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2026.10.24 らしくコラム

Oracle Forms移行先の選び方|サポート期限と費用の要点

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

古いモニターの入力画面とノートPCのWeb画面を見比べる担当者の手元

この記事の結論

  • Oracle Forms 12cは、プレミアサポートが2026年12月、延長サポートが2027年12月に終わります。
  • 移行先は、14cへの版上げ・APEX・Webアプリへの作り直し・パッケージへの置き換えの4つから選べます。
  • データベースを続けるかを先に決め、画面と帳票の数を棚卸ししてから見積もりを取ることが大切です。

※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

Oracle Formsで作った業務システムが、いまも現役で動いている。サポート期限が近いと聞いたものの、新しい版に上げるべきか作り直すべきか決められない——。長く使い続けてきた基幹系の業務画面では、こうした迷いが起こりがちです。Oracle Formsは、データベースに入力・照会する社内向けの業務アプリケーションを作るための、オラクルの開発ツールです。

移行先にはOracle APEX(オラクルのWebアプリ開発基盤)やWebアプリへの作り直しなどがあり、費用のかかり方も違います。ただし万能な移行先はなく、画面の数や処理の書き方、データベースを今後どうするかで向き不向きが分かれます。本記事では、Oracle Formsで作ったシステムを抱える情報システムの担当者に向けて、サポート期限、移行先の選択肢と違い、選ぶ手順、費用が決まる要素、そして外部に頼むときに確認したい点を整理します。

Oracle Formsのサポート期限

Oracle Formsは、オラクルのミドルウェア製品群であるFusion Middlewareの一部として提供されています。*3 サポート期限もFusion Middlewareの版ごとに決まり、標準のプレミアサポートは提供開始から5年で、追加費用を払う延長サポートを使うと、さらに3年延ばせます。*1

Oracle Formsを含むFusion Middlewareの版ごとのサポート期限
版 提供開始 プレミアサポート終了 延長サポート終了
11gR2(11.1.2.x) 2011年10月 2016年12月 2018年12月
12c(12.2.x) 2015年10月〜2016年4月 2026年12月 2027年12月
14c(14.1.x) 2024年12月 2030年12月 2033年12月

いまも多くの利用者が使っている12c(Formsでは12.2.1.19)は、2026年12月にプレミアサポートが終わり、2027年12月には延長サポートも終わります。オラクルは、この期限を過ぎると更新やセキュリティの修正を提供しないとしたうえで、早めに版上げか移行の計画を立てるよう呼びかけています。*2 2027年には次の版(27)を出し、FormsとReportsも含める計画も示しています。

  • 11gR2以前の版:延長サポートまで終わっており、早めの判断が要る状態です
  • 12c:プレミアサポートの終わりが目前で、版上げにするか作り直すかを決める時期です
  • 14c:2033年12月まで延長サポートがあり、作り直しまでの時間を確保する受け皿になります

移行先の4つの選択肢

Oracle Formsの移行先は、大きく4つに分けられます。同じ製品の新しい版で使い続ける道も、選択肢の一つです。4つの違いは、画面と処理をどこまで作り直すかと、データベースをOracleのまま残すかの2点にあります。

会議室の壁のモニターの4列の表を前に話し合う2人

Oracle Formsの移行先の4つの選択肢
選択肢 何をするか 費用がかかるところ 向いている場面
14cへの版上げ 画面と処理はそのままで、新しい版の環境に載せ替える 版上げの作業と動作の確認、Formsの保守契約 業務が当面変わらず、画面もいまのままでよいとき
APEXで作り直す Oracle Databaseの上で動くWebアプリとして画面を作り直す 画面の作り直しとテスト データベースをOracleのまま使い、PL/SQLの処理を生かしたいとき
Webアプリとして作り直す Javaなどの一般的な技術で設計から作り直す 設計、処理の書き換え、データ移行、テスト データベースも含めて仕組みを見直したいとき
パッケージやクラウドサービスへ置き換える 業務のほうを既製品に合わせる 利用料、業務の見直し、データ移行 会計や販売管理など、他社と似た業務のとき

