は4月1日と10月1日の年2回で、受付期限はそれぞれ2月15日と8月15日(当日消印有効)です。

登録したあとに更新は必要ですか。

必要です。登録の有効期限は登録日または更新日から3年で、更新期限の60日前までに更新の申請をします。申請には、オンライン講習3回と実践講習1回の計4回をすべて修了していることが条件です。更新しなければ更新期限の翌日付で資格が失効しますが、試験の合格は有効なままです。

応募者が登録しているかはどう確かめますか。

カード型の登録証とIPAの検索サービスの2つで確かめられます。登録証には登録番号や更新期限などが書かれており、IPAは更新期限内のものかを確認するよう案内しています。2020年4月以前に発行された紙の登録証は無効です。検索サービスは手続き不要で誰でも使え、資格保有状況を確かめられます。

検索サービスの情報をスカウトに使ってよいですか。

IPAは、検索サービスで得た公開情報を広告、宣伝等の目的で使うことを禁止するとしています。氏名や連絡先などは、登録者本人の申請に基づいて公開されている任意の情報です。候補者リストの作成や勧誘には使わず、応募があった人の確認にとどめるのが無難です。

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出典

  1. *1 参考:IPA「登録するには」(最終更新2025年12月2日)(https://www.ipa.go.jp/jinzai/riss/touroku/to-register.html)。登録日が年2回(4月1日・10月1日)であること、受付期限(2月15日・8月15日、当日消印有効)、申請書類の作成に時間がかかった例の一次情報として(2026年10月確認)
  2. *2 参考:IPA「情報処理安全確保支援士 よくあるご質問」(https://www.ipa.go.jp/jinzai/riss/faq.html)。登録期限が無いこと、登録しなくても合格は無効にならないこと、名称使用の罰金、登録免許税9,000円と登録手数料10,700円、オンライン講習2万円、受講料の支払い時期、失効と合格の扱い、講習未受講の処分の一次情報として(2026年10月確認)
  3. *3 参考:IPA「企業・組織での資格活用を検討する方へ」(最終更新2025年8月4日)(https://www.ipa.go.jp/jinzai/riss/katsuyou/kigyou.html)。国家資格としての位置づけと創設の経緯、法第三条の定義、講習受講料の企業単位での申込み・支払いの一次情報として(2026年10月確認)
  4. *4 参考:IPA「登録資格を取得するには」(最終更新2025年6月19日)(https://www.ipa.go.jp/jinzai/riss/touroku/tetsuzuki.html)。登録資格が試験合格で得られること、大臣認定と試験全部免除による取得ルートの一次情報として(2026年10月確認)
  5. *5 参考:IPA「新規登録申請」(最終更新2026年9月11日)(https://www.ipa.go.jp/jinzai/riss/formlist/new-request.html)。提出書類6点、簡易書留での送付、到着後1か月程度のメール連絡、登録証の送付と登録番号の用途の一次情報として(2026年10月確認)
  6. *6 参考:IPA「登録セキスペ 更新について」(最終更新2026年10月1日)(https://www.ipa.go.jp/jinzai/riss/forriss/koushin.html)。有効期限3年、60日前までの申請、講習4回の修了要件、更新手数料、2027年1月30日・2027年8月1日の期限、紙の登録証の無効の一次情報として(2026年10月確認)
  7. *7 参考:IPA「情報処理安全確保支援士登録者について(2026年4月1日時点)」(公開日2026年4月15日)(https://www.ipa.go.jp/jinzai/riss/reports/data/20260401allriss.html)。登録者総数、平均年齢、年代別・地域別・業種別の内訳の一次情報として(2026年10月確認)
  8. *8 参考:IPA「ITベンダーとユーザ企業・組織 それぞれのメリット」(最終更新2025年11月27日)(https://www.ipa.go.jp/jinzai/riss/katsuyou/benefits.html)。ITベンダーとユーザ企業それぞれの利点、調達仕様書テンプレート例への例示と入札要件の一次情報として(2026年10月確認)
  9. *9 参考:IPA「国家資格『情報処理安全確保支援士』制度の仕組みについて」(PDF)(https://www.ipa.go.jp/jinzai/riss/ps6vr70000019c29-att/ps6vr70000019c2i.pdf)。所属組織のメリット(採用面の利点)、官公需情報ポータルサイトの入札情報495件(2026年4月27日時点)の一次情報として(2026年10月確認)
  10. *10 参考:IPA「登録セキスペの権利と義務」(最終更新2026年9月17日)(https://www.ipa.go.jp/jinzai/riss/touroku/rights-obligations.html)。登録証の記載事項、3つの義務と秘密保持義務違反の罰則の一次情報として(2026年10月確認)
  11. *11 参考:IPA「登録セキスペを探すなら『検索サービス』」(https://www.ipa.go.jp/jinzai/riss/katsuyou/kensaku.html)。検索サービスの利用条件、任意公開情報、広告・宣伝目的の利用禁止、登録証の更新期限確認の一次情報として(2026年10月確認)




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