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2026.10.21 らしくコラム

Google Workspace導入支援の選び方|外部に頼む作業

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

新しいアカウントでノートPCとスマートフォンのログインを確かめる2人の手元

この記事の結論

  • Google Workspace導入支援は、Googleの手引きにある設定や移行の作業を外部の会社が受け持つものです。
  • 組織部門の分け方や特権管理者を誰にするかは会社の方針なので、支援会社に頼む前に社内で決めておきます。
  • 少人数の試験運用から始めてメールの切り替えを最後に置き、導入後は権限と設定の記録を引き渡してもらいます。

※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

メールをGoogle Workspaceに切り替えたいが、何から手をつければよいか分からない。支援会社に見積もりを頼んだら、作業の一覧が会社ごとに違っていて比べられない——。グループウェアの入れ替えを任された情報システムの担当者には、こうした迷いが起こりがちです。Google Workspace導入支援は、Googleのメール・カレンダー・ドライブなどをまとめたサービスを社内で使い始めるまでの設定や移行を、外部の会社に手伝ってもらうことを指します。

設定の作業は支援会社に任せられます。ただし万能ではなく、組織の分け方や共有のルールのように社内でしか決められないこともあります。本記事では、初めて導入する会社の担当者に向けて、支援会社に任せる作業と社内で決めること、Googleが示す導入の進め方、支援会社の選び方、そして外部に頼むときに確認したい点を整理します。

Google Workspace導入支援とは

Googleは、組織の規模ごとに導入の手引きを用意しています。ユーザー数10〜300人の組織には中規模企業向けのクイックスタートガイドを、300人を超える組織には90日間の導入プランを示し、導入を支えるパートナー企業に依頼することもできると案内しています。*1 Google Workspace導入支援は、こうした手引きにある作業の一部または全部を、外部の会社が受け持つものです。

  • ドメインの所有権の証明(自社のドメインを第三者に使われないための手続き)*6
  • ユーザーアカウントの追加と、Active Directory(社内のユーザー情報の台帳)との同期*2
  • メール・カレンダー・連絡先などのデータ移行
  • MXレコード(メールの届け先を示す設定)の切り替えとSPFレコードの追加
  • 2段階認証などのセキュリティ設定と、利用者への案内や研修

見積もりを比べるときは、この一覧と照らし合わせて、支援会社ごとに含まれる作業を確かめます。

社内で決めることと任せる作業

導入支援を頼んでも、支援会社が代わりに決められないことがあります。たとえば、部署ごとに使えるサービスを変えるかどうかは、組織部門(設定をまとめて変えるための部署の単位)の分け方で決まります。最上位の組織部門で行った設定は、その下の組織部門に引き継がれる仕組みです。*4 これは会社の方針なので、社内で決めます。

ホワイトボードでマグネットを枝分かれに並べ組織の形を組む手

社内で決めることと支援会社に任せやすい作業
項目 社内で決めること 支援会社に任せやすい作業
組織の分け方 どの部署にどのサービスを許すか 組織部門の作成と設定の反映
管理者 特権管理者を誰にするか 管理者の役割の分け方の案づくり
データ移行 移すデータの範囲と古いデータの扱い 移行ツールの設定と実行
メールの切り替え 切り替える日と社内への周知 MXレコードの変更とメールが届くかの確認
利用者の支援 問い合わせの窓口を誰が持つか 操作説明会や手順書の作成

特権管理者(すべての設定を変えられる最上位の管理者)は、管理コンソールのすべての機能を使え、ほかの管理者のパスワード変更もできる役割です。Googleは特権管理者を少なくとも1人置き、2人以上にすることを勧めています。*5 支援会社に作業用の権限を渡す場合も、特権管理者のうち1人は社内の人にしておくと、契約が終わった後に自社で設定を変えられなくなる事態を防げます。

導入の進め方

Googleの大規模企業向けの手引きは、導入を3つの段階に分け、90日間で組織全体に広げる流れを示しています。*1 300人未満の会社でも、少人数で試してから全員に広げる順番は同じように使えます。

Google Workspaceの導入を3つの段階で左から順に並べた流れ図。段階1 0〜30日目 担当者が先に使う、段階2 31〜60日目 約5%の利用者を先に移す、段階3 61〜90日目 全員を移してメールを切り替える。

