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2026.10.16 採用支援コラム

インフラエンジニアの採用が難しい理由|夜間対応と要件の見直し方

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

サーバー室で扉を開けたラックの前に立ち、サーバーにLANケーブルを差し込むインフラエンジニアの後ろ姿

この記事の結論

  • インフラエンジニアに当たる職業の有効求人倍率は2倍を超え、事務の仕事より求人がはるかに多い状況です。
  • 構築と運用は働き方が違うため、夜間の関わり方を書き分け、1人に両方を求めない求人票にします。
  • 期間の決まった構築は業務委託に、毎日続く運用は社員にと、仕事ごとに人の確保の方法を選べます。

※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

サーバーやネットワーク、クラウドの面倒を見る人を募集しているのに、応募が来ない。来ても経験が合わない。インフラエンジニアの採用を任された情報システムの責任者や開発マネージャが、まずぶつかる壁です。インフラエンジニアとは、システムを動かす土台(サーバー・ネットワーク・クラウドなど)を作り、止まらないように見守る技術者のことです。

インフラエンジニアの採用が難しいときは、市場の数字を確かめたうえで、求人の中身を見直します。インフラの仕事は、作る仕事(構築)と見守る仕事(運用)で働き方が大きく違い、夜間の対応も絡みます。本記事では、公的な統計で採りにくさを確かめ、夜間対応とクラウド経験の要件の書き直し方と、構築と運用を分けた人の確保の方法を整理します。

インフラエンジニアの求人倍率を確かめる

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)は、職業ごとの仕事の中身と、ハローワークの求人統計を載せています。インフラエンジニアに当たる職業は「システムエンジニア(基盤システム)」で、job tagの説明にも「インフラエンジニアとも呼ばれる」とあります。*1 完成したシステムの稼働を見守る仕事は、「運用・管理(IT)」という別の職業として載っています。

有効求人倍率は、仕事を探す人1人あたりの求人の数です。2025年度(令和7年度)の全国の数字を、一般事務と並べると次のとおりです。

職業別の有効求人倍率を示す横棒グラフ(厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)のハローワーク求人統計、令和7年度・全国をもとに作成)。システムエンジニア(基盤システム)2.24倍、運用・管理(IT)2.2倍、一般事務0.29倍。1倍は求人と求職者が同数の目安。

基盤システムは2.24倍、運用・管理は2.2倍で、どちらも求職者1人に2件を超える求人があります。一般事務は0.29倍です。*1*2*3 インフラエンジニアの採用が難しいのは、まず人の数に対して求人が多いからです。経験者の取り合いの相手も、job tagの説明から分かります。*1

  • 勤務先:SIer(システムの構築を請け負う会社)、コンピューターメーカー、システム開発会社が中心で、職場は都市部に多い
  • 中途の採用:経験者が同業他社から移ってくることが多い
  • 雇用の形:守秘義務などの関係で、ほとんどが正社員

事業会社が経験者を募集すると、こうした会社と同じ候補者を取り合います。なお、統計は近い職業分類の数字で、ハローワークを通じた求人と求職だけを数えています。

構築と運用で働き方が違う

job tagは、インフラを作る「基盤システム」の仕事と、稼働を見守る「運用・管理」の仕事を、別の職業として説明しています。勤務の時間も、働く場所も違います。*1*2 求人票で両方を1人に求めていないか、まず確かめます。

サーバー室で紺の作業着の担当者が、新しいサーバー機を両手で持ちラックのレールへ差し込む後ろ姿と、床の段ボール箱

構築と運用の違い(job tagの職業情報をもとに作成)
項目 構築(基盤システム) 運用(運用・管理)
主な仕事 要望を聞き、サーバーやネットワーク、クラウドの構成を設計して組み上げる 稼働の監視、バックアップ、障害が起きたときの復旧作業
勤務の時間 一般的に日勤。納期の前やテストの工程では残業が増えやすい 人が24時間監視する職場は交代制
働く場所 大量のサーバーを置く仕事は顧客先に出向く。クラウドならリモートで作業する システムの置き場所で働くほか、自社からリモートで監視する場合もある
仕事の続き方 構築の期間に集中する 毎日続く

