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2026.11.02 らしくコラム

Angularバージョンアップはなぜ必要?サポート期限と進め方

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

ノートPCの画面を向けて版上げの必要を説明する保守担当と、聞いている情シス担当

この記事の結論

  • Angularのメジャー版はサポートが通常24か月で、期限を過ぎると公式の修正が届かなくなります。
  • 複数の版をまたぐときは、メジャー版を1つずつ上げるのが公式の決まりです。
  • 外部に頼むときは、目標の版と段階ごとの確認、次の版上げの計画まで決めておくことが大切です。

※ 本記事は2026年11月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

Angularで作った社内システムがあるのに、いまの版がいつまで使えるのか分からない。開発した会社との契約が終わり、更新を誰が受け持つのか決まっていない——。業務システムの保守の現場では、こうした食い違いが起こりがちです。Angularのバージョンアップとは、システムが使っているAngularの版を、サポートの続いている新しい版へ上げる作業のことです。

Angularは年に1回メジャー版を出し、版ごとにサポートの期限を公表しています。ただし万能な近道はなく、古い版から一気に最新版へ飛ぶことはできません。本記事では、Angularで作ったシステムの保守を担当する方に向けて、版上げが必要な理由、更新の種類の違い、進め方、そして外部に頼むときに確認したい点を整理します。

Angularのバージョンアップとは

Angularは、Googleのチームが開発しているWebアプリケーションの開発基盤(フレームワーク)です。新しい版が決まった間隔で公開され、版ごとにサポートの期限が決まっています。バージョンアップは、システムを止めずに使い続けるための保守作業の一つと考えると分かりやすいでしょう。

  • 版の番号は「メジャー.マイナー.パッチ」の3つの数字で表します。たとえば7.2.11なら、メジャー版7、マイナー版2、パッチ11です*1
  • どの数字が上がったかで、更新の影響の大きさが分かるように番号が付けられています
  • この版の決まりはAngular 2.0以降に当てはまります。1.x系はAngularJSと呼ばれる別の製品です*1

AngularJSからAngularへ乗り換える作業は、作りそのものを変える移行で、本記事で扱う定期の版上げとは別の話です。AngularJSのサポート終了と移行の進め方はAngularJSのサポート終了と移行の記事にまとめています。

なぜ定期的に版を上げるのか

理由は、版ごとに公式のサポート期限があるからです。Angularの公式ドキュメントは、メジャー版は通常24か月サポートされると説明しています。最初の12か月は定期的な更新と修正が出る期間、続く12か月はLTS(長期サポート)として、重大な不具合とセキュリティの修正だけが出る期間です。*1

夜の自席でモニターの予定表を見ながら手帳に書き込む担当者

Angularのサポートの段階
段階 期間 提供されるもの
アクティブ 12か月 定期的な更新と修正
LTS(長期サポート) 12か月 重大な不具合の修正とセキュリティの修正だけ
サポート終了後 ― 公式の修正は出ない

2026年10月時点の公式ページでは、サポート中の版と期限は次のとおりです。公式は、日付はおおよその目安で変わることがあると断っています。*1

  • v22:アクティブ(2026年6月3日公開)。アクティブは2027年6月まで、LTSは2028年6月まで
  • v21:LTS。2027年6月まで
  • v20:LTS。2026年11月28日まで
  • v2〜v19:すでにサポートの対象外

サポートが切れた版を使い続けると、新しく見つかった弱点の修正が届かなくなります。公式のセキュリティの指針も、Angularの新しいリリースに合わせて更新し続けることを勧めており、更新には過去の版の欠陥を直すものが含まれ得ると説明しています。*3 v20を使っているシステムは、期限が目前に迫っています。

メジャー・マイナー・パッチの違い

版上げの手間は、どの数字が上がるかで大きく変わります。公式が示すリリースの間隔と、更新のときに作業が要るかどうかを表にまとめました。*1

Angularの3種類の更新の違い
種類 出る間隔のめやす 中身 更新時の作業
メジャー版 12か月ごと 大きな新機能や、これまでの書き方が使えなくなる変更 更新用の手順の実行、プログラムの手直し、追加のテストが要ることがある
マイナー版 1つのメジャー版につき4〜6回 小さな新機能。これまでの書き方のまま動く 手直しは原則不要
パッチ版 ほぼ毎週 不具合の修正 手直しは原則不要

費用と時間がかかるのは主にメジャー版です。なお、v22より前はメジャー版が6か月ごとに出ていました。*1 古い版から上げる場合は、それだけ多くの段階を踏むことになります。一方で、使わなくなる機能はいきなり消えません。公式は、廃止を予告した機能を少なくとも次のメジャー版までは残すとしており、*1 予告を見てから手直しを計画する余裕があります。

バージョンアップの進め方

Angularのバージョンアップは、次の4つのステップで進めると途中で止まりにくくなります。特にステップ3は飛ばせません。公式は、複数のメジャー版をまたぐときは1つずつ上げるよう案内しています。たとえば10から12に上げるなら、11を経由します。*1

  • ステップ1:いまの版と、その版のサポート期限を確かめる
  • ステップ2:Node.js(サーバーでJavaScriptを動かす仕組み)とTypeScript(Angularで使う言語)が、上げる先の版に対応しているかを確かめる*2
  • ステップ3:メジャー版を1つずつ上げ、そのたびに画面と機能を確かめる
  • ステップ4:テスト環境で一通り動かしてから、本番に反映する

