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2026.10.16 採用支援コラム

エンジニアの経歴詐称を見抜く方法|資格・職歴・実力の確認の進め方

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

面接で経歴書を指す面接官と、ノートの構成図を説明する候補者の手元

この記事の結論

  • 経歴やスキルシートの盛りは、資格・職歴・実力の順に確かめる内容を分け、それぞれに合う手段を当てます。
  • 資格は原本や公的な登録簿で、職歴は本人の同意を得た確認で、実力は技術面談と小さな作業から始める試用で確かめます。
  • 確かめる範囲は任せる仕事に必要な項目に絞り、外部人材の契約では経歴の記載が事実どおりであることを書き添えます。

※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

応募者の履歴書や外部エンジニアのスキルシートを読んでいて、「この経験年数と担当範囲は本当だろうか」と引っかかる。入社や参画が決まったあとで、書いてあった作業をこなせないと分かる——。人を確保する側が避けたい食い違いです。

盛りをすべて見抜くことはできませんが、確かめられる事柄と確かめにくい事柄を分けて手段を順に当てれば、食い違いを早く見つけやすくなります。本記事では、情報処理推進機構(IPA)と厚生労働省の資料をもとに、資格の照会、職歴の確認、技術面談、試用やお試し期間の4つを整理します。

経歴詐称と盛りの違いとは

「経歴詐称」は、履歴書や職務経歴書、スキルシートに事実と違うことを書く行為を指す言い方です。本記事では、明らかな偽りと、事実を大きく見せる書き方の両方を「盛り」と呼びます。

  • 事実と違う記載:持っていない資格、在籍していない会社、実際と違う在籍期間
  • 事実を大きく見せる記載:チームの一員だったのに「設計をリード」と書く、少し触っただけの技術を「経験あり」と書く
  • 悪気のないずれ:年数の数え方の違い、案件名の書き方の違い

経歴の偽りが分かったあとの扱い、たとえば採用の取り消しや契約の解除が認められるかは、偽りの内容や仕事との関係で判断が分かれるため、扱いません。ここで扱うのは、見つける手前の確かめ方です。契約書や就業規則とあわせて、人事・労務の担当者や専門家に確かめてください。

確かめられるものと確かめにくいもの

確かめ方は、書いてある内容の種類で変わります。資格は窓口で確かめられますが、技術の深さは、実際にやってもらうまで分かりにくいものです。

経歴やスキルシートの盛りを確かめる4つの手段を並べた図。1つ目は資格の照会で、持っているかを合格証書などの原本や登録簿で確かめるが、実力までは分からない。2つ目は職歴の確認で、在籍が本当かを本人の同意を得た前職への確認で確かめるが、担当の細部は分かりにくい。3つ目は技術面談で、自分でやったかを経験の具体的な聞き取りで確かめるが、話す力に左右される。4つ目は試用やお試し期間で、実際にできるかを小さな作業から始めて確かめるが、期間と範囲が限られる。事実は前半の2つで、実力は後半の2つで確かめる。

記載の内容と、確かめ方・確かめやすさの比べ方
記載の内容 確かめ方 確かめやすさ
資格・学歴 合格証書などの原本、公的な登録簿 窓口があり、確かめやすい
在籍した会社と期間 本人の同意を得た前職への確認 協力が得られれば確かめられる
担当した役割と範囲 技術面談で具体的に聞く 話の中身から判断する
技術の深さ 面談、短い実技、試用やお試し 任せてみるまで分かりにくい

確かめやすい項目から順に当てるのが基本です。確かめる項目は、任せる仕事に必要なものに絞ります。必要のない項目まで聞くと、あとで述べる「聞かないこと」に触れるおそれもあります。

確かめにくい項目は、最初は小さな作業から頼み、様子を見て範囲を広げることで、盛りがあったときの影響を小さくできます。

資格の有無を確かめる方法

資格は、窓口がある分、いちばん確かめやすい項目です。情報処理技術者試験(基本情報技術者など)の合格は、合格証書または合格証明書の原本を本人から提示してもらい確認するよう、IPAが企業に案内しています。*1 原本を複写すると紙面に「複製」の文字が現れる加工が、合格証書は平成13年度秋期試験の分から、合格証明書は平成13年10月から入っています。*1 コピーや画像だけで判断せず、原本を見せてもらいます。