構築は期間が決まった仕事で、運用は毎日続く仕事です。両方を1人に求めると、設計の経験があり、夜間の勤務も受け入れられる人に候補が絞られます。

夜間対応の条件を書き分ける

job tagは、情報システムは24時間365日稼働しているとしたうえで、人が24時間監視する場合と、異常を検知できる仕組みを取り入れて無人で運転している場合があると説明しています。人が24時間監視する場合は、交代制の勤務になります。*2 夜間にどう関わるかは会社ごとに違うため、求人票に書かないと、応募する側は自分が当てはまるかを判断できません。

夜の監視席で担当者がモニターの一覧の赤い行を指さし、手元の紙の一覧を押さえている

夜間の関わり方は、次の4つに書き分けられます。オンコールとは、夜間や休日に連絡を受けたら対応する当番のことです。

  • 交代制で夜も監視する:シフトの組み方と、夜勤の回数の目安を書く
  • 夜は仕組みで見張り、異常のときだけ呼び出す(オンコール):当番の頻度、呼び出しの経路、何人で回すかを書く
  • 夜間は外部の監視の担い手が受ける:社員は翌営業日に引き継ぐと書く
  • 夜間の対応はない:そのとおり明記する

労働基準法は、午後10時から午前5時までの間に働かせた場合、2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払うよう定めています。*5 呼び出しを待つ時間や、自宅から対応した時間の扱いは、就業規則と専門家に確かめてから求人票に書きます。運用を社員で持つなら、交代できる人数を先に決めておきます。

クラウド経験の要件をどう緩めるか

総務省の通信利用動向調査によると、クラウドサービスを一部でも利用している企業(常用雇用者100人以上)の割合は、2025年に83.5%でした。2021年の70.4%から増えています。*4 利用する理由には、「資産、保守体制を社内に持つ必要がないから」が42.8%挙がっています。*4

job tagも、クラウドのサービスや機能は日々発展し、その変化を追い続けることが求められると説明しています。*1 「特定のクラウドで経験5年以上」のように年数で絞ると、変化の速い分野で候補が狭まります。要件は、次のように書き直せます。

インフラの求人の要件を書き直す例(本記事の例)
項目 書き直す前 書き直した後
必要な経験 クラウドの構築経験5年以上 必須はサーバーかネットワークの運用経験。クラウドは入社後に、構築を担う外部の専門人材と組んで覚える
夜間の対応 夜間の障害対応ができる方 夜間は月に何回の当番か、何人で交代するかを書く。当番の手当と扱いも明記する
担当の範囲 インフラ全般を1人で担当 担当は運用が中心。構築は案件ごとに業務委託で進める

job tagでは、基盤システムの仕事に就くのに学歴や資格は特に必要とされないと説明しています。*1 社内のヘルプデスクや運用の経験者を採り、クラウドは仕事をしながら覚えてもらう道も検討できます。

構築は委託・運用は社員で分ける

構築と運用で仕事の性質が違うので、人の確保も分けて考えられます。期間が決まった構築は外部の専門人材に、毎日続く運用は社員に任せる、という分け方です。

夕方の執務室の木目の机で、夜間当番用の業務用携帯電話を日勤の担当者が当番の担当者の手に渡す場面

インフラの仕事ごとの人の確保の方法(本記事の整理)
方法 向いている仕事 気をつける点
社員を採用する(出社が中心) 機器が社内にあり、毎日の運用と夜間の当番を長く任せたいとき 経験者は同業と取り合いになりやすい。交代できる人数を確保する
リモートワークの社員を全国から採用する クラウドが中心で、監視や設定の作業を離れた場所からできるとき 機器の交換など、現地に出向く作業を誰が担うかを先に決める
業務委託の外部人材に頼む クラウドへの移行や新しいサーバーの構築など、期間の決まった仕事 構築後の手順書と引き継ぎの中身を契約の前に決める。管理者の権限の渡し方と返し方も決める

