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Visual Studio 2019移行の基礎と外注ガイド
LASSIC IT事業部|元請(プライムベンダー)としてシステム保守・運用を受託
この記事のポイント
- Visual Studio 2019は2024年4月9日にメインストリームサポートを終え、延長サポートも2029年4月10日に終了する予定です。
- 延長サポート期間中はセキュリティ更新のみが提供され、機能追加や非セキュリティ更新の要望は受け付けられません。
- Visual Studio 2022への移行は共存インストールで段階的に進められますが、プロジェクトごとの互換性確認が必要で、内製と外注のどちらで進めるかの判断が欠かせません。
目次
Visual Studio 2019とは?サポートライフサイクルの現在地
Visual Studio 2019は、Microsoftが定める「Fixed Lifecycle Policy(固定ライフサイクルポリシー)」に基づいて提供されている統合開発環境です。対象エディションはCommunity・Professional・Enterpriseの3つで、公式のライフサイクルページには、提供開始日が2019年4月2日、メインストリームサポート終了日が2024年4月9日、延長サポート終了日が2029年4月10日(いずれも米国太平洋時間)と明記されています*1。
本稿執筆時点(2026年7月)で振り返ると、Visual Studio 2019はすでにメインストリームサポートを終え、延長サポート期間の中に位置しています。次のバージョンであるVisual Studio 2022への移行を、延長サポートが終了する2029年4月10日より前に計画し実行しておく必要がある段階に入っていると言えるでしょう。
メインストリームサポート終了で何が変わったか
Microsoftの固定ライフサイクルポリシーでは、メインストリームサポートと延長サポートで提供内容が明確に区分されています。「製品デザインや機能追加の変更要望」への対応はメインストリームサポート期間のみで、延長サポートに入ると受け付けられません*2。「非セキュリティ更新プログラム」の提供も、同じくメインストリームサポート期間中のみとされています*2。
一方で「セキュリティ更新プログラム」は、延長サポート期間中も引き続き提供される項目です*2。また、ライセンスやソフトウェアアシュアランス、Visual Studioサブスクリプションに含まれる無償のインシデントサポート特典は、メインストリームサポート期間のみ利用できると案内されています*2。Visual Studio 2019はすでにこの無償インシデントサポートの対象外に入っており、問い合わせ対応は有償サポート契約が前提になっている点は見落とされがちなポイントです。
延長サポート終了(2029年4月)までに準備すべきこと
延長サポートが終了する2029年4月10日以降について、固定ライフサイクルポリシーの一般的な枠組みでは、サポート終了後もセキュリティ更新プログラムを「Extended Security Update Program」への登録によって有償で継続提供する仕組みが用意されている場合があるとされています*2。ただし、このプログラムがVisual Studio 2019に個別に適用されるかどうかは、Visual Studio 2019のライフサイクルページ上に明記がなく、実際の対応可否は公式情報で個別に確認する必要があります(公式で要確認)。
いずれにせよ、2029年4月10日を境にセキュリティ更新の提供根拠がなくなる可能性は高く、脆弱性対応の見通しが立たないままVisual Studio 2019を使い続けることは、企業のリスク管理上望ましくありません。延長サポート期間がまだ残っている今のうちに移行計画へ着手するのが現実的な選択と言えるでしょう。
旧バージョンに留まるリスク:新OS・新SDK・拡張機能への影響
Visual Studio 2019を使い続けた場合の実務的なリスクは、大きく3つに整理できます。第一に、メインストリームサポート終了に伴って非セキュリティ更新プログラムの提供が止まっているため、新しいWindowsのバージョンや新しい.NET SDK・言語機能との組み合わせで不具合が発生しても、Microsoft側での修正は基本的に期待できない状況です*2。
第二に、拡張機能(エクステンション)の面でも制約があります。公式ドキュメントは、Visual Studioのバージョンを新しくアップグレードしても拡張機能は自動的にアップグレードされず、Visual Studio Marketplaceまたは配布元から個別に再インストールする必要があると明記しています*3。裏を返せば、Visual Studio 2019向けの拡張機能が開発元から更新されなくなれば、そのまま古い版を使い続けるほかなく、最新のOS環境での動作保証がない状態が積み重なっていく構図です。
