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2026.10.16 採用支援コラム

エンジニアの離職率の比べ方|情報通信業の統計と自社の数字の見方

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

机に置いた棒グラフの紙の1本を、後ろ向きの人物が鉛筆で指し示す手元

この記事の結論

  • 情報通信業の一般労働者の離職率は2025年で10.0%と、全産業の11.4%より低く、他業種より高いとは言えません。
  • この数字は職種ではなく産業の値なので、自社の数字は期首の人数を分母にして同じ式で出し、揃えてから並べます。
  • 抜けた人の仕事は、期間の決まった穴を外部人材、長く持つ役割を社員採用と分けて埋めます。

※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

「エンジニアは辞めやすい」と言われますが、数字で確かめたことのある人は多くありません。厚生労働省の令和7年雇用動向調査では、情報通信業の一般労働者の離職率は10.0%、全産業の一般労働者は11.4%でした。*2 情報通信業は全産業より1.4ポイント低く、この数字だけでは、エンジニアが他業種より辞めやすいとは言えません。

ただし、この数字はエンジニアという職種の離職率ではなく、情報通信業という産業の離職率です。本記事では、エンジニアを抱える企業の開発責任者や人事の方に向けて、統計の読み方、自社の離職率の出し方、並べるときに揃える点、抜けた人の埋め方を整理します。離職の理由は人によって違うため、ここでは決めつけません。

エンジニアの離職率の統計とは

厚生労働省の「雇用動向調査」は、5人以上の常用労働者を雇う約15,000事業所に、毎年、入職と離職の状況を尋ねる調査です。*1 産業ごとの離職率が公表されていて、エンジニアが多く働く産業として見られるのは情報通信業です。ただし、この概況には、エンジニアという職種だけの離職率は載っていません。*1

  • 分かる:産業ごとの離職率(情報通信業の一般労働者は10.0%)
  • 分かる:入職率や、前の年との差
  • 分からない:エンジニアという職種だけの離職率
  • 分からない:自社と同じ人数のチームの離職率

離職率は、1年間の離職者数を、1月1日現在の常用労働者数で割った割合です。離職者は、事業所を退職した人や解雇された人で、他の企業への出向者を含み、同じ企業の別の事業所への転出者は含みません。*1 一般労働者は、常用労働者のうちパートタイム労働者以外の人を指します。*1

他業種と比べた情報通信業の位置

令和7年(2025年)の一般労働者の離職率を高い順に並べると、情報通信業の10.0%は16産業のうち6番目で、学術研究,専門・技術サービス業と同じ値です。*2 全産業の11.4%より1.4ポイント低く、いちばん高い宿泊業,飲食サービス業の21.5%の半分に届きません。*2

書類キャビネットの引き出しから、無地の白いファイルを1冊引き抜く後ろ姿の担当者

  • 離職率(2025年):情報通信業10.0%、全産業11.4%*1
  • 離職率(2024年):情報通信業9.8%、全産業11.5%*1
  • 入職率(2025年):情報通信業13.1%、全産業12.0%*1

情報通信業と産業計の一般労働者について、離職率と入職率を2024年と2025年で並べた横棒グラフ。離職率は2025年が情報通信業10.0%、産業計11.4%、2024年が情報通信業9.8%、産業計11.5%。入職率は2025年が情報通信業13.1%、産業計12.0%、2024年が情報通信業11.0%、産業計11.8%。出典は厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」付属統計表2-2。

情報通信業は、入職率が離職率を3.1ポイント上回りました。*1 辞める人が少ないというより、入る人が辞める人より多い産業です。前の年と比べた離職率の上がり幅は0.2ポイントで、年による動きは大きくありません。*1

自社の離職率を出す手順

自社の数字は、全国の数字と同じ式で出さないと並べられません。次の順に数えます。

空いた席の机に、無地のカードを入れたトレーと有線ヘッドセットを用意する手元

  • 期間を決める:暦年か年度の1年間
  • 分母は期間の初日の人数:途中で入社した人は分母に入れない
  • 分子は期間中の離職者:退職した人と解雇した人。出向は含め、社内の別拠点への異動は含めない
  • パートタイム労働者は分けて数える:全国の10.0%は一般労働者の値
  • 割った値に100を掛ける
人数と離職者数から出す離職率の例
年初の人数 1年間の離職者 離職率
10人 1人 10.0%
10人 2人 20.0%
40人 4人 10.0%

10人のチームでは、離職者が1人増えるだけで離職率が10ポイント動きます。人数の少ないチームの率は、全国の値と並べて良し悪しを決めるものではありません。小さなチームでは、率より、何人がどの時期に抜けたかを見ます。

全国の数字と並べるときに揃える点

式をそろえたあとも、並べる相手の数字の中身が自社と違うことがあります。比べる前に、次の4点を確かめます。

全国の数字と自社の数字を並べるときに揃える点
揃える点 全国の数字 自社で確かめること
産業 情報通信業の事業所で働く人の値 製造業や金融業などの会社で働くエンジニアは、別の産業の値に入る
契約の形 全産業で、期間の定めなしは10.9%、定めありは22.4%*1 期間の定めのある契約の人が多いと、率の水準そのものが違う
年 2025年の1年間。情報通信業は前の年が9.8%、この年が10.0%*1 1年だけでなく、2〜3年を並べて見る
事業所の規模 5人以上の常用労働者を雇う事業所*1 小さな会社は人数を見る(前節)

