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Pleasanterとは?できることと導入の進め方を解説
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論
- Pleasanterは国内で開発されているオープンソースの業務アプリ基盤で、Excelの台帳をWebの表に置き換えられます。
- 無料のCommunity Editionでも権限や認証の連携まで使え、項目や支援が足りなくなったら有償版へ移れます。
- 導入は台帳を1つ選んで移すことから始め、更新とバックアップの担当を最初に決めておくことが大切です。
※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。
部署ごとにExcelの台帳が増え、どれが最新なのか分からない。マクロを作った人が異動して、誰も直せなくなった——。表計算ソフトで業務を回している会社では、こうした困りごとが起こりがちです。Pleasanter(プリザンター)は、こうした台帳をWebの画面で扱える業務アプリに置き換えるための、無料で使えるオープンソースのソフトウェアです。
プログラミングをせずに表や画面を作れるため、脱Excelの受け皿として候補に挙がります。ただし万能ではなく、マクロの置き換えや帳票の書式には別の手当てが要ります。本記事では、情報システムの担当者に向けて、Pleasanterでできること、無料版と有償版の違い、導入の進め方、そして外部に頼むときに確認したい点を整理します。
目次
Pleasanterとは
Pleasanter(プリザンター)は、株式会社インプリムが国内で開発しているオープンソースの業務アプリ基盤です。開発元は、ExcelやAccessで管理している業務をWebデータベースとして置き換えられる道具だと説明しています。*1 項目や画面はマウス操作で作り、足りない部分はスクリプトやAPI(ほかのシステムとデータをやり取りする窓口)で補う形です。
- 無料のCommunity Editionは、利用者の人数や期間の制限がなく、商用利用もできます*1
- ライセンスはAGPL-3.0(ソースコードを公開する条件つきで自由に使えるライセンス)です*2
- 自社のサーバー(オンプレミス)にもクラウドにも置けます
- OSはWindowsとLinux、データベースはSQL Server・PostgreSQL・MySQLから選べます*2
- サーバーを持たずに使うクラウド版もあり、3名までは無料です*3
使いどころは、部署ごとに散らばった台帳や申請の記録を、1つの仕組みにまとめたい場面です。顧客管理や案件管理、日報など、表の形で管理している業務に向くと開発元は説明しています。一方で、画面の作り込みや帳票の細かな書式が欠かせない業務では、別の手当てが要ります。
標準でできること
Pleasanterは、1つの業務を1つのテーブル(表)として作り、そこに記録を積み上げていく仕組みです。一覧の画面で絞り込みや集計をし、同じデータをガントチャートやカンバン(作業を状態ごとの列に並べた表示)に切り替えて見られます。*2

| 分野 | できること |
|---|---|
| データの管理 | 一覧・検索・集計、テーブル同士の関連づけ、更新履歴の記録 |
| 見える化 | カレンダー、ガントチャート、クロス集計、カンバン |
| 業務の流れ | 状況の管理と承認の流れ、メールやチャットへの通知 |
| 守り | テーブル・レコード・項目の単位での権限、LDAP・SAMLとの認証連携、二要素認証 |
| 拡張 | 画面やサーバー側のスクリプト、SQLでの拡張、API連携 |
表に挙げた権限や認証の連携は、無料のCommunity Editionでも使えます。*3 更新履歴が自動で残るため、誰がいつ値を変えたかを後から追えるのも、ファイルで台帳を回している現場にとっては大きな違いです。
無料版と有償版の違い
Pleasanterには、無料のCommunity Editionと、年間サポートサービスの契約で使えるEnterprise Editionがあります。両者は同じソフトウェアで、いまの環境にライセンスファイルを置くだけで切り替わり、作ったアプリやデータはそのまま使えると開発元は案内しています。*3
| 使い方 | 費用の考え方 | おもな違い |
|---|---|---|
| Community Edition | 無料 | 1テーブルで使える分類・数値などの項目は合計156まで。開発元の技術サポートは付かない |
| Enterprise Edition | 年間サポートサービスの年額。200名までのプランで420,000円 | 項目を900まで増やせる(MySQLは256まで)。開発や運用を助けるツールと技術サポートが付く |
| クラウド版 | 3名まで無料 | サーバーの構築が要らない |
年間サポートサービスの年額は、ユーザー数の上限で分かれた6つのプランで決まり、1人ごとの料金ではありません。*3 まず無料版で小さく始め、項目が足りなくなったときや、開発元に相談できる窓口が欲しくなったときに有償版へ移る、という順序で考えると判断しやすくなります。
脱Excelで導入する進め方
Excelの台帳をPleasanterに移すときは、ソフトを入れる作業よりも、どの台帳をどの形で移すかを決める作業が中心になります。次の4つの段階で進めると、移した後に作り直す手間を減らせます。
- ステップ1:置き換える台帳を1つ選び、列の意味と入力のルールを洗い出す
- ステップ2:置き場所を決める(自社のサーバー、クラウド上のサーバー、クラウド版のいずれか)
- ステップ3:テーブルを作り、ExcelをCSVファイルに保存して取り込む