木目の机に、クリアホルダーから出した厚手の証書用紙と白いコピー用紙が並ぶ

合格証書は再発行できません。*2 なくした人は、申請して交付される合格証明書で示すことになります。*2

資格の種類ごとの確かめ方と注意点
資格 確かめ方 注意点
情報処理技術者試験の合格 合格証書または合格証明書の原本を見せてもらう コピーや画像だけで判断しない
情報処理安全確保支援士 IPAの検索サービスで登録の有無を調べる。登録番号を本人に聞く 氏名は任意の公開項目で、見つからなくても未登録とは決められない
民間企業の認定資格 発行元が示す確認方法に従う 確認の窓口や番号の有無は資格ごとに違う

情報処理安全確保支援士は、IPAの検索サービスで登録情報を調べられます。登録番号や登録年月日などは公開が必須の項目で、氏名や勤務先は本人の同意を得て載せる項目です。*3 氏名で見つからないときは、登録番号を本人に聞いて調べます。登録の仕組みは「情報処理安全確保支援士の登録と更新|合格だけでは名乗れない理由」にまとめています。

資格は持っている証明で、実務で使える証明ではありません。資格欄の読み方は「外部エンジニアのスキル確認、スキルシートは技術名より作業で読む」で扱っています。

職歴と経験を確かめる方法

職歴は、在籍した会社と期間、担当した役割の2つに分けて確かめます。前職への問い合わせは、リファレンスチェックと呼ばれます。厚生労働省は、採用選考時に配慮すべき事項の中に、身元調査の実施を挙げています。*4 身元調査には、真偽の分からない情報や風評が入り込みやすいためです。*5

職歴の問い合わせは、応募者本人が推薦者を指定し、同意を得たうえで、仕事に関わる事実だけに絞ります。同意の取り方や質問の範囲は「前職の働きぶりを聞きたい|リファレンスチェックと身元調査」で扱っています。

  • 聞いてよいこと:在籍した期間、担当した役割と仕事の内容、仕事の進め方
  • 聞かないこと:本籍・出生地、家族のこと、宗教や支持政党など、仕事の適性と関係のない事柄(厚生労働省が挙げる14事項)*4

面接の雰囲気を和らげようとして家族のことを聞いてしまう例が多いと、厚生労働省は注意を促しています。*4 聞く項目は事前に決めておきます。

業務委託やフリーランスの候補では、取引先への問い合わせが難しいことが多くあります。その場合は、スキルシートの案件ごとの期間と役割を、本人に時系列で説明してもらいます。

  • 案件の期間が重なっていないか
  • 役割が、案件ごとに急に大きくなっていないか
  • 使った技術が、案件の内容と合っているか

これらは説明を求めるきっかけです。うまく説明できなくても、すぐに盛りと決めつけず、面談で聞き直します。

技術面談と試用で実力を確かめる

資格と職歴で事実を確かめたあとに残るのは、「実際にどこまでできるか」です。技術面談と、試用やお試し期間で確かめます。面談では、経験を次のように分けて聞きます。

夕方の面談室で、机をはさんで2脚の椅子が向かい合い、開いたノートとペンと水のグラスがある

  • 本人が担当した部分と、チームで進めた部分を分けて聞く
  • 技術を選んだ理由と、ほかに考えた選択肢を聞く
  • うまくいかなかったことと、そこからやり方を変えた点を聞く
  • 同じ内容を、概要と細部の2回に分けて聞く

質問の例や過去の成果物の見方は「外部エンジニアのスキル確認|面談で聞くべきポイント」にまとめています。

実力の確かめ方と、それぞれの限界
手段 見るところ 限界
技術面談 担当範囲の具体性、説明の筋道 話す力の高い人が有利になる
短い実技・課題 手を動かす様子、考え方 時間がかかり、本人の負担になる
試用・お試し期間 実際の作業の質と、やり取りの仕方 期間と任せる範囲が限られる

面談は話が上手な人に有利に働くため、短い実技や、本人が権利を持つ成果物の確認で補います。最後は実際に任せてみるのが確実で、社員なら試用期間があります。考え方は「試用期間とは何を見る期間か、設計と運用」で扱っています。業務委託なら、最初は範囲の小さな作業から始めて、成果物とやり取りを見たうえで範囲を広げます。