14cへの版上げは作り直しが要らず、短い期間で済ませやすい道です。14cではPL/SQL(Oracle Databaseで使うプログラム言語)からWeb上の別のシステムを呼び出す部品も加わりました。*5 ただし、Formsを扱える技術者を確保し続ける必要は残ります。APEXはOracle Databaseの上で動くため、*4 データベースに書かれた処理を生かしやすくなります。

移行先を選ぶ手順

移行先は、製品の機能を見比べる前に、いまのシステムの中身と使える期間から絞り込むと迷いません。次の4つのステップで進めます。

  • ステップ1:画面・帳票・データベースの処理を棚卸しし、よく使うものと使っていないものを分ける
  • ステップ2:いまの版のサポート期限から、作り直しに使える期間を逆算する
  • ステップ3:データベースを続けるか、画面を作り直すかで移行先を決める
  • ステップ4:一部の画面で試しに作り、全体の移し方と期間を見直す

Oracle Formsの移行先を選ぶ手順を4つの段階で左から順に並べた流れ図。STEP1 画面と帳票を棚卸しする、STEP2 サポート期限から逆算する、STEP3 移行先を決める、STEP4 一部で試して広げる。

判断が分かれるのはステップ3です。データベースをOracleのまま使い続け、処理の多くがPL/SQLで書かれているなら、APEXが候補に残ります。データベースの移行まで考えているなら、Webアプリとしての作り直しか、パッケージへの置き換えを比べます。期限までに作り直しが間に合わないときは、いったん14cへ上げて時間を確保し、その間に作り直す進め方もとれます。

費用が決まる要素

Oracle Formsの移行費用は、どの移行先を選ぶかよりも、移す物の量と確かめる手間で大きく変わります。見積もりを比べる前に、次の要素を自社で数えておくと、金額の差の理由が読み取りやすくなります。

  • 画面と帳票の数:作り直す画面と、Oracle Reportsなどで出している帳票がそれぞれいくつあるか
  • 処理の置き場所:画面の中に書かれた処理と、データベース側に置かれた処理のどちらが多いか
  • データ移行:データベースも移すなら、表の数とデータの量、移したあとの照合の方法
  • テスト:いまの画面と同じ結果になるかを、誰がどの業務で確かめるか
  • 保守の費用:Formsを続けるなら保守契約、延長サポートを使うならその追加費用*1

ライセンスの面では、APEXはOracle Databaseのサポート対象のすべてのエディションに追加費用なしで含まれ、APEX単独のライセンス料はかかりません。*4 その代わり、APEXの各版のサポートは原則として提供開始から18か月です。*4 移行したあとも定期的な版上げの作業が続くため、その手間を運用の費用に見込んでおきます。

外部に頼むときに確認しておきたい点

Oracle Formsの移行を外部に頼むときは、作り直しの技術だけでなく、いまの画面の動きを読み解けるかが要になります。見積もりの前に、次の点を確かめておきます。

2台のモニターの同じ並びの表を指でなぞって照らし合わせる技術者

  • 棚卸しの範囲:画面・帳票・データベースの処理のどこまでを調べてから見積もるか
  • 両方の技術:Formsの作りを読める人と、移行先の技術で作れる人がそろっているか
  • 確かめ方:移行の前後で同じ結果になるかを、どのデータと業務で照らし合わせるか
  • 切り替えの段取り:一度に切り替えるか業務ごとに分けるか。問題が出たときに戻す手順はあるか
  • 切り替え後の保守:版上げやセキュリティの更新を誰が受け持つか

データベースそのもののサポート期限が同じ時期に重なることもあります。データベース側の判断はOracle Database 19cの延長サポートと移行の判断で、作り直しの費用の考え方はレガシーシステム刷新の費用で扱っています。

まとめ:Oracle Formsの移行で確かめておきたい3つの点

Oracle Formsの移行先を選ぶうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、いま使っている版のサポート期限を確かめ、作り直しに使える期間を逆算すること。第二に、データベースをOracleのまま使い続けるかを先に決め、APEX・Webアプリ・パッケージの候補を絞ること。第三に、画面・帳票・処理の数を棚卸ししてから見積もりを取ることです。この3点を踏まえておけば、「期限が来てから慌てたが作り直しが間に合わない」という事態を避けやすくなります。移行先の選び方に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