  • 段階1(0〜30日目):情報システムの担当者が先に使い始め、データ移行や認証の進め方を計画して、移行の予定を社内に知らせる
  • 段階2(31〜60日目):利用者の約5%を先に移し、メール・カレンダー・連絡先の移行とスマートフォンの設定を行う。問い合わせ窓口の運用もここで計画する
  • 段階3(61〜90日目):残りの利用者のアカウントを作り、データ移行を終えてメールをGmailに切り替える。研修と問い合わせの受け付けも用意する

試験運用の間は、いまのメールを止めずに進められます。Googleの手引きでは、MXレコードを変えずに試験運用の利用者だけにメールを二重に届ける設定をすれば、ほかの社員はいまの受信箱を使い続けられると説明しています。*3 全員分のメールの届け先を切り替えるのは、試験運用で問題が出ないことを確かめてからです。

支援会社の選び方

支援会社を比べるときは、価格の前に、自社の移行元と規模に合った進め方を示せるかを見ます。Googleは移行元ごとに別の方法を用意しており、Microsoft Exchange Online、IMAP(多くのメールサービスが使う受信の仕組み)のメールサーバー、OneDriveやSharePoint Onlineなどから移行できます。*8

  • 移行元に合わせた移行の方法と、移す前と後の件数の確かめ方を示せるか
  • 試験運用を工程に入れ、先に移す利用者の選び方まで提案できるか
  • Active Directoryを使っている場合、Googleの同期ツールであるGCDSを設定できるか
  • 導入後の問い合わせや設定の変更を、どこまで受け持つか

GCDSは社内のディレクトリからGoogle側へ一方向に同期する仕組みで、社内のサーバーのデータは書き換えません。同期の設定を本番の前に試すシミュレーションの手順も用意されています。*7 支援会社が本番の前にどう試すのかも確かめておきます。

外部に頼むときに確認しておきたい点

導入支援は導入が終われば手を離れる依頼です。その後も自社で運用を続けられるかを、見積もりの前に次の点で確かめておきます。

支援会社が認証キーと設定記録のファイルを担当者に引き渡す手元

  • 管理者の権限:作業中に支援会社に渡す権限と、終わった後に返してもらう手順
  • 設定の記録:組織部門・共有の設定・セキュリティの設定を一覧にして引き渡すか
  • 2段階認証:Googleが勧める管理者と重要な情報を扱う利用者への必須化を、誰がいつ設定するか*9
  • メールの切り替え日:MXレコードを変える日と、DNS(ドメインの設定)を誰が変えるか
  • 利用者への案内:操作説明会や手順書、切り替え直後の問い合わせを誰が受けるか

社内のほかのシステムにも同じアカウントでログインさせたい場合は、シングルサインオン(1回のログインで複数のサービスを使える仕組み)の設計を導入に含めるかも決めておきます。仕組みはSAMLとはで解説しています。送信ドメイン認証の見直しはDMARC導入の外注で扱っています。

まとめ:Google Workspace導入支援で確かめておきたい3つの点

Google Workspace導入支援を頼むうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、組織の分け方や特権管理者を誰にするかなど、社内でしか決められないことを先に決めること。第二に、少人数の試験運用から始め、メールの届け先を切り替える日を最後に置くこと。第三に、導入後も自社で設定を変えられるよう、管理者の権限と設定の記録を引き渡してもらうことです。この3点を踏まえておけば、「導入は終わったのに、設定の変え方が社内の誰にも分からない」という事態を避けやすくなります。支援会社の選び方や作業の分け方に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

LASSICは2006年の創業以来、システムの運用・保守に特化したプライム(一次請け)のシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。日本ニアショア開発推進機構の認定ベンダーとして、全国のリモート人材による開発・運用の体制を整えています。

Google Workspaceの導入では、管理コンソールで組織部門と管理者の役割を設計し、DNSのMXレコードとSPFレコードを切り替える手順と日程を事前に文書にします。Active Directoryをお使いの場合は、GCDSの同期ルールと除外ルールをシミュレーションで確かめてから本番の同期に入ります。メールとファイルの移行では、Exchange Online・IMAPサーバー・OneDriveなど移行元に合わせて方法を選び、移す前と後の件数を照らし合わせます。導入後は、設定の一覧と管理者の権限を引き渡し、2段階認証の適用範囲や共有の設定の見直しを提案します。

よくある質問

少人数の会社でも導入支援を頼む必要はありますか

必ずしも必要ではありません。Googleはユーザー数2〜9人の小規模ビジネス向けに、自社で進められるクイックスタートガイドを用意しています。*10 移すデータが多い、Active Directoryとつなぎたいといった作業があるときは、その部分だけを支援会社に頼む方法もあります。

