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2026.10.17 採用支援コラム

エンジニア採用の面接官の選び方|現場社員に事前に教えること

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

人事の担当者が面接官を務めるエンジニアにクリップ留めの面接の手引きを手渡す会議室の手元

この記事の結論

  • エンジニアの面接官は、技術の評価を受け持つ現場のエンジニアと、進行と条件の説明を受け持つ人事とで役割を分けて組みます。
  • 現場の社員に最初に教えるのは、家族や出身地など就職差別につながるおそれのある14事項を、雑談でも聞かないことです。
  • 質問の一覧と評価の目安を先に渡し、態度と仕事の説明の仕方を確かめてから、人事が応募者役になって予行演習をします。

※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

来月から中途採用の面接に、開発チームのエンジニアにも入ってもらうことになった。技術の話は得意でも面接官をするのは初めてで、何を聞いてよいのか、どう評価するのかを誰も教えていない——。技術の分かる社員を面接に呼ぶと、こうした準備の問題が出てきます。

本記事は、エンジニア採用を任された人事の担当者や開発マネージャーに向けて、エンジニアの面接官を誰にするか、現場の社員に面接の前に何を教えるかを、厚生労働省の公正採用選考の資料をもとに整理します。面接官の人数や採点のそろえ方は別の記事に譲ります。

エンジニアの面接官の選び方と役割

厚生労働省の「採用選考自主点検資料」は、採用面接の段階で点検する項目として「面接官の人選は適切か」「面接官の研修、打合せはできたか」「面接の質問内容は適切か」の3つを挙げています。*3 人選と研修・打合せは一続きの準備です。

同じ資料は、面接の目的を次の3つに分けています。*3

  • 志望動機や自社の労働条件を伝え合う、情報交換の場
  • 応募書類や学力試験などでは分からない適性・能力を判定する場
  • あらかじめ定めた基準にしたがって、適性と能力を総合的に評価する場

エンジニア採用では、2つ目の判定のうち技術の部分は現場のエンジニアでないと見きれません。労働条件の説明や進行は人事が慣れているので、役割を分けると現場の社員に教えることも減ります。

エンジニアの面接官の役割分担(考え方の例)
受け持つこと 現場のエンジニア 人事の担当者
質問 任せる仕事に関する質問 導入の会話と、経歴・志望動機の確認
説明 仕事の中身と、大変な点 労働条件と、選考のこれからの流れ
評価 技術の項目を、評価の目安で付ける 評価票を集め、記入漏れを確かめる
進行 ― 時間配分と、聞いてはいけない話題に入らないかの確認

準備の流れを図にまとめました。2〜4が教える3つのことです。

現場のエンジニアを面接官に立てるまでの準備を5つの箱で左から右へ並べた図。1は人選で、現場のエンジニアと人事で役割を分ける。2は聞かない事項で、14事項と雑談の話題を決める。3は質問と基準で、質問の一覧と評価の目安を渡す。4は態度と説明で、振る舞いと仕事の伝え方を確かめる。5は予行演習で、人事が応募者役で1回通す。2から4が面接の前に現場の社員へ教える3つのことである。厚生労働省の採用選考自主点検資料をもとに筆者が作成した。

面接官の人数や、複数人の採点をそろえる手順は「エンジニア採用の技術面接|面接官ごとの評価をそろえる方法」で扱っています。

最初に教えるのは聞いてはいけない事項

最初に伝えるのは、聞いてはいけない事項です。厚生労働省は、本人に責任のない事項や本来自由であるべき事項(思想・信条にかかわること)を面接などで把握することや、身元調査などを行うことを、就職差別につながるおそれがある14事項として挙げています。*1

面接官を務める社員が応募者と並んで廊下を歩き手のひらで面接室の方向を示す後ろ姿

就職差別につながるおそれがある14事項(厚生労働省の資料をもとに作成)
区分 事項
本人に責任のない事項 本籍・出生地、住宅状況、家族(職業・続柄・健康・病歴・学歴・収入など)、生活環境・家庭環境
本来自由であるべき事項 宗教、人生観・生活信条、思想、購読新聞・雑誌・愛読書、支持政党、尊敬する人物、労働組合や学生運動などの社会運動
採用選考の方法 身元調査など、必要性が認められない健康診断、適性・能力に関係ない事項を含んだ応募書類の使用