第三に、既存プロジェクト自体が新しいVisual Studioで開けなくなる互換性の問題も挙げられます。公式ガイドは、後方互換性の維持に努めつつも、プロジェクトの種類によっては将来サポート内容が変わる場合があると案内しています*4。放置期間が長くなるほど、いざ移行に着手した際に確認すべき互換性の論点が積み上がっていく点は、あらかじめ想定しておく必要があるでしょう。
Visual Studio 2022への移行方法:共存インストールで段階的に進める
Visual Studio 2019からVisual Studio 2022への移行では、いきなり入れ替えるのではなく、同一マシンに両方を共存させて段階的に進める方法が公式にサポートされています。公式ドキュメントによると、各Visual Studioのインストールは「メジャーバージョン・エディション・更新チャネル」の組み合わせが一意であれば共存でき、Visual Studio 2022 EnterpriseとVisual Studio 2019 Professionalを同じPCに導入するといった構成も可能です*3。
注意すべき点もあります。複数バージョンが入っているPCでいずれか1つをアンインストールすると、Visual Studioに関するファイルの関連付けがすべてのバージョンで解除されます*3。また拡張機能はバージョン間で自動的に引き継がれないため、Visual Studio 2022側で必要な拡張機能をあらためて導入し直す作業が発生します*3。共存期間中にどのプロジェクトをどちらのバージョンで開くかを整理しておくと、後の切り替え作業を軽くできるでしょう。
プロジェクト移行で確認すべき互換性のポイント
Visual Studio 2022の公式ドキュメントは、Visual Studio 2019以前で作成したプロジェクトの多くについて、新しい機能に依存していない限りそのまま開けるとしています*4。もっとも、プロジェクトの種類によっては個別の注意が必要です。たとえばTypeScript SDKはVisual Studio 2022で非推奨となっており、既定のワークロードにも含まれなくなりました。TypeScriptをコンパイルするプロジェクトでは、Microsoft.TypeScript.MSBuildというNuGetパッケージを個別に追加する対応が案内されています*4。
移行対象にXamarinプロジェクトが含まれる場合は、より踏み込んだ確認が必要です。Visual Studio 2022バージョン17.11以降、Xamarinはサポート対象外となっており、公式ドキュメントは.NET MAUIへの移行を案内しています*4。C++プロジェクトについては、開く際に最新のコンパイラ・ツールセットへ更新するか、元のツールセットを維持するかを選べ、元のツールセットを維持すればVisual Studio 2019側でも引き続き同じプロジェクトを開けます*4。自社が保有するプロジェクトの種類と依存パッケージを棚卸しし、こうした個別対応が必要な箇所をあらかじめ洗い出しておくことが、移行を円滑に進める鍵になるでしょう。
移行のタイミング:Visual Studio 2022の現在のサポート期限
移行先となるVisual Studio 2022自体のサポート期限も、計画を立てるうえで確認しておきたい情報です。公式のリリース履歴ページによると、Visual Studio 2022の最新版であるバージョン17.14(Currentチャンネル)は2032年1月13日までサポートが提供される予定とされています*5。
一方、Long-Term Servicing Channel(LTSC)の各バージョンはCurrentチャンネルより短いサイクルでサポート終了日を迎えるため、どのチャンネル・バージョンを選ぶかによって、次にアップグレードを検討すべき時期が変わってきます*5。Visual Studio 2019の延長サポート終了(2029年4月10日)までに余裕を持って移行を終えるには、対象チャンネルのサポート期限もあわせて確認し、移行後しばらく更新作業が発生しにくい構成を選んでおくことが望ましいと言えます。
内製移行と外注委託のコスト構造比較
Visual Studio 2019からの移行は、社内の情報システム部門や開発チームが担う内製と、外部の専門パートナーへ委託する外注のいずれでも進められます。判断の重心となるポイントを次の表に整理しました。
| 比較項目 | 内製移行 | 外注委託 |
|---|---|---|
| 必要な専門知識 | 共存インストールの設定、プロジェクトごとの互換性検証、拡張機能の再導入までを自社の知識で担います*3*4 | 移行実績を持つパートナーが検証と対応を担うため、社内での知識習得は最小限で済みます |
| プロジェクト棚卸し・検証工数 | 保有プロジェクトの種類・依存パッケージ・拡張機能をすべて自社で洗い出し、個別に検証する作業が発生します*4 | 棚卸しから検証までを一括して依頼できます |