外部人材に頼む場合も、運用の判断と窓口は社内に残します。契約の細かい扱いは、契約書と専門家に確かめてください。

近い問いの記事も参考にしてください。社内のIT全般を担う人の採用は社内SEの採用が難しい理由、職種ごとの採りにくさはエンジニア採用の採用要件の絞り方で扱っています。インフラの仕事を外注で補う進め方はインフラエンジニア不足を受託・委託で補う進め方、夜間の障害対応を外部に任せる進め方はインシデント対応・オンコール運用を外注する進め方にあります。

まとめ:インフラエンジニア採用の確認点

インフラエンジニアの採用が難しいときは、3つの点を確かめます。求人倍率は2倍を超え、経験者はSIerなどの同業と取り合いになること。構築と運用は働き方が違うため、夜間の関わり方を書き分け、1人に両方を求めないこと。期間の決まった構築は業務委託に、毎日続く運用は社員にと、仕事ごとに人の確保の方法を選べることです。

LASSICに相談するメリット

構築と運用のどちらを社内に残すかが決まっていれば、業務委託の専門人材とリモートワークの社員の両方から候補を探せます。夜間の当番を何人で回すかを整理する段階からの相談も可能です。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

インフラエンジニアの求人倍率はどのくらいですか

job tagに載っているハローワークの統計では、2025年度(令和7年度)の全国の有効求人倍率は、システムエンジニア(基盤システム)が2.24倍、運用・管理(IT)が2.2倍です。*1*2 近い職業分類の数字で、民間の紹介会社などの分は含まれません。

夜間対応のないインフラの求人にできますか

夜は異常を検知する仕組みで見張り、異常のときだけ呼び出す形や、夜間は外部の監視の担い手が受ける形にすれば、社員の夜勤を減らせます。どの形が合うかは、システムが止まったときに何時間まで待てるかで決まります。

クラウドの経験がない人を採っても大丈夫ですか

サーバーやネットワークの運用経験があれば、クラウドは仕事をしながら覚える道があります。最初の構築を業務委託の専門人材に任せ、社員が一緒に作業して手順を引き継ぐ形にすると、覚える機会を作りやすくなります。

インフラの構築と運用を担う人材を相談

任せたい仕事が構築か運用か、必要な期間はどのくらいかが決まっていれば、そのままご相談いただけます。社員で探すか外部の人材に頼むか迷っている段階でも構いません。

Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

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出典

  1. *1 参考:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「システムエンジニア(基盤システム)」(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/318)。出典:厚生労働省 職業情報提供サイト。「どんな仕事?」「就業するには?」「労働条件の特徴」と、ハローワーク求人統計データの有効求人倍率(令和7年度・全国)を参照。統計は厚生労働省編職業分類の「ITシステム設計技術者」等に対応(確認日2026年10月16日)(2026年10月確認)
  2. *2 参考:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「運用・管理(IT)」(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/319)。出典:厚生労働省 職業情報提供サイト。「どんな仕事?」「労働条件の特徴」と、ハローワーク求人統計データの有効求人倍率(令和7年度・全国)を参照。統計は厚生労働省編職業分類の「ITシステム運用管理者」等に対応(確認日2026年10月16日)(2026年10月確認)
  3. *3 参考:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「一般事務」(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/428)。出典:厚生労働省 職業情報提供サイト。ハローワーク求人統計データの有効求人倍率(令和7年度・全国)を参照(確認日2026年10月16日)(2026年10月確認)
  4. *4 参考:総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」(PDF)(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/260529_1.pdf)。出典:総務省 情報流通行政局。企業調査(常用雇用者規模100人以上、令和7年8月末時点)の「クラウドサービスの利用状況(企業)」と「クラウドサービスを利用する理由」を参照(確認日2026年10月16日)(2026年10月確認)
  5. *5 参考:e-Gov法令検索「労働基準法」第37条(https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049)。出典:労働基準法(昭和22年法律第49号)第37条第4項。午後10時から午前5時までの労働に対する2割5分以上の割増賃金の定め(確認日2026年10月16日)(2026年10月確認)




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