令和6年度にハローワークで把握した854件のうち、最も多いのは「家族に関すること」の41.8%でした。*3 厚生労働省は、面接の空気を和らげるために聞いてしまうケースが多いとしています。*1 雑談の話題も先に決めて渡します。

  • 出身地や生まれ故郷の話(本籍・出生地に関することに当たる)
  • 家族の職業や、同居している人の話
  • 愛読書や尊敬する人物(技術の学び方を知りたいときは、仕事で調べたことを聞く)
  • 導入には「当社を知ったきっかけ」のように、応募に関わる話題を使う

応募者の答えに家族の話が出てきたときは、回答が終わってから、採用選考には影響しないことを伝えるよう資料は勧めています。*3 令和8年10月1日から適用された求職者へのセクシュアルハラスメントに関する指針も、面接中に面接官を務める労働者から性的な事実に関する質問を受けることを典型例に挙げています。*5 措置の全体は「令和8年10月の求職者等セクハラ防止義務」にまとめています。

質問と評価の目安を先に渡す

2つ目は評価の仕方です。厚生労働省は、質問事項も評価基準もあらかじめ決めておき、できるだけ客観的かつ公正に評価するよう求めています。*2 自主点検資料は、面接での評価の留意点として次の4つを挙げています。*3

  • あらかじめ評価基準を決めているか
  • 面接方法や質問内容を「面接マニュアル」等にまとめ、面接担当者全員で共有しているか
  • 客観的かつ公正に評価するため、複数の面接担当者で選考しているか
  • 応募書類などで得た情報を整理しておき、面接の中で確かめているか

現場の社員に渡すのは、質問の一覧、答えごとの評価の目安、記録の用紙の3つです。エンジニア採用なら、任せる予定の仕事に直結する質問に絞り、どこまで説明できれば合格とするかを書いておきます。評価項目の決め方は「技術面接の評価項目と合格ライン」で扱っています。

面接官が陥りやすい過ちと防ぎ方(過ちは自主点検資料から、防ぎ方はこの記事の例)
陥りやすい過ち 防ぎ方の例
一つの面が良い(悪い)と、他の面も良い(悪い)と判断する 評価項目ごとに分けて付ける
外見などの個人的な好みに左右される 評価票に、項目と関係のない感想の欄を作らない
第一印象にこだわる 面接が終わってから、記録を見て付ける
直前の応募者と比べて過大(過小)に評価する 応募者どうしではなく、評価の目安と比べる

資料は、面接担当者の事前打合せや面接のシミュレーション(予行演習)をしておくことも必要としています。*3 人事が応募者役になって1回通しておくと、質問の順番や時間配分がつかめます。

面接官の態度と仕事の説明の仕方

3つ目は振る舞いと説明の仕方です。資料は、採用担当者が腕組みや足組みをしたり無愛想な態度をとったりすると、応募者が萎縮して本来の実力を発揮できなくなる可能性があるとしています。*3 資料が挙げる好感を持たれる態度の例から抜き出しました。*3

面接室で面接官が机の向こうに立ち手のひらで椅子を示して入室した応募者を迎える場面

  • 面接官も自己紹介する
  • 応募者の緊張をとく会話から始める
  • 応募者の話にうなずきや相づちを打つ
  • 最後に、面接を終えることを告げてお礼を言う

技術の深掘りで気をつけたいのが、威圧的な態度です。資料は、過度に威圧的に接したり、感情的に批判したり、説教じみたことを言ってはいけないとし、そうした対応がSNSやインターネットの掲示板に書き込まれて拡散され、企業イメージの低下につながる場合もあるとしています。*3 答えの誤りを正すより、どこまで分かっているかを確かめます。

仕事の説明は現場のエンジニアの出番です。資料の質問例には、仕事の大変な点を伝えたうえでどう工夫するかを聞く問いや、残業や出張の見込みを伝える問いがあります。どちらも、採用後に早く辞めることのないよう、応募者が仕事の内容と労働条件をどこまで知って応募しているかを判断する質問とされています。*3

面接官を立てにくいときの外部人材

現場のエンジニアが開発で手一杯なら、面接の負担そのものを見直します。日程と負担の決め方は「エンジニア中途採用の選考期間を縮める現場面接の組み方」で整理しています。あわせて、人を確保する手段を比べます。

