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2026.09.29 採用支援コラム

外部人材活用を採用難のつなぎにするとき決める4つのこと




監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論

  • 採用難の間は、採用が決まるまで待てない作業だけを、作業名・期間・成果物で書いて外部人材に任せます。
  • 採用が決まるまでの外部人材との契約には、採用の進み具合を確かめる見直しの日と、契約を終える日を先に決めておきます。
  • 採用が決まったら、作業の記録と一緒に、任せていた仕事を採用した人へ引き継ぎます。

※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

求人を出して数か月たつのに、任せたい経験を持つ人からの応募がない。採用が決まるまで、開発の予定を後ろにずらし続けるしかないのか——。エンジニアの中途採用では、こうした悩みがよく聞かれます。労働政策研究・研修機構(JILPT)の2024年の調査でも、IT技術者を中途採用しているIT企業の78.4%が「求める能力の人材を確保できない」ことを課題に挙げました。*1 採用難のつなぎとしての外部人材活用とは、正社員の採用が決まるまでの間、業務委託などで社外の専門人材に開発の作業を担ってもらい、採用した人にその仕事を引き継ぐやり方です。

期限の決まった開発を止めずに済む点で、使いどころのあるやり方です。ただし万能ではなく、期間と引き継ぎを決めずに始めると、つなぎのはずの契約が長引き、仕事の中身が社内に残らないこともあります。本記事では、開発の現場を預かるマネージャーに向けて、採用が長引く背景、つなぎに向いている仕事と向いていない仕事、進め方、つまずきやすい点、そして外部に委託するときに確認したい点を整理します。

白い机の上に電源の入っていないモニターと鉛筆立てが置かれ、黒い椅子が引かれたままになっている。壁は緑と灰色で、人は写っていない

採用難のつなぎとは

つなぎで社外の人に頼む形は、大きく3つに分かれます。1つ目は、業務委託の契約で、フリーランスなど個人の専門人材に決まった作業を任せる形です。2つ目は、人材派遣で来てもらった人に、自社の指示のもとで作業してもらう形です。3つ目は、IT企業と契約して、開発の作業をその会社のチームにまとめて引き受けてもらう形です。どの形でも、正社員を雇うのとは違い、契約で決めた期間と作業に限って加わってもらうことになります。

IT企業も、社員を育てたり採用したりするだけでIT技術者をそろえているわけではありません。JILPTの調査でIT企業に確保の方法を聞くと、「自社社員の育成・配転」が68.4%、「社外からの中途採用」が66.0%で、「IT企業との契約を通じて」が25.1%、「人材派遣の活用」が15.8%でした(複数回答)。*1 4社に1社は、社外の会社との契約でもIT技術者を確保していることになります。

つなぎとしての外部人材活用が、ずっと社外に頼み続ける使い方と違うのは、終わりを先に決めておく点です。採用が決まったらその人に仕事を引き継ぐ前提で、契約の期間と作業を決めます。この前提がないと、採用が決まったあとも同じ人に頼み続け、社員が担うはずだった仕事を社外の人が持ち続けることになります。

なぜ採用が長引くのか

JILPTの「「デジタル人材」の能力開発・確保をめぐる企業の取り組みに関する調査」は、2024年1月から3月に郵送で実施されました。対象は、従業員30人以上の情報サービス業・インターネット付随サービス業の企業(以下、IT企業)と、情報通信業などを除く従業員100人以上の企業(以下、IT企業以外)で、回答はIT企業215社、IT企業以外347社です。*1 このうち中途採用をしている企業に、その課題を尋ねています。

IT企業142社では「求める能力の人材を確保できない」が78.4%で最も多く、「人材確保の競争が年々激しくなっている」66.2%、「必要な採用者数を確保できない」61.9%と続きます。*1 IT企業以外で、デジタル関連の人材を中途採用している84社でも、最も多いのは「求める能力の人材を確保できない」64.3%で、次が「人材確保の競争」と「必要な採用者数」のともに60.7%でした。*1 2つのグループは業種も規模の条件も違うので、割合の差はそのまま比べられません。

IT技術者・デジタル人材の中途採用の課題を、IT企業142社とIT企業以外84社で比べた横棒グラフ。求める能力の人材を確保できないはIT企業78.4%・IT企業以外64.3%、人材確保の競争が年々激しくなっているは66.2%・60.7%、必要な採用者数を確保できないは61.9%・60.7%、賃金が上昇しているは45.3%・51.2%、採用後、会社や仕事に合わないことがあるは19.4%・21.4%、採用活動に時間と手間がかかり過ぎるは18.7%・14.3%。出典はJILPT 調査シリーズNo.254の図表3-3-8と図表2-3-9。