自社の率が10.0%を上回っても、すぐに問題とは言えません。上回ったときに調べるのは、どの職種のどの年次の人が抜けたか、抜けた人の仕事が引き継げているか、の2点です。離職の理由は人によって違うため、数字から決めつけず、面談などで本人の話を聞いて確かめます。

入社後の面談のしかたは「エンジニア中途採用の早期離職を防ぐ面談、効果が見えにくい理由」で、新卒の3年以内離職率の読み方は「自社の離職率と比べたくなる、新卒3年以内離職率の正しい読み方」で扱っています。

抜けた人を埋める手段の選び方

離職率が平常の幅に収まっていても、1人抜ければ、その人の役割に空きはできます。埋め方は、仕事の長さと中身で分けて考えます。

抜けた人を埋める手段と、向く仕事の比べ方
手段 向く仕事 気をつける点
残るメンバーの分担 数週間で終わる穴 長引くと負荷が偏る。1人ずつの仕事量を数えてから決める
外部人材(業務委託・フリーランス) 期間の決まった開発や保守、手順を書き出せる仕事 契約の期間と範囲、渡す権限の範囲を決める
社員採用(リモート勤務の社員を含む) 設計の判断など、長く持つ役割 入社の時期は応募次第で、約束できない

外部人材に頼むときは、依頼の前に次の点を決めておきます。

  • 任せる作業の範囲と、終わったと言える基準
  • 渡すアカウントと権限の範囲、使わなくなったときの削除の手順
  • 資料の無い部分を読み込む期間と、質問できる社内の窓口

権限の渡し方は「業務委託エンジニアの受け入れ時の権限管理、付与から削除までの手順」に、採用以外の手段は「エンジニア中途採用だけに頼らない欠員補充、9つの選択肢」にまとめています。1人が抜けた直後の動きは「開発要員の欠員発生の初動」で扱っています。

複数人が同じ時期に辞めて、平常の補充では追いつかないときは、「エンジニアが大量退職したときの立て直し方|止める仕事と補充の順番」を先にご覧ください。

まとめ:エンジニアの離職率を比べる3つの点

エンジニアの離職率を比べるときに確かめたい点は3つです。第一に、情報通信業の一般労働者の離職率は2025年で10.0%と、全産業の11.4%より低いこと。第二に、この数字は職種ではなく産業の値なので、自社の数字は期首の人数を分母にして同じ式で出し、産業や契約の形を揃えて並べること。第三に、抜けた人の仕事は、期間の決まった穴を外部人材、長く持つ役割を社員採用と分けて埋めることです。

LASSICに相談するメリット

抜けた分の役割が書き出せたら、次は人を確保する段階です。期間の決まった開発や保守は業務委託で加わる専門人材、長く持つ役割はリモート勤務の社員の採用で探す、という分け方でご相談いただけます。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

エンジニアの離職率が高いと言われるのはなぜですか

この概況には、エンジニアという職種の離職率も、産業ごとの辞めた理由も載っていないため、理由は分かりません。数字の上では、情報通信業の一般労働者の離職率は全産業より低くなっています。

自社の離職率が全国の数字より高いときは、まず何を見ますか

まず、年初の人数が少なく、1人の離職で率が大きく動いていないかを確かめます。そのうえで、どの職種のどの年次の人が抜けたか、抜けた人の仕事が引き継げているかを見ます。理由は本人の話を聞いて確かめます。

期間の定めのある契約の人やパートタイム労働者も含めて数えてよいですか

全国の数字は区分ごとに出ているため、自社も分けて数えると並べやすくなります。全産業では、期間の定めなしの離職率が10.9%、定めありが22.4%と、契約の形で水準が違います。

離職率を確かめたあとの人の確保を相談したいとき

抜けた役割と期間が分かっていれば、そのままご相談いただけます。外部人材で埋めるか、社員で探すかを決めきれていない段階でも構いません。

Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

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出典

  1. *1 参考:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/26-2/dl/gaikyou.pdf)。出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」。調査の概要(5人以上の常用労働者を雇用する事業所から抽出した約15,000事業所)、主な用語の定義(離職者・一般労働者・離職率)、付属統計表1-2(雇用期間の定めなし10.9%・定めあり22.4%)と付属統計表2-2(産業別の入職率・離職率、令和6・7年)を参照(確認日2026年10月16日)(2026年10月確認)
  2. *2 参考:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要」2 産業別の入職と離職(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/26-2/dl/kekka_gaiyo-02.pdf)。出典:同調査の結果の概要「2 産業別の入職と離職」。表4-2(産業、就業形態別入職率・離職率・入職超過率、令和7(2025)年)の一般労働者の離職率(情報通信業10.0%、産業計11.4%、宿泊業,飲食サービス業21.5%)を参照(確認日2026年10月16日)(2026年10月確認)




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