- ステップ4:権限と運用のルールを決め、1つの部署で試してから広げる
つまずきやすいのはステップ3です。テーブルは、200を超える標準のテンプレートから近いものを選ぶか、Excelの列に合わせて項目を用意して作ります。Excelの関数やマクロはそのままでは動かないため、Pleasanterの計算式やサーバー側のスクリプトに置き換えます。*3 移行の全体の考え方は脱Excelで業務システム化を外注する方法でも扱っています。
外部に頼むときに確認しておきたい点
自社でサーバーを用意する場合、ソフトウェアの費用はかからなくても、構築と更新の手間は自社で持つことになります。構築や移行を外部に頼むときは、次の点を見積もりの前に確かめておきます。

- どこまで頼むか:サーバーの構築、テーブルの設計、Excelからの移行、操作の説明のうち、どれを任せるか
- マクロの置き換え:Excelの関数やマクロを、計算式とスクリプトのどちらで作り直すか
- 権限と認証:部署ごとの見える範囲をどう分けるか。社内のアカウントとLDAPやSAMLでつなぐか
- 更新の段取り:版を上げる前にバックアップを取り、検証用の環境で動作を確かめる手順があるか
- 帳票の出し方:標準はCSVへの書き出しとブラウザでの印刷なので、決まった書式の帳票が要るなら作り方を決めておく*3
特に更新の段取りは後回しにされがちです。開発元は、Pleasanter 1.4が動く.NET 8のサポートが2026年11月10日に終わるとして、1.5への移行を案内しています。*4 似た位置づけのオープンソースで画面を組み立てる基盤についてはToolJetで社内業務アプリをセルフホスト外注で扱っています。
まとめ:Pleasanterで確かめたい3つの点
Pleasanterで脱Excelを進めるうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、置き換える台帳を1つに絞り、列の意味と入力のルールを洗い出してから取り込むこと。第二に、Excelの関数やマクロを何に置き換えるかを、移す前に決めること。第三に、自社のサーバーに置くなら、版の更新とバックアップを誰が受け持つかを導入の前に決めることです。この3点を踏まえておけば、「入れてはみたが、結局Excelの台帳に戻ってしまった」という事態を避けやすくなります。構築や移行の進め方に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。
よくある質問
Pleasanterを試すのに、まずサーバーを用意する必要がありますか
必要ありません。開発元は、メールアドレスの登録だけで60日間使えるデモ環境を用意しています。*3 実際の台帳に近い表を作ってみて、操作が現場に合うかを確かめてから、置き場所を決めると無駄が少なくなります。
インターネットにつながらない社内の環境でも使えますか
使えます。インターネットにつながるパソコンで必要なファイルを取得してサーバーに置けば、閉じた環境にも入れられると案内されています。*3 その場合は、更新のたびにファイルを持ち込む手順も決めておきます。
構築を手伝ってくれる会社はどう探せばよいですか
開発元の認定パートナーが全国にあり、課題や地域から探せます。*3 頼む前に、移す台帳の一覧と、権限を分けたい部署の範囲をまとめておくと、見積もりの前提がそろいやすくなります。
Pleasanterでの業務アプリ構築のご相談
Pleasanterの構築から、Excel台帳の移行、権限の設計、版の更新を含む運用まで、元請(プライムベンダー)としてご提案します。
2006年の創業以来、一次請けのシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。
出典
- *1 参考:株式会社インプリム「プリザンターとは」(Pleasanter公式サイト)(https://pleasanter.org/overview/)。出典:国内での開発、ExcelやAccessの業務をWebデータベースに置き換えられること、Community Editionは人数・期間の制限なく無料で使え商用利用もできることの記述を参照(2026年10月確認)
- *2 参考:Implem/Implem.Pleasanter(GitHub)(https://github.com/Implem/Implem.Pleasanter)。出典:READMEの機能一覧(データ管理・見える化・権限・認証・拡張)、動作環境(Windows/Linux、SQL Server/PostgreSQL/MySQL)とライセンス(AGPL-3.0)を参照(2026年10月確認)
- *3 参考:株式会社インプリム「プリザンター導入前のよくある質問」(https://pleasanter.org/introduction_faq/)。出典:エディションの違い(項目数156と900、MySQLは256)、年間サポートサービスの6プランと年額、ライセンスファイルによる切り替え、クラウド版の無料範囲、60日間のデモ、閉じた環境へのインストール、Excelからの移行、帳票の出力、認定パートナーの記述を参照(2026年10月確認)
- *4 参考:株式会社インプリム「プリザンターのシステム要件と対応環境」(https://pleasanter.org/specifications/)。出典:システム構成例と、.NET 8のサポート終了日(2026年11月10日)および1.5への移行の案内を参照(2026年10月確認)
- *5 参考:株式会社インプリム「Enterprise Edition」(https://pleasanter.org/enterprise-edition/)。出典:Enterprise Editionで使える項目拡張と開発・運用の支援ツールの記述を参照(2026年10月確認)