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業務委託エンジニアとの面談と採用面接の違い|契約前に確かめる点
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論
- 業務委託の面談で決めるのは、人を雇うかどうかではなく、決まった仕事をこの条件で頼めるかどうかです。
- 面談では、経験した作業・作業の範囲・稼働の条件・連絡の取り方・引き継ぎの5つを確かめます。
- 受託する会社や派遣会社の社員と事前に面談する場合は、契約の形を先に確かめ、迷えば労働局や専門家に相談します。
※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。
開発を手伝ってくれる業務委託のエンジニアが見つかり、契約の前に面談をすることになった。けれども、社員の採用面接と同じように進めてよいのか、何を聞けばよいのかが分からない。初めて外部のエンジニアを迎える企業では、面談の準備で手が止まることがあります。
業務委託の面談は、採用面接とは目的も、面談のあとに交わす書面も違います。本記事では、エンジニアを外部から迎える企業の担当者に向けて、採用面接との違いを表で比べ、面談で確かめる5つの点、SES(受託する会社がエンジニアの作業を提供する契約)や派遣で面談するときの注意、頼む前に社内で決めておく点を整理します。
業務委託の面談とは
業務委託で開発に加わってもらう前の面談は、社員を採る面接と呼び方が似ていても、決めることが違います。採用は人を選んで雇う判断ですが、業務委託の面談で決めるのは「この仕事を、この条件で頼めるか」です。相手が誰と契約する人かによって、面談の位置づけも変わります。
- 個人のエンジニアと直接契約する:契約の相手は本人。仕事の範囲や条件を本人と話し合って決める
- 受託する会社(SESの会社など)と契約する:契約の相手は会社。作業する人を決めるのも、その会社
どちらの場合も、面談の前に任せる作業と期間を書き出し、面談で条件をそろえ、契約の書面に残すという流れで進めると、話した内容が参画後まで引き継がれます。
採用面接との違い
採用面接について、厚生労働省は、応募者の適性と能力に基づく基準で選考し、適性と能力に関係のない事項を面接で尋ねないよう求めています。*1 家族や本籍、住宅の状況などは、採否の基準にしないつもりでも、把握すれば結果に影響しかねないためです。*1

| 比べる点 | 採用面接 | 業務委託の面談 |
|---|---|---|
| 目的 | 自社で雇う人を選ぶ | 決まった仕事を、この条件で頼めるかを確かめる |
| 判断の材料 | 職務を進められる適性と能力 | 任せる作業に近い経験と、稼働・連絡の条件 |
| 聞く範囲 | 適性と能力に関係のない事項は尋ねない | 頼む仕事に関わることに絞る |
| 面談のあとに示すもの | 賃金や労働時間などの労働条件 | 仕事の内容、報酬の額、支払期日などの取引条件 |
| 仕事の進め方 | 入社後は自社が指示して進める | 進め方は相手に任せ、範囲と成果で頼む |
業務委託の面談でも、仕事と関係のない私生活は聞かないという考え方は、そのまま使えます。違いが大きいのは、面談のあとに示すものです。社員には労働条件を明示する決まりがあり*2、業務委託では仕事の内容や報酬などの取引条件を示します。採用選考の入口にあたる面談の扱いは、カジュアル面談の労働条件明示で整理しています。
面談で確かめる5つの点
業務委託の面談は、限られた時間で条件をそろえる場です。聞くことを次の5つに絞っておくと、聞き漏れが減り、相手も答えを準備しやすくなります。
- 経験した作業:任せる作業に近い案件で、本人が担当した工程と、自分で決めたこと
- 作業の範囲と成果の受け取り方:何を作る・直すのか。出来上がりを誰が、どの時点で確かめるか
- 稼働の条件:週の稼働日数と時間帯、始められる時期、ほかの仕事との掛け持ち
- 連絡の取り方:使う連絡手段、返事の目安、定例の打ち合わせの頻度、社内の窓口
- 引き継ぎ:作業の記録とソースコードの置き場所、契約を終えるときに誰へ渡すか
1つ目のスキルの確かめ方は、外部エンジニアのスキル確認と面談で聞くべきポイントとスキルシートの読み方で詳しく扱っています。この記事では、残りの4つを契約前にそろえることを重く見ます。稼働の条件は業務委託エンジニアの稼働日数の決め方、引き継ぎは離任で引き継ぎが漏れる理由も参考になります。
5つのうち、稼働・連絡・引き継ぎは、技術の話に比べて後回しにされがちです。ところが参画後のすれ違いは、こうした進め方の前提がそろっていないところから起こりやすくなります。技術の確認と同じ重さで時間を取っておくのがおすすめです。
SES・派遣で面談するときの注意
受託する会社や派遣会社の社員に加わってもらう場合は、面談そのものの扱いに注意が要ります。労働者派遣法は、派遣先が派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないよう努めることを定め*4、厚生労働省の指針は、派遣に先立って面接することや履歴書を送付させることを、その例に挙げています。*5 請負(委任・準委任を含む)でも、発注者が職務経歴書を求めたり事前面談を行ったりすると、一般的には配置の決定に影響するため労働者派遣事業と判断されることがあると、厚生労働省の疑義応答集は示しています。*6
