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Solaris移行で選べる4つの移行先|期限と外注先の確認点
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論
- Solaris 10と11.3はExtended Supportが2027年1月に終わり、その後は新しいセキュリティ修正が出ません。
- 移行先はSolaris 11.4・自社のLinux・クラウドのLinux・作り直しの4つで、アプリの作りと使う年数で選びます。
- SPARC向けの実行ファイルはx86でそのまま動かないため、ソースコードの有無を最初に確かめることが大切です。
※ 本記事は2026年11月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。
Solarisのサポートがいつまで続くのか、はっきりしない。SPARCのサーバーを長く使ってきたが、詳しい担当者は社内に1人しかいない——。古いUNIXのサーバーを抱える情報システム部門では、こうした悩みが重なりがちです。Solaris移行は、Oracle Solarisで動いているシステムを、新しい版のSolarisやLinux、クラウドなどの基盤へ移す取り組みです。
Solaris 10と11.3は期限が近づき、移す先と順番を決める時期に来ています。ただし移行先は1つではなく、アプリケーションの作りによって向き不向きがあります。本記事では、Solarisのシステムを担当する情報システムの担当者に向けて、サポート期限、4つの移行先の違い、移行の進め方、そして外部に頼むときに確認したい点を整理します。
目次
Solaris移行とは
Solarisは、Oracleが提供しているUNIX系のOSです。SPARCという専用のCPUを積んだサーバーと組み合わせて使われることが多く、移行ではサーバーの入れ替えも同時に考えます。
- 移す対象:Solaris上で動く業務アプリケーション、データベース、夜間のバッチ処理、ほかのシステムとのファイルのやり取り
- 移す理由:OSのサポート期限、サーバーの保守契約の更新、Solarisを扱える担当者が社内に少ないこと
- 移す先:新しい版のSolaris、自社のサーバーのLinux、クラウドのLinux、別の仕組みへの作り直し
注意したいのは、SPARCと一般的なサーバーのCPU(x86)では命令の体系が違う点です。Oracleは、SPARC向けに作ったプログラムはx86向けに作り直せば動く、と保証の文書で説明しています。*2 裏を返せば、実行ファイルをそのままコピーしても動きません。ソースコードが手元に残っているかが、移行の難しさを大きく左右します。
SolarisとHP-UXのサポート期限
OracleはSolarisのサポートを3つの段階で提供しています。新しい修正が出る「Premier Support」、版によって3年続く「Extended Support」、期限を定めない「Sustaining Support」です。*1 ただし、Sustaining Supportの間は新しいセキュリティ修正が出ません。*1 実際の期限は、Extended Supportの終わりと考えておきます。
| 版 | Premier Supportの終了 | Extended Supportの終了 |
|---|---|---|
| Solaris 10 | 2018年1月 | 2027年1月*1 |
| Solaris 11.3 | 2021年1月 | 2027年1月*1 |
| Solaris 11.4 | 2031年11月 | 2037年11月*1 |
11.4は新しい機能を同じ版の更新として届ける方式で、期限は毎年見直され、少なくとも表の日付までは提供されると記されています。*1 10や11.3なら、11.4へ上げるか別の基盤へ移すかを早めに決めます。
同じ時期に期限を迎えているのが、HPEのUNIX系OSであるHP-UXです。移す先の選び方や進め方はSolarisとほぼ同じです。
- HP-UX 11i v3と、それを動かすIntegrityサーバーの標準サポートは2025年12月31日に終了*3
- その後の「Mature support」は少なくとも2028年12月31日まで。ただし新しい修正やセキュリティ更新は出ず、既存の修正を使えるだけ*3
- HP-UX 11i v3のライセンスの販売は2025年10月31日に終了*3
4つの移行先の違い
移行先は大きく4つに分けられます。アプリケーションの作りと、あと何年使うかによって選び方が変わり、1つのシステムの中で部分ごとに分けることもあります。

| 移行先 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| 1. Solaris 11.4へ上げる | アプリケーションを大きく変えずに、あと数年使いたいとき | 2037年11月より先の行き先は改めて考える必要がある |
| 2. 自社のサーバーのLinuxへ移す | 社内のサーバー室で動かし続けたいとき | x86向けの作り直しと動作確認が必要 |
| 3. クラウドのLinuxへ移す | サーバーの保守や部品の手配から手を離したいとき | 作り直しに加え、社内との通信の経路と月々の費用の見積もりが必要 |
| 4. 作り直し・置き換え | 業務の流れも見直し、古い作りを残したくないとき | 期間と費用が最も大きく、データ移行の設計が要になる |
1の根拠はOracleの互換性の保証で、以前の版の実行ファイルは、OSの決められた仕組みだけを使っていれば新しい版でも動くとしています。*2 一方、2〜4のLinuxを選ぶ場合は、移った先にも期限があります。たとえばRed Hat Enterprise Linuxは、主な版ごとに10年のライフサイクルを定めています。*4 移した先の期限も計画表に書いておきます。Linuxの版の移行はCentOS 7終了後のLinux移行でも扱っています。
移行の進め方
Solaris移行は、いま何が動いているかを調べるところから始めます。次の4つの段階で進めると、移した後に動かない処理が見つかる事態を減らせます。
- ステップ1:棚卸し(サーバーと版、動いているアプリケーション、ほかのシステムとのつながりを一覧にする)
- ステップ2:アプリケーションの調べ(ソースコードの有無、Solarisだけにある機能に頼っている部分、作り直しが要るかを確かめる)
- ステップ3:試験環境での移行(移した先で動かし、処理の結果と時間を旧環境と比べる)
