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OPNsenseとpfSenseの違い|ファイアウォールの選び方
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論
- OPNsenseはFreeBSDを土台にした無料のファイアウォールで、ライセンスはBSD 2条項ライセンスです。
- pfSenseとの違いは機能の数より、ライセンスや版の分け方、更新の出し方といった運用の決まりに表れます。
- 年2回の大きな更新と約2週間ごとの小さな更新を誰が受け持つかを、導入の前に決めておくことが大切です。
※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。
社内のファイアウォールを入れ替えたいが、オープンソースのOPNsenseとpfSenseのどちらを候補にすればよいのか分からない。無料と聞いたけれど、更新や保守を誰が受け持つのかが見えない——。ファイアウォールを見直す現場では、こうした迷いが起こりがちです。OPNsenseは、FreeBSDというOSを土台にした、オープンソースのファイアウォールとルーターのソフトウェアです。
1台で通信の許可と遮断、拠点間やテレワークのVPN、侵入の検知までまとめて扱えます。ただし万能ではなく、更新を受け続ける体制がなければ、無料で入れた利点は薄れます。本記事では、情報システムの担当者に向けて、OPNsenseの概要、pfSenseとの事実の違い、更新の仕組みと導入の進め方、そして外部に頼むときに確認したい点を整理します。
目次
OPNsenseとは
OPNsenseの公式ドキュメントは、このソフトウェアを、オープンソースで使いやすく、FreeBSDを土台にしたファイアウォールとルーティングの基盤と説明しています。*1 社内のネットワークとインターネットの境目に置き、出入りする通信を決めた規則に沿って通したり止めたりする役目を担います。ソフトウェアの著作権は、Deciso B.V.という会社が持っています。
- ライセンス:BSD 2条項ライセンス(著作権の表示と免責の文を残せば、改変や再配布も自由にできる短いライセンス)です*2
- 成り立ち:pfSenseから分かれた(フォークした)プロジェクトで、最初の版は2015年1月の「15.1」です*3
- 版の種類:無料のCommunity Editionと、更新を遅めにして慎重に上げたい企業向けのBusiness Editionがあります*4
- 操作:設定や小さな更新は、Webブラウザで開く管理画面から行えます
無料なのはソフトウェアだけで、機器や、設定と更新の手間は自社で持ちます。公式ドキュメントは、すぐ使える形を求める人に、OPNsenseを入れた状態の機器を開発元や提携先から買うことも勧めています。*10
OPNsenseとpfSenseの違い
OPNsenseとpfSenseは、もとは同じソースコードから分かれた関係です。どちらもFreeBSDを土台にした無料で使えるファイアウォールで、画面から設定する点も共通しているため、候補に並びやすい組み合わせです。違いが出るのは、ライセンス、版の分け方、更新の出し方といった運用の決まりごとです。公式の資料にある事実を表にまとめます。
| 項目 | OPNsense | pfSense |
|---|---|---|
| ライセンス | BSD 2条項ライセンス | Apache License 2.0(公開されているソースコード)*8 |
| 土台のOS | FreeBSD | FreeBSD |
| 版の種類 | Community EditionとBusiness Edition | pfSense CEとpfSense Plus(Netgateの機器やクラウドで提供) |
| 版の番号 | 年と月(2026年7月の版は26.7) | Plusは26.07、CEは2.8.1のような番号*9 |
| 更新の出し方 | 大きな版を年2回(1月と7月)、小さな更新を約2週間ごと | 版ごとの公開日を公式の版の一覧に掲載 |
この表は優劣を示すものではありません。ライセンスの条件が社内の規程に合うか、更新の出し方に合わせて作業の日程を組めるか、有償の保守の窓口をどこに求めるかで選ぶと判断しやすくなります。pfSenseでの構築についてはpfSenseでファイアウォールを外注構築で扱っています。
主な機能と更新の仕組み
OPNsenseの公式ドキュメントは、主な機能として次のようなものを挙げています。*1 使う機能だけを有効にして運用します。

- 通信の許可と遮断:決めた規則に沿って通信を通したり止めたりします