目を引くのは、「採用活動に時間と手間がかかり過ぎる」を挙げた企業が、IT企業で18.7%、IT企業以外で14.3%にとどまることです。*1 選考の手続きが遅いことよりも、求める経験を持つ人が見つからないことのほうが、多くの企業で課題になっています。面接の日程を詰めても、採用が決まるまでの期間はあまり縮まらないかもしれません。採用が決まるまでの間の開発の作業をどうするかを、採用の進め方とは別に考えておく必要があるのはこのためです。

IT企業に自社の確保の状況を聞いた設問では、IT技術者について「必要な人材を確保できていない」と答えた企業が78.1%で、「必要な人材は十分に確保できている」は13.5%でした。*1 採用を続けていても、必要な人数と経験がそろわないまま開発を進めている会社が多いことが分かります。

向いている仕事・向いていない仕事

つなぎに向いているのは、作業の中身と終わりが決まっている仕事です。たとえば、既存システムの画面の改修、テストの設計と実施、古いサーバーから新しい環境へのデータの移行などがこれに当たります。何ができあがれば終わりかを書けるので、期間を決めて頼みやすく、採用した人に渡すときも、できあがったものと作業の記録を見せながら説明できます。

向いていないのは、採用する人に将来受け持ってもらいたい判断そのものです。システム全体の設計の方針を決める、どの機能から作るかを決める、利用部門との調整に責任を持つ——こうした仕事をつなぎの期間に社外の人が決めてしまうと、採用した人は、決まった理由を知らないまま結果だけを引き継ぐことになります。

この2つの間にある仕事は、判断と作業に分けて考えます。方針を決めるのは社内の人が受け持ち、決めた方針にもとづく作業を外部人材に任せます。社内に方針を判断できる人がいない場合は、外部人材の意見を聞いたうえで社内の担当者が決め、何をなぜ決めたのかを記録しておくと、あとで採用した人に説明しやすくなります。

どう進めるのか

採用難の間のつなぎは、次の4つを決めてから始めると進めやすくなります。

  • 採用で埋めたい役割と、つなぎで任せる作業を分ける
  • 任せる作業を、作業名・期間・成果物で書く
  • 採用の進み具合を確かめる見直しの日を決める
  • 採用した人への引き継ぎのしかたを決める

1つ目は、役割と作業を分けることです。採用したい人に任せる予定の仕事を書き出し、そのうち採用が決まるまで待てない作業だけを、つなぎの対象にします。待てる作業まで頼んでしまうと、採用した人が加わったときに、任せるはずだった仕事が残っていないこともあります。

2つ目は、任せる作業を書くことです。「受注画面の入力項目の追加を、設計からテストまで2か月で。成果物は画面の設計書、プログラム、テストの結果」——このくらいまで書けていれば、声をかける相手も、求める経験も決まります。書けない作業は、まだ社内で中身が決まっていない作業なので、先に社内で決めておきます。

3つ目は、見直しの日を決めることです。選考がどこまで進んだかを確かめる日を、つなぎの契約期間の中に置いておきます。内定が出ていれば、入社日から逆算して引き継ぎの期間を決めます。採用が進んでいなければ、契約を延ばして作業を追加するか、求人の条件を見直すかを、その日に決めます。

4つ目は、引き継ぎのしかたを決めることです。作業の記録と設計書を社内のどこに置くかを契約の前に決め、入社した人と外部人材が一緒に作業する期間を設けておくと、書類だけでは伝わらない作業の手順も、外部人材から入社した人へ説明してもらえます。

つまずきやすい点

一つ目は、見直しの日を決めずに始めることです。採用が進まないまま契約の延長だけが続き、いつ社員に引き継ぐのかが決まらなくなります。つなぎとして頼むのであれば、終える日と見直す日を最初に決めておきます。

二つ目は、採用の条件を下げて早く決めようとすることです。調査で最も多かった課題は「求める能力の人材を確保できない」でした。*1 採用を急いで条件を下げると、任せたい仕事をこなせる人が結局社内にいない、ということになりかねません。つなぎの期間があれば、条件を保ったまま選考を続けられます。

三つ目は、作業の記録を残してもらわないことです。つなぎの期間に作られたプログラムや設定の理由を外部人材しか知らないと、採用した人は一から調べ直すことになります。何をどこに記録するかを、作業を始める前に決めて伝えておきます。