| スケジュール管理 | 延長サポート終了(2029年4月10日)までの逆算スケジュールを自社で管理する必要があります*1 | 類似案件の実績をもとにした工程計画の提示を受けられます |
| 移行後の保守体制 | Visual Studio 2022移行後もOS・SDKの更新追随を自社で継続する体制が必要です | 移行後の保守・アップデート対応まで含めて委託できます |
まとめ:Visual Studio 2019移行の3つの判断軸
本稿ではVisual Studio 2019のサポートライフサイクルとVisual Studio 2022への移行について、Microsoft公式情報をもとに整理しました。要点は次の3つに集約されるでしょう。第一に、Visual Studio 2019はすでに2024年4月9日にメインストリームサポートを終えており、2029年4月10日の延長サポート終了に向けて残された時間は限られています*1。第二に、移行は共存インストールによって段階的に進められる一方、プロジェクトの種類ごとに互換性を個別に確認する作業が欠かせません*3*4。第三に、移行の実行を内製で担うか外注に委託するかは、必要な専門知識・検証工数・スケジュール管理体制をもとに判断する必要があります。
よくある質問
Visual Studio 2019のサポートはいつ終了しますか。
メインストリームサポートは2024年4月9日に終了しており、延長サポートは2029年4月10日に終了する予定です(いずれも米国太平洋時間)。対象エディションはCommunity・Professional・Enterpriseです。
延長サポート期間中のVisual Studio 2019はまだ使えますか。
延長サポート期間中はセキュリティ更新プログラムが引き続き提供されますが、機能追加の要望や非セキュリティ更新プログラムはメインストリームサポート期間中のみの提供とされ、延長サポートでは対象外です。
Visual Studio 2019とVisual Studio 2022は同じPCに共存できますか。
公式にサポートされています。メジャーバージョン・エディション・更新チャネルの組み合わせが一意であれば共存でき、片方をアンインストールするとファイルの関連付けが両方のバージョンで解除される点に注意が必要です。
Visual Studio 2019のプロジェクトはそのままVisual Studio 2022で開けますか。
新しい機能に依存していない多くのプロジェクトはそのまま開けます。ただしTypeScriptプロジェクトやXamarinプロジェクトなど、個別の対応が案内されている種類もあるため、事前の棚卸しが必要です。
移行は内製と外注のどちらで進めるべきですか。
共存インストールの設定やプロジェクトごとの互換性検証に必要な専門知識、延長サポート終了までのスケジュール管理、移行後の保守体制の3点を軸に判断します。社内の開発リソースが限られる場合は、外注委託によって検証まで含めた対応を任せる選択肢が考えられます。
著者:テレリモ総研編集部 鈴木 亮佑
ご不明な点はお問い合わせフォームからもご連絡いただけます。
- *1 出典:Microsoft Learn「Visual Studio 2019 – Microsoft Lifecycle」(https://learn.microsoft.com/en-us/lifecycle/products/visual-studio-2019)
- *2 出典:Microsoft Learn「Fixed Lifecycle Policy」(https://learn.microsoft.com/en-us/lifecycle/policies/fixed)
- *3 出典:Microsoft Learn「Install Visual Studio Versions Side-by-Side」(https://learn.microsoft.com/en-us/visualstudio/install/install-visual-studio-versions-side-by-side)
- *4 出典:Microsoft Learn「Visual Studio 2022 Port, migrate, and upgrade projects」(https://learn.microsoft.com/en-us/visualstudio/releases/2022/port-migrate-and-upgrade-visual-studio-projects)
- *5 出典:Microsoft Learn「Visual Studio build numbers and release dates」(https://learn.microsoft.com/en-us/visualstudio/install/visual-studio-build-numbers-and-release-dates)