Angularのバージョンアップを4つの段階で左から順に並べた流れ図。STEP1 いまの版と期限を確かめる、STEP2 Node.jsなどの対応を確かめる、STEP3 メジャー版を1つずつ上げる、STEP4 テストして本番に反映する。

公式は、プログラムの書き換えの一部を自動で行う更新機能と、版ごとの手順を示す「Angular Update Guide」を用意しています。*1 それでも、画面部品などの追加のライブラリ(共通で使う部品のプログラム)が新しい版に対応していないと、そこで作業が止まります。Angular本体だけでなく、使っている部品の対応状況も事前に一覧にしておきます。

外部に頼むときに確認しておきたい点

Angularのバージョンアップを外部の会社に頼む場合は、見積もりの前に次の点をすり合わせておきます。開発した会社とは別の会社に頼むときほど、ここが曖昧なまま始まりがちです。

壁の画面の階段状の図を示す外部の技術者と、聞いている発注側の2人

  • どの版まで上げるか:サポート期限の長い版を目標にするか、途中の版で止めるか
  • 段階ごとの確認:1つ上げるたびに、どの画面と機能を誰が確かめるか
  • 周辺の更新:Node.js・TypeScript・追加のライブラリの更新まで含めるか
  • 本番への反映と戻し方:問題が出たときに元の版へ戻す手順を用意するか
  • 次の版上げの計画:年1回のメジャー版に合わせた更新を、保守の契約に含めるか

一度上げて終わりにすると、2年ほどで同じ問題がまた起こります。版上げを保守の年間計画に組み込んでおくと、期限の直前に慌てずに済みます。Angularに詳しい技術者を社内で確保しにくい場合の考え方は、Angularエンジニア不足を補う方法で扱っています。

まとめ:Angularのバージョンアップで確かめておきたい3つの点

Angularのバージョンアップを計画するうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、いま使っている版のサポート期限を公式ページで確かめること。第二に、メジャー版は1つずつ上げる必要があるため、目標の版までの段階と、Node.jsなど周辺の対応を先に洗い出すこと。第三に、一度で終わらせず、年1回のメジャー版に合わせた更新を保守の計画に組み込むことです。この3点を踏まえておけば、「気づいたら期限が切れていて、何段階も上げ直すことになった」という事態を避けやすくなります。版上げの進め方や体制に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

LASSICは2006年の創業以来、システムの運用・保守に特化したプライム(一次請け)のシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。日本ニアショア開発推進機構の認定ベンダーとして、全国のリモート人材による開発・運用の体制を整えています。

Angularのバージョンアップでは、いまの版とAngular CLIの版をそろえて確かめたうえで、公式の更新機能とAngular Update Guideの手順に沿ってメジャー版を1つずつ上げます。設計の段階では、Node.js・TypeScript・RxJSの対応する版、Angular Materialなど追加のライブラリの対応状況を一覧にし、目標の版と途中で止める版を決めます。検証では、段階ごとに画面と機能の確認項目を決め、テスト環境で動作を確かめてから本番に反映し、元の版へ戻す手順も用意します。運用では、廃止予告の出ている機能の手直しを次の版上げまでに済ませる計画を立て、年1回のメジャー版に合わせた更新の時期をご提案します。

よくある質問

サポートが終わった版を使い続けるとどうなりますか

システムがすぐに止まるわけではありませんが、公式の修正は出なくなります。v2〜v19はすでにサポートの対象外です。*1 新しく見つかった弱点を自社で抱え込むことになるため、期限が切れる前に上げる計画を立てておきます。

どのくらいの間隔で版上げが必要ですか

メジャー版は12か月ごとに出て、1つの版のサポートは通常24か月です。*1 サポートの切れていない版を使い続けるには、少なくとも2年に1回はメジャー版を上げる計算になります。毎年上げておくと、1回あたりの手直しが小さく済みます。

マイナー版やパッチ版の更新も外部に頼む必要がありますか

公式はマイナー版とパッチ版の更新に手直しは原則不要としています。*1 ただし、更新した後の動作の確認と本番への反映は必要です。社内で手が回らない場合は、メジャー版の版上げと合わせて保守の契約に含めるかを相談するとよいでしょう。

Angularのバージョンアップと保守のご相談

Angularのサポート期限の確認から、メジャー版を1つずつ上げる更新とテスト、次の版上げを見込んだ保守の体制まで、元請(プライムベンダー)としてご提案します。

2006年の創業以来、一次請けのシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。

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出典

  1. *1 参考:Angular公式ドキュメント「Angular versioning and releases」(https://angular.dev/reference/releases)。出典:版番号の付け方、リリースの間隔(メジャー版12か月ごと・v22より前は6か月ごと)、サポート期間(アクティブ12か月・LTS12か月)、サポート中の版と期限の表、廃止予告の期間、1つずつ上げる更新の決まりを参照(2026年11月確認)
  2. *2 参考:Angular公式ドキュメント「Version compatibility」(https://angular.dev/reference/versions)。出典:Angularの版ごとに必要なNode.js・TypeScript・RxJSの版の表を参照(2026年11月確認)
  3. *3 参考:Angular公式ドキュメント「Security」(https://angular.dev/best-practices/security)。出典:ベストプラクティスの「Keep current with the latest Angular library releases」の記述を参照(2026年11月確認)
  4. *4 参考:Angular公式ドキュメント「Keeping your Angular projects up-to-date」(https://angular.dev/update)。出典:更新を続けることで新機能・最適化・不具合修正を受けられるという説明を参照(2026年11月確認)




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