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GROWIの導入の進め方|セルフホストとクラウド版の選び方
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論
- GROWIは国内の企業が開発するオープンソースの社内wikiで、自社のサーバーに置けば無料で使えます。
- 自社で置くかGROWI.cloudを使うかは、更新とバックアップを誰が受け持つかで考えると決めやすくなります。
- Confluenceから移すなら、書式の直しと閲覧権限の作り直しの量を先に見積もることが大切です。
※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。
部署ごとに手順書が共有フォルダやExcelに散らばり、どれが最新か分からない。Confluenceの契約を見直すことになったが、移す先が決まらない——。社内の文書をまとめる仕組みを選ぶ場面では、こうした迷いが起こりがちです。GROWIは、東京都新宿区のGROWI, Inc.が開発し、無料で使えるオープンソースとして公開している社内wikiです。
Markdown(記号で見出しや箇条書きを書く書式)でページを書き、複数の人が同じページを同時に編集できます。自社のサーバーに置く版のほか、クラウド版のGROWI.cloudもあります。ただし万能ではなく、自社で置く場合は更新とバックアップの手間を自社で持つことになります。本記事では、社内wikiの導入を任された情報システムの担当者に向けて、GROWIでできること、セルフホストとクラウド版の違い、Confluenceから移すときの確認点、導入の進め方、そして外部に頼むときに確認したい点を整理します。
目次
GROWIとは
GROWIは、ページを階層(フォルダのような親子関係)で整理していく社内wikiです。開発元のサイトでは、マニュアルや企画書の共有、議事録の同時編集などに使う道具として紹介されています。*1 もとはCrowiという別のオープンソースから分かれたソフトです。
- ライセンスはMIT(改変や商用利用を広く認めるライセンス)です*2
- 書式はMarkdownのほか、文字の装飾をボタンで付けるリッチテキストエディタにも対応し、draw.ioで図も描けます
- ログインはLDAP・Active Directory・SAML(社内のアカウントでまとめてログインする仕組み)などと連携できます
- ユーザーグループごとに、ページを見られる人を分けられます
- データはMongoDB(データベース)に保存し、全文検索を使うにはElasticsearch(検索用のソフト)も必要です
自社で置く場合のインストール方法は、docker-compose(複数のソフトをまとめて起動する道具)、Ubuntu Server、AlmaLinux、CentOSの4つが案内されており、最新版を使うにはdocker-composeが勧められています。*3 画面の使い勝手を確かめるだけなら、公式のデモサイトで触ってみるのが手軽です。
セルフホストとGROWI.cloudの違い
GROWIには、自社で用意したサーバーに置いて使うオープンソース版(セルフホスト)と、提供元が運用するクラウド版のGROWI.cloudがあります。主な機能は共通していますが、費用のかかり方と、運用を誰が受け持つかが大きく違います。

| 観点 | セルフホスト | GROWI.cloud |
|---|---|---|
| 費用のかかり方 | ソフトの利用料は無料。サーバー代と運用の手間がかかる | 月額固定制。プランごとに1つのwikiで使える人数の上限が決まっている*5 |
| 置き場所 | 自社のサーバーやプライベートクラウド | 提供元の環境。専用環境を用意するプランもある |
| 版の更新 | 自社で手順を確かめて行う | 管理画面から更新でき、自動で最新版にする設定もある*3 |
| バックアップ | 取得と戻す手順を自社で用意する | 標準で1日ごとに3世代、1時間ごとに24世代を取得*5 |
| 困ったときの窓口 | GitHubやSlackのコミュニティ | 提供元のサービスデスク |
自社のサーバーに置きたいけれど構築や運用は任せたい、という会社に向けて、提供元はオンプレミス環境(自社管理のサーバー)への構築と、その後の利用を支えるサービスも用意しています。*6 社内の方針でクラウドを使えない場合は、この選択肢も比べます。
Confluenceから移すときの確認点
Atlassianは、Confluenceの自社設置版(Data Center)のサポートを2029年3月28日に終えると案内しています。*7 これをきっかけに移す先を探し、GROWIが候補に挙がることがあります。ここでは、GROWIを移す先にする場合に確かめておきたい点に絞ります。
- Confluenceは、スペース(ページのまとまり)をWord・HTML・PDF・XMLの形で書き出せます。スペースの書き出しには専用の権限が要ります*7
- GROWIの取り込み機能が受け付けるのは、同じ版のGROWIから書き出したデータです。esa.ioやQiita:Teamからの取り込みも、v7.4以降は対応を終えています*4
- そのため、Confluenceのページは書式をMarkdownに直してGROWIに入れ直す作業が要ります
- ページごとの閲覧の制限はそのまま移らないので、GROWIのユーザーグループで作り直します
移す作業の量を見積もるときは、ページの数だけでなく、表や添付ファイルの多いページ、閲覧を絞っているページの数も数えておきます。しばらく誰も開いていないページを移さないと決めておけば、作業を減らせます。
導入の進め方
GROWIの導入は、ソフトを入れる作業よりも、置き場所と権限を先に決めることのほうが大切です。次の4つの段階で進めると、途中で作り直さずに済みます。
- ステップ1:置き場所を決める(セルフホストか、GROWI.cloudか、構築を任せるか)
- ステップ2:ログインの方法と、部署ごとのユーザーグループと閲覧権限を決める
- ステップ3:いまある文書を移し、全文検索で探したいページが見つかるか確かめる
- ステップ4:版の更新とバックアップの手順を決めて、担当者に渡す
自社のサーバーに置く場合、つまずきやすいのはステップ4です。公式ドキュメントは、ページの更新履歴のデータに重大な不具合があるとして、v6.1.0〜v7.0.15へは上げず、v7.4.0以降へ直接上げるよう注意を促しています。*3版を上げる前に、管理画面の書き出し機能でデータを保存しておく手順も決めておきます。*4