- VPN(離れた場所との間に暗号化した通信路を結ぶ仕組み):拠点どうしの接続と、テレワークの端末からの接続の両方に使えます
- 侵入の検知と遮断:Emerging Threatsという公開の検知ルールを組み込んで使えます
- 冗長化:2台を組にして、1台が止まってももう1台が引き継ぐ構成にでき、設定と通信の状態も同期します
- そのほか:通信量の制御、来訪者向けのログイン画面(キャプティブポータル)、プロキシなど
機能と同じくらい大切なのが更新の仕組みです。OPNsenseは大きな版を年に2回出し、それぞれに約2週間ごとの小さな更新を重ねていきます。*5 小さな更新は管理画面から入れられます。一方、大きな版への更新はネットワークから切り離した状態で進むため、公式ドキュメントは機器に直接つないだ画面か専用のケーブルでの作業を勧めています。
図のとおり、更新の作業は1年に何度も発生します。導入の段階で、更新を入れる曜日や時間帯と確認する担当を決めておくと、作業が後回しになるのを防ぎやすくなります。
導入の進め方
OPNsenseの導入は、ソフトを入れる作業よりも、いまの通信の規則を洗い出して移す作業に時間がかかります。次の4つの段階で進めると、切り替えの日の事故を減らしやすくなります。
- ステップ1:守る範囲を決める(拠点の数、インターネットの回線、VPNを使う人と場所)
- ステップ2:置く機器を決める(入れた状態の機器を買うか、64ビットのCPUを積んだ一般的なサーバーに入れるか、2台で冗長化するか)
- ステップ3:いまのファイアウォールの規則を書き出して整理し、検証用の環境で動きを確かめる
- ステップ4:更新とバックアップの手順を決めてから本番の通信を切り替える
つまずきやすいのはステップ3です。長く使ってきた機器には、誰が何のために作ったか分からない規則が残りがちです。規則ごとに目的と担当を確かめ、不要なものは移さない判断をします。OPNsenseの設定は1つのファイルに書き出してバックアップでき、そのファイルはパスワードで保護できます。*6 保管する場所と見られる人も決めておきます。
外部に頼むときに確認しておきたい点
OPNsenseはライセンスの費用がかからない一方、構築と更新の手間は自社で持つことになります。構築や運用を外部に頼むときは、見積もりの前に次の点を確かめておきます。

- どこまで頼むか:機器の選定、規則の移行、VPNの設定、切り替え当日の立ち会いのうち、どれを任せるか
- 更新の受け持ち:約2週間ごとの小さな更新と年2回の大きな版の更新を、誰がどの日程で入れるか。失敗したときにどう元に戻すか
- 止められる時間:1台の構成で更新のたびに通信を止めるか、2台の構成で片方ずつ更新するか
- 追加機能の扱い:使うプラグイン(あとから足す機能)が、開発元が支える階層か、有志が保守する階層か
- ログと監視:通信の記録をどこに残し、異常に誰が気づいて対応するか
特に追加機能には注意が必要です。公式のサポートの説明では、有志が提供する階層のプラグインは開発の中心チームが支えず、保守する人がいなくなれば取り除かれるとしています。*7ファイアウォールの記録を集めて異常を見張る仕組みまで考えるなら、WazuhでOSS SIEM監視基盤を外注構築も参考になります。
まとめ:OPNsenseで確かめておきたい3つの点
OPNsenseを社内のファイアウォールに選ぶうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、pfSenseとの違いを機能の数ではなく、ライセンスや更新の出し方といった運用の決まりで比べること。第二に、いまの規則を洗い出して整理してから移すこと。第三に、約2週間ごとの小さな更新と年2回の大きな版の更新を誰が受け持つかを、導入の前に決めることです。この3点を踏まえておけば、「無料だから入れたものの、更新が止まって古い版のまま動いていた」という事態を避けやすくなります。構築や運用の分担に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。
よくある質問
OPNsenseは会社の業務でも無料で使えますか
使えます。BSD 2条項ライセンスは、著作権の表示と免責の文を残すことを条件に、利用・改変・再配布を認めています。*2 ただし、開発元に有償の支援を頼む場合や、Business Editionを使う場合は費用がかかります。
Business Editionはどのような会社に向いていますか
公式ドキュメントは、Community Editionより遅れて版を上げる慎重な更新の道筋や、商用の追加機能を求める企業や専門家向けと説明しています。*4 検証の時間を確保したい場合の候補です。
大きな版の更新のあいだ通信は止まりますか
