LASSIC Media らしくメディア

2026.10.17 採用支援コラム

ネットワークエンジニア採用で任せる範囲の決め方と資格の見方

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

オフィスで脚立に乗った技術者が両手を上げて天井に白い円盤形の無線LAN機器を取り付ける後ろ姿

この記事の結論

  • ネットワークエンジニアの求人は、担当する拠点・機器・回線の範囲と現地作業の有無を書いてから募集します。
  • 資格は知識の目安として歓迎の要件に置き、担当した範囲と通信事業者とのやりとりは面接で確かめます。
  • 拠点の開設や機器の入れ替えのような期間のある仕事は業務委託に、日々の運用と社内の窓口は社員に任せられます。

※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

拠点が増えて社内のネットワークを見る人が足りない。機器の入れ替えが近いのに、詳しい社員が1人しかいない。ネットワークエンジニアの採用を任された情報システムの責任者や人事の担当者が、よく抱える悩みです。ネットワークエンジニアとは、会社の拠点やサーバーをつなぐ通信の仕組みを設計し、作り、止まらないように保つ技術者のことです。

ネットワークエンジニアの採用では、まず任せる範囲を決めることが出発点です。同じ職名でも、拠点の数、扱う機器、回線の手配まで担うかで、求める経験は大きく変わります。本記事では、公的な職業情報とIPA(情報処理推進機構)の試験の説明をもとに、任せる範囲の決め方、資格の見方、面接で確かめる経験、社員と外部人材の分け方を整理します。

ネットワークエンジニアの仕事

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)では、ネットワークの仕事は「システムエンジニア(基盤システム)」という職業に含まれています。説明には、大規模なシステムでは「専門のネットワークエンジニア」などが分担して行う場合もあるが、一人で行う場合もある、とあります。*1 会社によって、ネットワークだけを任せるか、サーバーまで含めるかが分かれます。

job tagは、この職業の細かな仕事ごとに、働く人が実施していると答えた割合を載せています。ネットワークに関わる仕事を抜き出すと、次のとおりです。*1

基盤システムの仕事のうちネットワークに関わる4つの仕事の実施率を示す横棒グラフ(厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「システムエンジニア(基盤システム)」のタスク実施率をもとに作成)。導入・入れ替えのときの顧客IT部門との調整86.7%、機器の搬入・組み立て・配線の指示84.4%、ネットワーク・サーバー機器の監視80.0%、ハードウェアやネットワークの一部入れ替え80.0%。

設計や設定だけでなく、現地での配線の指示や、機器の入れ替えの調整まで含む仕事だと分かります。この職業の2025年度(令和7年度)の全国の有効求人倍率は2.24倍で、求職者1人に2件を超える求人があります。*1 採りにくさと夜間対応の考え方はインフラエンジニアの採用が難しい理由で扱っています。

任せる範囲を拠点・機器・回線で書く

求人票に「社内ネットワークの構築と運用」とだけ書くと、応募する側は自分の経験が合うかを判断できません。ネットワークの仕事は、どこで(拠点)、何を(機器)、どこまで(回線)扱うかで中身が変わります。次の3つの軸で書き分けます。

事務所の壁際で技術者が壁の差し込み口に青いLANケーブルをつなぎ、床の測定器を左手で押さえている

求人票に書く任せる範囲(本記事の整理)
軸 書くこと 書かないと起きること
拠点 拠点の数と場所、現地へ出向く頻度、出張の有無 リモートで働きたい人が応募し、現地作業で合わなくなる
機器 扱う機器の種類(ルーター、スイッチ、無線LAN、ファイアウォールなど)とおおよその台数、入れ替えの予定 経験した規模や機器の違う人ばかりが集まる
回線 通信事業者との窓口を担うか、回線の申し込みや開通の調整まで含むか 回線の手配を誰がするかが入社後に決まらない

あわせて、構築と運用のどちらが主な仕事かも書きます。機器の入れ替えが終われば仕事が落ち着くのか、毎日の問い合わせや設定変更が続くのかで、向いている人が違うからです。クラウドとの接続が中心なら、クラウドエンジニアの採用要件と経験の見極め方も参考になります。

ネットワークの資格の見方

job tagは、この職業に就くのに「特に学歴や資格は必要とされない」としたうえで、関連する資格にネットワークスペシャリストなどを挙げ、仕事をしながら受験する人もいると説明しています。*1 資格は必須にせず、歓迎の要件に置くのが基本です。主な資格は次のように読み分けます。

ネットワークに関わる資格の読み方(本記事の整理)
資格 分かること 求人票での扱い
ネットワークスペシャリスト試験(IPAの国家試験) ネットワークの企画・設計・構築・運用で中心的な役割を担う知識 設計まで任せたいときの歓迎の要件
工事担任者 通信回線に機器をつなぐ工事を行う・監督するための資格 社員に必須とせず、工事を誰がするかを確かめる
機器メーカーの認定資格 そのメーカーの機器の知識 社内の機器と同じメーカーなら歓迎の要件

IPAは、ネットワークスペシャリスト試験の対象者像を、ネットワークに関係する技術を使い、情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守で中心的な役割を果たす者としています。*2 合格者は設計を担える知識の目安になります。ただしIPAは、現行の試験制度を2026年度の試験で終え、2027年度から新しい試験制度へ移る予定としています。*2 資格の名前だけで絞らず、何を担当してきたかを見ます。

回線については、電気通信事業法が、利用者が端末設備などを回線につなぐときは工事担任者に工事を行わせるか、実地に監督させるよう定めています(総務省令で定める場合を除く)。*3 実際の工事を通信事業者や工事業者が担うのか、社内でするのかを決め、個別の扱いは契約と専門家に確かめます。対象者像を要件に使う考え方は情報処理技術者試験の対象者像で書く要件の違いにあります。