外部に委託するときに確認しておきたい点

契約の形によって、日々の作業を誰が指示するかが変わります。人材派遣では派遣先の会社が作業を指示しますが、業務委託では、決めた作業と成果物について相手が自分の判断で進めるのが基本です。つなぎの期間に、社内の担当者がどこまで細かく指示したいのかを考えて、契約の形を選びます。

期間については、延長の扱いを先に確かめておきます。採用が予定より長引いたときに同じ人に続けてもらえるのか、次の契約をいつまでに決めればよいのかを聞いておくと、見直しの日に慌てずに済みます。あわせて、採用した人と一緒に作業する期間を設けられるか、その期間の作業も契約に含めるのかも確かめておきます。

欠員が出た直後に決めることは「開発要員の欠員発生、初動の数日で決める4つのこと」で、応募が集まらないときの求人条件の見直し方は「エンジニア採用が応募不足で採用できない理由と、求人条件の見直し方」で扱っています。業務委託の要員が離任するときの引き継ぎは「業務委託エンジニアの離任で引き継ぎが漏れる理由と防ぎ方」にまとめました。

まとめ:採用難のつなぎで確かめておきたい3つの点

外部人材活用を採用難のつなぎに使ううえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、採用で埋めたい役割と、採用が決まるまで待てない作業を分け、待てない作業だけを作業名・期間・成果物で書いて任せること。第二に、採用の進み具合を確かめる見直しの日と、つなぎを終える日を、契約の期間の中に決めておくこと。第三に、作業の記録の置き場所と、採用した人と一緒に作業する期間を決め、仕事の中身を社内に残すことです。この3点を踏まえておけば、「採用は決まったのに、仕事の中身を知っているのは社外の人だけ」という事態を避けやすくなります。任せる作業の書き出し方や契約の形に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

つなぎで任せる作業と期間が決まれば、求める経験の条件も決まります。画面の改修を設計からテストまで2か月、データの移行を3か月——このくらいまで書けていれば、その作業の経験を持つ専門人材を探せます。採用で探している正社員の候補者と並べて、正社員の採用と外部人材のどちらで進めるかを比べることもできます。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

つなぎの期間は、どれくらいを見込めばよいですか

JILPTのこの調査は、中途採用が決まるまでにかかる期間を示していません。自社で過去に中途採用をしたときに、求人を出してから入社までにかかった期間をもとに見込み、契約の途中に見直しの日を置いておくのが現実的です。

つなぎで来てもらった人を、そのまま社員として採用できますか

本人が望み、契約で禁じられていなければ、あり得ます。業務委託や派遣の契約には、契約相手の会社を通さずに直接雇うことについての取り決めが置かれている場合があるので、声をかける前に契約の内容を確かめます。

社員の少ない会社でも、つなぎの考え方は使えますか

使えます。JILPTの調査では、IT企業のうち「必要な人材を確保できていない」と答えた割合は、社員49人以下の企業で87.5%と、規模のより大きい企業より高くなっています。*1 少人数のチームほど、1人が足りないだけで止まる作業が多くなるので、待てない作業を先に書き出しておくと役に立ちます。

外部人材とのやり取りは、社内の誰が受け持てばよいですか

採用した人が加わる予定のチームのリーダーが受け持つのがおすすめです。任せる作業を決めた人がそのまま窓口になれば、進み具合の確認と、採用した人への引き継ぎを同じ人が見られます。

採用が決まるまでの作業を相談したいとき

つなぎで任せる作業と期間の書き出しからご相談いただけます。採用を続けるか、外部に委託するかを決めきれていない段階でも構いません。

Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

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出典

  1. *1 参考:労働政策研究・研修機構 調査シリーズNo.254「「デジタル人材」の能力開発・確保をめぐる企業の取り組みに関する調査」(PDF)(https://www.jil.go.jp/institute/research/2025/documents/0254.pdf)。出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構(2025年3月)。調査の概要(2024年1月26日〜3月21日に郵送で実施、デジタル人材調査347社・IT企業調査215社が回答)、図表3-3-4(IT技術者の確保方法)、図表3-3-8(IT技術者の中途採用における課題、中途採用を実施している142社)、図表2-3-9(デジタル技術の活用を支える人材を中途採用する場合の課題、84社)、IT企業の確保状況の評価(本文)を参照。図は資料の数値をもとに作成(2026年9月確認)
  2. *2 参考:労働政策研究・研修機構 調査シリーズNo.254(https://www.jil.go.jp/institute/research/2025/254.html)。報告書の公表ページ。発行年月と調査の目的の確認として(2026年9月確認)




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