LASSICは2006年の創業以来、システムの運用・保守に特化したプライム(一次請け)のシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。日本ニアショア開発推進機構の認定ベンダーとして、全国のリモート人材による開発・運用の体制を整えています。

Oracle Formsの移行では、Form Builderの画面、Oracle Reportsの帳票、PL/SQLの処理を一覧にし、使われている画面を見分けます。APEXへ移すならOracle DatabaseとORDS(Oracle REST Data Services)の構成と版上げの周期を、14cで続けるならWebLogic Serverの版上げ手順とForms Standalone Launcherの配り方を決めます。移行の前後で同じ入力に同じ結果が返るかをテストデータで照らし合わせ、更新の手順を文書にして引き継ぎます。

よくある質問

12cの延長サポートが終わったあとも使い続けられますか

延長サポートのあとはサステイニングサポートに移り、問い合わせはできますが、新しい修正やセキュリティの更新は提供されません。*1 オラクルは2027年以降も12.2.1.19向けに1年単位の有償サポートを用意する意向を示していますが、範囲や条件は後日発表とされています。*2 これを当てにせず、移行の計画を立てておくのが確実です。

移行にはどのくらいの期間がかかりますか

画面と帳票の数、処理の複雑さ、データベースも移すかどうかで大きく変わるため、一概には言えません。まず棚卸しをして一部の画面で試しに作ると、全体の期間を見積もりやすくなります。

Oracle Reportsの帳票も一緒に移す必要がありますか

Oracle ReportsはFormsと同じFusion Middlewareの表でサポート期限が決まっており、12cでは同じ時期に期限を迎えます。*1 Formsだけを移してReportsを残すと、古い版の実行環境も残り続けます。帳票をどこで出すかも、画面の移行先と合わせて決めておくと手戻りを防げます。

Oracle Formsの移行のご相談

Oracle Formsの棚卸しから移行先の選定、作り直し、切り替え後の保守まで、元請(プライムベンダー)としてご提案します。

2006年の創業以来、一次請けのシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。

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出典

  1. *1 参考:Oracle「Oracle Lifetime Support Policy: Oracle Fusion Middleware」(Effective Date: April 13, 2026)(https://www.oracle.com/us/assets/lifetime-support-middleware-069163.pdf)。出典:プレミアサポート5年・延長サポート3年(追加費用)・サステイニングサポートの内容、Fusion Middleware 14.1.x/12c(12.2.x)とForms and Reports 11gR2のサポート期限の表を参照(2026年10月確認)
  2. *2 参考:Oracle「Oracle Fusion Middleware Statement of Direction」(June 2026)(https://www.oracle.com/a/ocom/docs/middleware/fusion-middleware-statement-of-direction.pdf)。出典:Forms and Reports 12.2.1.19のサポート終了時期と移行計画の呼びかけ、次の版(27)の計画、12.2.1.4/12.2.1.19向けMarket Driven Supportの意向を参照(2026年10月確認)
  3. *3 参考:Oracle「Oracle Forms」製品ページ(https://www.oracle.com/application-development/technologies/forms/forms.html)。出典:Oracle FormsがFusion Middlewareの構成要素であること、業務アプリケーションを作る技術であることの説明を参照(2026年10月確認)
  4. *4 参考:Oracle「Oracle APEX」製品ページ(https://www.oracle.com/apex/)。出典:APEXがOracle Database上で動くこと、追加費用なしでOracle Databaseに含まれること、各版のサポート期間(原則18か月)の記述を参照(2026年10月確認)
  5. *5 参考:Oracle「Oracle Forms 14.1.2 New Features」(https://www.oracle.com/a/otn/docs/oracleforms-1412-newfeatures.pdf)。出典:Form BuilderのREST Package Designer(PL/SQLからRESTサービスを呼び出す機能)の記述を参照(2026年10月確認)




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