面接で確かめる経験

資格で分かるのは知識の範囲までです。現場の経験は、本人が担った範囲を具体的に話してもらって確かめます。IPAは、この試験で期待する水準の1つに、通信事業者やベンダー、工事業者などの関連企業を活用して設計・構築・運用・保守ができることを挙げています。*2 社外とのやりとりも、ネットワークエンジニアの大事な仕事です。

  • 担当したネットワークを紙に描いてもらう:拠点と機器のつながりを自分の言葉で説明できるか
  • 担当した範囲:設計・構築・運用のどれを担ったか、拠点と機器はどのくらいの規模だったか
  • 機器の入れ替えの経験:止められる時間をどう決め、切り替えをどう進めたか
  • 通信が止まったときの切り分け:どこから順に確かめたか
  • 社外とのやりとり:通信事業者や工事業者と、何を決めて何を頼んだか

求人票に書いた拠点・機器・回線の範囲と、本人の経験を照らし合わせます。範囲が少し違っても、入れ替えや切り分けの経験があれば、入社後に慣れられる場合があります。

社員か外部かの分け方

ネットワークの仕事には、期間のある仕事と、毎日続く仕事があります。拠点の開設や機器の一斉入れ替えは期間が決まっています。設定変更の受け付けや社内の問い合わせは毎日続きます。仕事の性質ごとに、人の確保の方法を選べます。

会議室の木目の机で外部の技術者が段ボール箱から黒いネットワーク機器を取り出し、社員が箱を押さえている

ネットワークの仕事ごとの人の確保の方法(本記事の整理)
方法 向いている仕事 気をつける点
社員を採用する(出社が中心) 本社の機器を日々見守り、社内の窓口を長く任せたいとき 詳しい人が1人だけにならないよう、手順と構成図を残す
リモートワークの社員を採用する 拠点が各地にあり、設定変更や監視を離れた場所からできるとき 機器の交換など現地の作業を誰が担うかを先に決める
業務委託の外部人材に頼む 拠点の開設、機器の一斉入れ替え、回線の切り替えなど期間のある仕事 作業の時間帯と、作業後に渡す構成図と設定の控えを先に決める

外部人材に頼むときは、次の点を契約の前に決めておきます。

  • 管理者の権限の渡し方と、作業が終わったときの返し方
  • 業務時間の外に切り替える場合の時間帯と、連絡の経路
  • 構成図・設定の控え・作業の記録を誰が持つか

判断の窓口は社内に残し、契約の細かい扱いは契約書と専門家に確かめてください。ネットワークの仕事を受託で進める方法はネットワークエンジニア不足を受託・委託で補完する進め方にあります。

まとめ:ネットワークエンジニア採用の確認点

ネットワークエンジニアの採用では、3つの点を確かめます。求人票に拠点・機器・回線の範囲と、構築と運用のどちらが主な仕事かを書くこと。資格は歓迎の要件に置き、担当した範囲と社外とのやりとりは面接で聞くこと。期間のある仕事は業務委託に、毎日続く運用と社内の窓口は社員に任せる、と分けて人を確保できることです。

LASSICに相談するメリット

拠点・機器・回線のうちどこまでを任せたいかが整理できたら、人の確保の方法を決める段階です。機器の入れ替えのような期間のある仕事は業務委託の専門人材と、日々の運用はリモートワークの社員の採用で、と分けてご相談いただけます。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

ネットワークエンジニアの採用で資格を必須にしてもよいですか

job tagでは、この職業に就くのに特に学歴や資格は必要とされないと説明しています。*1 必須にすると経験豊富でも資格を持たない人が応募しにくくなるため、歓迎の要件に置き、担当した範囲は面接で確かめる方法が使えます。

回線の工事は採用したネットワークエンジニアがするのですか

会社によって違います。回線に機器をつなぐ工事は工事担任者が行うか監督すると定められているため、通信事業者や工事業者が担うのか社内でするのかを決め、求人票と契約に書いておきます。

ネットワークとサーバーの両方を1人に任せられますか

job tagの説明では、ネットワークとサーバーを分担する場合も、一人で行う場合もあります。*1 両方を求めると候補が絞られるので、主に任せる仕事を決め、もう一方は歓迎の要件にすると選考の基準がぶれにくくなります。

ネットワークを担う人材を相談

任せたい拠点や機器の範囲、入れ替えの予定が分かっていれば、そのままご相談いただけます。社員で採るか、期間のある仕事だけ外部の人材に頼むかを迷っている段階でも構いません。

Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

無料相談はこちら

出典

  1. *1 参考:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「システムエンジニア(基盤システム)」(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/318)。出典:厚生労働省 職業情報提供サイト。「どんな仕事?」「タスク(職業に含まれるこまかな仕事)」の実施率(2023年度の委託調査)、「就業するには?」「関連資格」と、ハローワーク求人統計データの有効求人倍率(令和7年度・全国)を参照(確認日2026年10月17日)(2026年10月確認)
  2. *2 参考:IPA「ネットワークスペシャリスト試験」(https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/nw.html)。出典:独立行政法人情報処理推進機構。対象者像、業務と役割、期待する技術水準と、現行試験制度の終了と新試験制度への移行予定の案内を参照(確認日2026年10月17日)(2026年10月確認)
  3. *3 参考:e-Gov法令検索「電気通信事業法」第71条(https://laws.e-gov.go.jp/law/359AC0000000086)。出典:電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第71条第1項。端末設備又は自営電気通信設備を接続するときの工事担任者による工事の実施及び監督の定め(確認日2026年10月17日)(2026年10月確認)




View