外部に頼むときに確認しておきたい点
GROWIをセルフホストで使う場合、ライセンス費用はかかりませんが、構築と保守の手間は自社で持つことになります。構築や移行を外部に頼むときは、次の点を見積もりの前に確かめておきます。

- どこまで頼むか:サーバーの用意、GROWIの設定、Confluenceなどからの移行、操作の説明のうち、どれを任せるか
- 移行の確かめ方:移す前と後で、ページ数と添付ファイルの数をどう突き合わせるか
- ログインの連携:社内のActive DirectoryやSAMLとつなぐか。退職した人のアカウントをどう止めるか
- 更新とバックアップ:誰がいつ版を上げるか。データの保存先と頻度、戻す手順をいつ試すか
- 運用後の見直し:使われていないページや権限の整理を、どの間隔で行うか
特に更新とバックアップは、導入のときに決めないまま運用に入りやすい点です。ほかのオープンソースの社内wikiと比べながら考えたい場合はBookStackで社内wiki基盤を外注構築、ナレッジの仕組みづくり全体の進め方は社内ナレッジベースシステムの外注の進め方で扱っています。
まとめ:GROWIで確かめておきたい3つの点
GROWIで社内wikiを始めるうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、セルフホストとGROWI.cloudのどちらにするかを、費用だけでなく更新とバックアップを誰が受け持つかで決めること。第二に、Confluenceなどから移すなら、書式の直しと閲覧権限の作り直しの量を先に見積もること。第三に、自社で置くなら、版を上げる前に公式の注意を読み、データを保存してから上げる手順を決めておくことです。この3点を踏まえておけば、「入れてはみたが、古い版のまま誰も更新できない」という事態を避けやすくなります。構築や移行の進め方に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。
よくある質問
GROWI.cloudは試してから決められますか
提供元のサイトから無料のトライアルを申し込めます。試すときは、実際の手順書を数ページ入れて、検索で見つかるか、閲覧の制限が思いどおりに働くかを確かめておきます。
セルフホストで始めて、あとからGROWI.cloudへ移せますか
GROWIには、あるGROWIから別のGROWIへデータを移す「お引越し機能」があります。*4 ただし、移す元と先がどちらもv6以上の同じ版であることが条件です。移す前に、両方の版をそろえる手順を確かめておきます。
GROWIで生成AIの機能は使えますか
v8.0.0から、wiki全体のページを探して質問に答える「GROWI AI Agent」という機能が入っています。*1 OpenAI・Anthropic・Google・Azure OpenAIのいずれかのAPIキーを登録して使う形なので、社内の情報の扱いの規程に照らして、使うかどうかを先に決めておきます。
社内wikiの構築と移行のご相談
GROWIなどの社内wikiの構築から、Confluenceからの移行、更新とバックアップの運用まで、元請(プライムベンダー)としてご提案します。
2006年の創業以来、一次請けのシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。
出典
- *1 参考:GROWI, Inc.「GROWI」公式サイト(日本語)(https://growi.org/ja/)。出典:GROWI, Inc.が開発しMITライセンスで公開していること、主な機能(Markdown・draw.io連携・同時多人数編集・グループ管理・認証)、GROWI AI Agent の記述を参照(2026年10月確認)
- *2 参考:growilabs/growi(GitHub)README・LICENSE(https://github.com/growilabs/growi)。出典:LDAP/Active Directory・SAMLの対応、MongoDBとElasticsearch(全文検索に必要)の要件、MITライセンスの記述を参照(2026年10月確認)
- *3 参考:GROWI Docs「管理者ガイド」(はじめに・アップグレードの概要と最新バージョンへの移行)(https://docs.growi.org/ja/admin-guide/)。出典:インストール方法とdocker-composeの推奨、Crowiからの移行手順、GROWI.cloudでの版の更新と自動バージョンアップ、v6.1.0〜v7.0.15を避けてv7.4.0以降へ直接上げる注意を参照(2026年10月確認)
- *4 参考:GROWI Docs「データのインポート」「データのアーカイブ」「GROWI お引越し機能」(https://docs.growi.org/ja/admin-guide/management-cookbook/import.html)。出典:取り込めるのは同じ版のGROWIアーカイブであること、esa.io・Qiita:Teamからの取り込みがv7.4以降は対象外であること、書き出し機能、GROWI間の移行の条件を参照(2026年10月確認)
- *5 参考:GROWI.cloud「価格・機能」(https://growi.cloud/v2/price-and-features)。出典:月額固定制とプランごとの上限ユーザー数、標準のバックアップ(Daily 3世代・Hourly 24世代)、プライベートクラウドの記述を参照(2026年10月確認)
- *6 参考:GROWI オンプレサービス(https://growi.cloud/v2/onpremise)。出典:オンプレミス環境へのGROWIの構築と、その後の利用支援を行うサービスの記述を参照(2026年10月確認)
- *7 参考:Atlassian「Export Content to Word, PDF, HTML and XML」(Confluence Data Center 11.0 ドキュメント)(https://confluence.atlassian.com/doc/export-content-to-word-pdf-html-and-xml-139475.html)。出典:スペースをWord・HTML・PDF・XMLへ書き出せること、Export Space権限が必要なこと、Data Centerのサポートが2029年3月28日に終わるとの案内を参照(2026年10月確認)