- 面談の前に、契約の形(派遣・請負・準委任)を相手の会社と確かめる
- 会社と契約する場合は、誰を充てるかは相手の会社が決める前提で、仕事の内容と体制の説明を受ける
- 個別の扱いは契約の内容と実態で決まるので、迷ったら都道府県労働局や専門家に確かめる
外部に頼むときに確認しておきたい点
面談の場で条件をそろえるには、社内で先に決めておくことがあります。次の5つが書き出せていれば、面談の準備にも、外部人材の相談にもそのまま使えます。

- 範囲:任せる作業と、社内に残す判断
- 期間:始める時期、期間、週の稼働の目安
- 体制:作業を頼む人、出来上がりを確かめる人、連絡の窓口
- 費用の決まり方:時間で払うか、成果物で払うか
- 引き継ぎ:記録と成果物の置き場所、終わるときの渡し方
面談で決めた条件は、口頭のままにせず書面に残します。従業員を使わない個人などに業務を委託したときは、仕事の内容、報酬の額、支払期日などを直ちに書面か電子的な方法で示すことが法律で定められています。*3 上の5つは、その明示の下書きにもなります。
まとめ:業務委託の面談で押さえたい3つの点
業務委託のエンジニアとの面談で押さえたい点は3つです。第一に、面談で決めるのは採用ではなく、決まった仕事をこの条件で頼めるかどうかだと位置づけること。第二に、経験した作業だけでなく、作業の範囲、稼働の条件、連絡の取り方、引き継ぎまでを同じ重さで確かめること。第三に、受託する会社や派遣会社の社員と面談するときは、契約の形を先に確かめることです。面談で決めた条件を書面に残しておけば、参画後のすれ違いを減らしやすくなります。
よくある質問
業務委託の面談には、誰が同席するとよいですか
作業を頼む人と、出来上がりを確かめる人が同席すると、作業の範囲と連絡の取り方の認識をその場でそろえられます。契約や支払いの担当者は、条件の確認の段階から加わる形でも進められます。
SESの会社から、事前に職務経歴書を受け取ってよいですか
厚生労働省の疑義応答集は、請負(準委任を含む)で発注者が職務経歴書を求めたり事前面談をしたりすると、一般的には労働者派遣事業と判断されることがあるとしています。*6 個別の扱いは契約と実態で決まるので、都道府県労働局や専門家に確かめてください。
面談で決めた条件は、口頭で伝えるだけでもよいですか
従業員を使わない個人などに業務を委託したときは、仕事の内容や報酬の額などを書面か電子的な方法で示す決まりがあります。*3 相手が会社の場合も、契約書や発注書に残しておくと、あとで確かめられます。
業務委託のエンジニアとの面談の前に相談
任せる作業と期間、稼働の目安が決まっていれば、そのままご相談いただけます。面談で確かめる点の整理からでも構いません。
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出典
- *1 参考:厚生労働省「公正な採用選考の基本」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/newpage_56780.html)。(1)採用選考の基本的な考え方、(2)エ 面接、(3)採用選考時に配慮すべき事項を参照。2026年10月20日に確認(2026年10月確認)
- *2 参考:労働基準法(e-Gov法令検索)(https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049)。第15条(労働条件の明示)を参照。2026年10月20日に条文を確認(2026年10月確認)
- *3 参考:特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(e-Gov法令検索)(https://laws.e-gov.go.jp/law/505AC0000000025)。第2条(定義)、第3条(給付の内容その他の事項の明示等)を参照。2026年10月20日に条文を確認(2026年10月確認)
- *4 参考:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(e-Gov法令検索)(https://laws.e-gov.go.jp/law/360AC0000000088)。第26条第6項(派遣労働者を特定することを目的とする行為)を参照。2026年10月20日に条文を確認(2026年10月確認)
- *5 参考:厚生労働省「派遣先が講ずべき措置に関する指針」(平成11年労働省告示第138号、最終改正 令和8年厚生労働省告示第201号)(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001754940.pdf)。第2の3(派遣労働者を特定することを目的とする行為の禁止)を参照(2026年10月確認)
- *6 参考:厚生労働省「『労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準』(37号告示)に関する疑義応答集(第2集)」(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/content/000780138.pdf)。問1(請負に委任・準委任を含む旨)、問13(職務経歴書の提出や事前面談)を参照(2026年10月確認)