試用やお試しの途中で食い違いが見つかったときの扱いは、労務や契約の判断が関わります。始める前に、人事や専門家に確かめておきます。

外部人材に頼むときの確認点

外部人材では、履歴書の代わりにスキルシートが渡されます。確認の方法は、契約の前に決めておきます。

  • 確認の順番を決める:資格、職歴の説明、技術面談の順に進め、何をもって合格とするかを書いておく
  • 紹介元がある場合は、紹介元がスキルシートの内容をどこまで確認していて、何を確認していないかを聞く
  • 契約書に、経歴やスキルシートの内容が事実どおりであること、相違が分かったときの見直しや終了の条件を入れる(書き方は法務や専門家に確かめる)
  • 最初の作業は範囲を小さくし、終わったと言える基準を決める
  • 確認で得た個人の情報は、人材を確保する目的の範囲で扱い、関係者以外に広げない

確認は、任せる仕事に必要な範囲で行います。候補者には、何をなぜ確認するのかを先に伝え、同じ手順をどの候補者にも当てます。

まとめ:盛りを確かめる3つの点

経歴やスキルシートの盛りを確かめるうえで押さえたい点は3つです。第一に、記載を資格・職歴・実力に分け、確かめやすいものから順に手段を当てること。第二に、資格は原本や公的な登録簿で、職歴は本人の同意を得た確認で、実力は技術面談と小さな作業から始める試用で確かめること。第三に、確かめる範囲を任せる仕事に必要な項目に絞ることです。外部人材の契約には、経歴の記載が事実どおりであることを書き添えます。

LASSICに相談するメリット

確かめる項目と、任せる仕事の範囲が決まったら、次は人を探す段階です。業務委託で開発に加わる専門人材も、リモートワークの社員の候補者も、探しながらご相談いただけます。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

履歴書やスキルシートの記載は、すべて確かめるべきですか

任せる仕事に必要な項目に絞ります。資格が必須の仕事なら資格を原本で確かめ、本籍や家族のように仕事の適性と関係のない事柄は聞きません。

前職に電話で問い合わせて確かめてもよいですか

応募者に黙って問い合わせるのは避けます。厚生労働省は身元調査を配慮すべき事項に挙げています。本人が推薦者を指定し、同意を得て、仕事に関わる事実に絞って聞きます。*4

スキルシートの盛りは、面談だけで見抜けますか

面談だけでは、話す力に左右されます。本人が権利を持つ成果物の確認や短い実技を足し、最初は小さな作業から任せて、実際の作業を見て確かめます。

経歴の確認を含めて、人の確保を相談したいとき

任せたい仕事と、確かめたい項目が分かっていれば、そのままご相談いただけます。業務委託にするか社員で探すかを決めきれていない段階でも構いません。

Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

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出典

  1. *1 参考:情報処理推進機構(IPA)「合格証書、合格証明書に関するご注意」(https://www.ipa.go.jp/shiken/goukaku/goukakushousho.html)。出典:IPA 情報処理技術者試験の合格証書等の注意。合格者であることを確認する場合は原本を本人から提示させるよう依頼していること、複写すると「複製」の文字が現れる加工の開始時期(合格証書は平成13年度秋期試験から、合格証明書は平成13年10月から)を参照(確認日2026年10月16日)(2026年10月確認)
  2. *2 参考:情報処理推進機構(IPA)「合格証明書の交付手続き」(https://www.ipa.go.jp/shiken/goukaku/shinsei_01.html)。出典:IPA 合格証書は再発行できないこと、合格証明書は合格者の申請によりIPAが交付することを参照(確認日2026年10月16日)(2026年10月確認)
  3. *3 参考:情報処理安全確保支援士検索サービス 利用規約(IPA)(https://riss.ipa.go.jp/terms)。出典:IPA 利用規約第2条(必須公開項目・任意公開項目)、第5条(広告・宣伝目的の利用の禁止)、第6条(情報の評価と活用は利用者の責任)を参照(確認日2026年10月16日)(2026年10月確認)
  4. *4 参考:厚生労働省「公正な採用選考をめざして」採用選考時に配慮すべき事項(https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/consider.html)。出典:厚生労働省 就職差別につながるおそれがある14事項(本人に責任のない事項、本来自由であるべき事項、身元調査などの採用選考の方法)と、面接で家族に関する質問が多い旨の注意を参照(確認日2026年10月16日)(2026年10月確認)
  5. *5 参考:厚生労働省「公正な採用選考をめざして」よくある質問(https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/question.html)。出典:厚生労働省 Q&A「身元調査をなぜ実施してはいけないのでしょうか」の回答(真偽の不明な情報や風評が入り込むこと)を参照(確認日2026年10月16日)(2026年10月確認)




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