人を確保する手段と面接官の負担(考え方の例)
手段 向いている場面 現場の負担
社員の採用 長く任せたい仕事がある 面接官の準備と、複数回の面接
リモートワークの社員の採用 近くで候補者が見つからない 社員の採用と同じ。オンライン面接の段取りが加わる
業務委託の外部人材 期間や範囲の決まった開発を先に進めたい 業務の範囲と成果物の取り決め、スキルの確認

外部人材に頼む前には、次の点を確かめておきます。

  • 任せる業務の範囲と成果物を、書面で決められるか
  • 質問や報告を受ける社内の窓口を1人決められるか
  • スキルの確認で聞くことを決めているか(仕事と関係のない個人的な話を聞かない点は社員の面接と同じ)
  • 社員の採用と並行する場合、どの時点で社員へ仕事を引き継ぐか

スキルの確かめ方は「外部エンジニアのスキル確認」で扱っています。

まとめ:エンジニアの面接官に教える3つのこと

エンジニアの面接官の準備は3つに整理できます。第一に、現場のエンジニアと人事で役割を分けたうえで、家族や出身地など就職差別につながるおそれのある14事項を雑談でも聞かないよう最初に伝えること。第二に、質問の一覧と評価の目安と記録の用紙を先に渡し、予行演習で一度通すこと。第三に、威圧的にならない態度と、仕事の中身や大変な点の伝え方を確かめておくことです。面接官を立てる余裕がないときは、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

任せたい仕事と、現場のエンジニアが面接に割ける時間が分かれば、社員の採用と業務委託のどちらで人を確保するかを一緒に整理できます。社員の採用を進めながら、先に開発に加われる外部人材の候補も相談できます。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

エンジニアの面接官は何人にすればよいですか

人数を定めた公的な決まりはありません。自主点検資料は、できるだけ客観的かつ公正に評価するため、複数の面接担当者で選考しているかを点検項目に挙げています。人数と採点のそろえ方は、本文で紹介した関連記事を参考にしてください。

雑談で出身地を聞くのもいけませんか

自主点検資料は、生まれ故郷のことをたずねることを「本籍・出生地に関すること」の例に挙げています。採用基準にするつもりがなくても、聞けば採否に影響を与えるおそれがあるとされています。導入の会話には、当社を知ったきっかけのような応募に関わる話題を使います。

外国人のエンジニアの面接で在留資格を確かめてもよいですか

厚生労働省のQ&Aは、在留資格や資格外活動許可の有無などの確認は採用選考時は口頭または書面によるものとし、採用内定後に在留カードで就労できることを確認するよう示しています。選考の段階で在留カードを提示させると、適性・能力に関係のない国籍などを把握することになるためです。

面接と並行して開発を進める人材を探す

任せたい仕事の概要と、社員の採用の状況が分かっていれば、そのままご相談いただけます。社員で採るか業務委託で頼むかを決めきれていない段階でも構いません。

Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。

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出典

  1. *1 参考:厚生労働省 公正採用選考特設サイト「採用選考時に配慮すべき事項」(https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/consider.html)。出典:厚生労働省。就職差別につながるおそれがある14事項と、家族に関する質問が多く面接の空気を和らげるために聞いてしまうケースが多い旨を参照(確認日2026年10月17日)(2026年10月確認)
  2. *2 参考:厚生労働省 公正採用選考特設サイト「採用選考の具体的な方法」(https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/methods.html)。出典:厚生労働省。7 面接(質問事項と評価基準をあらかじめ決める旨)を参照(確認日2026年10月17日)(2026年10月確認)
  3. *3 参考:厚生労働省「採用選考自主点検資料(令和8年度版)」(PDF)(https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/assets/pdf/basic/02.pdf)。出典:厚生労働省。STEP2の面接担当者の事前打合せと予行演習、STEP5 採用面接(点検項目・面接の目的・評価の留意点・面接官に求められる姿勢)、コラム2・3、14事項の不適切事象の内訳(令和6年度854件)を参照(確認日2026年10月17日)(2026年10月確認)
  4. *4 参考:厚生労働省 公正採用選考特設サイト「Q&A」(https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/question.html)。出典:厚生労働省。外国人の採用選考時の就労資格の確認方法を参照(確認日2026年10月17日)(2026年10月確認)
  5. *5 参考:厚生労働省「事業主が求職活動等における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/content/001662627.pdf)。出典:厚生労働省。令和8年10月1日からの適用と、典型的な例(面接中に面接官を務める労働者から性的な事実に関する質問を受ける例)を参照(確認日2026年10月17日)(2026年10月確認)




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