社員が自分でデータを移すこともできますか

できます。Googleの手引きでは、管理者が移行ツールでまとめて移す方法のほかに、利用者が各自でデータを読み込む方法も案内しています。*2 件数の確認がしにくくなるため、どちらで移すかは移行の計画の段階で決めておくと進めやすくなります。

導入にはどのくらいの期間がかかりますか

Googleは300人を超える組織向けに、試験運用から組織全体への展開までを90日間で進める導入プランを示しています。実際の期間は、利用者の数や移すデータの量、試験運用で見つかった問題によって変わります。支援会社には、段階ごとの予定を見積もりと一緒に出してもらうと比べやすくなります。

Google Workspace導入のご相談

Google Workspaceの設定とデータ移行から、Active Directoryとの同期、導入後の運用の引き継ぎまで、元請(プライムベンダー)としてご提案します。

2006年の創業以来、一次請けのシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。

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出典

  1. *1 参考:Google Workspace 管理者ヘルプ「大規模企業向けクイック スタートガイド」(https://knowledge.workspace.google.com/admin/getting-started/deployment-guide-for-large-organizations?hl=ja)。出典:90日間の導入プランの3つのフェーズ(0〜30日目・31〜60日目・61〜90日目)、アーリーアダプター(ユーザーの約5%)、パートナー企業への導入支援の依頼についての記述を参照(2026年10月確認)
  2. *2 参考:Google Workspace 管理者ヘルプ「中規模企業向けクイック スタートガイド」(https://knowledge.workspace.google.com/admin/getting-started/quick-start-guide-for-medium-size-businesses?hl=ja)。出典:対象(ユーザー数10〜300人)、ユーザーの追加とActive Directory・LDAPサーバーとの同期、MXレコードの変更とSPFレコードの追加、データの移行と利用者自身による読み込みについての記述を参照(2026年10月確認)
  3. *3 参考:Google Workspace 管理者ヘルプ「5 段階の試験運用を実施する」(https://knowledge.workspace.google.com/admin/getting-started/run-a-5-step-pilot?hl=ja)。出典:MXレコードを変更せずに試験運用ユーザーへ二重配信を設定する方法の記述を参照(2026年10月確認)
  4. *4 参考:Google Workspace 管理者ヘルプ「組織構造の仕組み」(https://knowledge.workspace.google.com/admin/users/advanced/how-the-organizational-structure-works?hl=ja)。出典:最上位の組織部門と子組織部門、設定の継承についての記述を参照(2026年10月確認)
  5. *5 参考:Google Workspace 管理者ヘルプ「既定の管理者ロール」(https://knowledge.workspace.google.com/admin/users/prebuilt-administrator-roles?hl=ja)。出典:特権管理者の権限と、少なくとも1人必要で2人以上を推奨する記述を参照(2026年10月確認)
  6. *6 参考:Google Workspace 管理者ヘルプ「Google Workspace のドメインの所有権を証明する」(https://knowledge.workspace.google.com/admin/domains/verify-your-domain-for-google-workspace?hl=ja)。出典:ドメインの所有権の証明が必要な理由の記述を参照(2026年10月確認)
  7. *7 参考:Google Workspace 管理者ヘルプ「Google Cloud Directory Sync について」(https://knowledge.workspace.google.com/admin/users/about-google-cloud-directory-sync?hl=ja)。出典:一方向の同期とシミュレーションの手順についての記述を参照(2026年10月確認)
  8. *8 参考:Google Workspace 管理者ヘルプ「組織のデータを Google Workspace にインポートする」(https://knowledge.workspace.google.com/admin/getting-started/migrate-your-organizations-data-to-google-workspace?hl=ja)。出典:Microsoft Exchange Online・IMAP・OneDrive・SharePoint Onlineなど移行元ごとのインポート方法の一覧を参照(2026年10月確認)
  9. *9 参考:Google Workspace 管理者ヘルプ「2 段階認証プロセスでビジネスを保護する」(https://knowledge.workspace.google.com/admin/security/protect-your-business-with-2-step-verification?hl=ja)。出典:管理者と重要なビジネス情報を扱うユーザーに2段階認証プロセスを必須にする推奨の記述を参照(2026年10月確認)
  10. *10 参考:Google Workspace 管理者ヘルプ「組織の Google Workspace を設定する」(https://support.google.com/a/answer/6365252?hl=ja)。出典:小規模ビジネス向けクイックスタート(ユーザー数2〜9人)などエディションと規模ごとの設定ガイドの記述を参照(2026年10月確認)




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