1台の構成では、更新中は管理画面にもつながらず、再起動をはさむため止まると考えておきます。2台で冗長化している場合は、片方ずつ更新して止まる時間を最小限にする手順が公式ドキュメントに載っています。*11
オープンソースのファイアウォールの導入と運用のご相談
OPNsenseなどのオープンソースのファイアウォールの構築から、規則の移行、更新とバックアップの運用まで、元請(プライムベンダー)としてご提案します。
2006年の創業以来、一次請けのシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。
出典
- *1 参考:OPNsense Documentation「Introduction」(https://docs.opnsense.org/intro.html)。出典:OPNsenseの説明(FreeBSDを土台にしたファイアウォールとルーティングの基盤)、主な機能の記述を参照(2026年10月確認)
- *2 参考:OPNsense Documentation「Legal notices」(https://docs.opnsense.org/legal.html)。出典:BSD 2条項ライセンスの条文、Deciso B.V.の著作権表示、pfSenseからのフォークである旨の記述を参照(2026年10月確認)
- *3 参考:OPNsense「Roadmap」(https://opnsense.org/roadmap/)。出典:版の番号の付け方(年.月)、最初の版が2015年1月の15.1であること、6か月ごとの大きな版の周期の記述を参照(2026年10月確認)
- *4 参考:OPNsense Documentation「Business Edition」(https://docs.opnsense.org/BE_releases.html)。出典:Business Editionの対象(Community Editionより遅れて版を上げる更新の道筋、商用の追加機能)の記述を参照(2026年10月確認)
- *5 参考:OPNsense Documentation「Updates」(https://docs.opnsense.org/manual/updates.html)。出典:大きな版が年2回・小さな更新が約2週間ごとであること、管理画面からの更新、大きな版の更新がオフラインで進むことの記述を参照(2026年10月確認)
- *6 参考:OPNsense Documentation「Configuration(Backup)」(https://docs.opnsense.org/manual/backups.html)。出典:設定のバックアップと復元、パスワードによる保護の記述を参照(2026年10月確認)
- *7 参考:OPNsense Documentation「Support Options」(https://docs.opnsense.org/support.html)。出典:プラグインのサポート階層(Tier 1〜4)と、有志が保守する階層の扱いの記述を参照(2026年10月確認)
- *8 参考:pfsense/pfsense(GitHub)(https://github.com/pfsense/pfsense)。出典:リポジトリの説明(FreeBSDを土台にしていること)とライセンス(Apache License 2.0)を参照(2026年10月確認)
- *9 参考:pfSense Documentation「Versions of pfSense software and FreeBSD」・pfSense公式サイト(https://docs.netgate.com/pfsense/en/latest/releases/versions.html)。出典:pfSense PlusとpfSense CEの版の一覧と公開日、Netgateの機器やクラウドでのpfSense Plusの提供の記述を参照(公式サイト https://www.pfsense.org/ )(2026年10月確認)
- *10 参考:OPNsense Documentation「Hardware sizing & setup」(https://docs.opnsense.org/manual/hardware.html)。出典:64ビットの機器が必要であること、OPNsenseを入れた状態の機器を開発元や提携先から買う勧めの記述を参照(2026年10月確認)
- *11 参考:OPNsense Documentation「Configure CARP」(https://docs.opnsense.org/manual/how-tos/carp.html)。出典:2台の冗長化構成を片方ずつ更新して停止時間を抑える手順の記述を参照(2026年10月確認)