- ステップ4:本番の切り替え(データを移し、旧環境へ戻す手順を用意したうえで切り替える)
つまずきやすいのはステップ2です。Solarisには、OSに組み込まれた仮想化の仕組みや、ファイルと記憶領域の管理を一体にした仕組みがあり、運用の手順がこれらに頼っていることがあります。Linuxにも似た仕組みはありますが、同じ手順では動きません。Oracleも、一部の仕組みは新しい版で変わったり無くなったりすると注意しています。*2 夜間のバッチ処理なども、試験環境で旧環境と結果を突き合わせる工程を省かないことが大切です。
外部に頼むときに確認しておきたい点
Solarisに詳しい技術者が社内に少なければ、移行を外部に頼みます。見積もりの前に次の点を確かめておくと、頼む範囲がそろいます。

- どこまで頼むか:棚卸し、アプリケーションの調べ、作り直し、試験、切り替え、移行後の運用のうち、どれを任せるか
- ソースコードが無い部分の扱い:作り直せない部分をSolaris 11.4に残すのか、置き換えるのかを誰が判断するか
- 結果の突き合わせ方:旧環境と新環境の処理結果を、どのデータで、どの単位で比べるか
- 旧環境へ戻す手順:切り替えで問題が出たときに戻す手順と、戻すかどうかを決める期限
- 移行後の運用:移した先のOSの更新を誰が受け持つか。旧サーバーをいつ止めるか
2027年1月までにすべてを移しきれない場合は、外部とつながる部分の多いシステムから先に移すなど、順番を決めて段階的に進めるとよいでしょう。専用機からの移行の考え方はIBM i(AS/400)刷新の選択肢でも紹介しています。
まとめ:Solaris移行で確かめておきたい3つの点
Solaris移行を進めるうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、使っている版のExtended Supportがいつ終わるかを、Oracleの公表資料で確かめること。第二に、ソースコードの有無とSolarisだけにある機能への頼り方を調べ、4つの移行先のどれに向くかをシステムごとに決めること。第三に、試験環境で旧環境と処理結果を突き合わせ、戻す手順を用意してから切り替えることです。この3点を踏まえておけば、「期限が来てから慌てて移したら、夜間の処理が動かなかった」という事態を避けやすくなります。移行先の選び方に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。
よくある質問
Solaris 10のままSustaining Supportで使い続けることはできますか
契約上は期限を定めずに続きますが、新しいセキュリティ修正や修正プログラムは提供されません。*1 外部のネットワークとつながるシステムや個人情報を扱うシステムは、移行を急ぐ対象として扱いましょう。
移行にはどのくらいの期間がかかりますか
アプリケーションの数、ソースコードの有無、移行先で大きく変わるため、一律には言えません。まず棚卸しと調べを行い、その結果で期間と費用を見積もるのが確実です。
移行の途中で旧環境の運用は誰が担当しますか
切り替えまでは旧環境も動かし続けるため、旧環境の運用と移行作業を誰が受け持つかを分けて決めておきます。並行して動かす期間と、その間の担当を計画書に書いておくと、障害対応が手薄になるのを防げます。
Solaris・HP-UXからの移行のご相談
Solaris・HP-UXで動くシステムの棚卸しから、Linuxやクラウドへの移行、移行後の運用まで、元請(プライムベンダー)としてご提案します。
2006年の創業以来、一次請けのシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。
出典
- *1 参考:Oracle「Oracle Lifetime Support Policy: Oracle and Sun System Software and Operating Systems」(Effective Date: July 11, 2025)(https://www.oracle.com/us/support/library/lifetime-support-hardware-301321.pdf)。出典:Oracle Solaris Releases の表(Solaris 10・11.3・11.4 の Premier/Extended Support 終了時期)、Extended Support と Sustaining Support の提供内容、Solaris 11.4 の Continuous Delivery と期限の見直しについての注記を参照(2026年11月確認)
- *2 参考:Oracle「Oracle Solaris Guarantee Program」(https://www.oracle.com/a/ocom/docs/solaris-guarantee-program-1426902.pdf)。出典:Binary Application Guarantee(以前の版の実行ファイルが新しい版で動くこと)、Source Code Guarantee(SPARC と x86 の間で作り直せば動くこと)、変わり得るインタフェースについての記述を参照(2026年11月確認)
- *3 参考:Hewlett Packard Enterprise「Product Change Notification: HP-UX 11i v3 and HPE Integrity i4/i6 Servers- HPE Standard Support Will End On December 31, 2025」(https://support.hpe.com/hpesc/public/docDisplay?docId=a00143419en_us)。出典:標準サポートの終了日、Mature support の期間と内容、ライセンス販売の終了日を参照(2026年11月確認)
- *4 参考:Red Hat「Red Hat Enterprise Linux Life Cycle」(https://access.redhat.com/support/policy/updates/errata)。出典:主な版ごとの10年のライフサイクルについての記述を参照(2026年11月確認)
- *5 参考:Oracle「Oracle Solaris 11」技術情報ページ(https://www.oracle.com/solaris/technologies/solaris11-overview.html)。出典:OSに組み込まれた仮想化の仕組み、ファイルシステムと記憶領域の管理を一体にした仕組みについての記述を参照(2026年11月確認)